孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

中国お花見事情  桜のシーズンには60万人が日本へ 中国国内でも人気が高まる桜スポット

2018-03-29 23:25:30 | 中国

(山梨県富士吉田市にある「荒倉山浅間公園」 最近、特に海外からの観光客に超人気の観光スポットです。【amazon】で耐水性壁紙シール2550円を販売しています。浴室に貼れるそうで、中国人観光客に受けるのでは・・・)

今年は中国人観光客60万人が日本へ桜を見に行き、観光消費額は80億元(約1360億円)に
桜満開の季節で、中国人観光客が日本の桜を絶賛するような話題も多々ありますが、「花見」は別に日本の桜だけではないようで、今や中国観光客は中国国内はもちろん、世界各地のお花見に出かけているようです。

****世界中で花開く春、中国人観光客が花見の主力に****
春の訪れとともに花々が咲き始め、中国人観光客は今年も国内外の人気お花見スポットに大勢押し寄せるものと予想される。(中略)

▽中国の10大人気お花見エリア、江西の菜の花など
3月と4月は中国のお花見シーズンだ。「花見」(賞花)で検索すると、ネットには予約可能な団体ツアー、自由旅行、一日ツアーなどの情報が1000件あまり現れる。

携程のアプリケーションでは最近、菜の花、桃の花、桜などのキーワード検索数が前月比500%以上増加している。ネットでの花見商品の検索・予約データに基づき、携程はこのほど2018年国内10大人気花見エリアを発表した。

江西省●(矛へんに夂の下に女)源県の菜の花、無錫市鼈頭渚の桜、杭州市西湖の桃の花、チベット自治区林芝の桃の花、雲南省羅平県の菜の花などが選ばれた。

▽桜のシーズンには60万人が日本へ、消費額1360億円
毎年、春の観光市場で最も売り上げの大きい花見エリアは日本であり、3〜4月の日本旅行では花見が主な目的になる。

携程でもこれまでに数万人が日本への花見旅行を申し込み、海外の花見エリアでは日本に最も人気がある。(中略)

専門家の予想では、今年の桜のシーズンは3月下旬から4月下旬で、中国人観光客60万人が日本へ桜を見に行き、観光消費額は80億元(約1360億円)に達する。

一部の人気スポットでは、海外からの観光客の3割を中国人が占めるという。日本政府観光局が発表したデータによると、昨年は中国人観光客のべ735万人が日本へ出かけ、前年比15.4%増加し、1人当たり平均消費額は約1万3400元(約22万8000円)だった。3月と4月はひと月の観光客数がそれぞれのべ50万人を超えた。

日本だけでなく、欧州と北米地域も海外花見ツアーの人気エリアで、夏のシーズンも含めて売れ行きは好調だ。

データをみると、オランダのキューケンホフ公園のチューリップ、フランスのプロヴァンス・ヴァロンソルのラベンダー、米国・ワシントンの桜並木、カナダ・バンクーバーの桜祭り、英国ビュードリーのポピー畑、ドイツ・ボンの桜並木、英国コッツウォルズのラベンダー畑は、中国人観光客に人気の7大人気花見路線で、どこも売り上げが伸びている。【3月24日 Record china】
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世界各地のお花見スポットで出かけているものの、やはり近いということもあって、日本の桜は“60万人・1360億円”という大きなマーケットになっているようです。

3月1日、澎湃新聞は、今年の花見シーズンに日本旅行を予約している中国人観光客の数が昨年より6割多くなっていると伝えています。

一部でマナー云々の話はありますが、基本的には日本の美を代表する桜の季節に多くの中国人観光客がやってきて、日本への理解を深めてくれることは大変喜ばしいことだと思います。

どうして日本の桜を? “時期モノというレア感”と“桜=日本という強いイメージ”】
ただ、海外の花の季節を目当てに旅行をすることもある自分自身(前出記事にある中国の花の名所などはぜひ訪れたいとも思っています)の経験からすると、花見のための旅行というのは非常に難しいものがあります。

まずいつ咲くか決まっておらず、旅行スケジュールが決めにくい難点が。
それと、どうにもならないのが天候。特に、色の淡い桜は、青空を背景にしないと魅力は半減、もっと少なくなります。旅行スケジュールは対応もできますが、天気は運次第です。

花見は旅行の目的ではなく、“おまけ”ぐらいに考えておかないと、がっかりもします。

そんな難しさがあるなかで、あえて日本の桜を・・・とやってくる中国人が、どうしてこんなに多いのか?
難しさの裏返しである“「季節限定」のレア感”が、日本の桜への関心を高めているようです。

****どうしても日本で桜を見たい!」と願う中国人たちの深層心理****
(中略)2月上旬、私は上海在住の中国人のSNS、ウィーチャットでこんな投稿を見つけた。
「今年の桜の開花予想。出ました!」
 
友人は今年初めて表示された桜の開花予想を、桜前線が書かれた日本地図とともにSNSで拡散していたのだ。

日本の桜の開花予想をチェックする中国人
中国人の間でお花見が爆発的な人気を博し、爆買いブーム以降の2016年ごろから「爆花見」と呼ばれるほどの現象が起きるようになってきたことは、日本でもかなり知られるようになった。

だが、彼らが桜の開花予想までチェックしていることは、さすがにまだあまり知られていないのではないだろうか。中国人の友人が大半を占める私のSNSでは、2月下旬ごろから日を追うごとに、お花見に関する投稿がぐんぐん増えていった。

「今年こそ日本にお花見に行きたい」 「今年は富士山をバックに桜と一緒の写真を必ず撮るのだ!」 「去年、静岡県で見た河津桜。ピンク色が濃くてきれい。今年は京都で見る予定」  「日本の桜。すてき。やっぱり憧れちゃう~」
 
こんな具合だ。2月からお花見の話題で騒いでいる日本人はあまりいないと思うのだが、とにかく彼らの投稿から「お花見を心待ちにしている」様子や、ハイな気分がひしひしと伝わってくる。
 
いずれも、自分が以前撮った桜の写真や、どこかのサイトから探してきた桜の美しい写真つきで、中には桜の枝を手に、自分がどこかで着せてもらった日本風の着物(浴衣?)を着て、カメラ目線でポーズをとっている写真もある。

日本人が見ると少し違和感を覚えるような演出なのだが、やはり日本といえば桜のイメージが強いのだろう。そして、そこにまるでセットのようにあるのは富士山や着物といった「ザ・日本」の美しい映像だ。

個人の投稿だけではない。日本に関する情報を発信するサイトなどでもお花見の話題で持ち切りだ。たとえば、上海の日本国総領事館や日本企業などが共同で情報提供しているウィーチャットの公式アカウント「日本軽奢游」でも桜の話題が増えており、開花前にチェックしてみたところ、こんなことが書かれていた。

「東京では3月上旬から、武蔵野市内で寒緋桜を観ることができます」
「多くの中国人は目黒川の桜を真っ先に思い浮かべるでしょうが、都電荒川線の面影橋付近も隠れた名所です」
 
東京の上野公園や新宿御苑のように誰でも知っている名所情報はすでに中国人の間でも出回っているため、このようなマニアックな情報が有益なのだろう。

お花見目当ての中国人訪日客は さらに激増しそうな気配
私はここ数年、中国人のお花見に関する取材を行ってきたが、昨年ごろから強く感じ始めたのは、中国人が入手する情報の多様化、そしてマニアック化に、より拍車がかかっているということだ。
 
桜だけに限らないが、昨今の中国では、ウィーチャットで情報を集めれば、海外に関することでも、かなり詳細なことまで手に入る。

日本に住む中国人留学生の友だちとのやりとりや、日本に詳しいKOL(キー・オピニオン・リーダー)と呼ばれる人々の発信をフォローしているだけで、あっという間に自分も「日本通」「桜通」になれてしまう。

前述したような「寒緋桜」もそうだし、静岡県の「河津桜」、福島県の「三春滝桜」などもすでに通(つう)の間では有名。

名所だけでなく、地方の開花時期、「桜を窓から鑑賞できる東京都内のカフェ・レストラン」情報まで、もう彼らは知っているのだ。それほどウィーチャットには、ありとあらゆる情報があふれている。(中略)

「季節限定」のレア感、 「桜=日本」というイメージが広まる
中国に住む友人たちに、なぜそんなに桜が見たいのか、素朴な疑問を投げかけてみた。すると大きく分けて2つの回答が返ってきた。

ひとつは時期モノというレア感だ。
「やはり、“季節限定”というところが中国人の心をくすぐるし、ポイントでしょう。この時期しか見られないものですから、何としても見に行かなくちゃ、という感じ。しかも1週間くらいしか咲かないので、何度か日本に来ていても、タイミングが合わなくてまだ自分の目で桜を見ていない人もいます」(上海在住、20代の男性)
 
2つ目は桜=日本という強いイメージが、以前よりも多くの中国人に伝わってきたことだ。
「桜、富士山、ラーメンの3つは以前から日本のイメージでしたが、最近では生活に余裕が出てきたせいか、中国国内でも“お花見”を目当てに旅行する人が増えました。たとえば内陸部の農村に行って菜の花畑で自分の写真を撮るとか。桃や梅のお花見に行くとか。北京や上海、武漢にも桜の名所があり、それらに関する報道も増えてきたのですが、それなら、桜の本場、日本にも行って、ぜひ『日本の桜』を見たいと思うようになったのではないでしょうか」(杭州在住、50代の女性)
 
これらに加え、同僚が行くなら自分も行く。親戚が行ったのだから、自分だって行かなくちゃ、という横並び意識が彼らの間にあることも関係しているのではないか、と感じている。(中略)
 
桜といえば日本。日本といえばやはり桜なのだ。中国人のお花見ブームはまだしばらくの間、続きそうだ。【3月20日 中島恵氏(ジャーナリスト) WEDGE】
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中国国内でも人気が高まる桜の名所 日中の友好事業・つながりも場所も
日本で花見をする観光客が増える一方で、今年は中国国内の花見スポットも人気を集めているそうです。オンライン旅行予約サイトの国内花見旅行予約数が昨年よりも4割近く増えており、著名なスポットがある上海、武漢、無錫、昆明、北京といった都市に人気が集まっているとも。

また、日本の友好団体などが桜の植樹を続ける中国江蘇省無錫市の太湖湖畔の公園も大人気のようです。

****<中国>大都市中心に桜の花見が流行 「桜ビジネス」も活況****
中国で大都市を中心に桜の花見が流行している。

中国で春の花と言えば桃や菜の花が定番だが、訪日観光客の増加で桜の魅力が広まったとみられ、中国内でも日本ゆかりの桜の名所が人気を集める。ブームを当て込んだ「桜ビジネス」も活況で、偽物によるトラブルが生まれるほどだ。
 
上海市の静安彫刻公園。遊歩道沿いの桜が花を付け、スマートフォンを構えた市民らでにぎわう。会社員の劉楊さん(26)は「昨年の京都旅行で桜に魅せられた。中国の風景との組み合わせもすてき」と話した。日本のように桜の周囲で飲食をする習慣はなく、多くは歩きながら楽しむ。
 
江蘇省無錫市の太湖湖畔には日中の市民団体が1988年に植樹を始めた3万本の桜が咲き、28日からの桜祭りには毎年数万人が訪れる。

1000本が植えられた湖北省武漢市の武漢大学では1日の入場者が20万人を超えたことも。現在は1日にネット予約した3万人に制限、ダフ屋防止のため入り口での顔認証技術を導入した。
 
無錫で植樹をする「日中共同建設桜友誼林保存協会」の新発田豊会長(66)は「桜をめでる心は日中同じ。絶やさず続けていきたい」と喜ぶ。日中関係が改善に向かう中、中国メディアも好意的に報道している。(後略)【3月27日 毎日】
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江蘇省無錫市の太湖湖畔の桜の植樹は1988年から毎年実施されており、公園は中国随一の桜の景勝地に発展。
“日中共同建設桜友誼林保存協会メンバーの林英信さん(75)=津市=は「最近は若い中国人の方が熱心に取り組んでいてうれしい。根気よく続けてきてよかった」と感慨深げに語った。”【3月28日 共同】

ただ、例によって、マナー違反等の問題も指摘はされています。

****日本から持ち込まれた桜のスポット、マナー違反にダフ屋と問題だらけ****
2018年3月27日、重慶晩報によると、湖北省武漢市の武漢大学キャンパスにある桜並木が見頃を迎えている。

武漢大学の桜並木は、1930年代に武漢を占領した旧日本軍が植えたのが始まり。桜の木は日本から持ち込んだもので、日本の敗戦後は伐採案も出たが、武漢を守備していた軍の将軍が退け、桜並木が守られたという逸話もあるという。

日本軍が植えた桜は50年代には枯れ始めたが、72年の日中国交正常化の際に田中角栄首相が周恩来首相に贈った桜1000株のうち50株が武漢大学に植えられ、80〜90年代にも日本から桜の寄贈があった。

その桜並木は、今では市を代表する観光スポットになっている。桜並木の鑑賞は有料だったが、2015年からネットの事前予約で無料になり、今では顔認識システムが導入され、入場時の混乱が大幅に軽減されたという。

一方で、マナー違反やダフ屋などの問題も生じている。在学中の学生なら家族や友人を無料で連れて入れるのだが、うそをついてタダでキャンパスに入り込もうとする人や、「中に入れてやる」と言って金銭をだまし取ろうとするダフ屋が後を絶たないという。【3月28日 Record china】
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****桜の木をゆすって「桜の雨」降らせた男性、取り囲まれる―中国****
(中略)武漢大学構内の桜並木通りは、花見の名所として近隣の人々に人気となっている。しかし、24日夜、1人の男性が突然桜の木によじ登って枝にまたがり、力任せに枝を揺らし、花びらを無理やり舞い散らせた。

同行の友人たちは大喜びでその様子を動画撮影し、ネットに投稿。「桜の雨」だと主張したところ、見た人から「ありない行為だ」と非難が殺到した。

動画には「揺らさないで!」と叫ぶ人の声も入っていた。男性は続けて別の木によじ登ろうとしたところ、周りにいた人々に取り囲まれ、制止されたという。

武漢大学はネットで「マナーを守って花見をして下さい。草や木を傷つけるのはやめて下さい」と呼びかけた。【3月26日 Record china】
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まあ、日本でも“場所取り”騒動とか、酔って大騒ぎする醜態、枝を折る輩も、後に残された大量のゴミ・・・といった話は珍しくもありませんので、“これだから中国人は・・・”といった反応は短絡的でしょう。

それにしても、花見に顔認証システム・・・・いかにも現代中国です。

中国人から見た“日本人と桜”】
一方、中国側から見た、日本人の桜への思い入れについては・・・

****日本人と中国人は同じ「桜」を見ても、感じるものは「全然違っていた」=中国メディア****
(中略)桜が中国人の興味をそそるのは、日本のアニメや漫画、映画などでさかんに桜が登場するからだろう。

しかし、日本人にとっての桜と中国人にとってのそれとは同じなのだろうか。中国メディアの今日頭条は22日、日本人と中国人の桜を見る心境の違いに関する記事を掲載した。

記事は、中国人が桜を見るのは絶対に日本人のそれとは違うと主張。日本人は、春の時期になると花に気持ちを託したくなるらしいと分析し、あるドキュメンタリー番組について紹介した。

その番組では、桜を見ながら日本人はどんなことを思うのか、いろいろな人にインタビューしている。桜は卒業の時期に重なるが、ある学生は「来年桜を見るころには社会人になっている」とこの先の1年に思いをはせていたという。

また、「桜を見ながら若いころ桜の下でプロポーズした」と懐かしそうに回顧する老夫婦、妻が東日本大震災で亡くなったある男性は、「満開になった桜を妻が応援してくれていると言い聞かせる」と話し、別のお年寄りは「桜を見るとすでに巣立った子どもたちのことを思い出す」と話したと紹介した。

さらには、桜のおかげで普段はできない花見を楽しめる主婦たちもいると紹介。松尾芭蕉の俳句「さまざまのこと思い出す桜かな」を引用しながら、日本人にとって桜とはただのきれいな花ではなく、過去を思い出す思い入れの深いものらしいと伝えた。

桜に対する思い入れが強いのは、桜の開花時期が日本ではちょうど卒業・入学式の時期に重なることもあるのだろう。また、開花期間が短く、美しさも相まって強い印象を与えているのかもしれない。

桜を見に国内外に出かける中国人には、桜の美しさは目に映っても、日本人それぞれが抱く心境は理解できないに違いない。【3月28日 Searchina】
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確かに、卒業・入学式の時期に重なることもあって、桜にいろんな思いを抱く人も多いのも事実ですが、酔って大騒ぎしている花見客の大部分には関係ない話。あまり上記のようなところを強調するのは、深読みに過ぎるかも。

ただ、日本人の季節感・美意識と桜の関連の深さは言うまでもないところで、また、花見のバカ騒ぎも、桜見物がコミュニケーションの場となっているという点では、日本独特のものでしょう。



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