備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

火入れ

2009-03-31 22:01:47 | 陶芸
夕刻、窯詰め終了。
鏡(正面出入り口を焚き口のついた壁とする)を作って、しばし休憩。

ひとっ風呂浴びて、夕飯と晩酌。
禊ぎとお神酒を兼ねて……には、ならないけれど、そういう気分で。


さて、これから火入れ。
朝まではチョロチョロと焚火なので、あまり忙しくない。

夜が明けたら窯の周りの片付けをするとして、今晩は休憩がてらゆっくりしよう。寝られないけれど。

遊び相手に愚犬・福助をお供にするかな…。


片付ける為に窯周りをウロウロしていると、畦にタンポポが咲いていた。
我が集落は圧倒的にカンサイタンポポが健在。
ただし、少し山を下るとセイヨウタンポポが席巻している。これからも負けずに残って欲しいなぁ。


一気に花が咲き始めた。
窯焚き終了の頃には、山の景色も変わっているかも知れない。
山笑う頃…には早いか…。



ついに窯焚き開始だ。

笑って窯焚きを終えたいなぁ。



もうちょい!

2009-03-30 09:35:07 | Weblog
窯詰め開始の頃は、春の陽気に「桜の開花が例年よりも早い」とか妙にウキウキした小春気分だったけれど……。その後、寒の戻りというか、日中の強風と夜中の霜の合わせ技で、ちょっと寒々とした窯詰めウィークとなっています。

それでも、スモモが咲き始めました。周りに比べるとちょっと遅いかな。

ここ数日は週末という事で、三々五々にお客さんもあり、その都度コーヒータイムにかこつけて休憩しています。休憩しながら窯詰めのイメージを描いているわけですが。(言い訳がましいなぁ。)
仕事場も窯場も散乱状態でとても見せられたものではないけれど、「格好つけてもしゃぁ~ない」と割り切って、段ボール箱の狭間でコーヒーを飲んでいます。


次の仕事としては、焼成グラフの作成と人員手配をしないといけませんが、気持ちの切り替えと余裕がまだありません。火が入ったら窯場で考えます。


窯焚きが始まると、今度は静かな時間が増えます。

揺らぐ炎。
時折はぜる薪の音。遠くに聞こえる鳥の声。静かに流すBGM。
手元には読みかけの本が一冊。

窯の中の状態を良いほうに想像して……。


やきもん屋生活で一番好きな時間です。


早く詰めてしまおっ。

菜の花

2009-03-27 00:10:25 | Weblog
あちらこちらの畑で、冬野菜の薹(とう)が立っている。春蒔き野菜に畑をシフトしたところでは見られない。

花が咲く前の蕾の段階なら『菜の花』として食べられる。「これは何の菜の花?」と言いながら食べるのが早春の時節もの。
おひたしにして爽やかな香りと鮮やかな色が頂くポイント。アクを感じるときはカラシを入れると調和される。種類のよって味わいが変わるのが面白い。チンゲンサイが結構好き。


花が咲いた今は、茎も堅くて食べられないけれど鑑賞には良い感じ。
似たような花が咲くけれど、よく見るとそれぞれ花のつき方が微妙に異なる。
ブロコッリーはチョウチョウが留まったような可愛らしさだし、大根は花を誇示するようなヒラヒラ感が強い。
水菜は上品。でも、あの華奢で細かった葉を、今はしっかりと陽の光を浴びようと強く伸ばしている。
これ以上放置すると種が出来て耕作に不都合なので刈取られるけれど、しばしの間は、愛でる。


スモモも咲き始めたし、ミツバチも蝶々も飛んでいる。

……春めく陽気に対して、遅々とした仕事の進捗に焦る。

「出来る事しか出来ん」と開き直れば体は楽になるが…。それとは裏腹に気持ちは、あがき続けている。
毎回の事だけど、締め切り(窯詰め)になるとアレもコレもと思いジタバタする。また、こういう時にアイデアが出たり…。この思いが次へと繋がる原動力なのだが。

とりあえず現状でのベストを尽くす事だな。


野菜が薹(とう)を伸ばすのも次へのステップ。窯の中の暗がりで色々と思い巡らすのも、制作意欲の薹なのかも知れない。
精神的な栄養を自分自身で搾取しているように思えるのが苦しいところだけど野菜自身の気持ちはどうなんだろうか?


今ある手元の素地がより良く焼けて、花開くように……、がんばろっ!


窯詰め開始

2009-03-24 09:36:20 | 陶芸
スケジュールが遅れそうな予想通りに…遅れて、窯詰め開始。
今年初。窯出しはGW直前ぐらいかな。

スタート初日に助っ人参上にて、いつもよりも快調な滑り出し。アリガトっ。

窖窯は構造上、窯の一番奥から詰める。奥の幅は体が向き直れず、高さは頭をぶつけそうな程。
艱難辛苦?の末、やっと到達し屈みこんで「あっ、忘れもん!」となると、ガックリ…。屈みこんだ形のまま数段後退して幅が広がった所で方向転換。体が慣れていない初日ほど、狭く長い距離を動く事になる。
この日に助っ人がいると随分とラク。

窯の出入りを少しでも減らす為に、窯の中に色々持ち込んで仕事をするので、物が一杯。窯道具、素地、材料…。一段終わるとひとつ前進となり、それぞれを順送りに動かして、また作業再開。


友人の焼物屋A氏は弟子時代には、長期の窯詰め生活で日光に当たらなかったので、元々の色白に加えて更に青白くなっていた。
夕方の買い物中に出会うと「病気?」「窯詰め!」が合言葉だったな。


するってぇーと……
窯詰めってぇのは、美白にはイイのかもしんねぇなぁ~。
でもよぉ、腰痛にはイイコトねえわなぁ。
(落語聴きながら仕事しているので、窯の中での独り言が江戸っ子になっている今日この頃。)

衝突・バードストライク

2009-03-19 21:53:08 | Weblog
仕事場のガラス窓が突然「バンッ!」と鳴った。
ちょっと嫌な予感がして外に出てみると案の定、小鳥が落ちている。

拾い上げるとまだ、温かみが残っているものの絶望的状況だ。窓を見ると鏡のように曇空が映り込んでいる。空とガラスの差を見分けられなくて衝突した模様。夏場なら簾や葦簾をしているのでこういう事故は無いけれど、冬場になると年に一度ほどある。可哀相な事をした。

今までに犠牲になったのは、スズメ、ジョウビタキ、キビタキ。一度はヒヨドリが脳震盪を起こしていて、その後飛んでいった事もある。

CDをぶら下げたり、猛禽類のシールを貼ったりと対処を考えんといけんかな。でもそれをすると目の前に野鳥が来なくなるだろうし。それは寂しいしなぁ…。

何か良い方法を考えんと…。

あとで子供たちが丁重に埋葬していた。南無…。

来年は『庭』

2009-03-16 09:28:49 | Weblog
陶心会展も無事会期終了致しました。
ご高覧頂き有難う御座居ました。m(_ _)m
お会いできなくとも、「見たよ~」との声に感謝感謝で御座います。m(_ _)m

さて、来年のテーマは『庭』です。
どうしたものか…。ゆっくりと考えます。


庭といえば……、拙宅ではサンシュユが満開。

サンシュユは漢字で書くと『山茱萸』。このまま読めば『ヤマグミ』という字。確かに秋になるとグミのような可愛い赤い実がなる。

野鳥がついばみに来るのを見かけるけれど、食べた事が無い。
漢方薬として使われているようだけど、口には苦いのだろうか?
秋になったら試してみよう。


年齢のせいか、ロクロをしていると腰が痛い。職人さんに比べると短時間なのだが…。
歩けば直るので運動不足は明らか。窯詰めを始めると今度は途端に過剰な運動量になる。バランスが悪いなぁ。


サンシュユは腰痛にも効くとか。

試すか…?(かなり先の話だな)

開催中 備前陶心会展

2009-03-12 09:21:37 | 陶芸
会場当番で、陶心会展へ。

前日にTVニュースや新聞での紹介があった事を、お越し下さった方々からお伺いしました。(全く見ていない……。)

午前中を会場で過ごし、昼に天満屋へ。
北海道物産と観光展をやっていてウロウロ。流石の『北海道ブランド』で会場はギュウギュウ。しかし、個人的には秋と違ってあまり食指が動かない。
スイーツなるものを少し買って、美術画廊に顔を出して帰宅。

なんだか疲れている。

原因は、朝まで仕事していた為と着慣れない服と久しぶりのデパートだな。
『徹夜とジャケットと人ごみ』……そりゃ疲れるわ。
でも、街のビジネスマン氏はこれが普通の事。エライなぁ~と思う。スーツ着て、満員電車乗って、深夜の帰宅。お疲れ様です。


帰り道の旭川沿いは、桜には早く、梅は盛りを過ぎつつある感じ。中州の雑木は切って積み上げてある。近々、伐採木の無料配布がある予定。

「梅は咲いたか 桜はまだかいな 柳なよなよ伐られ放題~~」とお粗末な端唄まじりに、ポカポカ陽気の中を帰宅。

土手のカラシ菜の葉っぱも目立ってきた。

確実に春ですな。


陶心会展は、天神山文化プラザで、15日(日)迄です。
是非、ご高覧下さいますよう宜しくお願い致します。 m(_ _)m


懸案事項

2009-03-09 21:36:32 | Weblog
「何がなんやら…」
簿記や会計は、未経験にして無知。勉強するも急には無理。

なので、会計ソフトを導入し和気商工会の全面的バックアップのもと終了した。有り難い事です。
終わったところで、「何がなんやら…」は変わらない。きっと来年も。

しみじみと思うに、会計ソフトは良く出来たもの。
計算せずとも、仕分けせずとも、知識が無くとも然るべき体裁になる。
全くの素人に手書きなんて不可能だわな。ましてや青色なんて…。

とりあえず、懸案事項の『申告』が完了。


さて、本日は陶心会展の搬入に朝から外出。久しぶりの岡山市内。
折角の外出で寄りたい所は色々あれど、後ろ髪を引かれる思いをしつつ速攻で帰宅。

仕事。仕事。ロクロ。ロクロ。
製作時間に関わる懸案事項は『深刻』だ。

う~ん。アレもコレも~~。

先行告知 備前陶心会展

2009-03-06 09:43:29 | 陶芸

いつも会期が始まってからのお知らせが多いのですが、今回はなんと!
始まる前からの告知です。(いやいや、これが普通と言うべき…。)

所属しております『備前陶心会』の定期的な展覧会です。

今回のテーマは、『重ねる 連なる』です。


■ 第40回 備前陶心会展 『重ねる 連なる』■

会期: 3/10(火)~ 15(日) 9:00~17:00

場所: 岡山県天神山文化プラザ(県立美術館隣)
     岡山県岡山市天神町8-54 (城下電停から徒歩3分)
     086-226-5005

入場料:無料


是非、ご高覧下さいますよう宜しくお願い致します。 m(_ _)m


フキノトウ

2009-03-04 21:18:29 | 陶芸
昨日は、朝のうちは雪が舞っていた。
今日は時々陽が差すものの、おおむね曇り。
寒さは少し和らいだような気がする。

ここのところ雨が多い。このまま菜種梅雨、卯の花くたしと続いてゆくのか…。

それでも春の雰囲気を感じるので、裏山を覗いてみる。

「あるある!」
柔らかな陽を受けて透明感のある淡い緑が光っている。厚く溜まった落ち葉を持ち上げて顔を覗かせているフキノトウ。まだ小さい。テントウムシも出てきている。


待っていた春を味わいたくて少々失敬。
刻んで味噌と混ぜ合わせ、少しの酒と味醂で伸ばす。フキ味噌。

ホカホカご飯の上にのせると春が…。春は蒼い香りと苦味。


さて、これからは注意してキョロキョロしないと…。
家の周りから食材が生えてくる季節ですからねぇ。