備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

『えぇもんミュージアム』の入れ替え

2016-12-30 15:02:51 | 展覧会・ご案内


岡山駅新幹線コンコースにある『えぇもんミュージアム』の入れ替えをしました。

岡山県の特産品を展示するブースです。

壁に一体化した什器で、スポット照明も入ってラグジュアリーな佇まい。



(vol.1)

(vol.2)

さて、今回の入れ替えのテーマは、すんなりと決めました。新年を迎えるなら干支!! となると……「備前焼の伝統的ジャンルである『細工物』を展示しよう!」という流れです。

細工物というのは、まぁ『置物』なわけです。
備前では、伝統的に『型起こし成形』による細工物があります。大きなものなら神社の狛犬があり、桃山時代には見立ての香炉、江戸期には精緻な細工、昭和初期には仏像などに受け継がれてきました。
そこに明治より西洋的な彫刻、芸術といった概念が入り、昭和初期には(日用品が売れなかったという側面もありましたが)東京や京都で新しいアプローチを学び帰郷した人々による細工物が全盛期を迎えます。一点モノも作られるようになります。

コレクター的に『備前細工物』の時代を分けると、古備前(桃山・江戸期)、又は近現代(明治・大正・昭和初期)のいずれかになると思います。

また、現代細工物のムーブメントでは『ストーリー性の加味』があります。表現としてはスーパーリアリズム、ユルさ、新しいモチーフなどの傾向が見られます。


さて、今回の展示。

いつものことですが、作風からセレクトさせて頂きました。
特に今回は細工物メインの作家さんへお声掛けしたこともあり、各自の個性を発揮して頂け、現代の細工物の『幅』として展示出来た気がしています。

伝統的なモチーフとして、『獅子』『牡丹と獅子』
細工に工芸要素を加味した『獅子杯』
リアルな表現の追及として、『軍鶏』『蛸壺と渡り蟹』『目白』
ストーリー性と柔らかな雰囲気の『桃太郎 エピソード0』
SFジャンルとして『ミライノカセキ』

と、まぁ、多岐に渡っています。

問題点があるとすれば、拙作が細工物に入るか否かという評価が分かれるところでしょうか?



ともあれ、年末年始に岡山駅を通りかかることが御座いましたら、是非、ご高覧頂けると幸いです。

m(_ _)m



ニワトリ受難日2016 

2016-12-25 19:14:37 | 料理・食材


昨日は、クリスマス・イブ。
会った事もないおじちゃんの誕生日の前日である。我が国では、単なる『ニワトリ受難日』の気がするが……。

アメリカなんぞの彼の地では、クリスマスにニワトリを頂く事に「?」らしいが、日本でターキーなんて普段お目に掛からない。ここは得意の換骨奪胎というか和魂洋才というところでしょうな。ニワトリ上等!
で、昨日は拙宅でもそれっぽい晩御飯となりました。ツリーもイルミネーションもないけどさ。

頂き物のシャンパンを抜栓する。(やや舞い上がっている事は否めない)

細君より鶏モモ肉のロースト(塩胡椒味)をひとり一本あてがわれる。子供たちは余裕で平らげるが、小生は量的に充分。

しかし、それだけで終わらずに……次は一羽丸ごと登場する。こちらはスモーク。(こちらの方が好み)

程よく脂が抜けていて好ましい。皮目のパリパリを楽しみつつウイスキーへ移行。スモーキーなフレーバーにウイスキーはエェねぇ。
かの地ならば、このあとはチーズとかナッツなのでしょうか。おまけに、暖炉の前で歌でも歌うのか?! ( ← 妄想)

ニワトリ三昧で満腹になる。若干、残して終了。


で、翌日の朝。つまり、クリスマス当日、いや会った事もないおじちゃんの誕生日当日か……。(もう、エエか)
朝食は、お粥である。昨日の脂で胃が重い。
刻んだスモークチキンをトッピングする。

ん~~~、塩気と香りが良いなぁ、これが一番美味しいかも!!

「やっぱり、お米の国の人やなぁ、米国でなく……」と自覚したクリスマスの朝でした。


さぁ、年末感が増して来ました。イロイロ、やべぇ~~~~~~~~~~~。




備前陶心会 受賞者選抜企画  『Sextet』

2016-12-16 15:10:37 | 展覧会・ご案内


本日より始まっております。

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◆◇◆ 備前陶心会 受賞者選抜企画 『Sextet』 ◆◇◆

12月16日(金) ~ 22日(木)
  11:00 ~ 18:00 (最終日16:00)

ルネスホール 金庫棟ギャラリー
  〒700-0824 岡山県 岡山市北区内山下1-6-20

入場無料

●17(土)に在廊しております。
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恒例ではありますが、展覧会タイトルは『○重奏』という風にしています。
今回は6人なので、六重奏です。

昨日の搬入の折に撮った写真から、チラ見せ。

それぞれの作者が判る方もいらっしゃると思います。
結構、特徴的なメンバーですね。



フライヤー

(クリックで拡大)


(クリックで拡大)


小生は、『ミライノカセキ』のシリーズを。

花材代わりに、ネジ・蝶番・ワイヤーなどをワラワラと……。
「将来、発掘される化石には、こんなのがあるかもよ。(知らんけど……)」ってイメージですな。


ご高覧頂けると幸いです。 m(_ _)m













なんちゃってローストポーク

2016-12-05 22:15:58 | 料理・食材


普段の料理は、『手早く仕上がる事』の優先度が高い。しかも『アドリブ上等!』の姿勢である。
しかし、美味しく美しくありたい。

ただし、根本的なスキルが、プロとは雲泥の差なのでオハズカシイのが実情。特に盛り付けなどは、どこかに習いに行きたい。
まぁ、料理番組でも「では、最後に綺麗に盛り付けま~~す」と言いながらも「おぃおぃ」という結果も見掛けるけれど。


さて、本日は『ローストポーク』である。理由はそこに塊肉があったから。部位は赤身のモモ肉。牛はご不在である。

「これを手間を掛けずに作りたい」

イメージは『表面から少し焼色が入って、中はピンクながら火が入っていて、押すと肉汁が出る状態』である。 (←もう! 要望が多いわっ)

リアルなイメージは、牛窓の鬼才作。

熾火で作る本当のロースト。これは完全に無理……。 ( ˘•ω•˘ ).。oஇ

まっ、外側だけ焼いて、内側はタンパク質の凝固温度帯を維持してジンワリ加熱する2段階作戦、題して『なんちゃってローストポーク』作戦で作ろうと思う。
もはや『似て非なる』ものであるが、スキル不足ゆえやむを得まい。

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【テキト~~レシピ : なんちゃってローストポーク】 ( ← 書き方が、The 昭和)

塊肉を冷蔵庫から出して常温に馴染ませる。
塩を「えっ?」と思うぐらい多目に擂り込む。

 ~30分放置~

フライパンで焼く。中火で肉を載せたら1分ほど動かさずに待つ。全部で6面、キンツバを焼くが如く。( ← ほぼ見てるだけ)
薄っすらと焦げ目が出来ればOK。
取り出して冷ます。

 ~しばし放置~

ラップに包んで、ビニール袋に入れて密閉する。仕上がりに香りが欲しければローズマリーやローリエを一緒にしておく。空気を極力抜くのが最大のポイント。
60℃のお湯を作る。たっぷりお湯がある方が冷めにくいので、大きい鍋で準備。
肉を入れ60℃を維持する。時々、点火して温度調整も。この温度帯でゆっくりと生肉を凝固させると柔らかな仕上がりになる。
神経質に温度管理をしなくても良いけれど、温度計があると便利。(お湯に手を突っ込んで1秒ぐらいでアチッ!という温度という覚え方もありかな)

 ~1時間ぐらい放置~

お湯が冷めるまで番犬福助と散歩。「あの夕日の色を頂きッ」とか思いながら。

福助には塩分が多いのであげないのは、ナイショだ。

冷めたら、イザッ! 断面SHOW~~。

「な~~に、失敗しても命を落とすわけでもあるまい」と思うが、ちょっと緊張。
この緊張感が醍醐味である。窯出しの如く。

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【ソース、または付け合せ】
ソースは、フライパンに残った脂や肉汁をデグラッセする事が多い。
・お酒は、ワイン、日本酒、紹興酒……、
・酸味は、酢、レモン、ワインビネガー……、
・塩味は、塩、醤油、味噌……、
組み合わせはアドリブ全開で『シェフの気まぐれソース添え』の出来上がる。


今回は偶然ながら塩加減が丁度良かったのでソースは無し。ソースなしで付け合せを作ろう。
電子レンジに掛けたジャガイモをフライパンに投入する。先に内側に火を通して、後で外側を焼くのが肉と逆の手順であるな。対比が面白いねぇ。
う~~~~ん、脂を吸ったジャガイモって『デブまっしぐら』だわ。やばい。
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基本、放置する料理。

最近では炊飯器で作る人もいるらしい。なるほどねぇ。
でも、やきもん屋としては窯焚き同様に「中が見えない状態で想像力と観察力で仕上げる」という過程が面白いので、多少ギャンブル感がありながらも……いつもこれ。
今回は上手く出来た方だけど、プロのように食材のコンディションに関わらず安定した再現性には程遠い。まだまだ運任せ。
たまに上手くいった時だけの自画自賛である。


本日のメニューは、やきもん屋の『なんちゃってローストポーク』。


やきもん屋が、焼かなかった話にて失礼をば。