岡山駅新幹線コンコースにある『えぇもんミュージアム』の入れ替えをしました。
岡山県の特産品を展示するブースです。
壁に一体化した什器で、スポット照明も入ってラグジュアリーな佇まい。
(vol.1)
(vol.2)
さて、今回の入れ替えのテーマは、すんなりと決めました。新年を迎えるなら干支!! となると……「備前焼の伝統的ジャンルである『細工物』を展示しよう!」という流れです。
細工物というのは、まぁ『置物』なわけです。
備前では、伝統的に『型起こし成形』による細工物があります。大きなものなら神社の狛犬があり、桃山時代には見立ての香炉、江戸期には精緻な細工、昭和初期には仏像などに受け継がれてきました。
そこに明治より西洋的な彫刻、芸術といった概念が入り、昭和初期には(日用品が売れなかったという側面もありましたが)東京や京都で新しいアプローチを学び帰郷した人々による細工物が全盛期を迎えます。一点モノも作られるようになります。
コレクター的に『備前細工物』の時代を分けると、古備前(桃山・江戸期)、又は近現代(明治・大正・昭和初期)のいずれかになると思います。
また、現代細工物のムーブメントでは『ストーリー性の加味』があります。表現としてはスーパーリアリズム、ユルさ、新しいモチーフなどの傾向が見られます。
さて、今回の展示。
いつものことですが、作風からセレクトさせて頂きました。
特に今回は細工物メインの作家さんへお声掛けしたこともあり、各自の個性を発揮して頂け、現代の細工物の『幅』として展示出来た気がしています。
伝統的なモチーフとして、『獅子』『牡丹と獅子』
細工に工芸要素を加味した『獅子杯』
リアルな表現の追及として、『軍鶏』『蛸壺と渡り蟹』『目白』
ストーリー性と柔らかな雰囲気の『桃太郎 エピソード0』
SFジャンルとして『ミライノカセキ』
と、まぁ、多岐に渡っています。
問題点があるとすれば、拙作が細工物に入るか否かという評価が分かれるところでしょうか?
ともあれ、年末年始に岡山駅を通りかかることが御座いましたら、是非、ご高覧頂けると幸いです。
m(_ _)m