孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

南アフリカ 「トラベル イズ トラブル」 ツアー添乗員は大忙し 客はお気楽

2023-10-19 08:11:24 | 身辺雑記・その他

南アフリカ 「トラベル イズ トラブル」 ツアー添乗員は大忙し 客はお気楽

(ジンバブエとザンビア国境にかかるヴィクトリアの滝 全長が2kmほどあるので、地上から全体を撮影するのは無理(後日、ヘリコプターから空撮も行いました)
落差100mを超える滝の真上でプールを楽しむ観光客も。もちろん自己責任。日本の旅行社では企画しないアクティビティでしょう。 ザンビア側から入るようです  画像が曇っているのは水しぶきのせい)
 
現在、南アフリカからの帰国便の機内です。

「トラベル イズ トラブル」・・・・トラブルに見舞われた旅行ほど、その記憶が鮮やかに残ると常々考えています。(もちろん程度問題はありますが)

今回は個人手配ではなく、ツアーを利用していますので、多少のトラブルがあっても、個人的には不安感ゼロ。 でも添乗員さんは大変。

一昨日、二日間のジンバブエ観光(ヴィクトリアの滝やチョベ国立公園でのサファリ)を終えて南アフリカのケープタウンへ移動(同じ南ア・ヨハネスブルグで乗り換え)・・・・のはずでしたが・・・。

まず、ジンバブエの通信事情がすこぶる悪い。
ホテルのWiFiは問題なく使えるものの、レンタルして持参したWiFiルーターは結局ホテルでも空港でも使えず。

空港のチェックインカウンターもWiFiを使って処理しているとのことで、通信速度が非常に遅くなかなか進まない・・・結局途中でシステムダウン。チェックイン作業が中断。

まあ、フライトまで時間があったので、それは特段の問題なし。
問題はここから。

ようやくチェックインしたものの、南ア・ヨハネスブルグフライトが1時間遅れるとのこと。待つことしばし・・・そろそろと思ったら更に遅れるとのこと。

ヨハネスブルグでケープタウンへの乗り継ぎがあるのですが、どうなるのか・・・・
添乗員の話では、同じ航空会社なので、なんとか対応してくれるだろうとのこと。

なんだかんだでヨハネスブルグに到着したのがすでに夜間。
乗り継ぎ時間が45分ほどで、単に飛行機を替えるだけでなく、南アへの入国審査もこの間に行う必要があります。

入国審査のカウンターには長蛇の列。
どう考えて時間内に乗りかえるのは無理ですが、利用航空会社の者の案内で入国審査を通常とは別枠でやってもらえる・・・・はずでした。通常はそうやっているとのこと。

バトル・その1 イミグレの管理者 vs. 航空会社係員
しかし、この日のイミグレの管理者(中年の太った白人)は、一切そのような話には耳をかしません。 

白人・小太りのイミグレの管理者は腰にてを当ててて仁王立ち。ここから先は一歩も通さない・・・という感じ

黒人の小柄な航空会社係員(男性と女性2名)は「そう言わずに。いつもやってもらっています・・・そうしないとこの日本人16人が飛行機にのれないです。飛行機は彼らの到着を待っています」みたいなことを言ってるのでしょう。

私らのほかにも、ヨーロピアンのグループもいて、何やらそちらは激高しています。

しかイミグレ管理者は「規則は規則だ」と頑として譲らず。

様子を眺めていたツアー添乗員は「時間の無駄。この間抜けで石頭のおっさんが認めるわけない」とあきらめて、通常の列の最後尾に並ぶことに。

イミグレ管理者の圧勝。

バトル・その2 ツアー添乗員 vs. 派手な黒人女性
私らの後ろにも長い列が。 進まない列に苛々しながら待っていると、後方から若い黒人女性が並んでる乗客を押しのけてやってきます。まつげを大きくカールさせた派手なメイク・服装で、日本ならモデルさんみたいな雰囲気。

「そこ、通して。飛行機出ちゃうの!」なんて言いながら。

その女性の前に立ちはだかったのが私たちのツアー添乗員(40歳台? 50前後?の女性。)

「ダメ。列の後ろに並びなさい!」
  「飛行機に遅れるのよ!」
「それは私たちも同じ状況よ」といった押し問答を激しくたたかわせていましたが、黒人女性はあきらめました。
  (仕方なく後ろに下がりながら)「どうして通してくれないの。遅れたらあなたのせいよ!」
「間違ってるのはあなたよ!」

ツアー添乗員の勝利

タイムアップ
何とかイミグレを通過して、航空会社係員の案内で空港内を走る16名。
最初は本当に走っていましたが、私を含め高齢者がほとんどなので、後半は急ぎ足で。

向かった先は手荷物検査。 時刻は午後8時を少し過ぎたあたり。飛行機は8時の予定ですが、10分程度なら待ってくれるはず・・・(親切ということではなく、航空会社のせいで乗り遅れをつくると、代替便や今夜のホテルなど、航空会社も面倒になりますので)
 
検査を始めたところ、セキュリティチェックの女性が作業中止を宣告

「飛行機はもう出発したわ。」
航空会社内部でどういう話になっていたのか・・・とにかく間に合わなかったみたい。万事休す。

泣きっ面にハチ
仕方ないのでに一部チェック済みの手荷物を回収。場所を変えて、これからどうするかを考えることに。

機内預けのスーツケースは、本来はヨハネスブルグで各自がピックアップして、改めてケープタウン行きに預ける手順ですが、それをやっていたら絶対に乗り継ぎに間に合わないので、航空会社の係員がケープタウン行きに積み替えることになっていました。

ただし、荷物の乗り継ぎが間に合わないこともあるので、スーツケースなしでも今晩・翌朝すごせるように、各自、1日分の着替え・薬・化粧品などは手荷物でもっていく手はずになっていました。(もともと、そのような「綱渡り」的な乗り継ぎでした)

今回は人間のほうがケープタウンに行けなくなったので、スーツケースもヨハネスブルグで回収することに。

ヨハネスブルグ空港で各自がスーツケースを受け取って・・・・でもツアー客一人のスーツケースが足りません。
どこに消えたのか? 航空会社の方で探しますが、見つかりません。

考えられる可能性は、手違いで回収できずにそのままケープタウン行きに乗せられて、ケープタウンへ荷物だけ行ってしまった・・・でも、その確認もできません。

(全員分の荷物をヨハネスブルグで回収する判断が誰によっていつなされたのか・・・このあたりの事情は今でもよくわかりません)

今夜どうするのか? ケープタウンへはどうやって行くのか?
まずはケープタウンへの代替便を確保する必要があります。

そのほか、今夜のヨハネスブルグでのホテルを探し、予約していたケープタウンのホテルをキャンセルする必要も。

添乗員は大忙し。添乗員・航空会社・日本のツアー会社で調整。

ツアーメンバーは空港内で待機。
時刻はすでに9時過ぎ メンバーも「今夜はもうフライトはないでしょう」とあきらめムード。

結局、明日朝一番、6時のフライトを確保。今夜はヨハネスブルグのホテルで宿泊することに。(航空会社負担でしょうか)

なんだかんだでホテルにチェックインしたのが10時過ぎ。
本来は「おひとり様」の私は一部屋使用していましたが、この緊急避難で、今夜はおなじ「おひとり様」男性と相部屋に。

夕食がまだ。ホテルのレストランはとっくに終了。
添乗員がタクシーでマクドナルドに向かい、人数分のハンバーガーを購入してくることに。

ハンバーガーの必要有無を確認していると、ツアーメンバーの一人は「私はあれがいいわ・・・」 さすがに添乗員もムッとした様子で「ごめんなさい。この状況なので全員同じものになります」 しょりゃそうだ。

そのハンバーガーが届いたのが11時頃

普段体を動かすこともないのに、急に空港内を走ったりしたので、夜中に足がつりまくり。
睡眠時間は2時間ほどか。

翌朝は3時半起床で6時フライトに。

怒涛の観光スケジュール消化
翌朝なんとかケープタウンに到着 昨夜ヨハネスブルグ空港で紛失したスーツケースを無事回収。

ただし、本来スケジュールからすでに30分から1時間遅れで観光スタート。

運悪く、最初に向かったテーブルマウンテンが大混雑で、ロープーウェイに乗るまで長時間待たされて更に遅れが拡大。

もともとそういうトラブルがなくても、ケープタウン観光は通常以上に目いっぱい組み込まれており、相当にタイトな時間管理になることがわかっていましたが、この事態で状況は悪化。

予定が押しまくりで昼食がとれたのが4時頃。
「申し訳ないですが昼食は45分ですませてください」と分刻みスケジュールに。

というのは、そのあとに訪れる予定の植物園の最終時間がきめられているため。

45分で・・・食べるのにそんなに時間はいりませんが、料理が出てくのに時間がかる。
添乗員の話では、「お店についたら、料理はテーブルの上に並べられているので、申し訳ありませんが・・・」なんて言っていましたが、ちっともそんなことはありません。

パックに包んでもらってバスの中で食べたら・・・といった提案もありましたが、(そんなパックに詰められるような料理ではありませんでしたが、それはともかく)「そんなことを頼んだら、包むのにまたすごい時間がかかる」とのこと。

日本のように客の事情に併せて最大限の配慮を・・・といった世界ではありません。

現地ガイドも要領が悪い・・・・
喜望峰近くのペンギンのコロニーを見学したのですが、見学後に支払いを行っていた現地英語ガイドがなかなか終わりません。

業を煮やした添乗員は「先にバスに戻ってるわよ!」とおかんむり。
でも現地ガイドから聞いていたバス(遠くのバス駐車場に駐車しているはず)の待ち合わせ場所が違っていて、急いでいる中で16名はうろうろさまようことに。

ようやく戻ってきた現地ガイド、WiFi電波事情が悪く、スマホ決済の入力ができなかったとのこと。

でも、現地ガイドなら、そのあたりの地域事情をわかっているはずだろうに・・・・といった感も。

車内でのガイド氏の謝罪(添乗員に促されたみたい)に、一部メンバーからは「気にしないで」という声もありましたが、添乗員も私も(それ以上責める気もありませんが)「プロの仕事として、それは少し違うのでは・・・」


植物園は多少は待ってもらえる話になっていましたが、大きくずれこんだこの時点ですでに電話しても誰も出ない状態になっていました。

しかし、もうあきらめて・・・・という訳にはいかないようです。
最近は旅行業法のコンプライアンスが厳しく求められており、間に合わなくてもとにかく現地に行って、すでに閉まっていたことを確認する必要があるとのこと。

また、事前に「予定」として明示したプログラムについては、現地の都合でショートカットすることも認められていません。それは返金・賠償の対象にもなります。

という訳で大きく遅れて植物園に到着したころ・・・まだ開いていました。
私ら以外にも、これから入る客も。どういう時間管理になっているのかは知りません。とにかく結果オーライ。

遅い昼食をすませたばかりですが、「予定」のレストランでの夕食。

そうしたなかで、ショッピングモールは閉店時間となっており、さすがにこれはアウト。お買い物はできませんでした。(私は買い物しませんので、むしろ助かった・・・というところですが、女性客はよく買う・・・不思議なくらい)

ホテル事情についてもいろいろありますが、ひとつだけ。

周知のように南アフリカの治安は非常に悪いことを反映して、ホテルのセキュリティーチェックが厳しい。

エレベターに乗るのにカードキーが必要なのは日本でもよく見るところですが、南アの場合、自分の宿泊階にしか行けません。

ツアー客がトラブル対応で添乗員に連絡しても、客と添乗員のフロアが異なると、添乗員は客の部屋には行けません。どうしても・・ということなら、いったんレセプションに降りて交渉ということに。

と、いろんなことを書きましたが、(添乗員の頑張りもあって)それでもいろんなところをまわれていい旅でした。

トラブル最中も添乗員任せで、自分を含めてツアー客はお気楽。
そうしたトラブルのせいで印象に残る旅にもなりました。

ひとつ間違いなくいえるのは、こうしたトラブルに一人旅で遭遇していたら・・・南アの異郷で呆然と立ち尽くすだけだったでしょう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ジンバブエ  薄れゆく「民... | トップ | パレスチナ  ガザ地区の窮... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

身辺雑記・その他」カテゴリの最新記事