備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

アンコールワット展と中村昭夫展

2010-05-30 23:37:35 | 展覧会・ご案内
やはり……というべきか、最終日に駆け込んだ。
開催前から手元にチケットがあり、「いつ行くかな?」は「いつでも行ける」になっていて、すっかり最終日まで放置。
先日、世界遺産についてのTV番組を見ていた子供から「行かへんのん?(関西弁in岡山)」と。

で、最終日に滑り込み。
美術館は、思いのほか空いていた。
アンコールワットのダイジェストから更にエッセンス抽出~~という厳選された展示。

いつもは常設展をしている2Fでも企画展があり、こちらも良かった。中村昭夫氏(写真家・岡山)の回顧展。
デジタルフォトの跋扈する世の中になったけれど、銀塩のモノクロはいいなぁ。
光と影がジンワリと滲む感じはデジタルにはない味わい。『粒子の丸みのあるザラツキ』とか『液体の中に浮かんでくる滑らかさ』とか……、CDとLPの音の差よりももっと細かなニュアンスを感じる。アトモスフィアの違い。
ただ、被写体のノスタルジアに引きずられている感は否めないけれど……。

両方の企画展が楽しめました。


粘土作りハイシーズン

2010-05-29 23:57:13 | 陶芸
入梅までが、粘土作りのハイシーズンかな。
梅雨になると急激に作業量が落ちるし……。

晴れ続き=粘土の乾燥が早い=粘土作りが早い=外仕事が増える=汗が出る=ビールが旨い!

晴れ続きは、ビールが旨い!

正確には、『泡が出る系』というべきか。ハイボール。チューハイ。第○のビール……。
チョイスはイロイロ。

土練機君が良く働いてくれる。アリガタヤ~。もう、土練機無しの生活なんて考えられません。
足練りの頃を思えば幸せな事。費用対効果が抜群の機械だなぁ。

「幸せだなぁ。僕は君といる時が一番幸せなんだ。僕は死ぬまで君を離さないぞ。いいだろ?」って、言ったりはしませんが……。
素面では言えないけど、『泡が出る系』には時々言ってるかもなぁ。(記憶ナシ)


豆シーズン開幕

2010-05-26 23:09:56 | 料理・食材
畑(実家)にワシワシと緑の蔓塊が……。その茂みから大きな莢をチョイスして摘んでいく。
幸福な収穫気分。
次第に屈みこむ姿勢の悪さから、体がキシミ始める。それにつれてお気楽気分が淡々した作業のように感じられ、やがて「コレハ、ロウドウ、ナノダ」と自覚に至る。

「大量収穫は趣味ではなく労働なのだ」と実感。
寅さん風に言えば「日本の労働者諸君! 感謝、感謝。」です。
まっ、収益がついてくるからこその労働なので、それは良し。美味しいしね。
(収益がない労働もあるぞーと何処からか声が……)

で、莢から豆を取り出して……、さてさて、豆シーズンの始まりは『豆ご飯』から。
子供メインで手伝わせて『小学校調理実習風 豆ご飯』バージョンで。ちょいっと横着。でも、子供達は楽しそう。

お釜に普段通り(水の容量の一部をお酒に置き換えて)ご飯を仕掛ける。
その上に、昆布ひと欠け、塩少々、豆好きなだけ投入~。
ご飯も水も普段通りの量で炊けば良く、オプションは上に乗せるだけなので、まったくもって計算要らず。

味は、「豆やな……」と。
基本的に、豆は『いもたこなんきん』に続く立ち位置だと思っている。
一般的に世の女性が好きな部類であり、小生は「まぁ、どっちゃでも」って感じ。


この『小学校調理実習風 豆ご飯』は簡単。ただし、ビジュアルに難あり。

美しく仕上げるなら、薄味で塩茹でした豆を使う方が良い。その煮汁でご飯を炊いて、炊き上がってから豆投入~。
香り良く、豆の味に爽やかさを感じるかな。豆がシワシワにならないし。グリーンが綺麗。


比較の為に、また『豆ご飯』かなぁ~。

「ウチのチビッコに腕の違いを見せとかんとなぁ~」と小学生相手に本気で対決しようとするオトナ気無さ……。
「豆はどっちゃでも」と言いつつ、やるとなれば美しく!


次回の豆は『豆・シーズン2 ~ ソラマメ 』か……。
それまでに『豆・リバイバル ~ グリンピース 』か……。


豆シーズン開幕~~。


トートバッグ

2010-05-23 20:08:51 | Weblog
所用があって、実家方面へ遠出。

散歩先の明石公園でクラフトのマーケットをやっていた。和装小物、皮革、デザイン小物などが多い。

その中のお店でトートバッグを発見。
これがまた、小生に『どストライク』なセンス。

ビールの昔風のラベル(架空?)を散らしてあり、裏地もキチンとあって、これが例の唐草模様。いわゆる泥棒唐草。
バッグを開けた時にチラッと見える。

他にも気になるものはあったけれど、「皮の取っ手と底板が外して洗えます~」という気配りに、いたく感心したのでコチラを即決。
「普段は引き籠って作ってます」と仰る作者(おねえさん)から、工芸系共通の気持ちが静かに伝わってくる。

細君へのギフトにしましたが、やはり大ウケでした。(狙い通り。)


時々、貸してもらう予定です。(*^ー')b


ワサビの葉っぱ

2010-05-21 19:35:07 | 料理・食材
ワサビの葉っぱを見つけた。冷蔵庫の中で。
細君が買ったらしい。時々、ひとひねりある野菜があるなぁ。こんなのとかこんなの

こういう葉っぱものは早めに頂くのが良い。見つけたのを幸いにすぐに処理すべき。
食べ方はお好みで色々あるので、しばし、『記憶の中の味』へと思いを巡らす……。


まず、始めにすることは軽く茹でる事。ボウルに氷水を作ってからね。
お湯を沸かして塩を投入。葉っぱと軸は別にして、葉っぱはホンのシャブシャブ程度で、軸はもう少し長めに浸す。色が鮮やかになればOK。
火を通してしまってはダメ。表面の細胞壁を壊す程度に。(って、見えないけど)
冷水に放してから、手でギューっと水を絞りつつ揉む。揉む事で辛味を引き出す。
これで基本作業はおしまい。

あとは、和え物でも、酒粕に漬けても、塩もみでも良し。


今回は葉っぱと軸があるので、時間差攻撃の醤油漬けにする。

辛味が強い葉っぱは、二杯酢に浸して食卓へ。他の用意をしている間に頃合いになる。すぐに食べられる。

軸は刻んで密閉容器に入れ、醤油だけを注いで冷蔵庫へ。3日もすれば味は落ち着いてくるだろう。ホカホカご飯に絶品である。


さて、先に作っておいた『葉っぱの二杯酢』は晩酌のお供に。
作る過程を見ていた子供(チッコイ方)が「食べたい」というので、ひと口あげる。ちょっと多目に。
最近、子供舌を卒業しかかっているけれど、流石にコレは駄目らしい。ひと口で退散した。(←イヂワル)
これにて、万全の独占状態でオツマミの確保。


「新橋のサラリーマン御用達の立ち喰い寿司屋さんで、コレの手巻きがあったなぁ~」と思い出しながら焼酎を。あれは美味しかった。

醤油漬けが出来たら、細巻きにするのもいいかもね。

「う~~ん、オ・ト・ナの味」


思えば、子供の頃に行った親戚の家の小川には山ほど生えていたっけ。あの頃は興味が無かったけれど、今なら……。たぶん『R15』ぐらいの味覚なんだろう。

次回は、家の裏に生えているフキでやってみよう。鎌で刈る程あるしね。
それに、こっちはR指定なしだし。

楽しい草刈りになりそうな予感。


道具への愛

2010-05-19 23:38:04 | Weblog
衝動買いして以来、愛用中の万年筆にまつわる事。

日常に潜む小さな悲しみのひとつに、お気に入りの文房具が行方不明になるという事がある。
ヤツラはチョット目を放した隙に、何処か別の時空に行ってしまって、ある時ヒョコリと戻ってくる。
落とした場合は早々に諦めがつくけれど、家の中では……。反対に思いがけず発見した時の嬉しさとくれば、半日鼻歌モノであるが。


この万年筆の場合、使い始めてこの1年間で蓋が2回・本体が1回、異次元トラベルしている。原因は蓋をペン軸につけると重心が取りにくく書きづらいので、抜いた後は離して使うことが多いから。その隙に見失う。

最近は蓋の締まりに不具合が出てきた。ウッカリすると抜け落ちる。
で、遂にやってしまった。万年筆にあるまじき事。

ペン先からコンクリートへの落下である。

当然、ペン先が曲がり使えない。これはショック。
「安かったからエエわ~」という価格の問題ではない。手に馴染んだ道具の故障である。
気持ちが……萎える。「買いなおそー」と思ったけれど、売っていない!?

で、結局のところ自分で修理することに。失敗しても安いもんだ。ここからは価格の問題。
落ち着いて、慎重に、ゆっくりとペン先を引き起こして溝の隙間、平面を確認しつつ……。
塗装が剥げたけれど、一応の回復をみた。

若干、線が太く書けるようになり、ボタ落ちもない。(気持ちは、前向きに!)
また、使えるようになって嬉しい。

やはり価格の問題ではなく、道具への愛だな。


『工業製品と心の関係』についてボンヤリと考えていたら、こういうの見つけました。
気持ちが穏やかになります。寝る前にどうぞ!

factory of dream (youtube)

もし、上がお気に召しますればコッチもオススメ。
08 Factory of idea (youtube)

チャンジャ

2010-05-17 09:23:18 | 料理・食材
キムチ作りが名人のヤキモノ屋さんからの頂き物。

チャンジャそのものは、タラの食道から胃袋までのキムチなんだけど、作る過程で『干し大根のキムチ』を加えたり、追いトウガラシがあったり、仕上げに胡麻油があったり…という末に出来上がる逸品である。

到底自分では再現不可能な複雑怪奇・重厚長大なレシピなので、有難く賞味するのみ。
頂く時は、「殿からの贈り物を拝領する家臣はかくあるべし」かのように押し頂く。
まさに下賜。だって、作れないもんね。リスペクト!

在日二世ということもあり、いろいろとキムチ通な方。
「日本のキムチは発酵食品とは言えない」というのが持論で、小生のキムチリテラシーを上げてくれた。
野菜の下処理、発酵の浅さ深さ、トウガラシの種類、その切り方、油の使い方、合わせるもの、動物性の旨味、時間…。

その人が「夏にはこれが良いよ」と教えてくれたのが、水キムチ。
サラダ感覚のキムチでサッパリしている。作るのも簡単で失敗が無いし、バリエーションはいくらでも。
夏に作るので発酵が早く (→作るのが早い=小生向きレシピ)、ついうっかり忘れる心配が無い。
作るの2日、食べるの1週間。

ひと口にキムチといってもイロイロ。

一国を代表する食文化は、場所ではなく個人の中に深く脈々と受け継がれていると思う。
場所・環境が変化しても、柔軟に受け止めて創意工夫で緩やかに変化し進化していく。

そして、美味しい文化交流の果てにある『グローバル化する食』と『パーソナルな食』は、相反するように見えつつもハイブリッドされ、また個人の中に蓄積され受け継がれていくもの。それが愉しい。

今は野菜の端境期であるけれど、これから先に出会う味がお楽しみ。


そんなことを思いながら、しみじみと大切に頂いています。
 
 (冷蔵庫の一番高い棚の奥の方に秘蔵中)


ミツバ

2010-05-16 08:57:39 | 料理・食材
敷地の片隅に植えていたミツバ。
環境が気に入っていただけたのか、想定した場所からはみ出して、やたらと繁殖中。
手のひらサイズの大きな葉っぱのものまで!もはや暴走モード。

さてさて、季節は草刈りのオープニング・シーズンとなった。

「まず手始めに、コヤツラを喰っちまおう」と子供(チッコイ方)と合意。

そこで、夕方にハサミを持ってきて、おでんの鍋いっぱいに摘み取る。
手でちぎると細いヤツは根っこまで抜けるので、最初からハサミで切り取る方が後々が楽。

……で、どうするか。

天麩羅なんぞではチマチマしていて追いつかない量だ。
薬味スタンスの野菜を主役にするレシピとは?


たくさん一気にやっつけるには、もうここは……『お好み焼き』でしょう。
オール三つ葉のお好み焼き!

玉子焼きでは、出汁に刻んだ三つ葉を入れるのがデフォルト。ならば、生地に混ざっていても良いではないか?と。
(出汁につけて頂く『たこ焼き』の『明石焼』は、本場の明石では『玉子焼き』と言う)



初回は、定番の豚玉から。

アクもなく爽やかな味。ソースよりも醤油に合うなぁ。
キャベツの場合のように空気を含まないので、シットリ、モッチリしている。

「次回は、もっと軽い食感を目指すなら、あらかじめ火を通したミンチを生地にザックリと混ぜてからの方が良いかもしれないな~」とか、「刻みすぎるとダメだな」とか、「バジルソースみたいにしてしまうか?」とか感想いろいろ。

…って、「次回もする気なのか?」という、可も無く不可も無く……というビミョーな立ち居地なんだけどなぁ。でも、コリャまたするんだろう。研究すれば旨いレシピが出来るかも。
研究タイトルは、『野生化した三つ葉を大量消費する美味しいレシピ』だな。


翌朝、『刻み三つ葉入り・出汁巻き玉子』を頂きました。
コチラは、よくお弁当に入ってる方の『玉子焼き』バージョン。

地味ながらも、定番の在り方。

やはり、美味しゅう御座居ました。



紙袋

2010-05-13 07:45:13 | Weblog
思うところあって作ってみた。

新聞紙で作る紙袋。割と丈夫。
全部、新聞紙製というのが面白い。取っ手もね。

文字や写真の出方が工夫できて、病み付きになるのがヤバイ。
紙袋屋さんじゃないんだから……。

でも、おひとつ350円ぐらい頂けるなら売ろうかな?
(やけにリアルな数字だな。)

バナナトースト

2010-05-10 12:50:29 | 料理・食材
昨日、所属している備前陶心会のお仕事があった。夜も遅くなったので一緒にラーメンを啜りつつ話していて、備前にある店のマヨネーズラーメンの話から広がり、妙な組み合わせながらも個人的に好きな味の話になった。

出汁にマヨネーズを入れて素麺とか、納豆汁で麺とか、あとは「何チャラと何チャラで、何チャラの味」的な話など。
人気若手陶芸家の嗜好は、お客さんの興味を引くと思うけれどオフレコ。面白過ぎだけどね。


それで思い出したのが、小生の場合は、バナナトースト。

バナナ入りケーキのバナナブレットでなく、
バナナフレーバーのクリームがコッペパンに中に塗ってあるバナナロールでなく、
BANANAという文字が浮き出ているバナナのお菓子でなく…、

小生のお気に入りは、自分で作るトースト。


最初に作ったキッカケは忘れた。
多分、ジャムが無くてバナナが熟していて、どうしても甘い味が食べたかった時だったと思う。

作り方は、朝飯前の楽チンなので、朝食に。

まず、食パンにバナナを敷き詰めてトーストする。大抵は3×3ピース。残りは作りながら口の中へ。
焼き上がったら、砂糖とシナモンを振り掛ける。ただし、寝ぼけ眼なので均一に振り掛からない。これも良し。
それを電子レンジにかける。この電子レンジで加熱するのがポイント。
バナナから水分が染み出して砂糖を溶かしつつパンに染み込んでいく。これ重要。

で、出来上がったパンは、全体がしっとり甘味が強く、バナナの香りが立ち込めている。

電子レンジの加熱時間が長すぎるとお皿にバナナジュースが溜まって、パンが漬かっていることもある。これも、悪くは無い。
フレンチトーストのバナナフレーバーと思えば、失敗ではない。むしろチョット良さげ。というか、最初から狙ってこの味は難しいし。(…と、強弁。)


多分、変な嗜好。
でも時々無性に、はまるんだなぁ~。

細君からも子供からも、加熱バナナには同意を得られないので、小生限定メニューとなっている。


昨日の話から、思い出して朝食べたけれど、

「うんっ、旨い!」 (*^ー')b