備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

個展終了

2014-03-31 12:21:37 | 陶芸


倉敷での個展が終了致しました。多くの方にお越し頂き、誠に有難う御座居ました。
会期中に色々と感じたことを実現すべく今後やっていきたいと思います。

m(_ _)m

展覧会では自分のアレコレを艱難辛苦の上に絞り出して僅かなエッセンスを提示します。
会場では、それはもう、居合いの如くシリアスな立会いの現場となり、わずかでも気を抜いたら一刀のもとに斬られてしまうのです。
お互いに視線の先を察し、一言一句を吟味し、その触り方から深い考察を読みとり……

「ムムムッ!!」

とはいかず、まぁ、大抵はオモシロ話にゲラゲラと笑ってました。
なかなか皆さんネタをお持ちで。美味しい情報の提供も多くあり有難う御座居ました。m(_ _)m


さて、昨日はギャラリーを辞しての帰宅直前に雨が降ってきて大慌てで撤収。
ひとまず、仕事場に荷物を積み上げて終了しました。


で、今朝になって家の周りを落ち着いて眺めますと、春爛漫です。


シデコブシに潜り込むマルハナバチ。
地味なアメリカフウノキの花。
原種に近いスイセン。
先日頂いた肥後スミレ。

番犬福助くんの近くには、ルリタテハが。



個展が始まった頃は薄いコートを羽織っていましたが、もう不要でしょう。
その代わりに春霞……いや、黄砂か?

山にも桜がチラホラと目立つようになってきました。
ウグイスが啼き、キジバト夫妻が連れ立って歩き、ミツバチが飛び回り、忙しげな山の息吹です。


という事で、小生も次に向かって行動開始のタイミングです。


まずは、この荷物を片付けねば……。




(´・_・`)


あっ、来年もよろしくお願い致します。
急ぎ御礼まで。 m(_ _)m


会期中 @倉敷

2014-03-24 11:45:06 | 展覧会・ご案内


倉敷での個展も一週間すぎて前半終了。
毎日、多くの方々にお越し頂いております。かなり遠方からわざわざお越し頂いた方もあり恐縮で御座います。

有難う御座居ます。m(_ _)m


春とはいうものの寒の戻りもあったり天候不順ですが、ギャラリーの中は安定して春です。
2週間持たせる気満々で入れた桜は、3日目には満開。今は葉が出つつあります。
蕾が一番綺麗なシデコブシも速攻全開してしまいました。ウチの外植えは、まだ色も見えてないのになぁ。


さて、今回のテーマ『remix』は、「古今東西の色々な形を解体、再構成」という趣旨です。
古代中国の青銅器、シリアの古代ガラス、中東の陶器、瓢箪製の民芸品などをそのイメージの源泉としています。
それぞれの特徴的な部分をこれ見よがしに「テンコ盛り~~~~~」ではなく、エッセンスを少し取り込んで『何となく異国風』という抑え目な雰囲気にしたつもりです。
「ウォリャ~~」とか力技は卒業。たぶん。
ちょっと大人になりにけるかも。(←ホントかよ)


ということで花材も色々。定番の椿も入れますが、


洋花も


フルーツも


野菜だって、


と、ジャンジャン入れ込んでいます。

他には、食用菜の花、アスパラガス、パプリカ、アボガドなども。
見ようによっては節操がないな……。

野菜は以前から花材として使っていましたが、搬入時にそれらがあると「晩御飯の買出し?」みたいな光景で少し恥ずかしかったりします。

アボカドは、熟してきたので持ち帰って美味しく頂きました。
すぐにお腹に変調をきたしました。流石、実力派ハラヨワ男子です。(←お子様かよ)


残り会期半分。~30日(日)迄です。


是非、御高覧頂けましたら幸いです。




土日は在廊、平日は不定期に在廊予定です。





個展 @倉敷

2014-03-17 01:10:29 | 展覧会・ご案内


昨日、備前陶心会展が会期終了致しました。
会期中に地震がありヒヤッとしましたが、幸いどの作品にも被害がなく無事でした。
拙作は、『空間』というテーマに対して完全に駄洒落で出品しましたが、ルネスホール賞を頂きました。
有難う御座居ました。

同時開催展も含めて御高覧有難う御座居ました。m(_ _)m


間髪入れずに、次の展覧会の御案内です。


◆◇◆ 渡邊琢磨 作陶展『remix』 ◆◇◆

会期 : 3/18(火)~30(日) 10:00~18:00(最終日は~16:00)

会場 : 倉敷・中央画廊 
     倉敷市中央1-6-3(大原美術館南側)
     TEL(086)434-3530

ん~~と、ラインナップとしては、帯シリーズ、青備前の白象嵌、紀元前シリーズなどが中心です。
あと、最近始めたアフリカンも少し。これは多分続けるシリーズになりそうです。
植物シリーズは今回はお休み。
(判る人は判るという不親切な表記でゴメンナサイ)


で、DM写真ですが、以前書いていたブログの顛末として……、自分で撮影は諦めました。
モノを作るほうが大事です。(←言い訳)
プロの撮影は流石で御座います。
いや、既にあるものは有効に使いましょう。(←言い訳)

会期が2週間と長いのですが、初日、土日、最終日は必ず在廊してます。
あと平日もちょこちょこ居るはずです。


是非、御高覧頂ければ幸いです。m(_ _)m





チビ窯、窯出し

2014-03-15 20:07:18 | 陶芸


昨日、チビ窯の窯出しをして、本日はサンドペーパーで磨いて仕上げ。
外仕事するには気温も程よく、水洗いも素手でも耐えられるぐらいでありました。

春になりにけるかも。まだ侮れないけれど。


窯出しは原因と結果の検証です。

今回は窯焚きの最後に木炭を投入後、手近にあった薪を窯の中へ放り込みました。
須恵器の焼成時ほど炉圧が上がった雰囲気はありませんでしたが、窯のアチコチから赤黒い煙が吹き出していました。
炎の出ている隙間をひとつづつ壁土で塗って密閉していくという極めて地味な作業をやって窯焚き終了。

その結果。
冷却還元の雰囲気が強かった場所は、須恵器っぽくなっていました。
全体を須恵器のようにするなら「窯は大丈夫か?」と危険を感じるぐらい薪を放り込むのですが、今回は控えめだったし部分的。
まぁまぁ、思ってた感じでした。

青備前はスカイブルーに。
欲張って入れていたコロガシは被害者続出。ここはやはり匣鉢積めがベターだなぁ。

全体的には、まずは窯出し直前の震度4で棚組が倒壊しなかった事に感謝です。
地震には、かなりヒヤッとしました。日が昇る前に見に行こうかと思いましたが、さっさと寝ました。
倒れたか否かは、その時点で既に決まっていることですし、無事を祈りつつ寝るほうが精神衛生上良いかと。
それでも開ける前に、ナグリ(金槌)を持ちつつ真剣に無事を願いましたが。


さて、何匹目か判りませんが鰯も。最近はすっかり高級な鰯。


しっかり焼魚になっています。


そうそう、イワシといえば……。
春先のこの時期は神戸っ子としてはイカナゴの動向が気になります。
今年は解禁時から大きめサイズだったとか。高級な小さいサイズはモシャモシャして好みでないので問題なしだけど。
しかし、大きいといっても『ふるせ』になると食指が動かない。(←ワガママ)

あれって、どう料理したら美味しいのかなぁ?
見かける度に魚屋の店先で手に持ったまま睨みつつメニューを考えるけれど……、いつも陳列棚へ戻す。
店先のキャッチ&リリース。


さてさて、今夜は鰯と向き合うかなぁ。
焼けてても食べられない方だけど。



ワサビ

2014-03-14 19:30:41 | 料理・食材


先日、御礼と報告に伺った先でお土産に立派なワサビを頂きました。
「お世話になった上、逆にお土産を頂戴する」という破天荒かつ破廉恥な……いや、一般に社会性を欠くヤキモノ屋の所業としては極めてありがちな行いで、恐縮しつつもガッチリと両手で受け取って帰ってきました。
秋刀魚皿に乗せても堂々たるサイズです。

ありがたや~~。m(_ _)m


しかし、その日は帰路に魚屋さんに寄るタイミングを外してお持ち帰りしてしまった。
さりとて、このまま眺めるだけでは宝の持ち腐れ。

ナニカ、オイシイモノガ、タベタイナ……。


メニュー選定に近年稀に見る悩みっぷり。条件は御在宅の食材で何が出来るか……。だから難しい。
「魚に拘らずに考えよう」と艱難辛苦。
しばし後に、「塩とワサビでお肉をどうぞ」の組み合わせを思い出して「肉じゃ~~!!」と相成りました。

で、御在宅のスペシャル特選ミートといえば、やはりジビエでありまして県内産某所の鹿の登場。まだ隠し玉があるけれど別の機会に。
やおら登場したのは鹿のモモ肉です。
脂が少ない赤身なので、まずはオリーブオイルで半身浴させる。切り方を厚目と薄目の2パターンで準備。



キラキラ光る黄金色の世界に身を委ねるお肉が堪りませぬなぁ。くぅぅ~~。それを眺めつつワサビを擂る。
焼く前から悶絶しきり。


で、まずは薄切り肉から。


ワサビを乗せて、岩塩乗せて。それをクルッと巻いてひと口で。

まずはオリーブオイルの香り。すぐに鹿肉の香りが来る。
噛むとジワ~ッと肉汁に塩とワサビがエマルジョンになって広がる。
そして最後に真ん中のワサビに到達すると爽やかな軽い香りがくっきりと鼻に抜ける。
あとには、ワサビの香りだけ。
くぅぅ~~。
やっぱり悶絶なり~~。


その後は、「厚切りと薄切りのどちらがより相性が良いか」を検証すべく、ひたすら食べ比べ。(写真はその合間に撮ったので、細かいことは置いといて……)
ワサビを擂り、お肉を焼き、岩塩を振り、合間にお酒も頂き、あぁ忙しい。


ひとしきり頂いて、ボチボチお腹がくちくなったところで次のメニューへ。


〆はコレでしょう。



ワサビ茶漬け。

“THE”って付けても良いな。 『THE ワサビ茶漬け』

満足。


……と、いうのが数日前でありまして……。


そして現在、ワサビは日々小さくなりつつありますが、目下引き続きマリアージュ調査中~~~。
ちなみに、朝食の『笹カレイの一夜干し』でも抜群であった事は併せて御報告までに。  (`・ω・´)ゞ


さて、本日も勉強せねば。 Ψ(`∀´)Ψ

















先日の窯焚き

2014-03-13 16:55:01 | 陶芸


さてさて、先日の窯焚きから。

遂に始まった怒涛の春。
2ヶ月間で個展×1、二人展×1、グループ展×2であります。ブッキング具合はダブルだかトリプルだか、もう数えません。(←現実逃避)

ヤキモノに限らず、Solo も Tutti もそれぞれの難しさがあります。人数が多いからって気が抜けません。
難しさ故の楽しさもありますが、会期前にはそんな事は言ってられない精神状態で、しかも、今期の最大のトラブルは割り木が入らないという事態に尽きる訳でして……。

当初、個展に向けて窖窯を焚く予定で素地を作り溜めていたけれど、秋に入る予定の割り木が……、入らず。
では年内にっ! ……入らず。
新年早くには? ……入らず。

┐('~`;)┌


「窖窯は少々湿気があっても大丈夫~~~」とはいえ、流石にこの時点でヤバイ。
本気でヤベェでがんす。
年明けぐらいから「急遽、チビ窯構想を立ち上げるか?」と悩む。う~~ん。割り木が少しで済むけど危険がいっぱい。
結局、まぁ、そうなるんですがね。「無い割り木は振れぬ」と言いますし。

基本、小生は窖窯使いなので、誤解を恐れずに言えば還元小窯は色モノなのである。(なんかゴメンナサイ)
チビ窯は簡易に焚く為ではなくて実験的な立ち位置で、大きな窯では出来ない事をする為にある。なので量産も安定も求めていない。
これで勝負するには、危険が過ぎるんじゃ……。しかも勝負の回数は少ない。

しかし、やらねばな!

腹を括って、それまでの仕事を止めて、チビ窯仕様へシフトしました。
出来上がりを逆算して土から調整。形もそれに応じてそれなりに。完全に最初から始めるみたいなものですわ。


で、先日の窯焚きと相成りました。
手は尽くした。……たぶん。
いや、まだ想いの方が勝ってるな。


窯焚きは、メッチャ寒くて焚きながら遭難するかという冷え具合。3月なんですけど……。
それでも昼間には懸案の窯周り整備に着手しました。「寒い」って言っても言わなくても寒いし。

歩きにくい斜面に暫定的に置いた飛び石のようなレンガ。


疲れてくると事故の元でもある。
「ここを平らにしたい」のが懸案事項だったので、延べ石で土留めにして平らにすることに。


ネコの手も借りる。(手?)



『ネコ = 一輪車』ね。(野暮な説明)


寸法を測って並べる。


石が重くて持ち上がらないので立てて歩かせたり、テコの要領で抉ったり。
なんだか造園バイトの経験が……、さほども生かされず……か。

片側をやると反対側もやりたくなるのが人情ってもんでしょ。


ついつい、予定以上にやってしまう。
「まぁ、今日はこんなもんで許しといたろう」


終わる頃にはすっかり疲れ果てて、窯の前の椅子に落ちるように座る。と、もう根が生えたみたいに動けない。
「夕日を眺めて窯への集中力を呼び戻す」風を装って体力の回復を待つ。(……動けん)
いやはや、寄る年波を感じますなぁ。


ひと心地ついたら、本気で窯の相手を。


まずは鏡の土塗りから。

あれこれなギミックもありつつです。
なんやかんやあって終了。


さてさて、窯焚きが終わった明け方。ちょっと寝て搬入へ出向く。
今、開催中のグループ展です。



◆◇◆ 第45回 備前陶心会展 ◆◇◆

テーマ : 空間
会期 : 3/11(火) ~ 3/16(日) 9:00~17:00 (最終日15:00)
会場 : 岡山県天神山文化プラザ・第2展示室
入場料 : 無料


こちらでは、ルネスホール賞を頂きました。有難う御座居ました。


___________

■ 同時開催企画展 ■

■岡山天満屋 5階 画廊アートスペース
会期 : 3/12(水) ~ 3/18(火) 10:00~19:30 (最終日16:00)

■明日香画廊
会期 : 3/11(火)~ 3/16(日)
平日/11:00~18:00 ・土日/11:00~17:00(最終日15:00)

■アンクル岩根のギャラリー
会期 : 3/12(水)~ 3/17日(月) 12:00~19:00



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是非、御高覧頂ければ幸いです。m(_ _)m


さて、明日には窯出しするかなぁ……。












今朝の点景

2014-03-04 09:50:03 | Weblog


久しぶりにキンッと冷えた朝。空が高く気持ちよい。一筋の飛行機雲が西へと伸びている。
見上げるすぐ横には藪椿の大木。


今が花の盛りか。藪はいいねぇ、花が小さくて。
近づくとメジロの一群が一斉に飛び立つ。きっと顔に花粉のお弁当を付けてるだろうな。

植えた方の椿もボチボチ最後の見納めに近いか……。


いや、まだまだ。椿はいいねぇ、花が色々あって。


しかし、ボチボチ春の気配も。サンシュユも脹らんできた。


「これも植えっぱなしだけど、それなりに大きくなったなぁ」と、しばし見上げる。

(あぁ、今年もマンサクを植え損ねた) ┐(-。ー;)┌


ふと、冷気を鋭く切るような小鳥の鳴き声。見渡すとヤマガラとシジュウカラの混成チーム。


チラッとしか見えなかったけれど。野鳥はいいねぇ、可愛くって。


小鳥の動きが活発になってきた。……ということは虫も出てきたか。

おぉ、そういえば毎日ジョウビタキにアタックされている窓は……と見ると、


しっかりと痕跡が。結構な仕事量ですな。なるほど、こういう風に景色が写ってるのね。ふむふむ。


さてさて、気持ちよく朝の一巡りをしたので、今日も元気に引きこもりましょう!
ひょっとしたら、本日の歩行数はこれで終了しかねないなぁ。


家に入る時に、番犬福助くんが背後から何か言ってましたが華麗にスルーしてやりました。

夕方にまたお会いしましょう~~~~。 ( ̄ε ̄)~♪