それはまるで絵本か何かのイラストから抜け出してきたもののように見えた。
火灯窓が正面に大きくあって、前には賽銭箱と上の鈴を鳴らすための緒、紅白の手綱が下がっている(ん?!寺に鈴?)
さらに前にはずらりとお地蔵さんが並んでいる。童謡の「しょしょじのたぬきばやし」に絵をつけるならここしかないだろうというお寺。
先日突然、このお寺がバースくんの通勤バスの車窓から目に飛び込んできた。えっ、ここにこんなお寺あったっけ、それなりに古いよ。
えーっ、18年も会社の行き帰りに通っているのに全然気が付かなかったよ。自分の迂闊さにすっかり落ち込んでしまった。
人は見ようとしなければ、何も見ていないし見えていないというのはホントなんだと妙な感心さえした。
それにしても迂闊だろう、あれだけの建物に気が付かないなんて。山懐に抱かれた形になっているとはいえあんまりだとくよくよ。
数日、行き帰りに意識的にそのお寺を見る。あれこのお寺には庭がない。ちょうど家一軒分の広さの前庭に何もない。
何もないどころか、更地という感じ……。パーーーッと頭の中で何もかもがつながる。
そういえばお正月が明けてから、そのお寺の道向かいの空き地に珍しく重機がおいてあったことがあった。どこに使うと一瞬思ったっけ。
そうだよ、お寺の前には一軒家が建っていたんだ。だから真後ろにお寺があるなんて気が付かなかった。
その住宅を取り壊したからお寺が姿を現したのだ。ストリートビューで確認したら大正解!!
ストリートビューでもお寺は見えず一軒の家がどんとそこに建っていた。ボクが迂闊だったわけではなかった。
(うん、でも短絡的に迂闊だなと落ち込むことがまず迂闊だけどね。よく考えないと)お粗末でした鳥取のイベント情報サイト ジャングルズームノマップ