(【3月24日 NHK】 リンさんが遺体に添えた手紙)
【「実習生が孤立して追い込まれないよう政府には実習生を積極的にサポートしていく視点を持ってほしい」】
昨日ブログで取り上げた難民認定をめぐる同性愛ウガンダ人女性と同様に、日本の外国人に対する見識が問われる双子を死産したベトナム人技能実習生の「死体遺棄」事件。
ベトナム人技能実習生レー・ティ・トゥイ・リンさん(23)は2020年11月15日、熊本県の自宅で双子を死産しました。
技能実習生として農園で働いていたリンさんは「妊娠がわかれば帰国させられる」と考えて周りに相談せず、病院も受診していませんでした。
遺体をタオルに包み、赤ちゃんの名前や「天国で安らかに眠って」などと書いたおわびの手紙を添え、部屋にあった段ボール箱に入れました。
翌日に病院で死産を明かし、3日後に逮捕。一、二審では「死体遺棄」で有罪。
死体遺棄罪が成立するには土の中に埋めるなどの違法行為を行う「作為」と葬祭義務に反して遺体を放置する「不作為」があります。
作為は土の中に埋めるなどの違法行為を行うこと。不作為は、家族らが弔うための埋葬を行わず、葬祭義務に反して遺体を放置することです。
二審の福岡高裁判決(懲役3カ月執行猶予2年)は不作為を否定しましたが、遺体を段ボールに隠したことが作為の死体遺棄にあたると判断しました。
しかし、箱に入れたとはいえ場所は自宅の室内で、彼女は遺体のそばから離れなかった。遺体をタオルでくるみ、手紙を入れた・・・・などを考えると、敢えてこれが「死体遺棄」として罰するべきものなのか疑問です。
まして、相談する者もいない、妊娠が明らかになれば仕事ができなくなり帰国させられる・・・そういった技能実習生の境遇を考えると、むしろ問題とすべきは彼女を「孤立出産」に追い込んだ日本社会の現状のように思われます。
注目されていた最高裁判断は逆転「無罪」でした。
****ベトナム人元技能実習生に逆転無罪判決 死産児遺棄の罪 最高裁****
3年前、熊本県芦北町で死産した双子の赤ちゃんを自宅に遺棄したとして、死体遺棄の罪に問われたベトナム人の元技能実習生の裁判で、最高裁判所は執行猶予のついた有罪とした1審と2審の判決を取り消し、逆転で無罪を言い渡しました。
無罪を言い渡されたのは、ベトナム人のレー・ティ・トゥイ・リンさん(24)です。(中略)
死産したあとの行動が死体遺棄罪の「遺棄」に当たるかが争点で、24日の判決で、最高裁判所第2小法廷の草野耕一裁判長は「習俗上の埋葬とは認められない形で死体などを放棄したり隠したりする行為が『遺棄』に当たる」という考え方を示しました。
そのうえで、リンさんの行為について「自宅で出産し、死亡後まもない遺体をタオルに包んで箱に入れ、棚に置いている。他者が遺体を発見するのが難しい状況を作り出したが、場所や遺体の包み方、置いていた方法などに照らすと、習俗上の埋葬と相いれない行為とは言えず、『遺棄』には当たらない」と判断し、1審と2審の有罪判決を取り消して逆転で無罪を言い渡しました。 裁判官4人全員一致の結論でした。
今回の事件は、技能実習生だったリンさんが帰国や退職を迫られることをおそれて妊娠を打ち明けられず、孤立出産に追い込まれた背景があり、無罪を求める署名は9万5000筆余りに上っていました。(中略)
死産したあとの行動が死体遺棄罪の「遺棄」に当たるかが争点で、24日の判決で、最高裁判所第2小法廷の草野耕一裁判長は「習俗上の埋葬とは認められない形で死体などを放棄したり隠したりする行為が『遺棄』に当たる」という考え方を示しました。
そのうえで、リンさんの行為について「自宅で出産し、死亡後まもない遺体をタオルに包んで箱に入れ、棚に置いている。他者が遺体を発見するのが難しい状況を作り出したが、場所や遺体の包み方、置いていた方法などに照らすと、習俗上の埋葬と相いれない行為とは言えず、『遺棄』には当たらない」と判断し、1審と2審の有罪判決を取り消して逆転で無罪を言い渡しました。 裁判官4人全員一致の結論でした。
今回の事件は、技能実習生だったリンさんが帰国や退職を迫られることをおそれて妊娠を打ち明けられず、孤立出産に追い込まれた背景があり、無罪を求める署名は9万5000筆余りに上っていました。(中略)
無罪判決について最高検察庁の吉田誠治公判部長は「検察官の主張が認められなかったことは誠に遺憾であるが、最高裁判所の判断であるので、真摯に受け止めたい」とするコメントを出しました。
リンさん「心からうれしい 実習生が安心して出産できる社会に」
判決のあと弁護団が会見し、リンさんもオンラインで参加しました。
リンさんは「無罪判決を聞いて、心からうれしいです。これまでの2年4か月は本当に長かったです。犯罪者として大きく報道され、ニュースやSNS上でいろいろ嫌なことが書き込まれ、それらを見るたびに何度も心が苦しめられ、心が折れかけました。そのたびに、多くの人に励まされ、きょうまで頑張ることができました」と振り返りました。
そして「きょうの無罪判決で、妊娠して悩んでいる実習生が相談でき、安心して出産できる社会に日本が変わってほしい」と訴えました。(中略)
また、石黒大貴弁護士は(中略)「実習生が孤立して追い込まれないよう政府には実習生を積極的にサポートしていく視点を持ってほしい」と話しました。
リンさんは「無罪判決を聞いて、心からうれしいです。これまでの2年4か月は本当に長かったです。犯罪者として大きく報道され、ニュースやSNS上でいろいろ嫌なことが書き込まれ、それらを見るたびに何度も心が苦しめられ、心が折れかけました。そのたびに、多くの人に励まされ、きょうまで頑張ることができました」と振り返りました。
そして「きょうの無罪判決で、妊娠して悩んでいる実習生が相談でき、安心して出産できる社会に日本が変わってほしい」と訴えました。(中略)
また、石黒大貴弁護士は(中略)「実習生が孤立して追い込まれないよう政府には実習生を積極的にサポートしていく視点を持ってほしい」と話しました。
技能実習制度が抱える矛盾 改めて浮き彫りに
リンさんの裁判は、技能実習制度が抱える矛盾を改めて浮き彫りにしました。
外国人が日本で働きながら技術を学ぶ技能実習制度は、発展途上国の人材育成という国際協力を目的に1993年に創設されました。去年6月時点で日本にいる実習生はおよそ33万人、このうちおよそ4割が女性です。
実習生には日本人の労働者と同じく労働関係の法律が適用され、妊娠や出産を理由に解雇などの不利益な扱いをすることは禁止されているほか、産休などをとることもできます。
一方で、厚生労働省によりますと、妊娠や出産を理由に技能実習を続けられなくなった人は2017年12月から2020年11月までの3年間で637人に上っています。
リンさんの裁判でも、1審判決は「妊娠が解雇の理由にはならないとはいえ実際には仕事ができずに収入がなくなるため、家賃や生活費が出せなくなり帰国に追い込まれてしまう。そのような状況を十分にサポートする制度もなく、実習生にとっては厳しい環境だった」と言及しました。
妊娠・出産をめぐるトラブルも各地で起きていて、出入国在留管理庁が去年、ベトナムやフィリピンなど7か国の女性の実習生を対象に初めて実態調査を行ったところ、回答した650人のうち、母国の送り出し機関や受け入れを担う日本の監理団体、それに実習先の企業などから「妊娠したら仕事を辞めてもらう」など不適正な発言を受けた経験があると答えた人は、およそ4人に1人に当たる26%でした。
また、実習生の受け入れを担う監理団体や実習先の企業などから妊娠や出産を理由とした解雇などの不利益な扱いが禁止されていることを説明を受けて知っていると回答した人は59%でした。
国は監理団体や企業に対し、妊娠や出産に関する支援策を実習生に説明することなどを通知していますが、監理団体からは「実習生を受け入れるような企業は慢性的な人手不足で、たたでさえ余裕がなく、実習生の妊娠出産のことまで考えられない」という声もあります。
人材育成が目的のはずの制度が、実際は労働環境が厳しい業種を中心に人手を確保する手段になっているとの指摘もあり、去年7月には当時の古川法務大臣が「国際貢献という目的と人手不足を補う労働力としての実態がかい離しているとの指摘はもっともだ。技能実習生にとっては、わかりにくく、人権侵害が生じやすい制度となっている」という認識を示しています。
制度の見直しに向けて、政府は有識者会議を設置し、制度の存廃や再編も含めて議論を進めていて、秋ごろをめどに最終報告書を提出する予定です。
外国人が日本で働きながら技術を学ぶ技能実習制度は、発展途上国の人材育成という国際協力を目的に1993年に創設されました。去年6月時点で日本にいる実習生はおよそ33万人、このうちおよそ4割が女性です。
実習生には日本人の労働者と同じく労働関係の法律が適用され、妊娠や出産を理由に解雇などの不利益な扱いをすることは禁止されているほか、産休などをとることもできます。
一方で、厚生労働省によりますと、妊娠や出産を理由に技能実習を続けられなくなった人は2017年12月から2020年11月までの3年間で637人に上っています。
リンさんの裁判でも、1審判決は「妊娠が解雇の理由にはならないとはいえ実際には仕事ができずに収入がなくなるため、家賃や生活費が出せなくなり帰国に追い込まれてしまう。そのような状況を十分にサポートする制度もなく、実習生にとっては厳しい環境だった」と言及しました。
妊娠・出産をめぐるトラブルも各地で起きていて、出入国在留管理庁が去年、ベトナムやフィリピンなど7か国の女性の実習生を対象に初めて実態調査を行ったところ、回答した650人のうち、母国の送り出し機関や受け入れを担う日本の監理団体、それに実習先の企業などから「妊娠したら仕事を辞めてもらう」など不適正な発言を受けた経験があると答えた人は、およそ4人に1人に当たる26%でした。
また、実習生の受け入れを担う監理団体や実習先の企業などから妊娠や出産を理由とした解雇などの不利益な扱いが禁止されていることを説明を受けて知っていると回答した人は59%でした。
国は監理団体や企業に対し、妊娠や出産に関する支援策を実習生に説明することなどを通知していますが、監理団体からは「実習生を受け入れるような企業は慢性的な人手不足で、たたでさえ余裕がなく、実習生の妊娠出産のことまで考えられない」という声もあります。
人材育成が目的のはずの制度が、実際は労働環境が厳しい業種を中心に人手を確保する手段になっているとの指摘もあり、去年7月には当時の古川法務大臣が「国際貢献という目的と人手不足を補う労働力としての実態がかい離しているとの指摘はもっともだ。技能実習生にとっては、わかりにくく、人権侵害が生じやすい制度となっている」という認識を示しています。
制度の見直しに向けて、政府は有識者会議を設置し、制度の存廃や再編も含めて議論を進めていて、秋ごろをめどに最終報告書を提出する予定です。
専門家「技能実習生は弱い立場」
技能実習制度の問題に詳しい東京大学の高谷幸 准教授は技能実習生の妊娠・出産をめぐる現状について「外国人労働者を受け入れる制度ではなく国際貢献の制度となっているため、技能実習生は職場で問題が起きたとしても、自分でほかの仕事を探してやめることは原則、認められておらず、雇用主や監理団体との関係ではどうしても弱い立場にある。母国で借金をして実習に来ている人も多いので、なんとか我慢しなければと思ってしまうのだろう」と指摘します。
そのうえで「働いているから日本への滞在が認められるし、住居も雇用主が準備する形で、妊娠・出産を含め働くこと以外の生活は想定されていない。
そのうえで「働いているから日本への滞在が認められるし、住居も雇用主が準備する形で、妊娠・出産を含め働くこと以外の生活は想定されていない。
『技能実習生らしく暮らしてください』ということだが、日本社会全体として、働くことと子育てを切り離してはいないか。外国人だけの問題という捉え方ではなく、子どもを産み育てることをみんなで支える社会になっているか考えることも必要だ」と話しています。(後略)【3月24日 NHK】
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「実習生を受け入れるような企業は慢性的な人手不足で、たたでさえ余裕がなく、実習生の妊娠出産のことまで考えられない」という実態はわかります。
わかりますが、さりとて実習生の人権がないがしろにされていいということにもなりません。
常に指摘されるように、日本政府は移民を認めない、しかし働き手は欲しい・・・ということで、実習生らをヒトとしての労働者ではなく、単なる「労働力」として扱う傾向があります。
しかし「労働力」として来日した実習生はあくまでもヒトであり、妊娠もすれば、出産もします。
一部で話題になるような奴隷労働のような労働環境が許されるものでもありません。
改めて、外国人労働者受入れの基本的枠組に関する見直しが必要とされていますが、そのことは今に始まったことではなく以前から指摘されているところで、“制度の見直しに向けて、政府は有識者会議を設置し、制度の存廃や再編も含めて議論を進めていて、秋ごろをめどに最終報告書を提出する予定”というのも今更の感もありますし、どうせ大した「見直し」も実現しないのだろうという期待薄の感も。
なお、日本で働く外国人労働者はコロナ禍で停滞しましたが、今年は回復傾向にあり、過去最多を記録しています。
****外国人労働者 182万人余で過去最多 ベトナム人が全体の約1/4に****
日本で働く外国人労働者は去年10月時点で182万人余りとなり、これまでで最も多くなりました。
厚生労働省によりますと、日本で働く外国人労働者は去年10月時点で182万2725人で、前の年の同じ時期に比べて9万5504人、率にして5.5%増え、これまでで最も多くなりました。
外国人労働者は調査を始めた2007年以降増加傾向が続いていて、新型コロナウイルスの感染拡大でおととしにかけての年間の増加率は0.2%にまで落ち込みましたが、今回は回復しました。
国籍別では、ベトナム人が46万2384人と最も多く全体のおよそ4分の1を占め、次いで中国人が38万5848人、フィリピン人が20万6050人などとなっています。
一方、技能実習生は34万3254人と前の年を2.4%下回って、2年連続の減少となり、新型コロナの水際対策が影響しているとみられます。
厚生労働省は「技能実習生は減ったものの、全体の増加率はコロナ前の水準に戻りつつある。言語や習慣の違いがあっても外国人労働者が働きやすい環境の整備に向けて、企業への訪問指導などを徹底していきたい」と話しています。【2月12日 NHK】
外国人労働者は調査を始めた2007年以降増加傾向が続いていて、新型コロナウイルスの感染拡大でおととしにかけての年間の増加率は0.2%にまで落ち込みましたが、今回は回復しました。
国籍別では、ベトナム人が46万2384人と最も多く全体のおよそ4分の1を占め、次いで中国人が38万5848人、フィリピン人が20万6050人などとなっています。
一方、技能実習生は34万3254人と前の年を2.4%下回って、2年連続の減少となり、新型コロナの水際対策が影響しているとみられます。
厚生労働省は「技能実習生は減ったものの、全体の増加率はコロナ前の水準に戻りつつある。言語や習慣の違いがあっても外国人労働者が働きやすい環境の整備に向けて、企業への訪問指導などを徹底していきたい」と話しています。【2月12日 NHK】
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【外国人労働者、過去最高を記録 しかし、このままでは「選んでもらえない」ことにも】
一方で、円安もあって外国人労働者の「日本離れ」が進んでおり、東南アジア諸国の経済成長・国内雇用機会の増加、少子化に悩む国との人材獲得競争で、日本も労働環境を整えないと今後「選んでもらえない」ことにも・・・という話も、ここ1,2年よく目にする話題です。
****記録的円安で進む外国人労働者の日本離れ、賃金目減りで薄れる魅力****
記録的な円安進行で、外国人労働者にとって日本の魅力が薄れている。少子高齢化が進み、工場や農家、介護施設の運営により多くの人手を必要としている日本にとって憂慮すべき兆候だ。
歴史的に移民の割合を低く抑えてきた日本政府はここ数年、人口減少を補うため外国人労働者の受け入れを徐々に拡大してきた。外国人労働者数は2019年に約170万人と、わずか10年余りで3倍に増えた。日本の農業や製造業、IT(情報技術)などへの労働力でベトナムは主な供給源の国となってきた。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)以後、外国人労働者数は横ばいで、入国制限が緩和されたものの増加に転じるかどうか不透明な情勢。円相場は先月、対ドルで約30年ぶり安値を更新しただけでなく、ベトナム・ドンを含む複数のアジア通貨に対しても下落している。
ベトナム人のソフトウエアエンジニア、チャン・チョン・ダイさん(29)は、「かつて日本で勉強や仕事をしていた友人らは日本へ行く価値がないと考えている。給料が以前得られた額よりも4分の1少なくなったからだ」と語った。来年訪日する計画を取りやめるつもりはないチャンさんだが、当初想定したほど貯蓄はできないと予想している。
ITサービスを提供するFPTジャパンの採用・人事担当責任者、ファム・ドゥック・マイン氏は、日本で就職志望のベトナム人は今年下期に約40%減少する見込みだと語った。為替レートの影響が一因だと言う。
ハノイに拠点を置く技能実習生送り出し機関ラコリの採用担当者、グエン・ヴァン・モンさん(27)によると、同機関は年間約300人のベトナム人労働者を食品加工や建設などの日系企業40社に送り出しているが、円安が人々の考え方に「深刻な影響」を及ぼしており、志望者は30%減少している。
こうした志望者減少は、歴史的円安でエネルギー・食料価格の高騰に追い打ちをかけた日本銀行による異次元金融緩和の副作用の一つだ。
外国人労働者の日本離れは、低成長で賃金の停滞にあえぐ日本経済をさらに悪化させる可能性がある。今後10年以内に1人当たりの国内総生産(GDP)で日本は韓国や台湾に追い抜かれる見込みだ。
移民政策などを専門とする国士舘大学の鈴木江理子教授は、他のアジア諸国における出生率の低下は、外国人労働者の獲得で日本も競争にさらされることを意味すると説明。「以前は日本が入れてくれたら喜んで来るよという感じだった。ここ数年の議論は選ばれる国になるのに努力しなければいけない」ということだと述べた。
日本の外国人労働者「横ばい」
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、日本の生産年齢人口は20年の7400万人から40年には6000万人を下回る見通しだ。
ベトナムやミャンマーから人材を採用しているウイルテックの大島英之事業開発部部長は、「どんどん海外人材の需要が日本国内で増えてきている」と語った。労働力人口が減少する中で高齢化も進み、人手不足の状態は変わらないため、「なかなか日本で採用できないということで、外国人人材に頼らざるを得ない」と述べた。
帝国データバンクが9月に実施した調査によると、調査対象の約2万6000社のうち正社員の人手不足を感じている企業の割合は5割強と、新型コロナ感染拡大後としては最大となった。観光産業が活気を取り戻す中、ホテルや旅館では人手不足企業の割合が6割を超えている。
とはいえ、日本には母国で働き先がかなり限られている人々を引き付ける魅力がまだある、との見方を示すのはNPO法人「日越ともいき支援会」の吉水慈豊代表理事。同NPO法人は低賃金や危険な労働環境など搾取的な慣行に直面しているベトナム人労働者を支援している。
吉水氏は彼らが来なくなるとよく言われるが、私は聞いたことがないと指摘。ベトナムの地方出身の高卒労働者にとっては、たとえ円安であったとしても、地元で農業するよりも日本に行って技能実習で働いた方がお金になると説明した。【2022年11月11日 Bloomberg】
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“ベトナムの地方出身の高卒労働者にとっては、たとえ円安であったとしても、地元で農業するよりも日本に行って技能実習で働いた方がお金になる”という状況があるうちに、日本も受け入れ態勢の整備を進めないと、本当に「選んでもらえない」ことにもなります。
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