備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

植木 ≠ 植えっぱなし木

2014-06-23 11:16:46 | Weblog


放置していたアレコレが色々と不具合になってきて、この際、更新せねばならないな……と。
植木というか『植えっぱなし木』のアレコレ。


まずはその代表であるところのアジサイ。
「花の後に花を落とす」事は知っていてやっていたけれど、花着きが良くない。
加えて下の枝が枯れてしまって樹形の悪いものも。

グーグル先生にお伺いすると、切る位置を間違っていたことが判明。
もう一節下やったんか……。

今更切り詰めて再生するのは至難の株に関しては、挿し木で更新する事にしました。
枝を切って備前の花入に。備前の花入は、水が腐りにくく中が暗いので根が出やすい特性あり。(←PRタイム)
しばし放置すること2週間程。根が出たところで先日の拙宅『園芸部』の部活動の時に土におろしました。



梅雨の時期が効してか無事に根付いたらしい。ひとまずクリア。
(本当は、これだけでは上手く行かないので、後でひと手間加えます)


そして、次の問題児。 (否、問題はむしろ小生にあるけれど)


コムラサキシキブ。冬の強剪定が度を過ぎたらしい。
「芽吹かないぞ~~」と思っていたら、ようやく動きが出てきました。ホッとしました。
多分、これで大丈夫だろう。(……ということで放置)

敷地の草刈をしていると、アチコチに実が落ちたのか小さな株が出来ている。刈らずに置いておく。


元株が駄目になった場合のバックアップです。(……ということで放置)

やっぱり、基本、放置しかしてないな。


そろそろ、植栽全体の見直しをする時期なのかも。

いっそのこと敷地のど真ん中に林でも作ろうかなぁ。仕事場から小径を抜けて窯場に行くという美しい光景。エエやん~~。


木漏れ日の中、百合が楚々と風に揺れ、遅れて笹の葉摺れの音がする。
木立を行きかう小鳥の囀り、仕事場は静かに流れる無伴奏チェロソナタ。
小さな視線を感じて、ふと窓の外を見やると、野うさぎと目が合う。
暫し見つめあう。
はぐれ雲が陽光を瞬きするように遮った刹那、お互い我に帰る。
野うさぎは林の中に消え去り、手元のロクロはその回転を静かに止めようとしていた……。
手付かずの土だけが語ることなくその無常を際立たせている。


エエやん~~。(2度目)


……というのには、現状は程遠い。


まずはアジサイの仕立て直し。
小さなことからコツコツと。

ストップ、放置プレイ。







眼福の週末

2014-06-15 21:16:32 | Weblog


さてさて、この週末はご縁を頂きましてお茶会『あやめ会』のお手伝いに行って参りました。
場所は、国指定重要文化財『永富家住宅』です。
そして、お茶会の名前のとおり、毎年あやめの咲く時期に開催されています。

噂に高い会で、美術館クラスの名品がしっかりと使われます。かつ、毎年代わられる席主の趣向が大いに反映される会で、全国からお客様がお越しになられます。
ひと月ほど前にお話を頂いて、即決で参加表明していました。
「今年は日本を代表する華道家ですよ」とお伺いしていたので、本当にワクワク。『ふたつ返事のなべちゃん』久しぶりのGJです。


で、真面目にお仕事。

そして、本日は最後の席に通して頂き、その名品を堪能致しました。


お昼は時間を見計らって、お客さんと同じくアヤメを愛でつつ点心も頂きました。


素麺はお土地柄。松花堂は、鱸の昆布締め、鯛味噌漬け、焚き合わせ(穴子、海老、根菜、粟麩)、うすい飯(豆ご飯)。
椀物は鱧。梅雨ですなぁ。
どれも美味しく頂きましたが、粟麩が印象的でした。(これお酒があったら最高です。小さい一合瓶が付かないかしら……)


そして、本命の濃茶席。噂に違わぬ鼻血モノのオンパレード。
「時代の変わり目を意識」したというチョイスで、激動期(室町~江戸)のお道具があり、茶碗の刷毛目もスピード感がありました。

掛け花入が『馬』繋がりで面白い趣向でした。
太閤秀吉・細川合作の竹花入『ハヤウマ』(『有馬』から早馬で竹を送った謂れに因む)に活けられた『ウマノスズクサ』。……と、三つ馬が掛かっています。
これに茶碗が『対馬』でトドメ。
床の間の軸は狩野派の花鳥図しばり。


今回の趣向で特筆するなら、建物の中に花席が設けてあった事です。
ここでは古式な活け方もさりながら、使われている道具が日本は天平、大陸は元代のものから各時代をずらりと並べてあります。
首の飛んだ猿投、古銅の花入、時代ものの竹籠……。
夕方の人が少ないタイミングでしたので、ほぼ独占状態で堪能しました。
逆光の釣り舟の松葉が印象的。「花は人の手が入ることで『花』として再び生きる」と。……ふむ。

薄茶席に近い場所が担当でしたから、お茶碗の紹介がチラホラと聞こえてきます。
川喜田半泥子、北大路魯山人、荒川豊蔵、楽、青磁、古瀬戸、古染付、絵唐津……。
河井寛次郎が気になったなぁ……、小生は田村耕一作で一服。のんこうもあったなぁ……。


朝の開始前に、活けるのにくっついてお手伝い(掃除と片付け)したのも、かなりのご褒美でした。



さて、溜め息の出る空間を出て長屋門の外に「これは何ぞ?」というオブジェ発見。


雑草を戴いた猫足の筒。う~~ん。
以前からあるらしいけれど、塀の角にあるって事は、『いけず石』の代わりなのかなぁ……。
趣向の散りばめられた空間に身を晒すと、ついつい見るもの全てに意味を考えてしまうなぁ。
謎は謎にしておくのが良いかも、と思いつつ帰路につきました。


しかし、今日は寝れるかしら……。名品のパワーがまだ脳裏に残っています。


あぁ!
そういえば、明日の夕方まで窯焚きお手伝いに行くから、どのみち寝れないんだったわ。





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このブログのポリシーとして、ご存命中の方々の御芳名は出さない事にしております。
私ごときの考えが及ばないところで差し障りがあるといけないからです。
ですので、今回も本当に多く方々にお世話になりましたが、上記の理由で伏せております。
関係者の方々には厚く御礼申し上げます。有難う御座居ました。 m(_ _)m









マジョリカ盃のデヴュー

2014-06-03 08:34:11 | 料理・食材


さて、本日は我が家に来たマジョリカの湯呑……改め、酒盃のデヴュー日です。

ご一緒する肴は昨夜より仕込んでいます。
魚は、ネコマタギ界におけるファッションリーダー、ドット柄が小粋な光モノ『コノシロ』です。
シンコ、コハダ、ツナシ、コノシロ。
出世するに従って市場価値が下がるという残念な……いや、価値が下がれば出世と言わない。「昔の名前で出ていろよ!」ってなもんです。

4尾で150円。@37.5円。安っ。いや、コノシロにしては高いぞ。
内訳は、お姐さん3、オヤジ1でした。(この書き方は可愛げが無いなぁ)
真子と白子は軽く煮て酒肴にします。


さて、3枚に卸して塩を当てて……しばし後に、お酢へダイブ!


酢は一年ほど前に、弟弟子くんの窯焚き手伝いに浜松へ行った折に途中のSAで買ったもの。
三ケ日みかんの酢だけれど、料理に使うと甘すぎて使えない程。ドリンク用かな?
そこで、冷蔵庫に放置。(べっ、別に忘れてた訳じゃないんだからね!)
突出した甘さが若干マイルドになったか。甘いのは間違いないけど他の酢でブレンドすれば、味のバランスは取れるだろう。


20時間後、サルベージ。
すっかり小骨も柔らか。酸っぱくない。ちょっと塩っ気が足りなかったか……。チビッコ向きかもなぁ。
まぁ、良し。


さて、今日は押し寿司ではなく、ふんわりと盛りたいっ!(お子様味だからねぇ)

が、生憎、セルクルがいらっしゃらない。否、もともとご不在だ。キッチンの片隅にしかるべき型を見つけた。
その中へ切り身を並べ、錦糸卵を載せ、白胡麻、三つ葉を混ぜ込んだ酢飯を入れて……押えない。

それを引っくり返す。オリャ!


……と、ホラ、キューブなお寿司になりました。




豆腐のパッケージも使えるね。 


う~~~ん。┐(-。ー;)┌




真子と白子は、ほとんど子供達に巻き上げられました。


そっと隠しておいた余りのコノシロの酢〆をアテに、マジョリカの風を感じております。(ホントか?)

(価値が下がらないように精進せねばな。うん)





イタリアンな日

2014-06-02 20:07:28 | Weblog


天気が良いのも今日まで。明日から雨模様の予報です。
午前中に外仕事をせっせとやって、昼からはお出かけ。本日は倉敷へGO。

初めてお伺いするギャラリーでしたが、もともとは呉服屋さんだったらしい。
倉敷を代表する旧家らしく、飾ってある写真や絵は「おぉ!」というものも。
蔵を改造したギャラリーは、板倉作りの重厚な一室。一枚板の分厚さは、なかなか豪勢なもの。

そこで、イタリア在住の日本人陶芸家によるマジョリカ焼を拝見。作家さんの在廊日に合わせて訪問しました。
曰く、「土見せがあるのは、かの国好みではない」とか、「釉薬が流れ出す高めの温度も、かの国好みではない」とか。
「マジョリカ焼」らしからぬ事をされているとかで、「備前焼に見えない」が褒め言葉に感じる小生には非常に好印象。
というか、マジョリカ焼を詳しく存じ上げないので、初見での好みでしかありませんが。否、2回目でしたね。
つらつらと拝見して、1回目で気になっていたものを頂きました。湯呑とありましたが酒呑にします。
イタリア陶芸事情もお伺いして楽しく歓談。



その後、隣接の別室ギャラリーで噂の陶芸家さんと遂に邂逅。
「身の回り100m以内の材料で作る」と言われる方。知り合いの先生筋に当たりお噂はかねがね……。
土、釉薬、燃料、窯、道具のほぼ全てが自作。「ほとんど何も買いません」と言われ脱帽。もう裸足で逃げ帰ろうかと。
優しい語り口に意思が通っていて、知識と経験で目前の問題に対処するという姿勢は、まさに『プロ』でした。
窖窯で釉薬を勧められました。プライベートでやってみようかしら……。


片や国際性、片や地域性。
2人のタイプの異なる陶芸家に奇しくも接して、なかなか考えさせられました。
素晴らしいなぁ、どっちも。

……と、それぞれの語られた言葉を反芻しつつの帰り道。

若干ハラヘリ……イタリアに触発されたし……。

元来の性分。『花より団子!』『団子より酒!』が頭をもたげる。


で、イタリア人のパン屋さんへ寄り道。


『花よりパン』です。
チーズ、サラミ、ハムなどのトッピングものがオーラを放っていて、片っ端から頂きました。チーズのパンも種類は色々。
クロワッサン・フリークとしては見逃せず、クロワッサンも確保。大きめなのは「サンドしてね」という事か? 
厨房のお兄さんとアイコンタクト。何故かよく判らないけどお互いに……(*^ー')b

(ん~~、イタリア人が日本で作るカレーパンという興味惹く一品もありましたが、これは次回のお楽しみに)


さて、パンを買ってしまった手前、本日は日本酒とはいかないので『酒呑』デヴューは明日へ持ち越しです。
しかし、明日に備えて仕込みはしておく。魚屋さんにも寄ったからね。


魚は、寿司ネタで一番好きなもの。この時期のものが最高~~~~!! ……の大出世した……ネコマタギですが。

冷蔵庫にて、「おいしくなぁ~~れ」中。


本日は、サラダとパスタなんぞ作りますか。




















最近の路上観察@岡山市内 その4

2014-06-01 17:15:57 | 路上観察


プライバシーの保護が行き過ぎているのでは……いや、消防法としては……。

法的な挑戦を感じる物件。
ビル名、表札、看板の類は見当たらなかった。
付近の様子からして非合法組織の存在は感じなかったが真偽不明。

しかし、モノトーンなガルバリウム合金の使用と雨仕舞いの工夫から、お洒落と耐久性の両立を図っていると思われる。
となると、デザイナーズ・マンション的な物件か。
近隣はタワーマンションの再開発が著しいエリアでもあるし、リノベーション物件かも知れない。
これまた真偽不明。


しかし、胡散臭さは変わらない。


┐('~`;)┌