備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

けらもす5.0 本日終了

2014-09-28 23:59:18 | 展覧会・ご案内


加計美術館@倉敷の『けらもす5.0~檜杉100%焼成の備前焼』が、本日終了致しました。
多くの方々の御高覧有難う御座いました。m(_ _)m

まだ寒い頃の手探りの状態から、企画立ち上げ、夏の窯焚き、秋の展覧会と折に触れて、図らずも想像以上に世間の耳目を集め反響を頂いた様に思います。
本当に多くの方々の御声援、御紹介あってこその今回の展覧会でした。
記念すべき展覧会になったのではないでしょうか。

終わった今なので言えますが、今回の窯焚きは失敗出来ない実験でした。
個人が経済的に負うリスクもありますが、失敗して「檜・杉ではアカンやん!」というイメージが着くのは全力で回避したい。
将来の備前に於ける燃料インフラ構築に関わります。
世間の注目の高さに正比例してのプレッシャー。業界関係者の注目もありましたし。 (´・_・`)

まぁ、少々手こずる条件でも窯焚き技術を駆使して克服出来るメンバーであったのは確か。
何よりも樅(モミ)100%焼成も経験もあったので密かな自信はありましたが。 (*^ー')b


もうひとつ。
檜杉(ヒノキ・スギ)って言いにくいです。杉檜(スギ・ヒノキ)の順番の方が言いやすい。
これは食品表示法っぽく「原材料に占める重量の割合の多いものから順に、その最も一般的な名称をもって記載するべきではないか」という意見から。
要は使った割合です。
結果、言い難くて説明の時にちょいちょい噛む。ヤヤコシイ。


さてさて、個人的に大きいイベントだったギャラリートークは、ゲストスピーカーの方々の助けで無事(?)乗り切りました。
いつも通り『出たとこ勝負』での喋り。ちゃんと伝わったかは謎だけど。
有難う御座いました。 m(_ _)m

現在、花粉症による声枯れ中。23日で良かったです……。


今後は個人が如何に使うかです。
けらもす以外の方々が使った場合の結果も是非、拝見したいですねぇ。なかなか100%焼成は出来ないと思いますけどっ!(←煽り)

そして、来年は『けらもす6.0』。企画は今後ブラッシュアップしていきます。
さてさて如何なりますやら~~。
業界関係者は「杉檜100%焼成の還元を見たい」という声が多いですねぇ。

ふふふっ。まだまだ明かしませんぜ。 (`・ω・´)キリッ  (←つか、正式決定は未だだし)


ひとまず小生はチビ窯で使います。今度はコッソリと個人的にね。しかも還元で。


まずは、展覧会の御礼まで。


今回のお気に入りを載せてオシマイ。





m(_ _)m


けらもす5.0 ギャラリートーク終了

2014-09-24 09:52:22 | 展覧会・ご案内


昨日は、『トークイベント&鼎談』と銘打ってのギャラリートークでした。
ゲストスピーカーに環境学博士さん、博物館学芸員さんにお越し頂きました。皆さんが「未来に向けて何かする」という意気で参加して頂き、感謝しきりで御座います。
最初からノーギャラ宣言してのオファー(非常に恐縮)だったので、「お客さんが来なかったらどうしよう」という不安がありました。
始める前には会場一杯になって一安心。入りきれなかった方々向けにスピーカーを外に出しての対応も。つか、会場暑い…。

まぁ、「そもそも備前焼を見るのが初めて」というお客様もある観光地なので、会場がざわついて遣り辛い場面もありましたが、これも経験。
今後の糧という事でしょうか。


トピックスとしては……、

バイオマス燃料の情勢変化があって、ヤキモノ屋にとって「赤松が入手しにくくなってもOK」「檜杉がいつでも代用燃料になるよ」という訳でもないのが気掛かり。
現状を気付いていない人、気付いた人のどちらにもあまり朗報ではないなぁ。 ┐('~`;)┌
あと、やり易いコストダウンの方法は判っていながらも、多くのヤキモノ屋の窯の立地条件では問題点もあるなぁ。

古備前の燃料に関するアカデミックな分析も面白いところ。
燃料の樹種特定と器種の成立年代を結びつけると、昔の山の風景が見えてくるようでした。流石~~。随分と風景が違っていたんだねぇ。
こういう新しい知見を得ると自戒を込めて「思い込みの自説を声高に言うヤキモノ屋さんが多いだけに注意しないとねぇ」と。くわばらくわばら。(← 使い方が違う)

檜杉焼成を経験したからこそ判る会場限定の情報なども出しました。
イベント終了後には、陶芸専攻らしき学生さん複数からの質問多数。おぉ、熱心~~。ちゃんと応えきれたか謎だけど。スマヌ……。


今後は、メンバー各自が持ち帰っての活動となります。
兎角、異色の…しかし絶妙に繋がった関係者の方々の知恵と力を結集して、自分の方向性を生み出さねばなりません。
う~~~ん、色々とヒシヒシ。


さて、残り会期は28日迄。小生は最終日夕方に会場入り。

是非、御高覧いただければ幸いです。

m(_ _)m


さて、花粉症も御座いますので、しばし引きこもります。チャオ。(*^o^*)/




けらもす5.0 ~檜・杉100%焼成の備前焼

2014-09-22 12:28:20 | 展覧会・ご案内


既に始まっております。m(_ _)m
所属しております『備前焼作家集団けらもす』のグループ展です。

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■ けらもす5.0 ~檜・杉100%焼成の備前焼 ■

会期 : 9月19日(金)~9月28日(日) 9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場 : 加計美術館 1階 倉敷市中央1-4-7(美観地区観光案内所となり)
TEL 086-427-7530

●入場無料


近年、顕在化する燃料問題に対して、解決方法を模索した『ひとつの結果』を展覧します。
県内産のヒノキ・スギ100%で窖窯焼成した作品と、これまで各自が製作した作品を同時に展示し、比較することで「何が異なり、異ならないか」を検証する企画です。

是非、ご高覧頂ければ幸いです。
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……と、まぁ、お堅い御案内はここまで。

え~~と、思い返せば、今年のホワイトデーの夜、某所。まだ、寒かった……。
ヤキモノ屋さん、割り木屋さん、環境学博士さん、けらもすメンバーが集う。
お互いの燃料問題に関する現状把握、問題点、将来性などを検討し、その場で『檜杉100%焼成実験』を決定。
しかし、不安要素は色々とある。何せ備前では未知の事なので。
……と言いつつも、実は我々けらもすはフランス・プロジェクトで『モミ(樅)100%焼成』の経験はあるので、密かにイケイケの自信も。

しかし、その帰り道に「これは人知れず行う実験では意味がないなぁ」と思い立って、実験結果を発表する展示企画を立案。
その後、発表場所も決まって、これが今回の『けらもす5.0』となる。


『けらもす』では企画毎にリーダーが流動的に変わる。
今回は切り込み隊長的な位置で言いだしっぺの小生が折衝やら広報。ハイハイ、サクサク。
サクサクやれるのは、他のメンバーのサポートのおかげ。これまでの「毎回リーダーが変わっても平気~~」という裏づけがある。
ヤキモノ以外のスキルや適性を個々が如何なく発揮してGJです。

まぁ、アレだ。
「我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ」
って、禿で禿のオジサマが言ってたやつね。

漢字で、チビは禿、ハゲは禿なんだよ。 ← 役に立たない豆知識。(^。^ゞ


広く世間に公開する手前、「実験したところ、焼けませんでした」では備前焼の将来に関わるかも知れない。
なので、しっかりと温度が上がる実証は最低条件。まず、焼こう。

窯詰め・窯焚きの親方は『任せて安心・窖窯使い』に決定。
参加者のスケジュールを縫うようにして、実験が始まる。この機動力の高さも我グループの特徴。攻めるぜ。

窯焚きの最終日に、備前に台風直撃予報が出る。不穏な風が吹く中、窯焚き当番に出かける。
到着するなり親方の命令で「割り木残数、温度、時間を逆算して0:00までに正面を仕上げるべし」という窯焚き早仕舞いの重大ミッション発生。
ハイハイ、このコンビではよくあった事ですな。
どうも、いつの企画でも嵐を呼ぶ男がいるらしいわ。あの人がアヤシイんだけどなぁ。

ちなみに小生は晴れ男のハズ。(*^ー')b


さてさて、閑話休題。

拙作で今回の実験の一部を御紹介。


左と真ん中が、檜杉100%焼成。
右はチビ窯で、赤松とカシ(樫)が少々の焼成。(禿窯とは書かないよ)

灰の成分の違いよりも、窯焚き条件の方が色に対する変化の要因としては大きいかな。
同じように見えても、今後の使い方次第で面白い変化する兆しも発見している。


会場には、実際に使用した檜と従来の赤松。

重さがかなり違います。

実験の内容、方法、焼成グラフ、感想を交えて報告パネルを掲示。


薪ストーブで作った灰、窯床に残った灰なども展示。ついでに葉っぱも。

キレイな色です。


今回は、各メディアからも注目して頂き、新聞などの掲載多数、テレビのニュースにも数回。
ご覧になった方や業界関係者が多く立ち寄られています。報道の方々に深く御礼。ありがたや~~。

業界関係者からの質問で多いのは、画像では判らない木の重さ、燃焼スピード、価格、入手先など。
で、これらに関しては23日のトークイベントでお話します。
今回の実験に関わって頂いた方々、学識経験者などの立場からのお話もして頂くので、現状に関する立体的なセッションになれば良いかなぁ。

業界関係者も是非、23日を狙って御高覧いただければ幸いです。


●23日(火・祝)14:00~ 『トーク&鼎談』

けらもすのパネラーは小生。
切り込んだ責任ですね。ハイ。(´・_・`)


あっ、台風予報が出ていますが、23日は大丈夫なようです。嵐を呼ぶ男が在廊日がヤバそうですが。


色々とよろしくお願い致します。m(_ _)m











県展 2014 

2014-09-12 16:36:13 | 展覧会・ご案内


既に開催中ですが……。m(_ _)m

工芸の会期始まっています。いや、始まってました……。



■ 第65回 岡山県美術展覧会 ■

工芸・写真・デザイン部門


会期 ; Ⅱ期 2014年9月10日(水)~ 9月14日(日)

会場 : 岡山県立美術館

〒700-0814 岡山市北区天神町8-48 TEL(086)225-4800


拙作も展示されております。
是非、御高覧頂ければ幸いです。m(_ _)m



日本陶芸美術協会 選抜展 @岡山高島屋

2014-09-05 10:23:57 | 展覧会・ご案内


既に会期始まっております。m(_ _)m


所属しております日本陶芸美術協会での展覧会です。

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■ 日本陶芸美術協会 選抜展 ■

期間 : 9月3日(水)~9月9日(月)
会場 : 岡山高島屋 8階催事場

重要無形文化財保持者(人間国宝)5人を含む会員36人が約170点を出品。 
9月6日午後2時から、白磁の人間国宝・井上萬二先生(佐賀県有田町)のギャラリートークがあります。

小生も5点出品。
●7日(日)に在廊しております。
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この度は、神戸以西での展覧会は初。
岡山高島屋さんにはかなり力を入れて頂き立派な会場、写真のきれいな冊子、ポスターを製作して頂きました。





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日本陶芸美術協会

現代陶芸を牽引する先生方が多数御在籍の会です。
関係各所から「何で、なべちゃん、入ってるの?」と訝る声も御座いますが、だって会員なんだもの。
有難う御座います。(というか、そろそろチャンとせな、叱られるなぁ)
ライネンカラ、チャントシマス。(デキルノカ……)

「やれば出来る子」って言われ続けて……いやはや。(´・_・`)