備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

ça va? MontBlanc

2015-03-25 19:20:38 | 料理・食材


何故か、普段サバを食材として使う機会が少ない。店頭で見ても概ねスルー。
どうしてだろうか? 当たる、生き腐され、アニサキス……ネガティブな印象が多いからか? しかし鯖寿司は大好物。我ながらなかなか身勝手な。

そこで、自ら律するべく!(否! 本日の特売で)鯖を購入する。もちろん尾頭付きである。余禄も期待して。真子が出るか、白子がでるか、アニサキスも出るか。

まずは、3枚に卸して……さて、どうしよう? ひとまず塩をあてておく。
う~~~~~ん。と考えて、バッテラ! いや、味噌煮。いや、塩焼き。なんだか使い道は多いな。しかし、決定打なし。
こういう場合はイメージやらネーミングからメニューを考えよう。出来るだけ鯖から離れた連想が楽しいだろう。

『サバのモンブラン』は?

よく判らないが語感が良いか? だって「“ça va?”MontBlanc」 =「ごきげんよう? モンブラン」って事? (フランス語知らないのでテキトー。そもそも、サバは、ça va ではない)
しかし、決定~~~。もちろんスイーツではありません。


切り身に片栗粉を塗して、オイル半身浴でゆっくりと揚げ焼きにする。


皿にタマネギ、ニンジンのスライスを敷いてサバを載せる。その上にダイコンの超微塵切り(大根卸しではなく)に唐辛子を少々混入させてガッツリ山盛りにする。
頂く直前にショウガ入りの二杯酢をかけ回す。
有体に言えば『サバの南蛮漬け・大根卸し添え』である。決して『モンブランへのご機嫌伺い』ではない。


白い山。
「まさにモンブランや~~」と独り言つ。ダイコンを崩しながら頂く。旨し。
「そういえばフランス人が日本人に対して『大根野郎(大根食う人)』って言ってたのって何だったっけ?」と思いつつ。

余禄も登場。

結果は白子でした。


昆布出汁でボイルして、ネギと七味唐辛子を振って二杯酢で頂く。シンプル。
完全にアテですな。


『サバ・モンブラン』は、青魚の強さに対してダイコン、ショウガ、二杯酢の刺激がGJ。
白子は、まぁ、可もなく不可もなくであるが、尿酸値を気にするお年頃なので一口だけ。


サバはコスパも良く、味付けが上手くいけば使い勝手は良いんだねぇ。メニューも思いつくだけでも結構多いし。
苦手意識を取り除く為に集中的に使うかなぁ……。
それにしても一般的なレシピから入らずに、いきなりオリジナルレシピからの挑戦は如何なものか?
まぁ、美味しければ良いや。

あぁ、日本酒が進みますなぁ。困ったもんです。
ご満悦にて。

ça va?   (鯖?)
oui, ça va. (うぃ~~、とご機嫌さ) (*^o^*)/□




シデコブシ

2015-03-23 14:57:32 | Weblog


ちょうど一年前に個展会場に遠路はるばる来ていた母が、会場で興味を示していた花。
「蕾が一番キレイなんだけど」と話したけれど、結局咲いたところは見たんだったっけ? よく覚えていないなぁ。
シデは、紙垂(しで)の事。注連縄、玉串、祓串、御幣、横綱の綱などに垂らしている稲妻形の紙。それと知ると有り難みが増すけれど、やっぱり蕾が綺麗だと思う。
今週の暖かさと日差しで満開になるだろう。


暖かくなったので、アレコレ溜まった事も外仕事もこなさねば。気忙しいなぁ。
箱書きも少々あるし。


さて、本日のおやつはメロンパン。
「頭脳労働(箱書き)には糖分が必要」という言い訳で……、う~~ん、デブまっしぐら。


さて、これを頂いたら書こう。
墨を摺りつつ気持ちを箱書きへシフトさせる。と同時に由無し事を思うなぁ。

「メロンパンは潮風を感じながら食べるのが一番美味い」
これは多分、ノスタルジアだろう。しかし今日は山の中。番犬福助くんとふたり流れる雲の下で頂く。








ふるさとあっ晴れ認定委員

2015-03-20 14:29:20 | Weblog

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陶心会展開催中ではありますが、別件でのご報告です。JR西日本さんと岡山県のプロジェクトに関わる事になりました。
昨日はホテルグランヴィア岡山にてその記者会見でした。

『吉備之国 くまなく旅し隊 ふるさとおこし』の発表。

プロジェクトは、岡山の観光コンテンツの掘り起こしと全国への発信です。
景色などの「えぇとこ」、工芸品や特産品の「えぇもん」、ご当地料理や食材の「うめぇもん」の3ジャンルが対象。
『いいもの探し隊』が各地から探し出し、『ふるさとあっ晴れ認定委員』で評価・認定、岡山主要駅で試行販売・広報して、好評なら本格展開・定番化するという流れです。
結果として地域活性へつなげるという仕組み。


その認定委員を拝命致しました。
備前に来て以来、人生の半分ちょっとを岡山暮らし。このタイミングでの『ふるさとあっ晴れ認定委員』のオファーも何かの縁でしょう。実際、我が子のふるさとでもありますし。
以前、某県会議員さんから「岡山県人は出身県を隠す」という話をお聞きしました。次世代の人が胸を張って故郷を語れるようにするのが、先の世代の役目でもあるでしょう。
引き受けた以上はしっかりと役目を果たしたいと思います。

ご一緒するメンバーは各業界の次代をしっかり担われている方々。そこに名前を連ねるのは引きこもり陶芸家としては大変面映い場面ですが、中学の恩師からの「男に照れは必要ねぇ」の言葉を胸に、いつも通り『わかもの、よそもの、ばかもの』視点から発言したいと思います。
まぁ、芸術家(!!)枠の有識者(!?)というセレクションなので、それが相応しいかと。

普段は単一アイテム(備前焼)のブランディングですが、今回は幅広くアイテム化する思考。自分の中で相乗効果が出てくるかも知れません。
(個人的には異業種交流的な楽しみもあり)


『くまなく旅し隊』リーダーの『くまなく』と『たびにゃん』に加え、ももっち、うらっち、でんちゅうくんなどのご当地キャラも応援に駆けつけていました。


おかやまのゆるキャラたち。


最後に、フォトセッションも。


ひとまずの目標を来年春の『デスティネーションキャンペーン』としていますが、社長曰く「一過性に終わらないで継続的にやっていきたい」との事でした。



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◆お知らせ◆



■「くまなく旅し隊」スタッフ募集

JR西日本岡山支社では「くまなく旅し隊」のスタッフ4名を募集。岡山、備後エリアに在住、通勤・通学している人で5月~来年3月末まで月3、4回活動できることが条件。
高校生以下は不可。
希望者は履歴書と全身写真を同封し、事務局(〒700—0023 岡山市北区駅前町2-5-24)に郵送。4/13必着。

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(会見場では「コレカラ、オリコウサンニ シヨウ」と思いましたが、すぐに鍍金が剥げて地金が出るはずなので、今後も今まで通りのキャラクターで通しますわよん)










第46回 備前陶心会展

2015-03-18 11:57:59 | 展覧会・ご案内
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既に会期始まっておりますが……。

所属しております備前陶心会の恒例グループ展ご案内です。

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◆◇◆ 第46回 備前陶心会展 ◆◇◆

タイトル : 流
期間 : 2015年3月17日(火)~22日(日) 9:00~17:00 (最終日15:00迄)
会場 : 天神山文化プラザ  〒700-0814 岡山市北区天神町8-54  TEL 086-226-5005
入場無料



◆ 同時開催 ◆
明日香画廊  3/17~22 
高島屋岡山店美術画廊    3/18~24
岡山天満屋アートスペース  3/18~24

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今回のテーマは『流』。会員42人の42作品が並んでいます。
自然釉の流れ、水の流れ、時の流れなど色々な切り口で表現しています。

小生は、今年は駄洒落ではなくてゴリゴリと文章で強引に……。いつもの事かも。
『ミームの器』というタイトルですが、モノとしては『パズル模様の象嵌花器』です。
取材して頂いた画像やら映像にチラチラと見えています。あっ、備前市長賞を頂きました。有難う御座いました。


詳細は掲載各誌の方をご覧下さい。

動画 山陽新聞社

記事:読売新聞山陽新聞




画像:山陽新聞


与太郎気質

2015-03-13 19:21:43 | Weblog


ここ数日、連日の朝帰り。そして昼間は寝ていた。誰が来ても出ないし、電話は鳴っていても知らない。隣人からは「何をする人ぞ?」と思われていたに違いない。

それでも季節柄、アレをせねばならない。確定申告。知らない振りをしていましたが、さすがにやらねば……。
経理ソフトを信頼して、ひたすら数字を打ち込む。考えたところで経理が判っていないので「ワタシハ、ナニヲ、シテイルノデショウカ?」という状態。
税理士さんのお問い合わせにも……ニコニコ顔で「はて?」 
落語なら与太郎の受け答えである。

そして、なんとか目処がついた~~!(と思いたい)

まぁ、色々な意味で、おめでたいねぇ。


紅白の椿が綺麗だったので、手折って玄関の石臼へ活ける。お雛様のよう。良いねぇ。


そう言えば『お内裏様』と『おひな様』は男雛と女雛の別ではなくて、両方の言葉ともにお二人を指すとか。知りませんでした。
お金の数字を追いかけるよりも、花鳥風月を愉しみたいものです。 (← 現実逃避)
普段から与太郎か。

う~~ん、色々な意味で、おめでたいねぇ。


窯焚き、確定申告終了しましたが、延び延びにしていたアレコレを超特急でこなさねばなりません。
といいつつ、配達、集会、グループ展などの出掛ける案件も累積。本当は引きこもって磨き、水洗い等々の仕事をせねばならないのですが。


まぁ、今日はひとまず良しとしよう。色々とゴメンナサイ。
さぁ、酒器の勉強を始めようか。あぁ、ツライ……。 (← 与太郎な習慣)


「なんでもない日おめでとう」









今日という日

2015-03-11 19:33:03 | Weblog


今日という日付は、多くの人にとって人生の分水嶺になった日であると思う。

……この書き出しでブログを書いていたが消去した。
まだ、社会を総括的にも個人的なまとめも書けないので。


写真は、一番静かに震災のリアリティーを感じた光景。その年の12月。本格的な冬の到来を前にした気仙沼のとある海岸に立った。表札のある門柱だけがこちらを向いている。ということは……。
思うことも多かった、岡山に戻ってから想いを纏めきれないままアチコチで伝えた。言葉より感情が先立つこともあったか。


今は時間の経過と共に感情の鈍化が始まっている。言い換えるとそれは復興を信じていると言えるのかも知れない。

被災など大きなショックに対して、人は年を経るごとに「忘れないで」と「忘れたい」のアンビバレンスな感覚を持つという。
「人は忘れる事で未来を生きられる」のは事実。「しかし…」という想いも同時にあるという事でしょう。


今日は、これ以上語るまい。そして、今日在ることに感謝します。



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神戸の事について

今日の『あの日』 2014年

『あの日』 2012年



窯焚きのお供

2015-03-09 12:21:52 | 陶芸


他所の窯焚き手伝い中。久しぶりの還元焼成である。

一般的に登窯の還元焼成の場合、15分~20分間隔で上焚口から薪を投入する。
投入する事で温度を上がり下がりさせながら、徐々に最低温度を底上げしていくという方法である。
焚口から放り込んだ後、暫くはする事がなくなる。そこで、窯を焚きつつも本などが読めてしまう時間が出来る。
しかし、数分後にはまたアクションが必要なので、本に没頭してはいけない。タイマーをセットするのも一手ではある。
もっとも窯焚き中の読書禁止という先生もいらっしゃるらしいけれど。

窯を焚きながら切れ切れに読むので、本の内容としては没頭しすぎず途中で切り上げられるものが望ましい。
または、内容は判っていて読み返すものとかも良いかな。


今回は八木一夫先生の随筆短編集がお供。著書『懐中の風景』『刻々の炎』の2冊から抜粋して組み直したもの。
もう読むのは何回目だろうか。独特な視点から陶芸のみならず様々な事に縦横無尽に筆を走らせている。

読み返しの短編……とはいえ、程よく忘れているので実に新鮮。
こういう『内容を忘れて読み返すのは新しく読むのと同じ』という事態は、「読書一回あたりの単価が下がってお得!」という考え方もありなのかな?
逆に、二度手間なので非効率ととるべきなのかも?

まぁ、メインは窯焚きであるのでその辺はスルーしておきますか。
窯はもう直ぐ1000℃を迎える。これから更に温度を上げていく攻め焚きとなる。


イケイケの『いつも離陸の角度で』窯を焚きましょう。