備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

鹿の紅茶煮

2012-03-01 18:18:13 | 料理・食材
このところ細君のマイブームがフレーバードティーである。香りのついた紅茶。
もともと紅茶の人なんだけど、最近は小生を除く家族全体のブームらしい。(よく知らない)
朝一番にお湯を沸かしティーポットに紅茶をたっぷりと作っている。それを朝飲んだり、学校に持って行ったりしているらしい。(よく知らない)

さて、普段は小生の起床が一番遅いので、朝のキッチンには当然の如く茶葉の残った空っぽのポットがある。
細君曰く「ミルクティーにどうぞ~」なんだけど、小生にそんな優雅な趣味はない。なので、今まではそのままスルーしていた。

ある日、その出涸らしを見ていて、ふと「これで『鹿肉の紅茶煮』を作れば良いのでは?」と思い立った。何だか葉っぱが勿体無い気がして……。
『紅茶煮』は一晩以上は寝かせる必要がある。となると、作っておいて気が向いた時に頂けば良いわけである。
いつでも冷蔵庫に『おつまみ』がスタンバイという素晴らしい状態。おぉ~。(*^o^*)/


思いついてから後、毎朝ポットの蓋を取って残り香から推察するに、どうやら日によって使う茶葉が違うらしい。
ストレートでもダージリン、アッサム、アールグレイ……。
フレーバーは桜、マスカット、抽象的な名前のなんやかんや……何種類あるのか。(よく知らない)

そこで、鹿肉と相性の良さそうな紅茶としてメープルのフレーバーに狙いをつけた。香りが良いし、調味料に一番近そうだし。


で、件の香りがポットに残っていたその日に決行。(わざわざ新しい葉っぱは使いたくないという悋気さ)


鍋に茶葉を放り込んで、しっかりと色を出す。飲まないのでガンガンに沸かして濃い色に。
渋味が出る前に葉っぱを取り出して、モモ肉の塊を投入。
そのままでは出来上がりの色が楽しくないので、包丁目を入れて紅茶のグラデーションが出来るように小細工もしておいた。
しばらく煮ていると、メープルと紅茶の香りが家中に漂って喫茶店みたいな香りになっている。これも悪くないな。
そこに『醤油:味醂:酒=2:1:1』で入れる。量は味見して加減。紅茶優先で他の何かが突出しないようなバランスで。

塊肉の中心部まで火が通った(雰囲気の)ところで火を止めて、粗熱が引いたら煮汁ごと冷蔵庫へ入れて放置。
最低でも丸一日は置いておきたいな。


で、幾夜かふけて……。(翌日はギョウザ作ってて忘れてた)


さてさて、切ってみると……ジャストな色合い。偶然ながらも自画自賛しとく。
メープルの香りもしっかり残っている。あとは、胡椒なりマスタードなりを添えれば満足。
もともと脂のない赤身に甘味が入って香りも良い。

チャーシューの斜め上の上品さ。旨し!


『紅茶煮』は手間は掛からないけれど、時間が掛かる。
何でも思いついたらすぐに頂きたい性分としては、なかなかにこの待ち時間が辛いですなぁ。
正直なところ「明日の気分なんて、今からワカンネェし、よぉ」という感じ。


さて、猟期終了。
後はストックで楽しみましょう。(子供達からの追加リクエストあり)





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