備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

はたらくくるま。

2008-11-30 13:12:47 | Weblog
窯焚き帰りの朝、配達を兼ねて吉井川沿いの道を南下する。
途中にバーベキューやラジコン場などの親水公園がある。普段の週末ならキャンピングカーの集団がバッファローの群れの様に輪になっていたり、中州は水上バイクや水上スキーのカラフルな若者が集うのがよくある光景。

今週は、モスグリーンの一団が占拠している。自衛隊。
整然と並び訓練中だ。どうやら中州から岸にかけての架橋の訓練らしい。救護班がボートで待機したり、色々と役割分担があるらしい。噂に聞くご飯を炊く専用車両(野外炊具1号)を見たかったので土手に止めて観察。でも見当たらない。リヤカーのゴッツイ版という形で目立つのだが。

野外炊具1号は2号とともに、災害時には随分と活躍する車両。スペックを調べてみると、炊飯限定なら約600名分、汁物限定なら1500名分、味噌汁程度なら1800名分を1台で調理できるとか。しかも1号は自走できないけれど、牽引走行中でも炊飯可能というのもオドロキ。ちなみに同等の炊事車を石原プロが所有している噂も。


ご幼少のみぎりから、働く車が好き。ねだって買ってもらった初めてのミニカーはブルドーザーだったし…。引き続いてハシゴ車、消防車。ただし戦車とか装甲車の類はなかったなぁ。メーカー側のラインナップになかったのかも知れないけれど。
小学校の頃に作っていたプラモデルはウォーターラインシリーズの駆逐艦や空母が多かった。あとはガンプラ、でもボールとか。ださっ。(同世代しか判らんね…。)


あまり長い間、見ているのも良ろしくないかと思い、写真を1枚だけ撮ってそそくさと退散した。

窯焚きお手伝い中

2008-11-28 14:36:29 | 陶芸
窯焚きお手伝いが始まって5日目。温度は400度を超えたところ。日程的には半分ぐらい。
お互いによく知った仲なので、率直に献身的な意見交換が常。同業で対等な立場での信頼って、なかなか築けないので大事な関係。同じものを見ても、自分目線だけでなく視野が広がる。

小生の周りでは、窖窯(あながま)使いの焼物屋は多い。近年独立した若い衆の窖窯率も高い。でもそれには系統のようなものがある。よって、考え方はイロイロ。

ここのオーナーとは修行経験は似ているけれど、最近は考え方が離れてきている。なので情報交換を踏まえての新しい『何か』を探る事も出来る。同じような系統での立ち位置としては、『守破離』のうちの『破』。


窯焚きにおける科学は、高温下での変化なので直接見れない為、思い込みも多い。しかも発色、質感を生み出すファクターは常に単純ではない。この考察が焼物屋の楽しみでもあり苦しみでもある。

焼物屋にありがちなのが、都合良く科学性を我田引水した仮説(思い込み)を定説のように押し付けるというパターン。かつては躍起になって論駁していたけれど、最近は淡々と対応する。トンデモ本みたいな主張も拝聴する。柔軟な心で。

だって、焼物屋としては、解説できる事が目的ではなく、良いものが出来れば良いのだから。その『良い』というのも『絶対』的なものではないけれど。

そこが、この業界の面白い部分。

学者じゃないのだ、焼物屋は。


科学は便利。似非科学は要注意。でもトンデモ系は、自分じゃ思いつかない理屈だったりするので、それに触れるのは新鮮な経験には間違いない。
しかし、水に心はありません。(ちょい古いな……)


火を見ていると神秘性を感じる。ただ現象の理解には科学の視線が重要。見えにくいのが難点だが……。

窯焚き期間も残り半分。オーナーが疲れてくるほどに、周りの冷静な視線が何よりも大事。窯焚きは、これからだ。

フェイジョア

2008-11-26 12:44:38 | 料理・食材
「珍しさだけよ…」と言われつつ頂きました。
名前はフェイジョア。

聞いた事があるような無いような…という名前。初見にして食べ方も判らないので教えていただく。半分に切って真ん中をスプーンでクル~ッと掻き出して、種ごとパクッ。アケビよりもやや小さいぐらいで、可食部分は真ん中のみ。果実ひとつでスプーン2杯。

食感としては、ざらつきの無い洋ナシ。香りはかなり華やか。長く口に入れていると人工的?とも思える程の強さがある。酸味がなく甘い。子供たちは大喜び。

まだ、植木としても珍しく、また、果物屋さんにもないとか。花も結構トロピカルな雰囲気らしい。『珍しさ』だけでなく『美味しい』食材というのがいいな。


人生で初めて。
とりあえず余命は75日延びたかな?

読書の晩秋?

2008-11-23 19:47:09 | 陶芸
本日は晴天なり。
外の陽だまりで、先日の渋柿を全て剥く。かなりテキトーにヒモに結びつけ吊るす。

本当は今晩から、深夜の窯焚きお手伝いに出かける予定であったのだが、窯のオーナーのA氏より「まだ詰まらん」との連絡があり、火入れが一日延期となる。
いいねぇ~~。延期出来る余裕あるスケジュールは。小生は、ここ最近はなかなか…。
今晩は晩酌可能に決定。窯焚き中は、晩酌できないのでね。

軒に柿を吊るし、仕事場の整理をする。
最近のヒットアイテムの透かしが『桜』なのを見て、他の季節対応のモチーフを考えつつ……。

近所のお宅へ頼まれ事の相談に行き……夕方の由、すっかりご馳走になってしまった。サラッとした自家手打ち蕎麦を堪能する。あまりの居心地良さに根っこが生えそうになる前に意を強くして辞する。お互いに余所者なので、しがらみ無くお気楽に話せるご近所さん。いいなぁ~古民家って。囲炉裏も。

さて、懸案事項のメドが立ったので、後は窯焚きしつつ、作るもののラフイメージの整理。と読書。(夕方に図書館に行って、本をどっさりと借りてきた。)

窯焚き期間中が、一番本が読める時でもある。
読書の晩秋?


冬の兆しに

2008-11-22 10:20:08 | Weblog
今年は台風の影響も無く、ここ数日の寒気で久々に紅葉が綺麗。
でも、そろそろ終了。山の葉っぱも散り始めた。

色々な種類の葉っぱが、風に吹き寄せられながら舞っている。前日までに散った葉は霜や夜露に濡れて土に張り付いているが、昼間の新しい落葉は軽やかに風に乗る。

仔犬の『福助』は、葉っぱを追い掛け回すのに忙しそう。時々、風に向かって甲高い声で吠えている。


ぼちぼち本格的に製作に入らんとなぁ~~。窯出し以来、まだロクロを回していない。ロクロ以外の仕事はしているけれど……。一向に、はかどった気がしない仕事が続いてる。

冬の兆しを感じるほどに、なんとなく焦る今日この頃。

遅ればせに柿収穫

2008-11-21 12:20:51 | Weblog
ほぼ全ての近所の軒先には、簾のように柿が吊られている。
稲刈りがひと段落した後、天気を見て渋柿を収穫し吊るすのがパターン。

面白いもので、野菜や果物などのお裾分けは、近所中からよく頂くけれど干し柿は別。それなりに加工に手間が掛かっているからか。
もうひとつ面白いのは、柿の木があるのに軒先に柿が吊られていないと、怠け者の家のように思われる雰囲気もヒシヒシ。草刈りをしない家と同じような冷たい視線。気のせいか?美しい日本の農事スケジュールを守らないと…。と言う事か。
でも、軒先の吊るし柿の風景は確かにいい感じ。

今年の稲刈り後は、まだ暖かかったので吊るしても柿にカビが生えたりもするタイミングだった。それを口実に拙宅の渋柿を放ったらかしにしていたのだが……。


窯の横に渋柿があり、鈴なりになっている。
窯の煙突に雨や落ち葉が吹き込まない様に蓋をかぶせに屋根へ上がる。見ると屋根から収穫できる近さ。これ以上置いておくと腐ってしまう。放っておいてもサルが盗るだけなので、遅ればせながらも先手で収穫。葉っぱも既に落ちていて採り易い。

天気予報的には最低気温が上がるようなので、凍ることなく、今からでも間に合うだろう。


問題がひとつ。
軒先の吊るし柿を、サルに根こそぎ盗られた事がある。あれはショックだった。
ヒモの所々にヘタだけ残し、軒先で寒空にゆれる様子を見たときの気持ちったら……。

番犬はまだお子様なので、役に立ちそうも無いなぁ。


近所の飼いヤギ

2008-11-20 09:49:59 | Weblog
夏の間は畑の一角に繋がれて、せっせと雑草を食べている。綱の届く範囲の雑草を食べ終わったら、少し移動して、また。
かなりの仕事量。雑草退治だけでなく有機肥料もばら撒いてくれる。畑が広いと役に立つのだろう。でも肥料が効いて雑草の勢いが良いのも確か。

雑草の伸び具合と競争する草刈りハイシーズンには羨ましい存在だ。草刈り機代わりに良さそう。ガソリンを消費しない上にミルクが飲める。
山間部で耕作放棄地に牛を放している場所も見かけるが、さすがに牛は飼えないなぁ。
と言って、ヤギは……。雑草が沢山生えている時は良いとして、冬が問題。
冬用に干草を用意するのは、草刈り機代わりとしては本末転倒か。

ドックフードで飼える柴犬ぐらいのヤギっていないのかなぁ?
ペット用のミニブタもいるぐらいだし。ペット用のミニヤギって可愛いと思うが。

または、冬場には居ないとか……。『合鴨農法』的な飼い方で、『ヤギ農法』はどうだろうか。御用が済んだらドナドナして……。でも、ヤギって食ったこと無いなぁ。旨いのか?そういえば沖縄では食材だ。

イカン。イカン。話が違ってきている。

ツナシ

2008-11-19 20:52:06 | 料理・食材
ずっと前に、伊部地区の秋まつり頃には『つなし寿司』が作られるとの紹介をしていた。(コチラ)

魚屋さんへ行くと、ツナシ(ここら辺の呼び名)がある。コノシロの一歩手前。
シンコ、コハダ、ツナシロ、コノシロという出世魚。出世と言っても、大きくなるほどに『猫またぎ』なのだが。

シンコは江戸っ子でなくとも、季節になると食指が動くもの。2、3枚づけで寿司一貫をつけるキリッとした形は、まさに職人芸。絵になる形だ。見て良し、食べて良しの一品。
お寿司屋さんサイドから見ると、手間の割には単価が稼げないようなので、遠慮して「余り沢山はオーダーしちゃいけない」と自制するけれど、本当は気が済むまで食べたい。

一方で、備前の『つなし寿司』は、半熟れの姿寿司。作り始めてから一週間程かかる。これまた手間。


しかし、今、食べたいのに、一週間も待てない。

「さぁ、どうするか?」


折衷案として……。一日後の仕上がりで。

大名おろしで捌いて、締めて…冷蔵庫で一日寝かす。
ご飯を炊く頃に引き上げて、ザルに立てまわす。あとは、酢飯を作って握る。のだが……。

江戸前のような寿司は握れん!なので、手鞠寿司に。
ラップに魚を広げ、ワサビをかまして、酢飯を少し。ギュ~ッ~と絞って形作る。
ご飯の堅さは、江戸前のそれよりも少しほぐれ難いしまり具合。半熟れよりは少し柔らかい。

絞る作業が子供たちの興味をひいた様で、皆やりたがる。なので皆で手鞠寿司大会。形としては、ゴルフボールやら石?まで色々出来る。
急遽、自分で作った物は、自己責任で頂くルールを制定する。子供が、ユズをひと欠け添えて完成。これまたバラバラ。

感想は、「ツナシは安い。しかし手間がかかる。けど美味しい」
まぁ、今回はさほどの手間でもないが。


春のシンコに、この寒気のツナシ。それぞれの味わいと言う事か。

地味ながら滋味。

セコガニ

2008-11-17 19:52:20 | 料理・食材
所用をこなして帰宅途中になんとなく魚屋さんへ。
夕刻の事なので、価格的にもチョット期待。「本日のお楽しみは、あるかな?」と腹減りのよろしくない目つきを泳がす。

すると、セコガニちゃんを2匹発見。メスのズワイガニ。小さいので、身の量は知れた物。しかしながら、内子が入っていれば儲け物のカニ。大きなズワイガニはよく見ても、内子が入っているのはシーズン限定。見かけたら要チェック。


小生の流儀として、購入判断のポイントは、重量に対する外子のはみ出し具合。
あまり出てたらダメ。軽すぎてもダメ。

今回は若干軽かったものの外子は殆んど出ていない。即、購入。
2匹で398円。1匹あたり199円なり。素晴らしいコストパフォーマンス。

燗酒と内子のハーモニーを思い出し……。ウヒャ~素晴らしい。カニを持って、広がる妄想を反芻しながら更にウロウロ。


売り場で徘徊していると、半額シールを持ったパートのオバサマが「ホラッ」と言って、そのカニにシールをペタン! 1匹あたり99.5円なり! 素晴らしいタイミング。ビバ!オバサマ。


今期、お初のセコガニ。
甲羅の中に詰まった『旬』で、満足。満足。


敬老会の落語会

2008-11-16 14:37:23 | Weblog
敬老会のふれあい行事というものがあった。落語会とお食事会とか。お食事会は関係ないものの、落語会は参加OK。という事で子供ともども参加する。参加家族中、最年少ファミリーの態。

登場するのは、隣町(赤磐市)在住の雷門喜助師匠。全国的に珍しい公営寄席である『お笑い赤坂亭』で毎月第4土曜日の19:00からの定席を務めておられます。
前から、この赤坂亭の寄席には興味があったものの行けずにいた。今回は良い機会。お笑い赤坂亭の寄席では、江戸、上方、色物の三席を300円の木戸銭で聴けるとか。

田舎の敬老会という事で、いかに元気に長生きするかがマクラで……そのマクラのまま1時間オーバー。「このまま、終わるな」と思いきや「では、一席お付き合いの程」ときた。かなり駆け足で展開させて終了。

マクラの段階で、子供たちは飽きてしまい外へ遊びに。
そりゃ~長生きするコツを聴いたところで、もともと『呑む打つ買う』の不健康な事をしないんだし、当然といえば当然。

まったりとした甘金な落語会でした。
落語に入ってからの運びはテンポが良かったので、寄席は一味違うかも。