備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

いちめんのなんのはな

2007-06-26 22:05:46 | 陶芸
棚板に並べられた小鉢。一面に花が咲いた様に並ぶ。

焼き上がりを想定しての仕込み。中央部分が白丸にヒダスキ、周りはゴマ。裏側は緋色が発色する予定。ワラを敷いて、その上にボタ(耐火度の高い土で作ったセンベイ)を置いて仕込み完了。

この状態で窯焚きをすると、燃料の割木が灰となってモノの上に降り積もり、器肌が露出している部分が自然釉となる。それが『ゴマ』。ワラは『ヒダスキ』となる。

ボタの部分は何も置かない場合もあるし、なにか別のものを置くこともある。
モノを置く事によって、火の走った雰囲気を映す事もある。焚き口との位置関係や使った土にもよる。

さて、この場合は……。
ここでは書かない。書かない部分を、焼物屋の工夫というべきか。小さな秘密というべきか…

「大抵の秘密は、たいした事が無い」という事もある。思わせぶりで留めておこう。


深夜。時間を忘れた窯の中から這い出て、腰を伸ばすべく体を反らせる。
星のない厚い雲間からさす煌々とした月の光。
体を元に戻しつつ、地面に映る自分の影を踏みながら家へ。
本日の仕事は、これにて終了。

雄町米のワラ

2007-06-25 23:07:35 | 陶芸
『ヒダスキ』という緋色ラインの景色は稲ワラによって作られます。
ワラに含まれるアルカリ分と素地の金属(鉄分)が反応し、冷却する段階で結晶・ガラス化することで発色します。

ワラはうるち米のワラにかぎります。もち米のワラは用いません。
小生の場合は、造り酒屋さんルートで頂いた酒米の『雄町米』の稲ワラを使っています。このワラは、通常のお米のワラに比べて長いのが特徴です。

農家の都合では、雄町米は長くて倒れやすいので、あまり積極的には作らない。よって作付面積が少ない品種。

やきもん屋の都合では、作品にワラを巻いていく時に有利な長さ。短い場合では、継いだり結んだりしなければならない。その意味では雄町米は使い勝手が良い。

最近の稲刈りは機械化されているので、収穫と同時にワラを切り刻んでしまう。『ヒダスキ』の為には、根元から刈ったワラが必要。
かつて半農半陶であったヤキモノ屋では、長いワラは当然の存在だった。しかし、今は入手する為には、心がけが必要。かつての暮らしぶりのサイクルに感心する事しきり。

現場は混乱しております…

2007-06-24 03:04:26 | 陶芸

窯詰め開始。
備前焼は釉薬を掛けない『無釉焼締め』が最大の特徴です。その器に模様を描く事が出来る最大の要素が、窯詰めでの計算です。その他の要因として土の耐火度、金属の含有量、灰の種類……。それらのコンビネーションによって、備前焼の発色が生まれます。
『偶然の産物』ではあるけれど、『必然の算術』が必要。

ワラのあたった部分が緋色のラインとなる『ヒダスキ』
燃料の木から出る灰が溶けて、自然の釉薬となる『ゴマ』
燃えた熾き(おき)と反応して出来る『サンギリ』
その他に、ボタモチ・抜け・コゲ・緋色・紫蘇色・青備前・玉だれ・カセゴマ……と、様々な発色をします。


窯の前は、数ヶ月前に作ったものから、つい最近作ったものまで、色々な種類のものであふれています。それらをセッティングして窯詰めしていく。同じ形でも数種類の土を使い分けている場合もあるので注意。

窖窯(あながま)は正面の焚き口が窯の出入り口を兼ねている。、その為、窯の一番奥から詰める事となる。エッチラ、オッチラとトンネルを上がっていく。忘れ物があるとまた下って、登ってを繰り返さないといけない。一体、何往復するのだろう。

窯詰めの最初の頃は、体が慣れていない為に、頭や背中をぶつけたりする。
そして、いつもの事ながら、初日終了の頃は、足が笑っている……。


仮復帰

2007-06-18 10:54:48 | Weblog
久しぶりにPCを触っています。ほぼひと月ぶり?

結果から言うと、LANボードの故障でした。

LANのポート自体がオンボードだった為、内蔵モデムを放り出して、LANボードを入れ替えました。LANボードが「高い」と思い込んでいたので、電器屋さんに行くのが億劫でしたが、いざ行って見ると、数百円。拍子抜けしつつ、カチャカチャっと終了。こんな事なら、最初に交換すれば良かった……。

まっ 良かった。メデタシ、メデタシ。


知り合いに借りたモデムのポートがおかしいと思って修理に出したけれど、あれは冤罪だったな。今は、修理の為の代替モデムで接続中。後は、モデムが返ってくればOK。

モデム修理:0円
LANボード:640円
一ヶ月間のブルーな気持ち:プライスレス