備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

夢二茶会(リヤ茶)

2017-01-30 10:36:59 | 展覧会・ご案内


今年一発目の『備前楽茶(リヤカー茶席)』の出動がありました。場所は、夢二郷土美術館です。(後楽園の川向かい)
名前のとおり夢二作品を所蔵する美術館ですが、この館内では初めてのお茶会とのことでした。館長代理さんが『ひがしやま備前焼市2016』で体験され「是非やりましょう!」という運びになりました。
ありがたや~~。

●『リヤカー茶席』:リヤカーを改造した移動式茶室『どこでも楽茶号』で、神出鬼没なストリート系茶会を全国展開。昨年はバルセロナ遠征も果たす。ユニット名の『備前楽茶』を標榜して活動中。略して『リヤ茶』とも。


さて、期間は2日間のみですが、しっかりと夢二仕様で望みます。

茶碗棚の地袋には夢二デザインを使用。

梅は『女の生命』の装丁。
ハートは『歌時計』の落款。

それぞれ実物も展示していました。

普段は、ガラスケースに入っている稀覯本です。それが手元に! おぉぅ。

なんとも華やかで優しい雰囲気になりました。

バレンタイン茶会(2/11)も同場所で開催します。

そして、お菓子も特製です。いつも茶会のテーマを深く読み取って、洒落っ気あるお菓子を作って下さいますお菓子屋さん。
今回は夢二に合わせて……ネコ。

ねこ?


夢二作品には、猫が多く登場します。これは『晩春』という作品の猫でしょう。(写真はレプリカ)

右下のトラ猫ね。

はは~~ん、さてはさては、この作品をご存知……いや、ひょっとすると見に来られたか……。流石で御座います。
お菓子屋さんの真心と洒落ですなぁ。お菓子名は『陽だまり』です。


しかし、今、この美術館の猫と言えば、黒猫なのでは? 『お庭番 黒の助』でしょ?


「お菓子は手前から少しずつ切って、どうぞ!」というお達しが。ん~~~~?


柚子の餡が美味しいね。

「……!?」 


何か仕込みがある!?



クロネコ!! Σ(゚Д゚)!!

なんと『黒の助』やん。

ちっちゃっ。

これはいつ頂くのが良いのやら……。悩む人続出。

ひとまず写真とか。


いやはや、今回も見事なサプライズ。


という事で、現・人間国宝の揮毫による『恕』にて、報告終わり。 (`・ω・´)ゞ


お客様、応援頂いた方々、美術館関係者、メンバーに感謝。

皆様、有難う御座いました。


じょじょじょ~~~~。 m(_ _)m  (「じぇ」ではない)



【補足】
『お庭番 黒の助』は、夢二の絵にある黒猫そっくりで目の色まで同じです。おすわり、お手が出来る賢いネコです。まだ、子猫ですが将来大きくなりそうな予感……。出勤してくると中庭に居ります。




『親芋の炊いたん』を揚げたん

2017-01-24 20:38:16 | 料理・食材


基本、小生はイラチの関西人なので日々の料理は手早く作ることを身上としている。
手を抜くとか手間を掛けるとかは、美味しさとの兼ね合いで工程数が決まってくる。

さて、初めから作ると手間の掛かる料理というものもあるが、それに対する手の抜き方は自分なりに獲得している。
拙宅ではそれは『ドミノ倒しの料理』と呼ばれる。
段取りは簡単な事で「一日で作らない」という事に尽きる。まぁ、単なる味変(味の変更)の場合もあるけれど。


さて、本日のメニュー。

【『親芋の炊いたん』を揚げたん】

味付きで煮た芋を揚げたものである。炊き物と揚げ物の2段階の工程が必要。

親芋はサトイモの種芋で、つまり、小芋の親なので親芋。
食感は小芋がねっちりして甘味があるのに対して、親芋はサクッと淡白である。ヤーコンと小芋の間ぐらいといえば判りやすいか……。(判りにくいか)
サイズとしてはソフトボール大~ハンドボールぐらい。


さて、レシピ。

・皮を剥く
・下茹で
・カツオ出汁に醤油・味醂・酒を加えて煮る。
・煮汁のまま冷まして味を含める。
・衣をつける。
・揚げる。
・塩を少々振り掛ける。


ん~~~、そんなに手数は多くなかったな。
でも夕方から、こんなこったぁ、やってらんねぇ……。 おっと、俺の中の江戸っ子が出ちまったな。「ふっ、関西の生まれよ!」 ( ← 神田じゃないのかよっ)


さてドミノ料理では手数を分割する。

・1日目。
下茹で~出汁で煮る迄。

この時点で『親芋の炊いたん』という一品が食卓にあがる。美味しく頂きました。

・2日目。
煮汁の入った鍋のまま冷まして(放置して)いた親芋をザルに引き上げて水分を切る。
片栗粉をまぶす。(粉を水溶きするのもアリ)


たっぷりの油で揚げる。……のも良いけれど、今回はキンツバを焼くが如く。(余分な油の摂取防止! とは言い訳で、油を出すのが面倒だった)

各面を丁寧に焼き色を見ながら焼く。中は既に火が入っているので温まるだけでOK。いわば外面だけですな。
まっ、外ヅラだけエェのんって得意やしね。(知らんけど)

熱いうちに塩を振って馴染ませる。
以上。

2日間掛けるドミノなら、1日あたりの工程数は僅かである。

あとは、ハフハフしつつ頂く。口を冷ますのは日本酒で。芋と酒を交互に……。忙しいわぁ。
あぁ、芋焼酎もエェかもね。


さて、問題。
この『ドミノ料理』と『前日の残り物処理』との違いは何か?

では、答え。
『意識の違い』である。

「初めから2日目のメニューまでを設定していたか?」に尽きるのである。「じゃぁ、一日目で全て無くなった場合は?」って……、そんときぁ~は諦めるだけよ。
ここで大事な事は『2日間掛ける料理の文脈』なのである。

つまり……、

出来ちゃったのか?
作ったのか?
意図は何処にあるのか? 
過程と結果に齟齬はないのか? 
一貫したコンセプトはあるのか?

そう、ドミノ料理は『文脈』によって成り立つのだ。( ← 大袈裟!つか、アホ)


よ~~~し。じゃあ、ここから『現代アートの文脈性』の話をするとだなっ! ……って牽強付会な展開は今日はしない。


だって心地良く酔ってるもんね。

いやぁ、日本酒に最高~~~。
親芋、見かけましたら是非ともお試しの程。 m(_ _)m


かくして、自画自賛で今日も夜が更ける。








































OBオケ @大阪

2017-01-23 10:33:10 | Weblog


昨日は弾丸日帰りツアーを挙行。
朝起きて「ん~~~~、行くか、行かへんか」と思っていたが、「考えとぉなら、もう行こっ!」と。
それで発生する諸般の差障りは後で考えよう。ウチの家風は「イケイケドンドン」であるしな。Go~~~。

2時間ちょっとで大阪に立つ。

目的は演奏会。『関西大学OB交響楽団演奏会』である。ホールはザ・シンフォニーホール。バイトで何度も来ていたし、最後の演奏会は此処だったので懐かしい。

かつて所属していた母校オーケストラのOBで構成されているオケ。メンバーは卒業したてから80歳を越える方々まで。
我々世代も多数参加していて舞台上の見知った顔を見つけると素直に嬉しい。



パンフレットには佐渡先生も。バーンスタインの元へ行く直前の写真。


演目は、ベートーベン『交響曲5番』、チャイコフスキー『交響曲5番』。(以下それぞれ、べー5、チャイ5)
5番縛りやねぇ……。
実はアマチュアのオケを聴く事自体が久し振り。10数年ぶり故の発見も多かった。

まずは、聞く側としては良い部分のピックアップが随分出来る事。特に低弦は顕著。流石にキャリアの長い方々ばかりなので学生オケよりも音が確立する。

ベー5は「音を置きにいく」感じで始まったけれど、曲が進むにつれて全体が動き始める。
3楽章の終わり近くでアルトトロンボーンが楽器に息を吹き込み始めたのを見て緊張する。しっかり流れは出来ているので、あとは輝かしいHigh-Cに飛び込むだけだ。当たると目立たず、外れると目立つ音。うん、バッチリ。
最終章のベー5独特の冗長さを感じなかったのは、知り合いが多いからかも。1st・2ndバイオリンの後ろのプルトに目が行く。やっぱりバリバリやな。
ベースのピッチに安心感。和音構造が単純なだけにこれは貢献度大。

チャイ5の2楽章の冒頭は、低弦から順番に重なるフレーズに安定と厚みがあった。音が増えても雑にならず、へたらない。
その上に乗るホルンのソロ。ステキ。現役の時のソリストを思う。
反面、3楽章の管楽器の弱音での短フレーズのソロリレーにはスリルが……。4楽章へアタッカで入りそうな前のめりな決然とした和音と残響。クライマックスへの期待と同時に、「もっと聴いていたいけど、これで最終楽章」という寂しさも。感慨深いがティンパニーのクレッシェンド以降に全体の熱量が上がるのを感じる。一体感というところか。演奏者は限界との勝負ですが。

演奏者側を想像すると色々な難しさを思う。仕事、家庭との兼ね合い。練習時間とスキル維持の問題。練習場所、体力……。これ以外にもあるだろう。
実際、自分は出来ないので完全に手を引いている訳だし。
その個人が集まると状況は更に複雑。そういう甘いも酸いも……花も嵐も踏み越えての演奏会。

皆様、お疲れ様でした。

ホワイエには見知った顔も多数あって、先輩後輩、同級生……それぞれ短くもご挨拶。
それにしても東京日帰りとか、イタリアから……とか、皆さん流石ですわ。


で、帰路。

電車に乗っている間に色々と考える。テーマは『表現と技術の在り方』。
普段は、ガチンコ勝負な場面が多いので、久し振りにアマチュアの良さに触れてちょっと視野を取り戻した部分もある。
近況報告的な呑む同窓会では思わなかっただろう事。

結果として、弾丸日帰りツアーは良かった。

あと、大阪駅周辺って変わり過ぎ!


さぁ、仕事しよ。


今日はチャイコでぶっ飛ばすぜ! イケイケドンドン!




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2016食べ納め~2017食べ初め

2017-01-13 12:14:49 | 料理・食材


じゃ~~~ん。新年明けまして、大きな『口福』がっ!

前菜からデザートまでがシンフォニー。今回はロマン派の如く、味と香りのコントラストが個性的でダイナミックでした。
繊細さが幾重にも重なった清雅かつ豊かなソース。時折、口に含むワインがオブリガートとしてメニューを際立たせる。
デザートに至っては悶絶。エスプレッソで場の余韻に浸るのみ。会話にも瑞々しい感性を感じて幸いなるかな。
この件はいずれ。幸せが続いていて今はまだ言葉にしたくないので……。


さて、はっきりいって小生の食糧事情の報告には意味は無い。けれど、このブログは『陶芸家・渡邊琢磨』のアフターサービスとしているので書く。(ニーズ無視、上等!)
ご縁のあった方が小生をネット検索した時に、作者自身の言葉で纏まりある場所(ブログ)があれば、そのキャラクターを知って頂けるかな? という意味。
露出狂的な部分も感じなくもないが、まぁ、それはそれで。あと基本がアホ話でオハズカシイ。


さて、年またぎで「うっひょ~~~~い」となったのは、生ハム原木購入に尽きる。これは夢の実現。ザ・大人買い。
昭和な人にはギャートルズを思って頂ければ判りやすいか。

購入前から、正月の間にチビチビ削りながら呑むというビジュアルが容易くイメージ出来たし、実際そうした。

実家で弟にセッティングを依頼して、別の料理の仕込み。

ふと気がつくと、弟は組み立てに全力を尽くしたと見え、疲れと食べたさMAXで意識が飛びかかっていた。


さて、カメラに残る画像を拾ってみよう。

2016年の年末から。

拙宅の子が自分で育てた白菜。

リクエストに応えてミルフィーユ鍋を豚バラで。出汁は鶏ガラ白湯。

綺麗なサゴシを見つけた。

皮目をバーナーで炙って……。

皮の扱いが難しいのね……。『山掛けサゴシ叩き丼』

オヤジの畑からも頂きもの。「野良イモになるから全部取って!」という掛け声でジャガイモ堀り。

小さいので皮ごと食べよう! 電子レンジで火を通してから油で炒める。

強烈にエグイ。皮付き料理は新ジャガに限るという事か。これは勉強になった。

出先でフォーも。

急にパクチー山盛り気分になって意気軒昂に出向いたが……、まったく無い。残念過ぎた。

カレー気分の日。

ナンというよりも『ほぼチャパティー』がお目見え。いや、むしろコチラが好きなんで無問題です。

日常の美味しさ発見。普段はコーヒー一辺倒ながらも稀に紅茶が良い事も。

甘くて良い香り。たまにはね。


年あけて、2017年。
生ハム原木以外にもチョコチョコと料理する。おせちは作らないけど、オツマミは作る。

ウチの子が店先で興味を示したチョロギ。

ここ数年、恒例になったナマコ。

細君実家なので、気を遣って赤ナマコを。自分の好みはゴリゴリした『青』なんだけど。

買ったフグが大ハズレ。即座に『追いアンコウ』した鍋。

結局、雑炊が一番美味しい結果に。それなりに満足も不満もありつつ終了。年明けの口切りの『〆張鶴』が美味しかったな。


その後は生活時間がグチャグチャな引き篭もり開始。明け方まで粘土を触る昼夜逆転生活。そこから更に時間がズレて世間様の時間に戻ったり。
そんな時に天からの囁きが……、ルーベンスの前のネロもかくやあらむ。( ← 全く違う)


そして、スーパームーンを迎える夕刻。小生は牛窓に立っていたのだった……。


2017年が美味しい一年になりますように。


本年もよろしくお願い致します。m(_ _)m