坂出市の『かまどホール』での若手備前焼作家12人による『備前焼作陶展』は昨日終了致しました。
下北沢の『織部下北沢店』でのビールが二味ちがうビアカップ『世界啤酒杯2016』は昨日終了致しました。
共にご高覧、お買い上げ有難う御座いました。
新しい出会いや新しい気付きを得る事が出来、今後とも益々精進する所存で御座います。
さて、坂出市の方は会期中、数回足を運びました。
行くたびに新しい出会い(うどん店)や新しい気付き(うどんメニュー)を得る事が出来、今後とも益々(うどん店開拓に)精進する所存で御座います。
さて、坂出市でありますが、以前から行きたかった場所があります。
内容は街に出た時の案件ですので、路上観察ですが今回はデカイです。
それは『人工土地』です。
建築や路上観察にご興味ない方からは「?」で御座いましょう。実際に、ご当地の讃岐ガールにお伺いすると「知らない」とのお答えでした。さもありなん。
行ったのは昨日。雨ではありましたが、展覧会最終日でもあり強引に挙行しました。
場所は駅の北側すぐ。行きつけのうどん屋さんの
蕎麦、側です。うどんを頂いた後に散歩がてら、ゆるりと赴き……いや、小雨だったので駆け足~~~。
石碑を発見。墨痕?鮮やかな『人工土地』の文字。間違いなくこの場所。ワクワクしますね。
「あぁ、やっと、来れた」ので感慨深く。ただ、雨は避けたい。
市民ホールがあります。
昔、バイトの関係で全国の多くの市民会館やホールは行っていますが、たぶん未訪問だと思います。
こじんまりした市民ホールです。
さて、『人工土地』の石碑を見つけたので、そこを起点に周辺散策。
よくある形式。1階部分がテナントで上が住居のコンクリート建築ですね。
歩道も商業施設的な香り。諸般の都合で掃除まで手が回らないのか寂寥感さえ漂っています。
南側の街路樹は背が高く、2階の木漏れ日は気持ち良さそう。
さぁ、現代の視点からするとどこでもある風景です。
これが『人工土地』と言われる所以は、ひとつの複合施設ではなくてコンクリートで人工の巨大な路盤が作られ、その上に住宅が乗っている事にあります。人工路盤の下(1階)に市民ホール、駐車場、テナントがある構造です。
いやぁ、ワクワクしますねっ!( ← 2回目)
といっても、まだまだピンと来ない方も多いかと。そりゃそうでしょう。見た目、よくある雰囲気ですから。
しかし、「これは我が国の最初で最後の実験的空間」といえば、ちょっと「おぉ~~!」となる? (ならない? まぁ、最後でもないんだけど)
では、経緯を。
戦後の復興期に駅周辺の再開発が全国で言われるようになりました。古い民家や狭い道を再開発する必要に迫られた時期です。
しかし、既得権益としてある個人の土地の買収は難しく、「じゃぁ、地面そのものじゃなくて空中に土地をつくれば良いじゃん」という発想が出てきました。
つまり、「未来都市の在り方として、地上は交通機関が通り、人は空中に住み、空中を交通事故もなく安全に歩き、ゆったり交歓するスペースが空中に確保される街を作ろう」という趣旨です。
そして、「建物は必要に応じて建て替えられるように、人工の土地と一体化せずにセパレートして乗せておこう」と考えられました。
(皆様、退屈してません?)
これは『メタボリズム』という1960~70年代におきた建築ムーブメントです。(メタボは新陳代謝の意)
建築や都市を生物(細胞・セル)になぞらえ、変化しない骨格と更新可能な部分に分けて構築するという考え方です。
日本では、黒川紀章氏の『中銀カプセルタワービル(1972)』が有名どころ。各部屋がユニット構成で取替え可能という建築です。
そして、この場所こそが、西日本で唯一建設され現存している『人工土地』であり、メタボリズムの象徴的存在なのです。
後年、人工土地の考え方は一体型のタワービルに取って代わられ無くなります。日本では耐震などを考えるとさもありなん、です。
なので、よくある風景と同一視しがちですが『人口土地』とは、かくも独特なものなのです。
さぁ、俄然、興味深くなりましたよね? (同意、期待してます)
いやはや、素晴らしいです。
いやぁ、ワクワクしますねっ! ( ← 3回目)
それにしても、なかなか伺えず4年目にして初訪問。
期待感一杯で入り口を探しました。
さあ、続きは次回へ~~~。(ワクワクしますが焦らないで。「まだ慌てる時間じゃない」って)