備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

休日のコロッケ

2011-11-26 23:15:47 | 陶芸


なんだか、時々「無性に食べたくなるもの」ってあります。スイッチが入っちゃうという状態。

ここ暫くは、それがコロッケだったわけで……。
それもお惣菜で売ってる小判型の薄いのではなくて、俵型のどっしりとしたヤツ。こうなると作って食べないと治まらない。


今日の夕方、時間が出来たので家族全員で事にあたる。
全ては、お父さん(小生)の「食べたい」という一存だけで召集される子供達である。しかも自分が子供の頃に手伝わされて嫌だった『粉付け・卵付け』作業は全て下請け(子供達)で。
親の権限というか、小さな暴君ぶりの発揮である。

お父さんが形を作って、子供二人が粉付け、お母さんが揚げる。という美しい流れ作業。
途中で子供達から『チーズ入り』のリクエストがあったり……で、山盛りに出来た。

あとは、ソース、ケチャップ、カラシを適当かつ絶妙な自己満足ブレンドの特製ソースを豆皿に作りつつ頂く。合間には焼酎も。
「食べたい~~!」という期間が長かった所為か、殊更な満足感と酔っ払い感である。

『休日のコロッケ』には、こういう作業を含めての楽しさが大事だと思うなぁ。当の子供達の印象は知らないけど。


特定のシチュエーションでの食べ物には、特別な思い出が伴う。
夏休みのソーメン。週末の鉄板焼。家族皆で作った餃子。お客さんがあった日の出前の握り寿司。飯盒炊爨の甘いカレー。突然に父親が作る謎のメニュー。祖父母と出かけた時の外食。子供だけの駄菓子屋。初めてのお高いフレンチ。演奏会打ち上げのビール。女子手作りのお弁当。一人暮らしの風邪引きでのお粥。
それぞれに特別な想いがシンクロする。辟易、ウキウキ、ワクワク、ヘラヘラ、ムムム、エヘヘ、ドキドキ、ソワソワ、ヘロヘロ、ウレシハズカシ、アキラメ、切なさ。

食べ物の思い出は、味そのものだけでなく感情もスパイス。


ウチの子供達にも、やがて『感情の中の味』の思い出が出来るのだろうな。きっと親の知らないところでも。

今日は些か食べ過ぎた感。いや、呑み過ぎかも。




秋から冬へ

2011-11-22 09:47:35 | Weblog


朝、窓の外を見やると白い刈田が広がっていた。雲ひとつ無い澄んだ空。
一歩外に出ると身がキュンと引き締まる凜とした冷気。

走っていくランドセルの我が子の後ろ姿と一緒に、白い呼気が短く断続的に見える。


行きつ戻りつしていた季節の境目が、とうとう冬へと振り切れたのでしょうか。
朝日が差したら、たちまちに消えてしまう程の薄っすらとした霜の美しくも儚い光景でした。

高い梢の先にモズ。もうじきジョウビタキも帰って来る頃だ。


秋から冬へ。

ヤキモノ屋もボチボチ窯を焚きだすか……。


小生は、まだまだ。(焦るっ!)

怒涛の一週間

2011-11-21 12:16:04 | Weblog


自分がマックス5人必要という過密スケジュールを潜り抜けました。というか諦めて、色々な方に代役なり欠席なりで御容赦願いました。すびばせん。m(_ _)m
言い訳がましく一週間の振り返り。ハイ、言い訳っすよ。

一週間前が遠い過去のような気がするのは、「未知の経験に関する情報処理の過程で、認知の圧縮度が相対的時間としての……(ry


そうか、一週間前は神戸から始まったんだっけ。
グループ展『けらもす2.0@神戸』の搬入があって、南京町近くにいながら伊部の如く風流な店で『けらもす会議』。クジラのカツなど。


そのまま神戸に居続けて、初日を迎えて……会場当番。帰りにまた呑んだな。
数ヵ月後のプロジェクトの展望みたいな事とか。『渡邊家名物の器用貧乏』発揮で個人的利益供与は得られませんが。



電車での帰路、姫路駅ホームで『えきそば』。かなり久しぶり。普段電車って乗らないからねぇ。


岡山に帰ってからは『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』の仕事、御協力依頼、別件の搬入依頼、別件の納品、打ち合わせ……。もう他の人に頼みまくりな日々。
そして、シンポジウムの準備して週末に本番でした。人生初経験のパネラーなるものを。


会場のお客様を巻き込んでの意見交換などもあり、「手仕事の品を通して、心の支援をする」という趣旨を共有できたかと。全体の雰囲気が「12月に頑張ろう!」という温かな感じになりました。約2時間半に渡るシンポジウムが終了。


翌日には、チャリティー展の会場当番。といっても既に最終日なので搬出も兼ねて。


後楽園近くの出石町にあるお洒落なギャラリーで。岡山芸術回廊のプログラム『岡山出石廻り』のひとつに入っています。(一部延長ありです)



終日、観光地に身を置いていると普段の生活の何倍も話しました。
メディアやシンポジウムの影響もあり多くの御協力を得ました。有難う御座居ました。



中には、本当に「美しいなぁ~」と思うものもあり……。なかなかに刺激的。



同時開催の別会場では渋いマスターの居る空間で、なかなかオトナな雰囲気でした。
コーヒーが美味しかったです。

で、搬出してひとまず区切りがつきました。

としたいところですが、まだ納品と搬出引取りが残ってるなぁ。今日も出かけなきゃ。
……という事は怒涛の日々はまだ続くんだな。週末はまた色々あるし……。考えないでおこう。


展覧会・イベント×4。 会場当番×2。 納品×2。 打ち合わせ×3。 シンポジウム×1。


粘土触りてぇ~~~。


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※『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』では、ボランティアを募っています。

皆様の御協力を切に希望~~~。梱包作業手伝って下さい。m(_ _)m  マジで。
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明日、シンポジウム開催 (@岡山後楽園)

2011-11-18 12:29:19 | 展覧会・ご案内



神戸から帰って来て、こっちの段取りしてます。

各メディアに沢山取り上げていただいていますが、明日、後楽園でシンポジウムをします。
リアルな場では初めてのオフィシャルな発表です。「この活動の事を知っていただける機会になれば良いなぁ」と思っています。

合わせて、会場近くでも実行委員による活動資金調達の為の『チャリティー展』もしております。

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◆◇◆ 東日本大震災復興支援『手から手へ』シンポジウム ◆◇◆ 

日時 : 11/19(土) 13:30~ (13:00開場)
場所 : 岡山県立博物館 (後楽園前)

【入場無料】
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【シンポジウム内容】

●講演  『手仕事を届ける』 白石齊

●活動報告 (第一回活動 9月・気仙沼)

●パネルディスカッション
 ・岡本常秀 (ガラス作家)
 ・十河隆史 (陶芸作家)
 ・山本和史 (岡山大学准教授・復興支援とんかちプロジェクト代表)
 ・山本美文 (岡山から被災地へ手仕事を届ける会実行委員長・木工作家)
 ・山田浩之 (一汁一菜の器プロジェクト・陶芸作家)
 ・渡邊琢磨 (備前焼作家)


※ 提供頂いた作品(95名分)を会場にて展覧致します。

このシンポジウムは、『岡山芸術回廊』の正式プログラムになっています。




チャリティー展は、
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◆◇◆ 『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』展 ◆◇◆

日時 : 11/15(火)~20(日)
会場 : ギャラリーグロス&コーヒー (富田町)
      はらぺこうつわ 遊工房 (出石町)
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これまで会の活動は賛助協力金で賄ってきましたが、更により多くの方々への周知と御協力をお願い致したく、この度チャリティー展を開催する運びとなりました。

お買い上げ頂いた全額を運営費に充てさせていただきます。
御購入頂いた事が、そのまま支援活動へと繋がります。

●ギャラリーグロス&コーヒー
 岡山市富田町2-10-18 (中国銀行富田町支店裏)
 086-225-5825

●はらぺこうつわ 遊工房  (お買い得市もあります)
 岡山市北区出石町1-6-5 
 086-234-2640


【出品作家】

内山直人 (アクセサリー)
岡本常秀 (ガラス)
白神典大 (ガラス)
千田稚子 (陶)
十河隆史 (陶)
山本美文 (木工)
渡邊琢磨 (陶)

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ぼちぼち、東北も寒くなってきています。
早く、皆さんからお預かりした作品を届けたいなぁ~~と切に思っています。

『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』








グループ展 @神戸・@岡山

2011-11-14 00:15:00 | 展覧会・ご案内



火曜日から始まるグループ展です。備前焼作家集団『けらもす』の7人。
前日搬入して初日在廊予定です。あと時々。
多分メンバーがアッチコッチのWEB上でアクションしてるはずです。

県庁の西なので、ちょいっと昼に元町に出てみるのも良いでしょうな。
あっ、夜も良いですけど。

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タイトル: けらもす2.0

日時:11/15(火)~29(火)
    11:00~19:00(最終日17:00迄) 会期中無休

会場:ギャラリー サーカス・サーカス
    〒650-0013 神戸市中央区花隈町9-13ヒースコート山手2F
    TEL:078-382-0689 FAX:078-382-0710

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さて、もう一件は岡山にて。

現在活動中の『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』の展覧会の御案内です。



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タイトル : 『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』展 

日時 : 11/15(火)~20(日)

会場 : ギャラリーグロス&コーヒー (富田町)
      はらぺこうつわ 遊工房 (出石町)

(2会場同時開催)


参加作家 
内山直人(金属) 岡本秀常(ガラス) 白神典大(ガラス)
千田稚子(陶芸) 十河隆史(陶芸) 山本美文(木工)
渡辺琢磨(陶芸)

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お買い上げ頂いた全額100パーセントを活動資金に充てます。

実情をいえば、ここで収益が上がれば一人でも多くの作家さんを現地へと送り出せるという段取りです。
この実現には作り手だけでなく、使い手であるお客さんの御協力なしでは成し得ません。

『協働』によって岡山から被災地へ手仕事品を通じて『ココロ』を送ることが出来ると信じています。

ぜひ、皆様の暖かい支援をお待ち申しあげます。



え~~と、自分の出演したラジオって聞くもんじゃないですね。反省点多し。
予習しすぎて色々と盛り込もうとして空回りした感じ? インプットした情報を一回忘れてから臨まねばな。
雰囲気が判ったので、次はきっと大丈夫だよ。うん。




本日ラジオ出演 『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』

2011-11-12 13:22:28 | 展覧会・ご案内


活動している『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』のシンポジウムが来週あります。
その告知として、先日ラジオ収録に行ってきました。

本日夕方、17:00~放送です。(番組後半の15分間です)

●レディオモモ(79.0MHz・FM)11月12日(土)17:00~
『アルクル岩根の岡山ライブラリー』


小生の直接出演はコレのみですが、その他のメディアでは他の実行委員の方々が出演されています。


【テレビ】
●RSK 11月11日(金)17:00~(昨日放送済)
『イブニング5時』
 

【ラジオ】
●山陽放送ラジオ(1494kHz・AM)11月18日(金)6:40~55
『歌のない歌謡曲』 


今回、パーソナリティーの方が神戸出身にして学校の大先輩であらせられるので、もうお任せ状態でした。助かりました。

我々『岡山から被災地へ手仕事を届ける会』実行委員のメンバーも個展の紹介等でこの活動を取り上げてもらったりしています。有り難い事です。m(_ _)m


しかし、いつも収録で思いますが、あのスイッチの入り方というかテンションの上げ方って凄いですね。
今回も女性パーソナリティーの第一声から、しっかり釣られてしまいました。
打ち合わせで色々喋ってしまったので、本番の時には「番組内で同じ事を繰り返してないかな?」とか思いつつ。これって編集なしの一発録音ですしね。(今更、遅いけど)

それでも、15分って、あっという間でした。(確実に自分の力ではありませんが)


お手隙であってもなくても、是非、お耳を拝借……。



展覧会@神戸 『けらもす2.0』 (予告)

2011-11-06 22:44:30 | 展覧会・ご案内


さて、備前焼作家集団『けらもす』の展覧会@銀座も無事終了致しました。
ご高覧頂きました皆様には厚く御礼申し上げます。
今後とも温かい御指導、御鞭撻の程よろしくお願い致します。


さて、引き続いて『グループ展@神戸』の告知です。
神戸っ子集合~~。(*^o^*)/

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タイトル: けらもす2.0

日時:11/15(火)~29(火)11:00~19:00(最終日17:00迄) 会期中無休

場所:ギャラリー サーカス・サーカス
    〒650-0013 神戸市中央区花隈町9-13ヒースコート山手2F
    TEL:078-382-0689 FAX:078-382-0710


元町・花隈から上がった県庁のちょっと西です。歩道橋が目印のマンション2階にあるギャラリーです。
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『けらもす2.0』と銘打った展覧会ですが、バージョン的には先日の@銀座が厳密には2.0であって、今回は2.1になるべきタイトルです。
が、企画の順番の都合で、あとに開催する今回が2.0となっております。(お客様がお気になさる事では御座いませんが……)


さておき、まだ決定していませんが、多分『初日』在廊です。(前日は搬入)


実はこの週は怒涛の一週間でもあります。また追々アップしますが、とりあえず忘れないうちに告知です。
(自分が五人必要なスケジュールって……)


会社帰りにでも、是非お越し下さいませ。m(_ _)m 

あと、DM見て手相判る方もお待ちしております。(あ~~、特にそういう意図じゃなかったんだけど……一応)

シバグリの栗ごはん

2011-11-04 20:23:10 | 料理・食材


シバグリ。山に自生する栗で、実は小さくドングリ大。
いざ食べようと思うと結構めんどっち~~~~いサイズである。しかし味は良い。これをベースに栽培品種が作られているとか。
山の動物たちもよく食べている。木の下は、イノシシの足跡だらけ。猿は割れたイガから上手に取り出している。

これをひとつひとつ「かあさんが夜なべをして~~」状態で鬼皮、渋皮を剥いての栗ごはん。
手間が掛かるのに比例して有り難味が増す一品。作った人は知っている贅沢さである。ありがたや~~。

家で食べる栗ごはんは、静かにしみじみと頂くのが良いな。
この季節の付け合せには、まだ霜が当たっていない柔らかな水菜をユズ皮と一緒に一夜漬けにするのが抜群。
栗の存在感あるねっとりとした甘みと比して、さっぱり軽快な水菜が好対照。それぞれを行きつ戻りつ……。時々、秋上がりの酒もまた良し。


山の端から今日も三日月が出ている。
強い意志のように透徹した光が揺ぎ無く、そこはかとない青さで全てを淡く照らしている。
窓から見える梢越しに星がひとつ、ふたつ。葉っぱが大分減ったなぁ。


秋はしみじみ。
そういえば、夜がすっかり静かになった。虫たちも世代交代の儀式が済んだのだろう。じきにジョウビタキが来る頃だ。

今日は、ちょっと感傷が過ぎるな。旨いものは「旨い」の一言で良い。


さて、もう一杯頂くとするか。


え~と、栗ごはんも……お酒も。