備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

シラサエビ

2011-12-06 19:32:12 | 料理・食材


瀬戸内では、シラサエビというエビを食べる。

釣り人なら心当たりがあると思うけれど、これは釣りエサに使うものとは種類が違う。
食べるシラサエビは、『ヨシエビ』という海の海老。
釣りのシラサエビは、『スジエビ』という淡水の海老。
エサを食べている訳ではありませんよ。念の為。


味は、最近見かけなくなった大正エビにも似て淡白な甘味がある。殻が薄くてそこそこの大きさになるので唐揚げや天麩羅なども可能。
旬は夏~秋との事だけど、大量に入荷があったのか非常にお求め安い価格で魚屋さんにあった。全部で25尾あって198円。@7.9円である。
獲れちゃったか……。

もちろん迷うことなく買い求める。


シンプルに塩茹でにしてオーロラソースで頂く。ソースといっても小学校の給食程度のもので、マヨネーズとケチャップを同量で混ぜてレモンを垂らしただけのもの。
柔らかい甘味のある身に、なんともフワフワしたソースが合う。
しかし、食材もソースもあまりに優しすぎて、最後にはバジルを追加する。これでちょっと大人向けに改良。

殻を剥いてはディップしてひと口に。合間は言わずもがなである。忙しい。
あっという間に無くなりました。
この時期のシラサエビにはミソが入っていない。それが安さの原因か。
しかしながら、そのまま捨て置くのも残念である。ひとまず頭だけ小鉢に集めておく。


然るに……翌日。この頭で出汁をひく事に。エビ出汁である。
本来ならば、小さな殻が混じらない様に、出汁を布巾で漉すのがベストと思われるけれども手順省略。

自分だけの昼ごはんである。省力化。スピード重視。(いつもの事か)


頭ばかりをザルに入れて、直接トーチバーナーで上から炙る。焦げないように注意して。香ばしさは欲しいが焦げ臭さは不要である。
そのままザルごと土鍋へダイブ~。
グラグラに沸いたところで、ザルを引き上げて終了。「小さな殻が……」は「気にしない」という解決法。モーマンタイあるよ。

あとは味を調えて、うどん投入~~。

寒い日は、鍋焼きうどんですなぁ~。ハフハフ。エビとユズのダブルの香りが味わいどころである。
わざわざエビ出汁を作るとなると高価だもんねぇ。

まぁ、余禄というか余興というか……、いや、貧乏性だ。これは。


シラサエビって、全国的には流通していない種類らしい。
こちらでは普通に見かけるので有り難味が薄いけれど。しかも、茹でても全体が白っぽいままでエビとしての御馳走感が弱い。それが安さの原因?
まぁ、そういうものって各地にあると思う。「その地方でしか食べないもので有り難味も薄いもの」って。

伝助、ガンガゼ、イソギンチャク、アメフラシ、シッタカ……その他イロイロ。


さて、シラサエビは、お鮨屋さんの卵焼きに使っても良いと思えるけどなぁ。柴海老みたいに。
でも、あまり知れてしまって他の土地で食べるようになっても困るんだけどね。

なので、このまま『庶民派エビ』としてのステイタスにいて欲しいな。それも悪くないと思うよ。


それに『ボイルド・シュリンプのオーロラソース・バジル風味』と言えば、なかなかの有り難味が出るというものであるしね。




(追記)
通販サイトを見たら『天然ヨシエビ(瀬戸内産) 500グラム(10~18尾)で7000円』って出てました。何気に高級じゃん!
貧乏性ではなくて、本当に高価な出汁だったのか……。




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