遠くなる背中に

何が何でもとか、無性にとか、わけわからないけれどとか、とにかくとか、そういう大きな目に見えない力が働いて背を押されるということが無くなって久しい。やむにやまれぬことなんて、早々日常生活には起こらない。
それは重ねてきた歳のせいなのか、いつのまにか情熱を失ってしまったのか、のぞみが遠すぎるのか、原因はわからないけれど、突き動かす何かが希薄になっているような気がするこの頃。
20代前半、行動一つ起こすのに、あんなにも緊張してドキドキしていたのに、今やその同じ行動はふふんと無意識レベルでやってのける。それを人は経験値が上がったというのだろうか。
確かに走力は格段に落ちたけれど、その経験値のおかげでペース配分は随分と上手くなっているとも思う。
「バースくん、今しかないと思うんだ。行くよ!!」と言い、無鉄砲に走り出した若い人を見つめるボクは、なんだかとても複雑な気持ちだ。がんばれと思い、うらやましいと思い、危険すぎるから止めなくてはと思い、その力強さに少し嫉妬まで覚え、そしてひと言「身体だけは大切に」なんて言葉しかかける術を持たない。あっという間に、彼の背中は小さくなる…。立ち尽くすボクにはいつもと変わらぬ日常があるだけだ。
でもそれでいいんだよね。ボクはここで動かず、走っていった人に変わらず応援の旗を振り続ければいい。行けるところまで行け!!
なんて感傷的なことがあったせいなのか、お正月に読もうと思っていた本はとりあえず置いておき、それこそ無性に「深夜特急」が読みたくなった。いつだって、ボクも若い人も「Being on the road」に変わりはないということ。
(もしもーーし、この年の瀬に何を悠長なことを、さっさとお仕事しましょうよ!!)はいはい、わかってるって!!それでは今日も元気に出発進行!!鳥取のイベント情報サイト　ジャングルズームノマップ鳥取