備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

壷庭

2013-02-25 17:45:43 | 路上観察


植木関係をゴソゴソと。剪定したり動かしたり。

こういう作業はヤル気になると出来るんだけど、普段は基本的に放置状態です。
この際、永らく地面に敷いていた板なども処理してちょっと環境整備も。

その時に見つけた春。

板の節が抜けて、小さな植物の寄植えが出来ていました。
オオイヌノフグリが具合良く収まっています。

路上観察学会的には『壷庭』ですねぇ。坪庭ではなく壷庭。
表記的にやきもん屋のウチに相応しいです。


気がつかないうちに確実に春は来ていますねぇ。
あぁ、そういえば細君の花粉症も始まっているようです。
アレルギー反応で知る春でもあります。


3月が目前に。(イロイロと焦っております)





被害報告  (`・ω・´)ゞ

2013-02-22 12:02:41 | 陶芸


朝から窯を開ける。
チビ窯とはいえ、窯を開けるときには独特な緊張感がある。何かなぁ、合格発表の封書を開ける時の気持ちか。
やったことが如実に反映されるので結果に一喜一憂はあるけれど、同時に「冷静に因果関係をどれだけ探れるか」が次回へのポイントでもある。
なので、はやる気持ちを抑えつつ観察しながらの窯出し。

今回の検証の第一は、例の破裂音。
場所の特定は一目瞭然で、原因もフムフムなるほどと。
備前焼業界における「ならぬものはならぬものです」やな。ちゅうか「あかんもんはあかん」か……反省。

被害は覚悟していたよりも小さかった。原因のモノが1点。その破片が引っ付いた3点のみ。
全体的に伏せて窯詰めしていたのが幸いしたよう。
大きな音自体もレンガの炉壁の反響も多分にあるだろう。コロガシも無事でした。

目標が『爽やかなブルー』だったのに、一転、窯焚きが『暗澹たるブルー』になっていて、「ショボーン (´・_・`) 」 だったけれど被害状況の軽さに安堵しました。


以上、報告オワリ。 (`・ω・´)ゞ


あとは目標がどれだけ達成できているか……。

ここからが肝心です。


さて、3月上旬の個展のモノとしては、『青備前の白象嵌』。
あえて同じ模様にしていないので、同じ形でもそれぞれ製作時間が異なります。
『製作時間に対する焼き上がりの良否』という自分だけにしか判らない小さな関係に一喜一憂。


3月下旬の備前陶心会展のモノ。テーマは『角』。
今回の窯に発想が違うものを2種類入れていました。真面目路線とオチャラケ路線。
焼き上がりの関係で問答無用に片方に決定してしまいました。

テーマの『角』は『かく・かど・つの・すみ」とも読めるので、メンバー45人が如何様に出してくるかが楽しみでもあります。
この展覧会は展示のみ(非売)なので、普段とは異なる仕事が出来る場でもあります。
それぞれ個人が「普段の仕事との折り合いをどうつけるか、つけないか」というのが見えて面白い場面でもあります。
昨年ぐらいまでは四角いデザインのモノが流行っていましたので、角(かど)のある花入、鉢、皿は想像しやすいところです。
如何でしょうか。



さて、これからサンドペーパーで磨いて水洗いすると、綺麗になります。(アタリマエ)
ここからの良くなり具合も楽しみではあります。

ただし、かなり埃っぽい。水も冷たいねぇ。


昼からは磨き作業です。『井戸の茶碗』でも聞きながらやりますか。






ありゃりゃ……やはり

2013-02-21 14:47:31 | 陶芸


窯焚きの温度が低いときに、窯の中で不吉な破裂音がしました。
ドキッっとして手が止まる。
しばらく温度を上げないで様子見。その間にも再度。

「棚が崩れる音はしなかった」
「思い当たる節といえば、コロガシ(一番火に近い場所)のモノだな」
「乾燥が不完全だったか?」
「5点入っているので5回爆発音がすると全滅の可能性大……」と、めまぐるしい速さで色々なパターンを推測する。

「モノが爆発するって何年ぶりのミスかなぁ……」 一気にブルーな気持ちに。


そのうちまた破裂音。ドキドキする。
しかし回数は5回を遥かに超えた。
「大きな破片がまた破裂したのかも知れない」などと悪い方向に推測する。


しかしながら、薪の燃え方を見ていると木の先端も小さな爆発をしている。
「丸太のまま置いていた樫の木の抜けきらなかった水分が水蒸気爆発しているのでは?」
「薪の小さな爆発が熾きを弾き飛ばして、炉壁に当たっているのかな?」とポジティブに再考。


破裂音も想定の5回をとっくに超えて腹も括れた(諦めた)ので、ゆっくり温度を上昇させてみる。
途中からは爆発音はしなくなった。

最悪の想定はしつつも辞めるわけにはいかないので、そのまま最後までGO。

炭入れの時に窯の中を覗いても見える範囲は無事。巻き添えで壊れている様子もない。

「まぁ、良し」


さて、本日。
まだ温もりが残る窯の焚口から手を差し込んで、モノを引っ張り出してみる。
近い場所のモノしか引っ張り出せないし、炉壁側はさほど焼色が良いわけではない。……という事が判りつつも、やきもん屋の性ですな。
いつもの事。


と!

何だかジャリジャリとしたものがあって掴む。焚口から引き抜いて手を開くと、手のひらに破片が一握り。
「ありゃりゃ……」
やはりモノが爆発していましたね。

しかしながら、想定していた場所と違う煙突の近くでした。う~~ん。
「まぁ、煙突側なら360度全方位に破片が散ったとしても被害は半分になるか」と。

(既に諦めがついていると動じませんなぁ)


さてさて、如何なりますか。火前側は無事なのか?


明日を待とう。




梱包箱の製作

2013-02-10 19:59:10 | Weblog


荷物を発送するのには、通常はダンボール箱を何処からか入手して梱包するのだけれども、時々イレギュラーなサイズがあると工作をする必要がある。
ダンボール工作はヤキモノ屋ならずとも手仕事を生業にする面々は往々にして得意分野でもある。結構楽しかったりするし。

本日も「さてさて」と困った事態になりました。
ダンボール入手する為に外出は億劫であったので、「何とかならないかなぁ」と家の裏をキョロキョロとする。
と、良い具合に薄いベニヤ板があった。垂木の切れっ端もある。
あと、必要なものはビスが少々であるけれど、何かをバラした時の短いのがバラバラサイズながらある。

「木で作るのは大袈裟だけれども薄くて軽いから良いか……」

フムフム……とあてがいつつ検討。
ギリギリながらも木取りが上手くいくことが判明。解決が見つかると嬉しい。


さて、製作の目標タイムとして30分以内を設定する。
これは、ダンボール箱を探して外出したであろう時間(最寄りのHCで見つかった場合)に相当する。

底板と天板を同じサイズで切り出して、コタツみたいなものを作って側板を張る。
蓋がずれないように桟を打ってオシマイ。



梱包して、PPバンドを掛けて出来上がり。

ビスの頭が色々とあるのが、恥ずかしいような……。

持ってみるとダンボールで梱包した時よりもしっかりしつつ軽いので満足感あり。
まぁ、そこそこ納得の出来なので、返却される場合はこの箱で返して欲しいなぁ。
もっとも、返却がないのが一番だけれども。


あとは、この際、色々と落書きしたい。
けれど、折角時間内に出来たのに、これ以上何かをすると元も子もないので我慢。
こういう遊び要素があるモノを作るのが一番楽しい。


さてさて、本業の方を作らねばな。これも楽しいけど……そればかりでは無いんだよなぁ。



もののけの類か

2013-02-08 14:13:41 | Weblog


ロクロ成形した後は、粘土を足すか引くかで形が出来てくる。
概ね引く(削る)方が多いかな。
小さいモノや細工が多いモノを作ると出てくる削りカスも小さい。手のひらサイズなら尚更。

深夜に裸電球の下でカリカリ、コリコリと背中を丸めて作っている風景は、端から見れば妖怪、もののけの類か。
昔ながらの灯明かロウソクなら、もっと雰囲気が出るだろう。


昨晩というか今朝まで仕事場にいて、片付けもせずに行き倒れて寝る。
朝、見た作業台の上には動物が齧ったようなものがひと盛り。

小さい世界やなぁ。
怨念はこもってないけれど、なんだかなぁ。


まずは掃除から始めて本日の作業開始。

風が冷たい。気温も低い。
風花が舞いつつも、時折日差しも出る。めまぐるしく変わる空模様。
外気温は上がらないけれど、屋根裏の温度は上がっている。



家の中は25℃に。季節が違っているな。半袖、裸足のスタイル。


ということで、家の中で出来る仕事に切り替え。
窯も気になるけど……。アッチもコッチも。


おそらく、今夜も『もののけ生活』になるだろう。
ウワバミ希望なんだけど、そうはなるまいな。(なってる場合ではない)

『夏の医者』でも聞きながらやろう。(やっぱり季節が違ってるぞ)




忙中閑あり?

2013-02-04 19:10:57 | Weblog


最近、あまりに引きこもりでもあるのでちょっと時間を無理やり作って往復100キロほどの遠出をしました。
遅れまくりスケジュールの中、完全に自殺行為に近いものがあります。
忙中閑あり……では断じて無い。

寝不足の思考停止で体も頭もフワフワとしていて、雨降りでも何にでも「おぉ、良い良い」と寛容に受け止められる心理状態でした。
歩きながら寝そうな感じ。それはそれで、まぁ良いか。


さて、目的地は本土側から船でちょいっと行った先の犬島
犬島は、明治~大正初期に銅の精錬所があった島で、今もその名残が見られます。






廃墟マニアの方には有名ですが、近年はアートな島として認知されてきています。
小生も機会があるたびに訪れています。(前の記事→その1その2

犬島アートプロジェクトの美術館もあります。



展示物の秘めたる過激さも良いのですが、建物そのものが大変興味深い自然の空調システムになっています。
まっ、今日は『打ち合わせ&ロケハン』なので美術館内部は関係なし。


下見がてら、島のアチコチを歩きつつも何気ない風景に興味が惹かれました。



素材の剥き出しな無骨さに目が行きます。
「あ~~、なんかエエなぁ」

島は独特な時間の流れがあるかのようでした。(船が来ない限りは帰れないという諦めから生まれる心の余裕でしょうか)


さて、船が本土側についた途端、仕事の進捗が頭をよぎりました。


MAXヤベッ!! ……です。(-_-;)