備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

備前 山内厚可作陶展

2008-10-30 12:15:51 | 陶芸
始まっています…。
小生の師匠の展覧会です。


【 備前 山内厚可 作陶展 】

会期/10月29日(水) ~ 11月4日(火) 10:00 ~ 19:30
会場/岡山高島屋 7階 美術画廊
     ( 岡山市本町6-40 ℡086-232-1111 )



窯焚きお手伝いと重なっていて、未だにお伺いできていません。
搬入の前日にお宅へお伺いしましたが、まっ、大変そうでした…というだけに留めておきます。

会期中は在廊されていると思います。

昭和の机

2008-10-28 18:33:15 | Weblog



知り合いの家を訪ねると、その人は土間で金槌片手に思案中。その視線の先には机がひとつ。尋ねると「どうやって壊すか考えとった」との事。

「不要なれば」とすぐに貰い受ける。もう少し遅ければ無くなっていた。危なかった。壊そうとしていた当の本人の父上(大工さん)の作。子供の頃に使っていたとか。

埃まみれで、木の材質が見えない。持ち帰って拭いてみると、天板はマツ。側板や正面はケヤキ。引き出しの中はスギ、ヒノキという按配。蟻組こそしていないけれど、釘が見えないように作ってある。狂いも少なく傷みもほとんど無い。天板に目立つ輪染みや墨汚れなどがあり、迷ったけれどサンドペーパーで磨いた。いずれまた、落ち着いてくるだろう。




死に節があったのか埋木があり、扇面と扇の意匠にしてある。昭和レトロな取手もいい感じ。工芸品というよりも我が子への実用品で、おそらく余った材料で作ったのだろう。見栄えの悪い木も使いつつ、うまく隠している。


小生の祖父も大工で、やはりその娘(小生の母)に勉強机を作っていた。それを一時期、借り受けて使っていたが、いつの間にかベランダに出され、植木鉢を乗せられて、雨ざらしの挙句に傷んでしまった。今、思えば惜しい事。無垢の地マツだったように記憶している。難点はメチャクチャ重いという事か。でもしっかりしていたな。


天板を磨きながら、爺様の顔つきを思い出していた。職人気質で怖かったなぁ。
でも、机を作った時はどんな顔で作っていたのだろうか。




岡山県動物愛護センター

2008-10-28 10:34:21 | Weblog
先日のこと。各種探し物があって、そのうちの一つを求めるべく『岡山県動物愛護センター』という所へ。犬・猫を飼うための基本的な事柄を勉強する会へ参加。

ウチの番犬が脱走した時に、『野犬は保健所に連れて行かれて処分される』という思い込みがあったので、保健所へ連絡したのを初めとして、最終的に此処へ辿り着いた。連絡して、その業務を知ったのがはじまり。それで今回の参加となった。

現場の職員は、殺処分と愛護の両面の仕事をしているので、心中イロイロと思うところも在るようだけれども、子犬・子猫の譲渡に関する事柄については口も軽やか。真面目にしっかりとした取り組み。個々の事例に即した対応があるのだろう。

山の中の整備された敷地は、広くてゆったりとしている。良い環境。税金の事を思わなければ……。本当のログで作ったトイレは明るくてキレイ。税金の事を思わなければ……。
目的に対して、効率的で効果的な使い方が、まだまだあると見受けられたけれど、官公庁では難しいのかな。その為に財団があるハズなのだが……。

あと、何回かは判らないけれど、気分転換がてらに通います。細君は、『しつけ教室』にも参加するとか言ってますが、小生はホドホドで。アバタがエクボに見える距離感でいようと思う。

「行政の見せ方って難しいけれど、大事だよな~」と思った一日でした。




岡山県産キターー!

2008-10-24 23:24:42 | 料理・食材
事の経緯はさて置き、今年は当たり年らしい。豊作とか。

さて、少々乾燥気味だったので、酒と水を霧吹きして、ラップに包んで放置。しばらくして開けてみると良い香りが復活。部屋に漂う香気。こういう時に誰か訪ねてくれば、暗黙のうちに自慢するのになぁ。(イヂワル…)

手で裂いて、料理する。手に残り香がする。
面白いのは裂いたエリンギを混ぜておくと、香りが移ってエリンギがマツタケが変身する。偽装マツタケで増量したスキヤキなんぞ……。美味しく頂きました。

スキヤキに負けないように、ちょっと味の濃いお酒を合わせて。新潟の高千代、特別純米『不老長寿』で。辛口ながらも口当たり良し。食中酒として幅広く料理に合う雰囲気。味の濃い料理の方が向くか。


小生の弟はある時に、兄弟が留守のうちに独り占めして「一生分食べた」とかで、残りの人生に、マツタケは必要ないらしい。だから、今回は写真だけ掲載。あげない。
喰いモンの恨みは恐ろしいぞよ。ガハハ…。

発送集中日

2008-10-23 12:03:18 | 陶芸
あれやこれやと発送。間違えると大変。
熨斗書き、包装、荷姿指定、付属物……モノによってイロイロとある。

包みながらも、「これが最後のお別れ…」と涙は流さないけれど、「可愛がってもらえよ~」という気持ちになる。
作ったモノにしてコレなのだから、娘を送る親の気持ちなどは……。
…つゆ知らず、結婚しましたっけ。一昔前の話。

落ち着いて、淡々、粛々と作業を進める。
いつも思うけれど、薄葉紙、緩衝材で包み、箱に入れ、熨斗掛けて、包装。更に緩衝材で包み、宅配便の箱にクッションを敷いて、外側に、天地無用やワレモノ注意、fragileやら注意書きを沢山書いて……。最後に、配達中に割れないようにお祈りしつつ…。ワレモノ運ぶのって大変。
美術運送のプロの方には頭が下がります。

昔、バイトでオーケストラのステージマネージャーの助手をしていたけれど、ワレモノはなかったなぁ。今思えば、かなり貴重品や高価な楽器も運んだが。
バイトでもプロ意識だった。もちろん責任なんて取れる立場でないから、そんな気がしていただけ。それなりに一生懸命。我ながら可愛らしい時代だったなぁ。いつもアロハシャツを着てたけど。


CDの棚からブラームスを引っ張り出して、秋を感じながらの作業となりました。
(ブラ1の4楽章のTrbコラール前で、吹きもしないのに緊張してしまった……。)


昨日は完全休業

2008-10-21 10:12:28 | Weblog
備前焼まつりには多くの方々のお越し、感謝感謝でございます。
昨年は、初窯デビューという事で、初めての参加でした。今年もまた、続けてお越しいただいた方々も多く、更に感謝感謝です。「年を重ねる毎に、更に良くなるように精進せんとなぁ~」と実感です。お買い上げいただけましたモノが、より良くなりますように、お客様の元で存分に可愛がってください。
来年も同じ場所で出店の予定です。(*^o^*)/


さて、お祭りの翌日(昨日)は、珍しく完全休業。

備前焼まつりの翌日を何もしないで、休日にするのは初めて。寄る年波か。子供たちが学校に行くのを見届けて、ゴロゴロ。

昼間にパラパラと業界関係者が遊びに来て、今年の備前焼まつりの話題でイロイロ。人それぞれのマーケッティングがあり、面白い。

夕方に、電話でオーダーがあったりして、まだ、お祭りの余韻みたいなのを感じる。随時、対応していきますので、しばしお待ち下さい。桐箱も出来次第、連絡いたします。


来週から窯焚きの手伝いが連続しているので、それまでに自分の仕事をしておかなきゃ。自分の窯焚きでお世話になる人の窯を手伝って、お互いに人員確保するのが、小生の周りでのスタンダード。手間返しなら、実費での経費が掛からないしね。

他所では、窯焚きの人を雇うというのもよくある。窯焚きがアルバイトではなく、それだけで生活している専門家もいらっしゃる。人脈と技術があれば、やっていけるという事。窯から窯へと順次回っていく。今がハイシーズンかな。


備前焼まつりの準備でウロウロしているうちに、近所の稲刈りも終わっていた。
稲刈りは、刈り取り専門の人が順次、田圃を回っていくようだ。
ヤキモノ業界の窯焚き職人と似ているなぁ。


おまつりが明けて二日、ボチボチと仕事を始めようか……。

再掲~備前焼まつり

2008-10-19 06:49:08 | 陶芸
※再掲です。

「今年は?」とのお問い合わせを受けておりますので、ご案内です。

●小生の出店場所は昨年と同じです。
酒屋さんの庭先で出来る事となりました。
駅前の大通りを突き当たって、東へドンドン……。右側に出しています。神社まで行ったら行き過ぎですよ~~。
オレンジ色の幟(のぼり)を目印に立てています。

各種イベントに関しましては、小生のHPにも記載しております。



本日、二日目にして最終日です。
では、行ってきます~~~。 (*^o^*)/~~

仕上げ作業中

2008-10-17 10:09:34 | 陶芸
窯から出たばかりのモノは、表面に灰が掛かっていたり、砂や石が噴き出したりしていてザラザラしています。そのままでは、怪我をしたり、テーブルを傷つける事になるので、仕上げに『磨き』の作業が必要です。

砥石で磨いて、サンドペーパー(60~80番)で更に磨く。時々、素手で仕上がり具合を確認しながら。最後に『水洗い』をして終了。

一点一点やっていくので、そのうちに指紋が消える。そして、ついには血がにじみ……。冗談ではなく、本当に熱い湯呑みが持てなくなる。
この艱難辛苦(という程ではないか…)を乗り越え、水漏れ検査を経て、やっと出来上がり。

窯出し後に、ヤキモノが一番キレイに見えるのは、洗い作業中。埃まみれのモノを洗い桶に入れると一瞬にして輝きだす。水の中で自然釉の貫入、窯垂れの結晶、ヒダスキなどがキラキラと光る様子には、つい手が止まって……見入ってしまう。この瞬間が好き。
そうは言っても、一つづつ洗いながら今回の良かった点、改善点を冷静に確認する作業でもあるのが事実。


日中はポカポカとした陽射しと程よい水温で心地よい。
日没後は、桶の水が急に冷たくなり、足元も冷えてくる。

ぼちぼち、ビールの個人的消費量が落ちてくる季節だ。


月にカニ

2008-10-15 00:46:29 | 料理・食材
またしても頂き物です。アリガトウゴザイマス。m(_ _)m

トロ箱に入れられて、鋏を輪ゴムで縛られて……生きてる。

早速、土鍋(我家の最大サイズの鍋)に水を張り…、火にかける。
「良い湯加減やな~」と思わせといて、そのまま温度が上がり……。ついに緋色も鮮やかな茹でガニ。

秋のワタリガニはオスが良い。身の詰まりも良い感じ。
足の付け根辺りの胴体をガシガシとしがみつつ…、甲羅側にあるミソをチョイッと付けながら。時々、思い出したようにお酒をチビリ。カニを頂く時には、寡黙にもなるが、お酒も忘れるなぁ。


頃は満月。月の表面の模様が、ウサギや人に見えたりする。「そういえばカニに見えることもあったかな…」と外へ。

月を見上げると煌々と明るく、模様なんて見えやしない。


翌日は、カニの茹で汁を出汁で割って、カニうどんです。


巡る季節の中で

2008-10-11 23:59:52 | Weblog
窯冷却中につき、窯周辺の片付けなど。敷地を行ったり来たりウロウロ。


不意に、ジョウビタキが低い軌道で目の前を横切る。「そろそろ涼しくなってきたなぁ~」と思っていたら、早速の登場。冬の前触れ。

ジョウビタキに替わって、チョウチョウの姿はめっきり見なくなった。つい先日までは、ウラギンシジミが飛んでいたのだが…。窯の横の大きなカシの木の樹冠に沿うが如く、キラキラと光を反射させて飛んでいたけれど、今日は見えないなぁ。成虫で越冬するので、また見る日もあるかな。

キンモクセイは満開。近所の古老は、キンモクセイの香りが漂うと「マツタケは出たかいな?」とお尋ねになる。毎年の繰り返し。そして、ウチにはマツタケ山はない。知るべくもなし。

昼過ぎに、大きな雄鹿が現れた。休耕田の草を喰み、大きくジャンプしたかと思うと山の中へ。悠然とした動きに目を奪われる。


目前の仕事に追われていない時には、身の回りの変化を感じ易いのだろうか。今日は色々と発見がある一日だった。

鹿が去った後、見上げた空は、やけに広く眩しく感じた。


もうすぐ窯出しだなぁ。