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AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

タイのスラッシュ

2008年05月14日 | やっぱりメタル!!
今日はタイのスラッシュメタルバンドを紹介したいと思います。
タイメタル界のゴットファーザーともいわれる、その名も・・・

ドンピービン!!

実はずっと前から紹介したくてウズウズしておりました。


十数年前、キャプテン和田誠のラジオ番組でたまたま流れたこのドンピービンの怒涛のスラッシュナンバーを聴いて、私はもうその時ジーパンが凶弾に打たれた時のような衝撃を受けたのを覚えております。
「な、なんじゃこりゃーーーーー!!」と。

ดอนผีบิน-สุดแท้ทางเดิน



これは是非CDを入手しなければなるまい!と、私はその日からタワレコやディスクヘブンなどでドンピービンのCDを必死で探し回ったのですが、どこにも置いておらず。
関係筋にも聞いてみましたが「ドンピービン??シナウィーなら知ってるけど」みたいな反応しか返ってきませんでした。
それから長い歳月が過ぎ、バンド名は常に私の記憶の片隅には残ってはおりましたが、もう探索することは諦めておりました。
そして数ヶ月前、ふと私の脳裡にドンピービンの名前がよぎり、なんとなしにネットで検索してみたら・・・な、なんと彼らのアルバムのリマスター盤が再発されていることが判明!!
といってもタワレコやアマゾンでは扱っておらず、日本のタイ音楽、映画の専門ショップサワディーミュージックでのみ取り扱っておるのでございます。
http://www.sawadee-shop.com/music/


もちろん私は喜び勇んで即刻彼らの1994年リリースの2ndアルバム『WAY OF DEATH』を注文、そしてついに入手したのでした。




私の頭の中ではずっと「ガンシャンガンシャン ワシャワシャワシャワシャ」という歌のフレーズがあったのですが、改めて聴いてみると「ホンタンゴンタンホンタンゴンタン ダンジャ~~!!」という感じでした。
そうそう!こういう感じやった!・・・って人の記憶なんてええ加減なものですね。

一言で言うと猪突猛進型ドッカンドッカンスラッシュ。
ただし、80年代中期のジャーマンスラッシュバンドよりかは演奏力に安定感があります。
POSSESSED、初期DESTRUCTIONあたりのB級よごれスラッシュ好きにはたまらんかも。
とにかくドラムが戦車のごとくガンガン突進し、ブレーキが利かないくらいの勢いがあります。ヴォーカルは程よいダミ声で咆哮しまくっとります。もちろん全詞タイ語。
しかしもの凄くトラディッショナルなスラッシュメタルである!
なんといっても#3の曲後半に差し掛かったところで、前代未聞のお経みたいなコーラスが迫ってきた時には、あまりのド迫力に「ひえぇぇぇ~~~」となりました。
恐るべし!ドンピービン!

ดอนผีบิน-สังคมบัญชาการ



ただ、困ったことに曲名が全てタイ語表記なのでなんて曲なのか読めないんですよ。

どなたかタイ語分かる方いらっしゃいませんか?


今日の1曲:『ดอนผีบิน-สุดแท้ทางเดิน』/ DONPHEEBIN
コメント (6)
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70年代の掘り出しモノ?

2008年03月07日 | やっぱりメタル!!
ブログでお知り合いになったあっこさんからご紹介に預かったスウェーデン産ドゥーム・ロックの旗手、WITCHCRAFTのサウンドを最初に聴いた時、私は我が耳を疑い、そして大いに当惑いたしました。
「え?これってホンマに21世紀のバンドかいな?!」と。
あまりの音質の古ぶるしさに呆気にとられた私は歌詞カードを何度も確かめたり、ネットで検索したりして、アマゾンでようやくこのバンドが紛れも無い21世紀のバンドであることを確認したぐらいです。

このサウンド・・・悠久の時空を超えて、35年前からタイムスリップしてきたのではないかと疑ってしまうくらい古色蒼然たる音を奏でていらっしゃいます。
私も学生時代に70年代ブリティッシュロックに熱く傾倒していた時期があり、様々なハード・ロックやプログレ・バンドなどの探求に精を出しておりました。特にオカルトチックな雰囲気を持つジャケットにひどく惹かれ、ジャケ買いしては失敗を繰り返す日々を送っておりました。
例えばGREEN SLADEの『Bedside Manners Are Extra』やTHIRD EAR BANDの『マクベス』、BLACK WIDOWの『悪魔と魔女と生贄』など、挙げ出したら枚挙に暇がありません。
とにかく音楽的にピンとくるものが殆どなく、結局はサバスの『パラノイド』さえあればいいじゃないかという結論に達しておりました。

ロジャー・ディーン画モノはよくつかまされたなぁ~


このWITCHCRAFTの3rd、その名も『錬金術師』には、あの頃私が捜し求めて止まなかった正に理想的な楽曲が、これまた全8曲というちょうどよい曲数で収められていたのであります!もうドストライク!!って感じでしたね。
アナクロニズムも甚だしいなどと言われそうな危うい程の古めかしすぎるサウンドだが、それを批判することができないぐらい音作りに徹底しており、楽曲、演奏共に非常にクオリティーが高い!
牧歌的なフォークロックをベースに、ネチっこくてペラペラのギターが曲各々にいちいち渋過ぎるフレーズを切り込んできます。そして、この裏返りぎみのほろ苦く不安定なヴォーカルがまた魔術的な味をだしております。
そこへさりげなく、且つ絶妙な形でメロトロン、パーカス、オルガンの音色が怪しく挿入され、いよいよ楽曲を中世的オカルティックなものへと発展させておるのであります。
お気に入りナンバーは、サバスの影響モロ出しの#5“HEY DOCTOR”。ドゥーミーなループに、サックスソロが怪しく絡む#6“REMEMBERED”。そして14分にも及ぶ長編タイトル曲#7“THE ALCHEMIST”。メロトロンの音色がたまんないっす!
ほんでまたこのジャケと帯がいいじゃないですか!ジャケ買いしても正解です!

いや~“ドゥーム”って聞くとカテドラルしか思い出せないくらい最近のバンドには無頓着な私ではありますが、彼らのここまで徹底したレトロなサウンド作りに驚異的なものを感じました。
う~ん人間椅子の1stも顔負けですな(ちなみにWITCHCRAFTの1stの邦題は『黄金の夜明け』)。



今日の1曲:『HEY DOCTOR』/ WITCHCRAFT
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未知なる音楽を夢に求めて

2008年02月26日 | やっぱりメタル!!
さーけーんーでみーろ エックス!!

かーんーじーてみーろ エックス!!


てな感じで、私がKING'S Xと出会ったのは、ちょうどバンドブーム真っ盛りの頃で、中学生の時メタルの“タ”の字も言っていなかった奴らが「エックス!エックス!」と連呼し、「ガンズや!ガンズや!」とはしゃいでいた、ちょうどそんな時代だった。
メタル界ではEXTREMEが『PORNOGRAFFITTI』を大ヒットさせ、GUNS'N'ROSESが『USE YOUR ILLUSION』、MOTLEY CRUEが『Dr.FEELGOOD』、SKID ROWが『SLAVE TO THE GRIND』などをリリースし、こぞってヘヴィなサウンドに同化していった。
しかし私は上記のどの作品もピンとくるものがなかった。
そのヘヴィ化したサウンドにはブームに倣ったような軽さを感じ、バンドが本来持っていた魅力が半減したように思えたのだ。
前作まではあれほど好きだったモトリーやガンズさえもだ!

そんな世の喧騒を避けるかのように、私は70年代のプログレッシヴなものに想いを馳せるようになり、KING CRIMSONやPINK FLOYDなどに神秘的で独創的なサウンドを見出し、そっちの世界に溺れていった。
さらに、ビートルズの後期作品にみられる実験的でサイケデリックなものにまで興味を持ち始めるのにも、そう時間はかからなかったように思う。

実験的で未知なる音楽への飽くなき探究心、そして世間からの孤立・・・私のちょっと時代からズレた音楽嗜好は、そんな背景からきているのかもしれない。
だから90年代初頭で私が好んで聴いていたメタルバンドといえば、どこか常軌を逸しているところがあり、例えばVOIVOD、IT BITESなどがそうである。
日本のバンドでも人間椅子やDOOMなど、ジャパメタファンが忌避するような奇妙なバンドばかり注目していた。


そんな風変わりなバンドの1つにKING'S Xがあった。
メタルバンドで黒人がヴォーカルってのも珍しかった。
まぁそういうのではこの時代、よくLiving Colorなんかが取り上げられてはいたが。




2nd『GRETCHEN GOES TO NEBRASKA』は私が何回も聴き込んでいく内にジワジワと好きになった作品の1枚だ。
妙に好奇心をそそられる、“凍てつく荒野の未知なるカダス”を髣髴とさせる幻想的なジャケット、そして神秘的なシタールの音色から始まる1stのタイトルナンバーからして、なんだか異質な空気が漂っていた。
やけにソウルフルで激しいシャウトをかますヴォーカル、なにかしら一種の空間を感じさせる重圧なギターサウンド、そして計算しつくされたパーフェクトな演奏力・・・KING'S Xの音楽性は、明らかに他のメタルバンドとは一線を画す前人未到の世界が広がっていた。

Out of the Silent Planet



有島氏がライナーで「個性的でありながらも、地味な印象を放っている。彼らの創り出す音楽性には、単に個性的という、ひとつの言葉では収まり切れないくらいの奥深さと幅の広さがあり、さらに突拍子もない発想が詰め込まれている。しかもそれが一歩も二歩も時代の先を行っている」と述べられているが、誠に的を得た意見である。
(ただ、ダグのラストネームを“ピクニック”などと表記してしまっているこの認識の薄さはどうなんだ?)

#8“FALL ON ME”や、#11“SEND A MESSAGE”などに見られる、摩訶不思議なる音階を持つ重圧なギターサウンドは、とてつもないグルーヴ感と異空間を内包しており、今聴いてもゾクゾクさせられる。




みなさんもたまには少し流行や常識とズレたものに耳を傾けて、己の潜在意識の深奥に潜むまだ見ぬ未知なる感性の扉を開いてみてはいかがだろうか?
そう!あの銀の鍵を手に夢の国へと旅立った、ランドルフ・カーターのように!

未知なる音楽を夢に求めて・・・・・


かーんーじーてみーろキングス・エックス!!


てか最近、ラヴクラフトの“幻夢郷”もん読みすぎてわけわからん文章になってしまってすいやせん。




今日の1曲:『Over My Head 』/ King's X
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キングス・エッキス

2008年02月22日 | やっぱりメタル!!
16日の幕張で、アイアン・メイデンの開演が今か今かと会場内が意気揚々としている時に、思いがけずBGMにKING'X“OVER MY HEAD”が流れて、私は歓喜のあまり隣にいたその日初対面だったアッコさんに、「このバンド知ってます!?キングスXといって、アメリカのスリーピースのバンドでしてねぇ~オバマヘオバマヘ・・・・」と、つい暴走気味に熱く語ってしまい、彼女を大いに当惑させてしまった。
またもや私の悪い病気が出てしまった・・・・


しかし、私が興奮してしまったのも無理はない。
実はメイデンライブの前日、ブックオフにてたまたま見つけたこのKING'S Xの4th、そのタイトルも『KING'S X』を500円という格安プライスで購入したばかりで、ことのほか内容が素晴らしかったからである!
もし、DREAM THEATERの4th『FALLING INTO INFINITY』をお持ちの方は、7曲目の“LINES IN THE SAND”という曲を聴いてみていただきたい。サビのバックでやたらソウルフルなシャウトをかましている声に気づかれるハズである。

その声の持ち主こそ、このKING'S Xの左腕の黒人ベーシスト兼ヴォーカリスト、ダグ・ピニックなのである!




KING'S Xはイングヴェイなど、数々のミュージシャンからかなりリスペクトされていたものの、そのあまりにも時代を先取りした特異な音楽性ゆえジャンルの設定も難しく、当時アメリカや日本(ちょうどバンドブーム)では、殆ど受け入れられることのなかった不幸なメタルバンドだった。
そもそもトンプソンツインズを髣髴とさせる時代錯誤も甚だしい髪型の黒人シンガーのいるバンドなどがメタルファンに支持される事の方が難しかったのだろう。
しかし、このダグほど硬質なメタルサウンドに見事溶け込むことに成功した黒人シンガーもいないのではないだろうか?と私は思うのである。

ザクザクとしたバッキングを切り込ませるタイ・テイバーのシャープなギターに、硬質感のあるダグのベース。演奏の丁寧さと、時折複雑怪奇でありながらその整合感の豊かさと楽曲のクオリティの高さがすでにメタルというジャンルを超越してしまっている。
そして時にはリードヴォーカルも担うタイのビートルズを彷彿とさせる心地よいキャッチーで印象深いコーラス・ハーモニーこそ、このバンドの最大の特性と言っても過言ではないだろう!


今回購入した4th『KING'S X』は、正にそんな彼らのKING'S Xとしての音楽性を確立させた前期の集大成ともいうべき見事な傑作に仕上がっている!
私が特に気に入ったのは、ストレートさが痛快な#1“THE WORLD AROUND ME”。プリンス、あるいはクラヴィッツみたいなダグのソウルフルなヴォーカリゼーションがシブい#3“THE BIG PICTURE”。プログレッシヴさとグルーヴ感が織り成すハードなナンバー#5“CHARIOT SONG”・・・・・と、言い出したらキリがない楽曲の充実ぶりである。




最後に、当時MEGADETH(「RUST IN PEACE」リリース時)のデイヴ・ムステイン大佐があるTVインタビューで以下のようなことをおっしゃっていたのを記憶しているので紹介しておこう。

「何でスキッド・ロウみたいなクソバンドが売れてんだよ!!もっと他にいいバンドがいるだろうが!!KING'S Xとかさぁ・・・」




今日の1曲:『CHARIOT SONG』/ KING'S X
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LIVE POSTER DEATH

2008年02月19日 | やっぱりメタル!!
せっかく幕張まで念願のメイデンを見に行ったんやし、記念品をとグッズ売り場でメイデンTシャツを買おうと思ったんだが、悲しいことに全て売り切れ!

仕方がないので、せめてツアープログラム(2000円)だけでもと思い購入。

家に帰って「さて中はどんなんかな?」とページをめくろうとすると・・・
おい!ページがくっついててめくれへんぞ!!どないなっとるんや!

そうこう手間取ってるうちに最初のサイズの8倍ものデカさのエディポスターに大変身しちゃいましたーって、これを家に帰って部屋に貼れというのかい?!
ムチャ言いまんなー・・・・・

でもせっかくなので貼りましたよ!!

ちなみに、このようにポスターとツアープログラムが一体化したものを、ポスターグラムというのだそうだ。

ためになったねー









今日の1曲:『FLASH OF THE BLADE』/ IRON MAIDEN
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疫病の天使

2007年12月21日 | やっぱりメタル!!
先週ぐらいから今週にかけて風邪をこじらせちまいました。
ゲリ便に嘔吐、最近ノロウィルスという感染性胃腸炎が日本中に蔓延しているらしいが、どうやら私もそれに感染したようである。
おまけにゲリ便によるケツ拭き過ぎ症候群まで誘発してしまい難儀なことになっている。
今回の風邪は起きて活動していればどうということはないのだが、寝ると症状が悪化してしまうというやっかいな風邪である。

寝てもダメならやはりここは“毒には毒をもって制す”という言葉にならって、デスメタル界の病魔王MORBID ANGELの神通力に頼るしかないという結論に達した。
そこでモービッド・エンジェルのCDを引っぱり出してきて、先週から車ん中や就寝中にず~と鑑賞しておりました。
モービッド・エンジェルなら、まずやっぱ最高傑作と誉れ高い4th『DOMINATION』、それから疫病とうまく共存するという意味において2nd『病魔を崇めよ』なんかが効果あるんじゃないかと。
ところが、前者は車で鑑賞中に事故りかけましたし、後者は寝ている時に聴いていたら、悪夢にうなされ病状が悪化してしまいました。

かくなる上は、それらの狭間でグツグツと煮えたぎっている特効薬のような魅力をもつ3rd『Covenant』を試してみることに。


この作品はモービッド・エンジェルの悪名を世に轟かせた4thの影にどうも隠れがちで、感性の鈍いデスメタオタクらにギターの音質が悪いだのと批判されているようだが、いやいやどうしてこの作品こそがダークなサウンドに彩られた独創的な音世界を持つ、モービッド・エンジェルの作品の中では最も奥が深く、味わい深い作品なのである!
悪魔と契約を取り交わしたかのような冒涜的なジャケ!そしてCD盤には中世の人々が悪魔に先導されているような図の絵が施されているという、外見からすでに尋常ならざるブラスフェミーさに溢れている。

「関西にー!穴掘りワン!」という空耳な冒頭で始まるM1“RAPTURE”から、M4“VENGEANCE IS MINE”までの一気に畳みかける野獣のごとき疾走感!
特にM4でのピート“コマンド”サンドヴァルのアグレッシヴで凄まじい展開の高速ドラミングにはただただ圧倒されるしかない。




かと思えば後半にさしかかると雰囲気重視のドラマティックなフレーズを持つナンバーが続く。
モービッド史上最も聴きやすいキャッチーなフレーズを持つM7“ANGEL OF DISEASE”はこの作品のハイライトといっても過言ではない冒涜的ナンバー。
ほかでもない、この曲のサビでは、あのアラブの狂詩人アブドゥル・アルハザードの『ネクロノミコン』にも記載されている“黒きシュブ=ニグラス招喚のための呪文”を、デヴィッド・ヴィンセントが圧倒的な迫力で捲くし立てる!!

Angel of disease one who shuns the light
Shub Niggurath goat with one thousand young


“光を遮る疫病の天使よ!
千匹の仔を孕みし大いなる黒山羊シュブ=ニグラスよ!”






M8“SWORN TO THE BLACK”は実にプログレッシヴな展開を持つ曲で、特に間奏のトレイのギターソロワーク、そしてピートの木目細かなドラミングとのコンビネーションプレイに注目してほしい!まるで異次元をあてもなくゆるゆると蠢く形容し難き無定形の蕃神どもが、時空を超えて飛来してくるかのようである。
そしてラストを飾るのが厳かな雰囲気を持つ二部構成からなるM10“GOD OF EMPTINESS”!!この曲ではヴィンセントが三種類のヴォーカリゼーションを使い分けるというデスメタルヴォーカリストとしては異例の離れ業をやってのけている。
ラストのRAMMSTAINばりの威厳に満ちたロウトーンヴォイスが実にユニークだ。まさに魔人である。


このアルバムのおかげかどうかわかりませんが、病状もだいぶマシになりました。
でも今度は親知らずが疼き出しました。

次は1st『狂える聖壇』でも聴こうかな。




今日の1曲:『Angel Of Disease』/ MORBID ANGEL
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ラウドパーク盛り上がってますか?その1

2007年10月19日 | やっぱりメタル!!
そういえば明日でしたっけ?メタルの祭典『LOUD PARK 07』
すっかり忘れてましたわ。まぁ行きませんのやけども。

いや~今回のラインナップは微妙というか、無理矢理というか・・・
TESLAとかSAXONとかHANOI ROCKSなどの懐かしいメンツもいらっしゃいますけど。
ふぁっFASTWAY!?モーターヘッドのオリジナルギタリストであらせられた“ファスト”エディ・クラークさんのバンドですやん!まだやってはったんや~





まぁ今回の目玉はなんといってもHEAVEN AND HELLでしょうな~
サバスの名曲は昨年のDIOのライブで堪能したとはいえ、やっぱサバス御三方のギーザー様、アイオミ様、ビル様を一度生で拝みたいじゃないですか。
えっと今回ドラマーは『悪魔の掟』時のヴィニー・アピスさんでしたっけ?
できればブラック・サバス名義で来てほしかったけど、またシャロンが規制かけてまんのやろ?




ロニー参加の作品で『HEAVEN AND HELL』はやっぱ名盤の一枚ですわな。
個人的にはRAINBOW時代の作品より好きだったりする。なんか彼の暑苦しいヴォイスが、サバスの分厚いサウンドとシックリいってる感じがするんですよ。

中坊の頃、天使らがヤニ吸ってるこの背徳的なジャケのLPが姉の部屋に転がっておるのを発見した時、怖くって直視できませんでしたね。
なんか呪われそうで・・・

このアルバムにはタイトル曲をはじめ、“Children of the Sea ”、“Die Young”など、ロニーの真骨頂とも言える名曲がつめこまれておりますが、当時私が一番ハマったのはなぜかポップな“Lady Evil”。
このギーザーのうねりまくるベースラインがたまらんかった!



ドゥーミーで美しすぎる名曲“Heaven and Hell”でのボッボボボッボボと怪しく刻まれるギーザーのあやかしのベース。
そこに激しく切り込むトニーのセンスあふれる名リフワークはまさに圧巻!
そして中間の妖美なギターソロに、ラストのポロリンランポロリンラン♪と奏でられる耽美的なアコースティックソロが、体から魂が抜け、ひとりあの世へと通ずる暗闇の道を彷徨うかのような侘しさを演出しているのです。




今日の1曲:『Heaven and Hell』/ BLACK SABBATH
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スラドミ特集~NUCLEAR ASSAULT~

2007年09月21日 | やっぱりメタル!!
THRASH DOMINATION 07もいよいよ明日!
残業が重なり、ギリギリになって慌しく企画したスラドミ特集も、第2回目で最終回を迎えることとなりました。
ラストを飾るのはもちろん今回のオオトリNUCLEAR ASSAULTでございます。
私にとって、今年のスラドミで見たいのは彼らぐらいだったと言っても過言ではないでしょう。
ひそかに大阪単独公演を期待してたんだけどな~

中学時代、スラッシュフレンドのナガーモにNUCLEAR ASSAULTの音源を初めて聴かされたときは、ちょっと戸惑いを覚えましたね。
これは・・・ハードコア・パンク寄りのスラッシュ・メタルなのか?それともスラッシュよりのハードコア・パンクなのか?




いきなりスッカスカなギターリフが畳み掛ける1分のインストナンバー“LIVE,SUFFER,DIE”で幕を開ける彼らの13曲入りのデビュー作『GAME OVER』は本当に微妙な位置にあるアルバムでした。




ギター音はなんかパンク系の軽いサウンドなのだが、その分ダン・リルカのハジき出す分厚いベースとグレン・エヴァンズが叩き上げる鋼鉄の突進型ドラムが曲をグイグイと引っ張っている。そして、ジョン・コネリーの類稀なるハイトーンヴォーカルがとても個性的な魅力を放っている。
だいたい3分くらいの曲を中心にアグレッシヴなスピード感で一気に突っ走り、ラストで7分もある“BRAIN DEATH”でメタル調の哀愁感漂うエンディングで締めくくるという、まさにクロスオーヴァーの先駆け的作品。
途中ふざけたような数秒の曲を織り交ぜてくる辺りなんかもハードコアのノリで、ダニーがメッチャ早口で「法王を吊るせ!!」と捲くし立てる43秒の“HANG THE POPE”は、ハードコア史上に残る最高潮にぶっ飛んだ高速グラインドナンバーである(この時のダンの弾くベースがこれまたヤバい!)。




CD盤にはカップリングされてる6曲入りミニアルバム『THE PLAGUE』に収録の“Butt FxxK”での「ババババババギャー!ババババババギャー!」という超破天荒なジョンの連呼も必聴。




2nd『SURVIVE』ではリフも分厚くなり、どこへ出てもスラッシュメタルバンドとして十分渡り合えるサウンドを確立し、相変わらず数秒の曲などを盛り込みつつ、“FIGHT TO BE FREE”などドラマティックな展開を持った聴かせるナンバーや、“EQUAL RIGHTS”のおもくそ早口で突っ走るスピードフリークス泣かせの曲、ツェッペリンの“GOOD TIMES BAD TIMES”をカヴァー(ほぼ完コピ!)するなど、その偏狭な音楽性にユニークな幅を持たせることに成功してる。




ついでといっちゃなんですが、ANNIHILATORについて簡単に述べておきます。
カナダ出身の凄腕ギタリストジェフ・ウォーターのほぼワンマンバンド。
毎回激しいメンバー交代を繰り広げ、ヴォーカルだけでも3~4人は交代していたのではないだろうか?
ま、私は2nd『NEVER,NEVERLAND』しか持ってなくて、この頃のヴォーカリストは元OMENのコバーン・ファー。
整合感のある複雑なリフ構成を持ったテクニカルスラッシュサウンドが特徴で、特にジェフのソロワークはかなり目を瞠るものがある。
ま、どちらかというとパワメタ寄りで、本イベントには少々畑違いな気もする。
現在はジェフ自身がヴォーカルを務めてるのかな?

Sixes and Sevens



それではスラドミ参加の皆さん、イってらっしゃいませ!

今日の1曲:『Brainwashed』/ NUCLEAR ASSAULT
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スラドミ特集~DESTRUCTION~

2007年09月20日 | やっぱりメタル!!
や、いきなりこのようなエゲつないバケモノ図を登場させて申し訳ない。ブラクラでもなんでもございません。
いつもの陽気なあましんブログにございやす。

これはジャーマンスラッシュ3羽ガラスの1匹、DESTRUCTIONの20年前の作品『RELEASE FROM AGONY』のグロジャケットでございます。
今週末川崎チッタで第4回目の『THRASH DOMINATION 07』が開催されるにあたり、私も不参加ながら京都よりこのイベントを盛り上げたく今年もスラドミ出演アーティスト特集、やっちゃおうかなーと筆をとったしだいにございます。

ではまず第一回目はDESTRUCTIONということで、さっそく上記ジャケのアルバム紹介に参りたいと思います。




1987年リリースのDESTRUCTIONの4th『RELEASE FROM AGONY』は、彼らの初期の最高傑作と誉れ高い作品で、メンバーもトリオから4人編成になったことで音圧も増し、テクニックもグンとレベルアップしている。特にツインリードの織り成すクラシカルな美しいハーモニーが際立っている。
ヘヴィ・メタルにクラシック要素を導入などと聞くと、どうしてもジャーマン特有のクサメロ系を思い浮かべがちだが、彼らの場合はそれらが陥るような稚拙さはなく、楽曲に神秘性を伴わせ、ドラマティックに作用しているのである。
特に新生DESTRUCTIONの序曲ともいうべきインストの#1“BEYOND ETERNITY”の叙情的な美しいギターワークから、突如アグレッシヴなリフに転じるタイトル曲#2の中間ギターソロは壮麗際だかで、かなりのドラマティック性に溢れている。




だからといって、彼らは何も叙情性が売りの、メロディックスラッシュメタル野郎に成り下がったわけではない。
上のジャケットから醸し出されるように、初期からのドロドロとした妖気、残忍さという要素もしっかりと曲の中に盛り込んでいる。
最近ではツーバス踏みっぱなしでギャアギャアわめき散らすというのがブラック・メタルの型にハマったスタイルとなっているようだが、彼らはデビュー当時からすでにブラック・メタルという位置づけをなされており、それは他のスラッシュメタルバンドにはない彼ら特有のオドロオドロしさにあったと思われる。
#4“SIGN OF FEAR”を聴いてみるといい。不安を掻き立てるかのような不気味なシンセ音で始まり、そこにあやかしのアコースティックソロが鋭く切り込むこのイントロからしておぞましい!
そして妙チクリンなワルツのリズムに合わせて、シュミーアが独特の「サァーイオーブ、ヒ~ヤァァァ~~~!!」という病的なまでにヒステリックなヴォーカリゼーションを轟かせるこのキチガイじみて冒涜的とさえ感じられるこの曲には、現代のテクニック重視のブラック・メタルバンドには絶対に真似できない戦慄すべき凄みがある。



今日の1曲:『RELEASE FROM AGONY』/ DESTRUCTION
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真夏の夜の夢

2007年08月14日 | やっぱりメタル!!
先々週、近くのHMV店に人間椅子の14枚目となる最新作『真夏の夜の夢』を予約注文しにいったところ、店員が「届けられるのが発売日より2~3日遅れます」とかワケのわからんことをぬかすので、「ほなオンラインで予約した方が期日に届くわな?」と言うと、「そうですね」といいよったのでその場で注文を取り消しにしてやりました。
最近はポイントが店舗でもオンラインでも共通になったので、余計にこの店で買うメリットがなくなった。
もう店舗は滅びゆく運命にある。


発売日からほぼ毎日聴き込んでおりますが、今回の作品はメチャメチャわかりやすい作風で、一聴してすぐ頭に入ってきました。
和嶋氏がリード・ヴォーカルを担当する#1“夜が哭く”の古ぼけたイントロベース音からして典型的な人間椅子色が滲み出ております。
初っ端からこれだけクオリティの高い楽曲をブチ込んでくるのも凄いが、今回は各曲和嶋氏のソロワークのキレ具合に益々磨きがかかったよう。



特に#9“世界に花束を”は、和嶋氏の語りが殆どを占める8分にも及ぶ壮大な曲なのだが、最初聴いたときは筋少かと思いました。
戦争批判、世界平和を願うLOVE & PEACEな内容の曲だが、終盤の盛り立てる演出はやはり上手い。
ワウを駆使した和嶋氏の劈くようなソロも秀逸!
ただあまりにもメッセージがド直球すぎて聴いてて少し恥ずかしくなる。
もうちょっとヒネリが欲しかったかと。


今回は鈴木氏Vo担当の曲が結構気に入った。
ツーバスドコドコな#2“転落の楽典”の突撃行進スラッシュビートといい、#6“閻魔帳”のわかりやす~いリフのストレートさといい、私のメタルハートをくすぐってやみません。

#8“牡丹燈籠”は鈴木氏久しぶりの怨めしのドゥームナンバーで「キターー!」って思いました。
「南無阿弥陀仏ぅ~♪」ってところのフレーズが秀逸!今作一番のフェイバリットナンバーかも。



#11“肥満天使(メタボリック・エンジェル)”も無理にスラッシュファストな曲にせず、鈴木氏の軽~いタッチのノリで仕上げられているのがよかった。
「食っても食っても食っても食っても 足~りない 足~りない♪」ゆーところの鈴木氏のユーモラスな軽いノリが最高。


アルバム全体としては、各人の演奏がカチッとまとまり過ぎていてスッキリし過ぎているというか、ドロ臭さや重みが少し足りないように感じた。
飽きがくるのも早そう。
前々作の『三悪道中膝栗毛』みたいな鈍り気のある、聴けば聴くほどにズルズルと引き込まれるようなドロ味がもう少しほしかったかな。
まぁでも14作目なのに時代に流されることもなく、かと思えばグダグダの駄作を作り続けることもなく、それなりに納得のいく作品を作り続けてくれる人間椅子はやはり末永く存続しつづけて欲しい貴重な存在。


ちなみに私の周りで人間椅子の音楽性に理解を示す者は皆無に等しい。
何回も聴かなければその楽曲の良さがわからないのは、DREAM THEATERも人間椅子も一緒なのに・・・・
同じプログレメタル愛好家として人間椅子に対してはその忍耐力を注がないのはどういう訳かと彼らに問いたい。
彼らにもう少し音楽に対する寛容さとユーモアを理解できる心があればなぁ~

今日の1曲:『牡丹燈籠』/ 人間椅子
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とりあえず生で

2007年04月25日 | やっぱりメタル!!
今日は人と逢うことになっていたので、昨日愛機インプレッサ-05Bを購入してから初めてスタンドで洗車したのだが(新車のお披露目ということもあったので)、本日まさかの土砂降り!そしてまさかのドタキャン!
もう今夜はヤケ酒でもあおるしかないと思ったのだが、私には酒の嗜みというものがないので、家に帰って最近購入したTANKARDのCDでも聴いて、日がな一日スラッシュ三昧ということにした。


TANKARDは、SODOM、KREATOR、DESTRUCTIONというジャーマンスラッシュ3羽ガラスとも同格で語られるドイツが誇る飲んだくれスラッシュメタルバンド。
今回私が購入したのは2nd『Chemical Invasion』+1st『Zombie Attack』のカップリングリマスター盤。

TANKARDはパンク色の強いスラッシュという感じで、上記の3バンドと比べると若干の軽さと明るさがある。
しかし騒がしさにかけてはこいつらの方が一枚上手。




彼らはかれこれ10枚以上のアルバムを発表し続けているが、向上心というものがないのか、ほぼ全部一緒である。
スッタンスッタン、スタスタスタスタ、スッタンスッタン、スタスタスタスタ・・・・・と、ほぼこの調子。
そしてどうでもいいようなギターソロが楽曲中にひつっこく繰り返されるという、とにかくクドさにかけてはジャーマン一なのである。
歌詞はだいたいビール飲んでヘベレケになる事しか歌っていない。まぁ“タンカード”というバンド名がビールを注ぐ容器のことですから。
1stと2nd連続して“Alcohol”という同タイトルの曲を入れしまっている辺り、もう始末に負えません。
このバンドで技術的に注目に値するメンバーはドラムのオリバー氏くらいで、メガネに口ひげのひょうきんな顔をしているわりに、かなりエグいドラミングを披露してらっしゃいます。




まぁTANKARDの曲はだいたいこんな感じで、1曲1曲説明するまでもありませんので、私のタンカードメモリアルエピソードでも語りましょか。

スラッシュ真っ盛りの中坊の頃、中古屋で見つけた1st『ZOMBIE ATTACK』はあまりにもキャッチーで聴きやすかったので、当時アホみたいに聴きまくっておりました。
2nd『CHEMICAL IMVATION』はスラッシュフレンドのナガーモが所持しており、彼の部屋で何回か聴かせてもらったのですが、「ま~一緒やな」という感想を持っただけで、一応ダビングしたものの、そのテープはどっかいって全然聴いてはおりませんでした。
その後アナログ盤を購入して数回は聴いたかな。

当時クラスメイトの中に“ドンコ”というあだ名の奴がいて(本名は近藤)、まぁ彼は肥満体型でドン臭いキャラクターからこのあだ名が付けられたのだと思われますが、彼がよくドン臭いことをやらかしてパニくっている度に、ナガモがすかさず横から、「ドンコパニックやーー!!」とつっこんでいたのを今でも覚えています。
これはタンカードの2nd収録曲“Don't Panic”のサビの部分とかけており、私もすかさず「It's just our world!」と、続きの歌詞を切り込んでおりました。
なので今回久々に2ndを聴きましたが、この曲だけはよく覚えておりました。



今日の1曲:『Don't Panic』/ TANKARD
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私とモーターヘッド

2007年04月10日 | やっぱりメタル!!
日曜日にニューマシーンで慣らし運転がてらに京都北方面までドライヴに出かけたのですが、特に行きたいところもなく結局ブックオフ巡りな1日とあいなりました。
1件目では全然掘り出しモノが見つからなくて、2件目のショボくれたブックオフ店でモーターヘッドのCDを2枚発見!

アルバムは『ORGASMATRON』、そして『ROCK ’N' ROLL』

3年前に再発された輸入盤で両方ともアナログで所持していたけど、リマスター且つ新たにボートラが2、3曲追加収録されていたので、これ聴きたさに思わずレジに持っていってしまった。




『ORGASMATRON』は、中学の頃アナログで買ってもう随分聴いてなかった。
レミー以外のメンバーが全員脱退し、4人編成となっての第一弾作品だが、プロデューサにビル・ラズウェルを起用したことが功を奏したのか、かなり硬質な音作りになっており、ジャケのモーターヘッドトレインの如く暴走しまくっております。




シングルカットされた#1.“Deaf Forever”のイカつい「オイ!」という掛け声からしてかなりキてる。
#4.“Claw”、#7.“Ridin' with the Driver”の爆走感も最高!
タイトル曲#10はSEPULTURAがカヴァーしたことでも有名ですが、原曲の方が遥かにシブい。
そして、私にとって思い入れ深い#6.“Built for Speed”。
この曲は私がHM入門したての頃、Hear And AidのV.A.アルバム『STARS』に“On the Road”という別タイトルのライブテイクが収録されており(今回ボーナストラックに収録)、その音源が私のモーターヘッド初体験曲となった思い出の曲である。
ただ、この頃は「な・・・なんじゃこの死にかけのゲロ吐いた様な汚いしゃがれ声は!!」と、あまりにもウブすぎた私の感性には全くこのレミーのダーティなダミ声を受け入れる体制は整ってはおりませんでした。
今では本作中最もフェイバリットな曲になっておりますが。




そして,、私がモーターヘッドのアルバムで最初に買ったのが『ROCK ’N' ROLL』で、全作品中一番よく聴いたアルバムなんじゃないでしょうか。
全体的にはかなりポップな内容で、もう#1のタイトル曲のシンプル且つストレートなロックンロールに私は一発でやられてしまったのでした。



#2“Eat the Rich”は同タイトルの映画の主題歌で、レミー本人も出演していたりする。
#4“Stone Deaf in the USA”のワーゼルのスライドギターもシブい。
でもやっぱこの作品中最もカッコいいのはシリアスな曲調で、同じフレーズのしつっこさが魅力的な#3“Blackheart”



このアルバムの出会いをきっかけに私はすっかりモーターヘッドの虜となってしまい、中学校内ではちょっとしたモーターヘッド好きで有名であった。
ノートにはあのビーストキャラクターを必ず書いていたし、英語の教科書にはモーターヘッドの曲のタイトルの単語が出てきたら、そこには必ずリッケンバッカーを携えたレミー親父を登場させて歌わせていた。

もちろん初めて買ったロックTシャツは黒のモーターヘッドTシャツ!
学ランの胸間からよくチラつかせていたものです。
まぁ最もイチビっていた年頃ですから。

寺町京極のメタル専門雑貨店BLACKでドキドキしながら買ったモーターヘッドTシャツ。


うちは変に厳しい家庭だったので、こんな派手なTシャツを買ったことがバレたら没収されてしまうと思って棚の奥の方に隠していたのですが、ある日学校から帰ったら、エロ本と一緒に机の上に置かれてあり、愕然となりました。
その後、別に母親からの咎めはありませんでしたが。


とにかくレミー親父の頑固なスタイルが好きだった。サングラスにガンベルト、あのマイク位置の高さ加減、そしてあのダミ声が醸し出すダンディズムに言い知れぬ魅力を感じておりました。
こんな人が私のお父さんだったらステキだろうな~なんてよく思ったものです。

で、今年サマソニに出演するんですって!!
どないしよう・・・




今日の1曲:『Built for Speed』/ MOTORHEAD
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変態してる...

2007年03月31日 | やっぱりメタル!!
HMV店頭にて取り寄せ注文していたDOOMの1989年リリースの名作『Incompetent...』リマスター盤がようやく私の許に届けられた。

もちろんとっくの昔に所持していたアルバムだが、この名作はやはりデジタルリマスター音源で堪能したい!という押さえきれない強い衝動にかられ、今回の再発盤の購入に踏み切った次第である。

このアルバムは、前2作品に比べて最も「“変態”しているアルバム」という事で、私の中ではかなり格別な位置にある作品で、もう人間の内に潜む変態性を、彼らのあらん限りの演奏技術によって見事に表現しているといいましょうか、各楽曲ともヴァラエティに富んでおり、ブルース、ニューウェイヴ、プログレッシヴロックなど、彼らが影響を受けてきた音楽がDOOM特有の変態チックなアレンジにより、異常なまでのカオスを形成し渦巻まいている。
アグレッシヴ感よりもドロドロとした雰囲気勝負の曲が多く、それでいてリズム展開もややこしいので確かにとっつきにくいアルバムかも知れないが、後からジワジワと利いてくる慢性的な中毒性を持つスルメアルバムなのである。


驚異的なフレットレスベーステクを誇る故諸田コウ氏は前作ほどは暴れていない気もするが、間奏のところでギターソロよりも目立ってしまっているM1“I can't go back to myself”でのベーシングは神がかりにエグい!
もうこのベースを聴くだけでもこのアルバムを買う価値があるのではと思うほどの名演である。



藤田氏はこの作品ではブルース色をフンダンに取り込んでおり、それは奇をてらったものというより、至極自然で感覚的なものである。彼特有のスクリームもかなり変態さを極めており、それが特に顕著なのはM3“20th century a proud man”の後半部分。「アウアウアウア~~~!!」という変質的な呻き、またこの時のバックサウンドもかなり病的で狂っている。

そしてこの変態演奏についていってるドラムの廣川氏もまた凄い!
どっかのツーバス野郎のように自己主張するのではなく、飽くまで曲の雰囲気に合わせて的確なドラミングを刻む彼の適応能力はズバ抜けている!
作品中最もド変態な曲展開のM10“Desert flower”での木目細かなスティック捌きは驚異的。
ラストナンバーのウネウネとしたベースラインで突き進むタイトル曲“Incompetent...the war pig”も、ラストジワジワと盛り上がっといてなぜかオチが定番のブルース調で〆る予想外の展開に、彼らの懐の深さを感じないではいられない。



そしてこのアルバムを聴いて彼らがなぜあんな異様なメイクをしているのかなんとなく理解できた気がいたしました。
あれは多分アートなんだと。

しかし、まだグランジとかプログレッシヴメタルとかいう言葉もない時代に、これだけの混沌とした内向的でアヴァンギャルドな音楽性を打ち出していた彼らは、ホンマ時代を先取りし過ぎた幸薄きアートロックバンドであったなぁ~と、思わず三跪九叩してしまう。

この記事を読んで下さったPCの前のあなたも是非このねじれ歪みながらも美しいこのDOOMの傑作アルバムに触れてみて下さい。
あなたの心の奥底に潜むねじれた(まだ見ぬ)変態性を呼び覚ますかもしれません。

New York 1989.


今日の1曲:『Incompetent...the war pig』/ DOOM
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エージェント・オレンジ~枯葉剤~

2007年03月24日 | やっぱりメタル!!
先日何気に近所のブックオフに立ち寄り中古CDを物色していると、オークションではかなりの高値で争奪戦となるSODOMの名盤とされる4th『AGENT ORANGE』の日本盤(もちろん廃盤でテイチク盤にはなぜかジャケに青い縁が施されてある)を発見!
ブックオフのクセに少々値は張ったが、ヤフオクではまぁまずこの値段では落札できない額だし、今度発見するのは何年後かわからんのでもうこの際購入に踏み切る事にした。
しかしここのブックオフはなぜかSODOM在庫数が非常に多く、いつ行っても常に5枚くらいは並べられてある。


さて、いよいよこのSODOMの最高傑作と誉れ高いアルバム『AGENT ORANGE』を耳にする時がやってきた!

そして聴き終わりました。

まぁソドムらしいごく普通のスラッシュアルバムだったかな。
次作の『BETTER OFF DEAD』の伏線的作品といいましょうか、似通った所が多々あります。

1曲目の“AGENT ORANGE”はミドルな調子で始まり一変してドッカンドッカンと疾走。まぁたしかにライブでやられたら暴れまわりたくなるような曲で名曲と言われるのもうなずける気がする。
#2.“TIRED AND RED”もなかなかカッコいい疾走ナンバーですが、妙に陳腐なメロディアスギターソロが入ったり、中途半端にフェイドアウトしてしまったりで、なんかドタバタしておりますな。演奏力がまだ地に足が着いてない感じで、とくにクリス・ウィッチハンターのフィルインがかなりあやしくて危なっかしい。
#4.“REMEMBER THE FALLEN”は次作収録の“SAW IS THE LAW”の前身的なミドルナンバーで、ヴォーカルラインなんかほぼ一緒。
#7“AUSGEBOMBT”なんかはG.B.H.のカヴァーか?と疑ってしまうくらいのパンキッシュなナンバー。
TANKのカヴァー#9“DON'T WALK AWAY”は蛇足であろうヌル~いポップナンバー。

Remember the Fallen



このアルバムと比べるとやはり個人的には5th『BETTTER OFF DEAD』が演奏力も楽曲のアレンジ力も十分に備わった完成形を見た作品であったと改めて思ってしまう。
『AGENT ORANGE』は、まぁ期待してた程ではなかったけど、この時既にトム・エンジェルリッパーのVoの醸し出すド迫力のダミ声はジャーマンスラッシュ界の重鎮たるカリスマ性を十二分に秘めているし、劣悪なレコーディング環境の中でギリギリ限界のパワーをこのアルバムに全力注ぎ込んでいることが伝わってくるスラッシュ根性溢れる力作である。
多分こっちが先に出たから『BETTTER OFF DEAD』よりもてはやされてるんだと推測しておく。



【エージェント・オレンジ”とは・・・】

ベトナム戦争中に米軍が北、南を問わずベトナムに散布した化学兵器で、通称“枯葉剤”と呼ばれるものである。
枯葉剤にはオレンジ剤、ホワイト剤、ブルー剤の三種類があり、その内の6割が2,4-Dと2,4,5-Tを混合したオレンジ剤(エージェント・オレンジ)と呼ばれるものであり、不純物として催奇性があるとされるダイオキシン類等を含んでいた。
ベトナム戦争で行われた“枯葉作戦”は、名目上はマラリアを媒介する蚊や蛭を退治するためとされたが、実際は米軍が掲げた作戦“Seek & Destroy(探索し、破滅させる)”からの発案で、ベトコンがジャングルに隠れられないようにするためであったと言われている。なおそれが撒かれたところは、以後一切植物が生えてこず、その地域では枯葉剤を浴びた人がベトちゃん=ドクちゃんのような、数多くの奇形児を生んでいることが多数報告されている。
原爆に次ぐまさに悪魔の所業とも言える罪深き米軍の化学兵器の1つである。
なお、アメリカ政府は枯葉剤と奇形児出生の因果関係は認めておらず、戦後補償も行っていない。

ベトナム戦争時のランチハンド作戦による枯葉剤散布の様子






今日の1曲:『AGENT ORANGE』/ SODOM
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激買うたれ!!

2007年03月10日 | やっぱりメタル!!
そういえば、今週は『EXTREME DOJO VOL.17』が開催されとったんですね~、すっかり忘れとった。
今回はVADERCRYPTOPCY、そしてBRUTAL TRUTHという脅威のブルタルデス野郎どもが集結しとったんですねぇ~、かなりエゲつない面子ですなぁ。
ほんでまた大阪の会場がクアトロ?大丈夫やったんですかいな~、あんな狭いピットで・・・ようゆわんわ。


まぁVADERは音源もっとらんし、CRYPTOPCYは1、2曲くらいしか知らんので、このイベントはちょっとキツイなと思ってちょっと踏みとどまっちまったんですが、再結成したBRUTAL TRUTHは凄く気になるところではありましたね。


BRUTAL TRUTHは、ANTHRAX、S.O.D.、NUCLEAR ASSAULTなどを渡り歩き、ぶっといベースを奏でていた長身の怪物ダン・リルカがサイド・プロジェクトとして、1990年に結成したグラインド・コアバンド。
私も十数年前CATHEDRALとSxOxBとのカップリング来日公演で一度ライブを拝見いたしました。
まぁあん頃は私のエクストリーム嗜好最盛期の頃でしたから、もうその圧巻の激烈パフォーマンスに興奮しまくりで暴れまくった記憶がございます。
日本のバンドとの音圧の圧倒的な格差を見せつけられ、「やっぱアメリカ産グラインド・コアはイカついな~」と感嘆いたしておりました。




BRUTAL TRUTHといえば、やはり名盤『EXTREME CONDITIONS DEMAND EXTREME RESPONSES(激昂たれ!』)』を置いて他にないかと思われます。

まだ私がデスメタルとか全然聴いてなかった頃、最初にこのブルータルの1stを全て聴き終えた時、私の中には疲労感以外なにも残ってはおりませんでした。
まぁこの作品で私のヤワな聴覚が鍛えられたというか、狂わされたといいうか。このアルバムを聴きこなせれば、今後どんなエグい音でも耐えられるだろうと、それほどまでに当時この作品はエゲつない過酷さを放っておりました。
その重圧なサウンドは金属バットでド頭をボッコボコに殴られたような感覚に襲われ、暴虐性を剥き出しにしたケヴィン・シャープは「ヴォーー!!」か「ギャーー!!」の二面性しかないヴォーカリゼーションをそこらじゅうに撒き散らす。



注目に値するのが、初代ドラマースコット・ルイスのドラミングである。
まぁ最近ではテクニカルで手数の凄まじいドラマーは吐いて捨てるほどおりますが、スコットの場合、最近のドラマーのようにツーバスで音を塗り濁してしまうというのではなく、ただその激烈ビートのみでリスナーを捻じ伏せるかのような、ドラムを“叩く”というよりは“殴る”或いは“鞭打つ”といった表記の方が相応しい、とにかくサディスティックな音を叩き出すドラマーでありました。


まぁ全15曲、ファスト、スロー、ミドル、ブラストと、縦横無尽に曲中で変則しながらもハッキリと特徴を持った楽曲がギッシリと詰め込まれている。
私のフェイバリット曲をピックアップしていきますと、イントロダクションから徐々に攻撃態勢に入っていき、一気に畳み掛ける#2“無知が生み出すもの”。世界最短のミュージックビデオとして、2001年のギネスブックに登録されている3秒の#7“二次災害”(下動画参照)。あまりといえば心臓に悪すぎる究極の激烈グラインド絶叫ナンバー#9“歩く死体”
そして「同性愛大賛成!」と叫びながらも「たぶん俺はゲイじゃない」と、一応断りの意思表示をしてるクライマックス的名曲#14“ANTI-HOMOPHOBE”と、いやもう列挙しだしたらキリがない。




2nd『NEED TO CONTROL』では既にグラインド色が薄れ、ノイズやドゥーム色の強い混沌とした楽曲が目立つようになり(フロイドの「あなたがここにいてほしい」をノイズィーにコピったりもしてる)、もうこの作品以降のアルバムには全然興味なくなっちゃったんですが、1st『激昂たれ!』だけは今なお輝きを失うことのない、グラインド・コアの歴史に残る名作でありましょう。


最後に、当時ダニーが言い放ったとても印象的な名言を以下に紹介しておこう。

「今のメガデスが過激かい?アイツはまたクスリをやるべきだ。」


今日の1曲:『Collatoral Damage』/ BRUTAL TRUTH
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