備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

赤ナマコ

2016-01-18 21:17:59 | 料理・食材


今日は、関東以北は大荒れの天候だったとか。東京も雪で大変。センター試験が終わっていたのが幸いだったかな。

寒さと雪で思い出したのがナマコである。冬至ナマコと言われるように、ナマコの旬は冬。しかも一番寒い頃。
いつの頃からか、体感的に寒さとナマコが結びついて覚えられていて、寒くなると「ナマコで一杯」と思う。
雪は大根おろしのイメージなんだろうな。見たまんまか。


この季節、魚屋さんには2、3匹が仲良くパックされてナマコが鎮座している。上等とされている『赤』と『青』は区別して並べられている。価格は随分違う。

赤については常より「青よりも柔らかくて優しい味とは思うが、反映された価格はちょっと贔屓し過ぎじゃないかな」と思っている。でも実情は問題ない。そもそも小生の好みがゴリゴリの青なんで。( ←貧乏舌めっ)

しかし、数居る中で目を惹いたのは、コノワタを吐き出している2匹の赤であった。
大きからず、小さからず。コノワタも確認出来る。

これを見ては仕方ない……連れて帰ろう。


料理は定番の酢のものにする。シンプルだがこれが美味しい。
ナマコの両端を切って、塩摺りをして汚れを落とす。水で洗ったら胡瓜の如くスライス。
二杯酢へダイブ~~~させて、大根おろしを作る。あとは柚子と唐辛子で色良くするかな。

コノワタもきちんと確保した。厳密に言えば黄色が生殖巣(コノコ)、白色が腸管(コノワタ)であるが、量が少ないので一緒にする。コノワタの中の汚れは包丁の刃先で絞る。う~~ん、宝物じゃ。少し塩を入れて冷蔵庫でオヤスミナサイ。これは明日への持ち越し分とする。

寝かせる事で塩と馴れて美味しくなる筈だ。ひと箸舐めては酒杯と交互に……。あぁ、楽しみ。( ←妄想)


小鉢の中は冬の風情。雪が積もったかのよう。
この時期に酢のものは少々冷えますが、熱燗で暖めながら頂くのが乙なり。

しみじみと旨し。


さてさて、雪に不慣れな地域では、皆様、事故や怪我のないように。m(_ _)m







めはり寿司

2016-01-16 19:00:00 | 料理・食材


ふとカレンダーを見ると、既に1月が半分終了。正月で上旬が削られた感があるが……ふむ、2月は閏年サービスで1日追加ありか。閏日は切羽詰った時には重要な一日になるなぁ。

そう、切羽詰ってるんです。実は。

なんだか上半期の予定が既にギチギチとしてきていて、余裕が無くなってきている。
でっ、余裕が無いのに何をしてるかと言うと……晩御飯の仕込み。

う~~ん。こんな時に、バカだねぇ。
「試験前に部屋を片付けたくなる」っていうアレ。『セルフ・ハンディキャッピング』ってやつね。
「部屋片付けてたら勉強時間が無くなったので悪い成績でも仕方ないよね。もし良かったら俺ってエライわ!」という失敗を外的要因に、成功を内的要因にしたい事前言い訳ですわ。

まぁ、でも作っているのは、自分の『最後の晩餐』に挙げる重要メニューなんでねぇ。仕方ないよ。これ大事。(←やっぱり言い訳)

仕込みは『めはり寿司』の材料です。

端を発したのには、過日頂いた謎の大きな葉野菜にある。葉は小松菜や高菜サイズよりはるかに大きい。しかし軸は長細くて壬生菜程度である。葉は縮んでいない。「小松菜? 高菜? 壬生菜? からし菜?」と不明。さて何だろ? 

「こういうお題には真摯に取り組まねばな」と俄かな使命感が立ち上がる。
齧ってみると苦味を感じる……という事で、軸は牛脂で炒め物に。「壬生菜と牛肉の鍋(塩味)は美味しい」という自分レシピから引用発展である。まぁ、中華料理のおひたしの技術なんだけど。
残った大きな葉は塩漬けにする。葉のサイズを生かして『めはり寿司』を作るのが希望。

うっひょ~~い。正体不明なチャンス到来ぢゃ。(*^ー')b


塩を塗して、重しを乗せて1日置く。随分と水分が出ている。

昆布、柚子、鷹の爪を追加して更に 放置 仕込み継続である。2日ほど経ってOKとしよう。( ←これ以上待てないし)

中のご飯は「寿司飯にするか?」と迷ったが、混ぜご飯にする。柚子・白ゴマ・軸部分を刻んで入れよう。
包丁で刻める限界に挑戦。


混ぜる。

ついでに柚子果汁も香り付けに投入。酢飯ほどではないが香り良し。

あとは、ご飯を俵型に握って、塩抜きした葉っぱで巻くと完成~~~。


つい勢い余って、若布・黒ゴマバージョンも作ってしまった。

巻くとワカランな……。

葉っぱの虫喰い痕が、自家製の証みたいなものでしょうか。
即席故に、少々塩分が効き過ぎた感がありますが、美味しゅう御座いました。しかし、かなり修正の余地があるので、これを『最後の晩餐』とするには、まだまだ。

やっぱ、乳酸発酵が旨さの決め手かなぁ? なら、水キムチで試してみるか……。( ←何故、普通に作らないのか)
するってぇ~~と、あ~~~~~~~っ、水キムチのポット作らなぁアカンやんっ! 
道具からか。(´・_・`)


という事で、仕事を思い出して、今後のスケジュールに目を剥く思い。

さてさて、忙しいですぞ。 


































 

2016始まり (浅草は本日終了)

2016-01-07 09:45:23 | Weblog


2015年からの年またぎ企画『古田織部没後400年 激陶者集団へうげ十作展 ニッポニアニッポン』も、本日にて終了。

クリスマスイヴ搬入から、連日のイベントやワークショップを開催し、まさに釜の湯も滾る熱湯 いや熱闘イベント。初日からの3日間は在廊・お呈茶をし、その盛り上がりに後ろ髪の引かれる思いで帰宅しました。
年末は浅草の賑わいを遠くから伺い、そのまま年を越して『古田織部没後400年プラス1』を迎えました。


思い返せば、昨年の正月は窯詰め中で、窯焚き途中に実家に戻ったり……と波乱な幕開けでありました。
その後も『作って食べて、食べて作って』は相変わらずに営まれて2015年は終了。ブログの写真にも反映されていますなぁ。

2015年、頂いたものたち。(クリックで拡大)



2015年、作ったモノたち。(クリックで拡大)




さぁ、2016年シリーズ開催です。
「1月2月3月は、行く逃げる去る」と言われますが、しっかりとやって行きたいと思います。
あっ、今日ってもう七草の日じゃんか! 早ぇ~~。 ( ̄□ ̄;)!!


ひとまずは窯焚きに向けてアレコレ。
飄々といきたいものですなぁ~~。たぶん無理だけど。


本年もよろしくお願い致します。 m(_ _)m