『匣鉢=はこ・はち』と書いて『サヤ』と読む。他の窯業地では『エンゴロ』とも言う。焼成時に素地を保護する『箱』の事。
匣鉢自体は、現在でもかなり広く使われていて、先端工業であるタイルやセラミック電子部品を焼く為にも使われる。そのため匣鉢を専門に作る特殊先端企業も多い。その使用目的のほとんどは、還元酸化の雰囲気や、熱源の影響、温度差など焼成でのマイナス要素を排除する為に使われている。
焼物屋では、積み上げて焼成スペースの確保の為や、釉薬、絵付けの保護の為に使ったりしてきた伝統的な窯道具のひとつ。
昔の備前では、棚板や棚足がなかったので、窯詰め効率化や、献上手の高級品を焼く為の道具として発達してきた。火の通りを考慮して、側面に穴を刳り貫いた匣鉢も多く出土している。この匣鉢自体が古備前という面白さ。
現在の備前焼の場合、これが無いと出来ない事が色々とある。
連房式登窯の『青備前』などはその例。サンギリの取れる場所でも匣鉢の中に入れてあれば全体を青備前に出来る。…となると備前焼の匣鉢は、素地の保護というよりも、発色を変化させる為の箱ともいえる。
では、窖窯(あながま)の場合はどうか。
基本的に『自然釉が付着するのを避ける』為。あと発展的に『ヒダスキをとる』とか、『白を求めて』とか、『火を走らせる』とか。
つまり、備前焼の匣鉢とは、登窯でも窖窯でも置く場所によって、ひとつひとつが小さな窯の役割をするものと言える。この辺りが他の窯業地と考え方を異にする。
マイナス面の排除ではなく、より積極的に使うという考え方。
さて先日、信楽土を入手。火前で使っても良いのだけれど、今回は窯道具として使う。ちょうど、匣鉢が無かったので自作。
匣鉢は、その材質の違いで結果(発色)が異なるとされていて、古備前を目指す方々は「共土(素地と同じ土)でなければ…」との仰せ。材料入手の難易の問題ではなく、あくまでも結果として。
もっとも小生の場合は、素地同士をスタッキングして窯詰めするので、それぞれが小さな『共匣鉢』となっている訳だが…。
今回の土は、共土ではない。親戚ぐらいの距離感。
マグマ出身の母岩(親)が火成岩の兄弟で、その風化物としての粘土(子供)は違う場所で育ち、違いがひと目で判るけど、良く見たら似てる程度。って、意味が伝わるかなぁ。
備前と信楽。
「共土とは言わないが、何か違いがあるかも」という気持ちで。
あまりこだわった実験では無いけれど、横目でチラッと見ておくぐらいの必要はあるかも知れない。
とにかく、やるべし。
匣鉢自体は、現在でもかなり広く使われていて、先端工業であるタイルやセラミック電子部品を焼く為にも使われる。そのため匣鉢を専門に作る特殊先端企業も多い。その使用目的のほとんどは、還元酸化の雰囲気や、熱源の影響、温度差など焼成でのマイナス要素を排除する為に使われている。
焼物屋では、積み上げて焼成スペースの確保の為や、釉薬、絵付けの保護の為に使ったりしてきた伝統的な窯道具のひとつ。
昔の備前では、棚板や棚足がなかったので、窯詰め効率化や、献上手の高級品を焼く為の道具として発達してきた。火の通りを考慮して、側面に穴を刳り貫いた匣鉢も多く出土している。この匣鉢自体が古備前という面白さ。
現在の備前焼の場合、これが無いと出来ない事が色々とある。
連房式登窯の『青備前』などはその例。サンギリの取れる場所でも匣鉢の中に入れてあれば全体を青備前に出来る。…となると備前焼の匣鉢は、素地の保護というよりも、発色を変化させる為の箱ともいえる。
では、窖窯(あながま)の場合はどうか。
基本的に『自然釉が付着するのを避ける』為。あと発展的に『ヒダスキをとる』とか、『白を求めて』とか、『火を走らせる』とか。
つまり、備前焼の匣鉢とは、登窯でも窖窯でも置く場所によって、ひとつひとつが小さな窯の役割をするものと言える。この辺りが他の窯業地と考え方を異にする。
マイナス面の排除ではなく、より積極的に使うという考え方。
さて先日、信楽土を入手。火前で使っても良いのだけれど、今回は窯道具として使う。ちょうど、匣鉢が無かったので自作。
匣鉢は、その材質の違いで結果(発色)が異なるとされていて、古備前を目指す方々は「共土(素地と同じ土)でなければ…」との仰せ。材料入手の難易の問題ではなく、あくまでも結果として。
もっとも小生の場合は、素地同士をスタッキングして窯詰めするので、それぞれが小さな『共匣鉢』となっている訳だが…。
今回の土は、共土ではない。親戚ぐらいの距離感。
マグマ出身の母岩(親)が火成岩の兄弟で、その風化物としての粘土(子供)は違う場所で育ち、違いがひと目で判るけど、良く見たら似てる程度。って、意味が伝わるかなぁ。
備前と信楽。
「共土とは言わないが、何か違いがあるかも」という気持ちで。
あまりこだわった実験では無いけれど、横目でチラッと見ておくぐらいの必要はあるかも知れない。
とにかく、やるべし。