え~~、「蕎麦は三立て」といいましてぇ。
ちょいっとウルサイ口からは「挽き立て、打ち立て、湯掻き立て」ってな事もお伺い致します。
お江戸の方に参りますってぇと、蕎麦屋の主人が大威張りで講釈をしてくれる処も御座います。
途中から朦朧としてきて「何だかあの、口角泡を飛ばすのが美味しい秘密なのかしら?」とか勘繰ってしまいますな。
「お蕎麦屋さん、今何時だい?」ってなファストフード屋の大将が求道するのは大いに結構。
ただ素人相手に知識はひけらかさなくてもねぇ。その上、講釈にはオチがない。つまんねぇな。
蕎麦も色々と御座います。
江戸っ子の蕎麦ッ喰いみたいな辛れぇツユにチョイっとつけて……なんぞも良いですが、ここ田舎の頂き方も亦良しであります。
根菜、キノコ、冬野菜、鶏肉など具沢山の御汁に浸けて頂くんですな。カツオ出汁の醤油味。
こちらへ引っ越してきた頃には、年末には餅つきと蕎麦打ちが集落の恒例行事で御座いました。
やきもん屋ってのが居なかったので、のこのこ出掛けてはお手伝い。
蕎麦粉をまんま粘土みたいに菊練りして、ひたすら無手勝流でジャンジャン打ってましたね。
練る、伸ばすなんざは、それまでの集落一の蕎麦講釈師より端っから上手ですからね、重宝がられたもんです。
おっと、玄人の蕎麦屋みたいな自慢しちゃぁいけませんなぁ。オハズカシイ。
おかげで餅つきはせずに、煽てられつつ普段の仕事みたいな事ばかりやってました。(一番若いからね)
やってると、傍らで御婦人方が大鍋一杯にお汁を作ります。
蕎麦をやりながら、時々、他の具材を摘んでヤカンごとストーブにかけた熱燗で一杯です。『二番煎じ』の番小屋並みのチリッチリ。
皆、朝から動いているしアルコールは入ってるし。『空腹は最上のソースである』ってなもんです。
お昼になると皆でこの濃い御汁に出来立ての蕎麦、餅を入れてみんなで頂く。
う~~ん、こりゃ、雑煮ベースに土台が、蕎麦か餅かっていうチョイスなんだねぇ。
でもこれが旨い。
さて本日。まぁ、普段家に居りますと昼時分には麺類比率が高くなります。うどんやら蕎麦やらパスタやら。
家で頂く場合は、「三立てならぬ一立てがやっとこさ」ってざまです。
一時、お取り寄せに嵌ったこともありまして、蕎麦の乾麺はアレコレと頂いておりますが、まぁ「乾麺と侮る事なかれ」っていうお気に入りも御座います。
それを知ってか知らずか、方々から頂戴する事も御座いまして……。
てな事で、本日は田舎仕立てで頂きました。
美味しゅう御座いました。感謝。m(_ _)m
しかし「年越し蕎麦を何回食べるんだろう」ってな勢いです。