備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

半助豆腐

2008-08-01 01:46:43 | 料理・食材
関西のウナギ屋さんの店先に、テイクアウト用に売られているウナギの頭。
これが好物だった丁稚どんの名前から関西では『半助』と呼ばれる。
落語の中で、丁稚が「ウナギっちゅうたら、頭ばっかりの三角でけったいな奴でんな?」と言えば半助の事。丁稚の小遣い程度で買える代物だった。

関西では頭をつけたまま蒲焼きをして、お客さんには頭を落として提供する。蒲焼き後に頭を落とす関西風ならではのもので、関東風のものには無い。それでも近頃では滅多に見ない食材だ。


昨日の蒲焼きは『なんちゃって関東風』。頭を落として焼いていたが、あらかじめ頭だけは焼いて置いていた。次の日に半助豆腐を作る予定だったので。なんといっても絶滅危惧食材だ。大事に頂きます。

冷蔵庫に置いていたタレを少し伸ばして、キノコや青菜を足して一煮立ち。最後に入れた豆腐が肩を揺すったら出来上がり。豆腐を入れてからは短時間で。時間をかけると味がくどくなってシンドイ。
お店などでは木綿か焼き豆腐を使う。味の絡みが良いから。


でも、本日は絹で。冷蔵庫にそれしかなかったという理由で。

そもそも「最後まで頂こう」という『賄い』みたいなもの。冷蔵庫にある端もので作り、かつ安く、かつ美味しければ良いのだ。

小生はお酒のつまみに。子供たちは汁までご飯に掛けて食べている。
最後に半助と骨についている身をしゃぶり尽くして終了。


それにしても、こんなに美味しいのだが、関西以外では知らない人が多いのが残念。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿