備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

師走へ

2010-11-29 21:48:18 | Weblog
我が家の紅葉も散り始めた。仕事場の窓から見る散り際の風情が良い感じ。

昨年から真面目な草抜き・草枯らしを放棄したので、背の低い雑草だけが残っている。芝の雰囲気は無いけれど、赤い葉がグリーンに映えていてキレイ。
数年掛けて単一の植物(予定はメヒシバ)だけを残して地面をマルチする計画なんだけど、今残っている草は違うな。また来年頑張ろ。

さて、一年が残り『12分の1』となると、なんだか気忙しい。世間様に合わせることなくマイペースでいきたいけれど、それも叶わぬ様で次々と諸般の案件が持ち上がる。師匠でもないのに走りまわる事も、しばしば。

う~む。ここはどっしりとした対応で次回の窯の事を思わねば……。遅れ具合については、絵に描いたように抜群でもあるし。(かなりヒリヒリしてきた)


年々、追い込み期間中のアスリート性に対して無理が出てきたように感じている。気持ちとは裏腹に体力的問題を抱えるお年頃かなぁ。
そろそろ栄養ドリンク剤に手を出す年齢なのかしらん。まだ未経験なんだけど……。それとズボン下と言われる『アンダーなんちゃら』とかも。

「自分との戦い~」と内心頑張っているけれど、こういうのがその内に『年寄りの冷や水』と言われる部類なんだろうなぁ。

それでも、ロクロ仕事の手水も冷たくなりつつある。こちらは確実に『冷や水』になる。
ストーブ出すかなぁ。


紅葉の吹かれて行く様に、しず心なく……。師走間近。


うどんの立ち位置

2010-11-25 09:13:56 | 料理・食材
金毘羅参りに行ってました。備前焼でのイベント参加が目的でしたが、『うどん』についてイロイロと興味が移って……。若干のレポ。

今回の始まりは、お昼過ぎの製麺所から。お連れ頂いたので所在地不明。でも、そういうのが楽しかったりする。
入り口にある看板や材料の入った袋で、それとわかるけれど「こういう風に町に溶け込む程、密着しているんだな」と感心。
外にはベンチが置いてあり行列の出来る店と判る。期待感高まるが、ランチタイムから外れた所為か、見渡しても人の姿が無い。古びた引き戸をガラガラ~と開けて入る。

と、「何処に座る?」

ほぼ満席かつ待ち人多数。外と中のギャップに些か驚き、オーダー方式も判らずマゴマゴしながらも、手にドンブリを持ってとりあえず行列に並ぶ。行列は店の中にあった。
釜茹で担当のオバサマが人数から目算して、数人分の麺を一気に茹で上げ、その後にお好み分量(特大、大、小)に分けていくらしい。
ドンブリを渡して「大」と言う。出し汁担当のオバサマに「ぶっかけ、醤油、出汁」のいずれかを伝えてオーダーは終了。あとは自分でネギ、天カス、一味をトッピング。シンプル。

頂くと、麺は噛むと口の中でピッと跳ねて、なおかつ上下の歯の間に皮一枚でつながる抵抗感が心地よい。出汁も美味しい。「いいねぇ~」
食べ終わると、ネギが積んであるザルの横に立つ会計担当のオバサマに自己申請でお会計。安っ!うどん屋さんの高利益アイテム『天麩羅』も『おでん』もない。という事は、数で稼いでいらっしゃるんだなぁ。凄いねぇ。というか儲ける気もないのかもなぁ。
地元民と観光客とが入り乱れつつ、次々と来店してくるので長居は無用である。頂いたらサッと席を立つ。この辺は江戸っ子も讃岐っ子もかくの如し。

ランチタイムから外れても食べるのがうどん。

『うどんはオヤツ』


普段の宿泊はビジネスホテルが多いけれど、今回は大きなホテル。結婚式場、宴会場が1~6階まであり、客室はその上の4階分。露天風呂あり。町並みを見下ろすビルになっている。豪華施設満載のご当地の一流感あり。
さて、湯上りの浴衣で夕食。
地酒をイロイロと頂きつつ『おしながき』に添って粛々と運ばれてくる品々。書いてあるものと出てくる品とのギャップが面白い。のんびり、ゆっくりしていて、なかなか……。焼物、小鍋、蒸し物、強肴ときて、お酒も進んでいる。
コースのこの辺でお客さんのお腹具合を訊いて、アラカルトで何かを進めるタイミング。
「何があるかな?」ちょっと期待。

で、仲居さん来た~~っ!

「おうどん、どうします?」

「へ?……」
要、不要ではなく、うどんの味付けについてのクエスチョン。この地にあっては必須であると。締めのご飯の前に釜玉。
うむ。これは既に締めなのか、追肴なのか? おしながきによると追肴である。

『うどんは追肴』


さて、明けて朝。
朝食が、これまた珍しきものなどイロイロ。一尾なのに豆皿に乗るサイズのマナガツオとか。
で、仲居さんが来て……「おうどん、どうします?」

もう必須事項なので、朝うどんを釜揚げで。お腹に優しいねぇ……。お粥や白米の立ち居地なのかな。否、ご飯はあったな。
「そうか!これはご飯の二杯目。お代わりに相当するものなのか……」と

『うどんは主食』


かくして、仕事である備前焼販売へ向かう。
金毘羅の参道にはお土産屋さんがビッシリと。そこでも、うどんが……。

『うどんはお土産』


かくなる上は、うどん打ち体験をして『うどんはエンターテイメント』を加えたいものだなぁ。

(ちなみに、ヤキモノ屋業界は未経験であっても「蕎麦もうどんも打てるぜ」と思っている人が多い。備前焼まつりでヤキモノ屋が打つうどんや蕎麦のブースがあっても面白いかもね)


さて、本日の昼は、お土産のうどんである。

小生は、きっとディープワールドの入り口を垣間見たに過ぎない。
恐るべき、さぬきうどん。



ウリ坊の『皮付き角煮』

2010-11-19 18:16:44 | 料理・食材
なんだかイロイロと解禁らしい。ワインも狩猟も。

ボジョレ・ヌーボーは、バブル期の狂乱ぶりがすっかり成りを潜めて、価格はピンキリだけれど落ち着いて品定めできるようになった。しかし円高を実感するなぁ。
軽くてアッサリとした香りのものを、サッと呑んで「オシマイ!」というぐらいが好き。


さて、若々しいジビエ到来。ウリ坊2頭分のモモと背中(肩~ロース~ランプ・写真)。

狩猟後の解体方法は地方によって流儀が異なるらしい。今回は皮を剥がずに毛を焼いたもので九州の流儀らしい(詳細不明)。この皮付き状態は初めてで……さて、どうしようか? まずは包丁を研ぎつつ……思案。
沖縄料理では豚の角煮が『皮付き』だったりする。その伝でいけば、ソレだな。

『ウリ坊の皮付き角煮』に決定。

皮側に80℃程度のお湯を掛けて毛穴を開かせて毛を引き抜く。想像以上に手間。結局、お湯を掛けて包丁をカミソリの如く当てて処理。(写真
「この際、意地でも皮付きにこだわってやるわぃ!」という覚悟なので。小1時間。

処理が終わると、一旦、茹でこぼして、圧力鍋にショウガとゴボウと骨を入れて加熱。何度か火から上げ降ろししつつ、最後に大根を足して調理終了。
箸が簡単に通る程に柔らかくなる。猪は煮込むほどに柔らかくなる肉。しかもウリ坊だし。
これで肉は上手くいったはず。

で、初体験の『皮』は如何なるものかと……。


若干、怖る怖る(正直ビビッてたかも)……、前歯の先の方で少し齧りとって、少しだけ舌の前の方に乗せて……。ゆっくりと味と食感を確認。「おっ、皮と身の間が旨い!」
ジュワ~ッとした何だかお肌に良さそうなアレコレが出てくるような気がする。「皮の下が旨い」というセオリー通り。

あとは、大口あけてパクパク。

最初に毛を焼いてあった為、スモーキーさがある。芥子と合いまみえると旨っ。これは好き好きだろうなぁ。初体験なので「まぁ、こういうものか」と。
流石にこの個性の強さは、ヌーボーなワインでは心もとない。焼酎濃い目を投入~~、というか、ほとんどストレートで。(やっぱり泡盛だな)


猪肉未経験の知り合いにも差し上げたけれど、最初っからハードルが高かったかもしれないな。ファーストコンタクトが「皮を剥ぐところから」というのは衝撃的だったかも。
まぁ、大丈夫だろうと思える人に渡しているけれど。


さて、イロイロ解禁された。

あとは、カモがネギ背負って……。カモ~~ン。 m(_ _)m


骨は、こちらの方へ。


しばし、野生の血が目覚めていたようです。


渋皮煮

2010-11-17 16:25:15 | 料理・食材
作る手間が掛かるという事において渋皮煮は頂戴した場合に、その時点でリスペクトに値する。
で、美味しければ「誰それさんチの渋皮煮は旨い!」と賛辞とともにガッチリ記憶に残る。

自分でも、ひと頃は面白がってやっていたけれど、丁度忙しい時期に重なるとパスする事もある。重曹を入れて煮るという過程が理科の実験っぽくて好きなんだけどねぇ。

渋皮煮の最大のポイントは、一番外の鬼皮を剥く時に渋皮を傷めない事に尽きる。これで全体の半分は上手くいったようなもの。今は抜群に使いやすい道具があって、確実・安全かつ手早く出来る。栗剥きの時にしか使わない道具ではあるが、有ると無いとでは雲泥の差。発明者はエライ!
で、難関は味付け。自分では砂糖や酒の種類、分量がなかなか決まらない。年間に作れる回数も少ないので、遅々として上達せず……。なので、自分で作る渋皮煮は『出たとこ勝負』なクオリティー。いまだに研究課題のひとつ。


さて、今年は細君の親戚筋から頂きました。
流石に手馴れた安定感ある仕上がり。経験の積み重ねから導かれた甘さのバランスですなぁ~。拙作よりも明らかに材料の良さが出ているし。

今年は栗の不作でもあるし忙しいので、「まぁ、今年は渋皮煮はお預けかな」と思っていた所に到来物。ラッキー。コーヒーにも煎茶にも合うなぁ。う~~ん、素晴らしい。


栗に限らずドングリの類いは、縄文時代からの伝統食なんだなぁ。そう思うと素朴な材料を、こうまでして美味しく頂ける事に感謝です。

そういえば、陶芸でもドングリ関係(ブナ科)の出番もあります。織部釉の酸化皮膜の洗いにトチシブを使ったりとか……。あっ、小生もクヌギ、カシ、クリなどを燃やしてますねぇ。


そんなことを思いながらの、本日のオヤツでした。


備前焼ボタン

2010-11-15 14:33:49 | Weblog
お客さんが拙作の『備前焼ボタン』を自作コートに付けられてお見えになられた。
刺し子を施した藍染に緋色が印象的。和風に仕立てたコートに良い感じ。

食器・酒器・花器などは自分でも使ったりしてそのイメージを再確認する事はあるけれど、ボタンなど、こと手芸に至っては門外漢。ボタンはそれだけでは何にもならないけれど、こうやって他の方の手によってその役割を与えられる。
こういう関係性も良いなぁ。
ただ、気が向いた時に少ししか作らないのでレア・アイテムなんだけど。

陶器のボタンで有名なのは、女性陶芸家のルーシー・リィー作のもの。釉薬のテストピースとしても作っていたケースもあったりしてバリエーションも多くて、なかなか素敵。焼き締め陶とは全く異なるテイスト。

さて、そのルーシー女史ですが、先年見逃した!展覧会の折には、すっかり食傷気味で「次の展覧会は見ない」としていましたが、アッサリと撤回して素直に参上したいと思います。やはり本歌の良さを確認せんとなぁ~と。(ボタンの事ではなくて、ね)

あっ、ルーシーといっても「ヤッチマイナ!」の姐さんではありません。(そんなベタな間違いは、せぇへんか……)


こういう手芸アイテムも、密かにバリエーションを増やしていこうかな……。



明日 『Herb & Dorothy』上映

2010-11-12 12:24:34 | 展覧会・ご案内
感動した勢いで以前書いた記事の映画『Herb & Dorothy』ですが、日本国内での上映予定が全く無くて残念に思っていましたが、ついに上映決まりました。で、またもや勢いでご紹介。

世界各国の映画祭で合計5つの最優秀ドキュメンタリー作品賞と観客賞を受賞した映画です。
その時にも書きましたが、映画の内容は『NY在住のハーバート&ドロシー・ボーゲル夫妻(郵便局員(夫)・図書館司書(妻))が、1LDKの部屋に住みながらコツコツと現代アート作品をお給料で買い集めて世界的コレクターになり、また、その全てを寄付する』という実話です。予告編も見られます。

このブログでは『生きている人の実名は出さない』事にしていますが、時々例外があり、これはそのひとつでした。


東京で上演に向けて応援の動き(主にボランティア)が活発になって、明日封切となりました。
やはり、人口が多いと可能になるというか、共感者が多いと世の中って動くんだなぁ~~と実感です。すっかり山暮らしですが、時々こういう場面で都会の良さを思い出します。

で、重要なのは……、明日、明後日の観客動員です。

観客動員が多ければ全国展開の予定が大きく変わります、今後の上映期間、上映場所にも影響大です。監督も上演に向けて自腹でNYと東京を何度も往復し、自腹でチラシを刷ったり、対談もこなし……と多忙を極めています。
映画館のみならずギャラリーさんも是非応援して頂きたいですが、あとは関東の皆様のお力を。


現在、岡山では上演予定はありません。決まっているのはコチラ
今年の岡山は『瀬戸内国際芸術祭2010』『あっ晴れ!おかやま国文祭』があったわけですから、何とかならないかな?と願っております。

小生は、今年は現代美術に近い場面に接する事が多く、3月の個展『百‘果’展』に始まり、『瀬戸内国際~~』『けらもすver.1.0』と続きました。まぁ、自分の望む立ち位置は現代美術ど真ん中ではありませんが、基本お調子者なので、青臭く幼稚で未分化な「ヒョウゲン、シテルモンネ」という錯覚には厳に注意です。ここは『40にして惑わず』のハズです。

ただ、この映画を応援する理由としては題材こそ現代美術ですが、そこには「夫婦愛」や「豊かさとは?」という事が、ほほえましく温かく描かれてあるからです。アートの知識が無くても楽しめるはずですし、知識があれば「オッ?」という瞬間も期待できます。

さて、小生のお気楽ブログでの宣伝効果は甚だ疑問ですが、まずは東京の動きに期待。
小生は、来年1月の神戸でのスクリーンを予定。(この頃は東洋陶磁美術館にも)


おっと、来年の事を言っとったらオニが笑う~~~。

目の前の制作を進めるべし。ですな。


さておき、お頼み申し上げましたぞ~~。関東の皆様。


なお、監督は続編も撮影中です。



紅葉を見つつ散歩

2010-11-09 18:08:40 | Weblog
夕方、番犬福助と散歩。お疲れ気味の右手を休めつつ、気分転換も兼ねて。
近所の楷(カイ)の木の紅葉もボチボチ見ごろへ。今日は終日風が強くて「散ってしまうかも」と思ったけれど、まだ大丈夫だった。ウチの棗(ナツメ)の葉は今日全て散った。

この辺りの山は、基本的にクヌギやカシが多いので紅葉と言うよりも『黄~茶色』の『き~ちゃ』な感じなので、庭木などの『赤』は目立っていてキレイ。
今年は急激な寒さと台風が上陸しなかった為に、葉っぱも多く紅葉には良い傾向である。

ただ、寒くなるまでの麗らかな陽射しの日が長かったので、渋柿が熟してしまい干し柿作りのスタートに苦慮するお天気具合だった。あまり暖かいのに吊っても発酵してしまうし、遅くまで実らせておくと熟してしまう。どのタイミングで採って加工するか?が悩ましい。
木に残っているものからボチボチかな。ただし今年は裏年。

こういう年まわりの時には、干し柿にせず渋抜きをして食べるというのも方法だけれど、「そこまでせんでもなぁ」というのが正直な気持ち。スプーンで掬って食べる『天然のゼリー』というのも悪くは無いけれど、どちらかと言えば干し柿の方が好きだし。特にお正月に食べるのが気分的にも良い。(鏡餅のお飾りから失敬するというのもあったり、なかったり)


柿の葉っぱが色付いて散る季節。……という事は、ヅガニ(モクズガニ)のシーズン到来。
子供達は独特な脂を嫌がるけれど、お酒にも合う。日本酒よりも焼酎だな。
ムカゴの様子も見とかんとなぁ~。これは乾煎りして塩。日本酒に抜群。


いや~ (^。^ゞ 制作に勤しまねばイカンというのに、忙しいじゃないか。


散歩の目的が、収穫作業へと変わりつつある季節。




家の塗装補修

2010-11-07 07:27:14 | Weblog
家の破風板の塗装が薄くなってきていて気にはなっていたけれど、なかなか補修できずに放ったらかしにしていた。友人宅が軒柱を替えたと同時に塗っていたのを見て、「ウチもするか」と重い腰を上げる事に。1年越しに上がった腰。
時節柄、塗装には良い季節だし。土・日で仕上げる予定。

計画では、破風の一番高い部分が最重点箇所。長いハシゴがあれば多分届くであろう。
「そのハシゴを借りる必要があるな」という訳で、脳内検索開始。

え~~と、ヤキモノ屋ネットワークの中で、一番長いハシゴを持っている人は……。
検索条件は、窯を自作した人でその煙突が高い人だ。ヤキモノ屋稼業で長いハシゴが必要なのはそれぐらいの状況。または、柿を採るのが好きな人。

……全ての条件に当てはまる方を思い出す。窯の横には渋柿もあるな。

連絡するとビンゴ!

借りてきて養生をして……、途中で壁の養生の必要がないことに気が付いて……、塗装開始。
下から見るよりも近くで見ると劣化が見えるので、予定よりもかなり広範囲の作業になる。
しかも、塗り出すと面白くて、結局、破風板全体を塗る事に。


土曜日は東側終了。日曜日は西側の予定でしたが、本日、日曜日は朝から雨がっ!

予定狂いまくりじゃん~~。


「さて、どうしようか」と思案する日曜日の朝。


『お気に召さない』粘土

2010-11-02 09:06:05 | 陶芸
作っていて、どうにもこうにも『お気に召さない』粘土があった。
砂が多い。┐(-。ー;)┌

小生の使う粘土は、備前で言うところの山土系の原土がベースになっている。
主な粘土の作り方は、原土を水でドロドロに溶かして『湿式』で篩で漉してドベ鉢で水分調整する。この時に使う篩のメッシュサイズがポイント。大体は1mm~3mmを使い、それ以上は手作業で『石より』をする。

この土は2mmで通したもの。これを1mmで通し直して、砂の量とサイズを調整する事に決定。

「新しく原土から作った方が良いかな」とも思ったけれど、硬くなりかけていたし……とか、イロイロと自分の中で言い訳じみた理由をつけて再成する事に。(原土からするとイロイロと大変なのよ)
風通しの良い軒下で、刻んで割って、乾いたら更に細かくして……、大豆ぐらいのサイズにしたところで水の中へ。

もし、1mm通しでも砂が多かった場合は、『水漉(すいひ)』で丁寧に粘土だけを抽出する方法もあるけれど、これは性に会わないので却下。時間も質感も。

ならどうするか……。

粘土・シルト・砂の沈殿速度を利用しつつ『湿式』で。要は、沈殿した砂やシルトまで抽出しなければOK。
唐箕やサイクロンという機械で、粉体(穀物等)を風で飛んだ距離で選別するところを水中での沈下速度で選別するだけの事。


粘土作りの場合、工業的粒度調整なんだけど、最終的には見て判断する個人の感覚に委ねられるので、これが出来たからって、良いもんでも無いし……というのが面白いところ。
結局は感覚ありきで、あとは、その要領。ヤキモノ作りって、こういう地味な工夫や作業が結構多いし、それが楽しい。
「器用やなぁ~」とかって言われる事もあるけれど、「要領をかます」とか「横着する」事の考え方や経験の蓄積に尽きる。

なので、『器用は一日にして成らず』。

と同時に、『ヤキモノ作りも一日にして成らず』か……。


さて、砕くか……。 (フレット兄さん元気かな?)


しかし、粘土再成とは二度手間やな。 (要領悪ぅ~)