AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ドモ・アリガト・ミスター・ヴィンセント

2011年09月30日 | コンサート
私にとって1998年の初来日以来、実に13年振りとなる帝王MORBID ANGELのライブ。
会場は初来日時と同じ場所であるBIG CAT(昔名はコークステップ・ホール)
今回はオリジナルVoのデヴィッド・ヴィンセントを加えての初となる来日ライブだ。
この日をどれだけ待ち焦がれたことか・・・
平日とはいえ、これを見逃す選択などどうしてできようか?(いや、できない)

会場に着くと、知ってる人らが4人ほど来てた。
ここ3年の内に知り合った人たちばかりだ。ネット社会の成せる業だな。
客は予想を上回る少なさだったが(ほんと日本てどうかしてる)、まぁカッコつく程度には入っていたんじゃないかと。
女子が意外と多かったな。まぁメンバーそこそこルックスいいからな。
中に入るとMORBID ANGELロゴの巨大なバックドロップがデーンとステージ上に垂れ下がってるのを見た瞬間、おのずと自分の中の邪悪な心情が込み上げてくるのを抑えることができなかった。
ズカウバの薫香じみた不穏なスモークが会場に立ち込め、心騒がせられる深淵からの冒涜的なSEが流れた瞬間、一気に緊張感が高まった。
程なくしてメンバーが一人ずつステージ上に現れ、怒涛の演奏がスタート。

一発目!キタ!『A』からの1曲目“Immortal Rites(邪儀)”!!
この曲からスタートするモビエンのライブを今まで何度夢想したことか!まさに理想!鳥肌モノである。
矢継ぎ早に『B』、『C』からの1曲目が連続で披露されるというオールド・ワン、いやオールド・ファンサービス全開の凄まじい出だしとなった。
もうこの時点で昇天してるファンも多かったのではないだろうか?
とにかく期待してた以上に予想を上回る極上のセットリストで、私の好きな『C』からは7曲も披露されるという大判振る舞い振りだ。
“Sworn To The Bkack”のトレイのあのヌラヌラした名ギターソロを目の前でタップリ堪能できたのは至福の極みであった。ドラムの兄ちゃんもここの部分の複雑なドラミング頑張ってはった。



しかし、デヴィッドが終始ご機嫌だったのが印象的であった。
しかもオーディエンスをあのデーモンヴォイスで煽る!煽る!
ちゃんと合唱できたら「よくできました~」ってな感じでニコニコしながら拍手してくれるし。
アンタは保育園の先生か!
それとは対象的に、トレイは客席には目もくれず、黙々と混沌としたギタープレイに徹してはったなぁ。
女子なんかは若い新メンバーに食いつくやろうけど、プレイスタイルといい、やっぱトレイが一番カッコええって。


※文中の『A』『B』『C』というのはアルバムタイトルの頭文字。モービッド・エンジェルのアルバムはアルファベット順にタイトルが付けられるというのが昔からのシキタリなのである。
今回は7作目なので『I』。


拾ったのは残念ながらトレイ・アザトースの方のピックではなかった。




今日の1曲:『World Of Shit (The Promised Land) 』/ MORBID ANGEL
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生ける連続体とイアク・サカク

2011年09月26日 | やっぱりメタル!!
いよいよ今週から(てか今日から)帝王MORBID ANGELの東名阪蹂躙ツアーがスタートするんでしたっけね!

まぁモビエンの記事は今まで散々書いてきたので、今さらこのアルバムがどうのとか語れることは、もうあまりない。
そこで、今回はモビエンのライブを観戦するにあたって、この冒瀆的フレーズ、あるいはこの呪文はおさえておきたい!っていうのをいくつか紹介していこうかと思います。
この3日間、いずれかのライブに参加される方はぜひ詠唱の際の参考にしていただければ幸いかと。


~『すべての邪な神々よ!』~
イア!イアク・サカク!イア・サカクス!
イア・シャグズル!
イア・キング!イア・クトゥル!イア・アズブル!
イア・アザブア!


1st『狂える聖壇』に収録。
ニンギジッダ連祷で始まるこの冒瀆的ナンバーは、モービッド・エンジェルの曲の中でもとりわけ有名な呪文ソングだ。
「イア」とは、人類誕生以前にクトゥルーの落とし子によってもたらされたルルイエ語における冠詞の一つであり、「万歳」「ハレルヤ(褒めたたえよ)」などの意味をもつ。
ようは邪神どもを崇め奉った歌であり、サカクスやシャグズルやアズブルは大いなる邪神たちの御名と考えてよいだろう。


~『ANGEL OF DISEASE』~
Angel of disease one who shuns the light
Shub Niggurath goat with one thousand young

光を遮る病魔の天使よ!
シュブ=ニグラス 千匹の仔を孕みし黒山羊よ!


3rd『COVENANT』に収録。
言うまでもなく、「外なる神」の1つ、多産にして豊穣を司る母神シュブ=ニグラスを称えたナンバー。
この歌詞を担当した翻訳者はクトゥルー神話体系に通暁していなかったらしく、「ジャブ・ニガラス、千人の子を従える悪の獣」などと、テキトーな意訳をしてしまっているのがまことに残念であった。


~『BIL URSAG』~
ビル・ウル-サグ ルル-ルニグ-フルトゥル
ハ-エルムザラグ
ザ-ア-カムメ-ラム-マ-ビ-ドゥ
キ-バル-アス-サ

呪文訳:
おお獅子頭よ、恐れ多き火焔で
反逆者どもや歪曲者を
磨耗させよ 焼き清めるのだ

汝のオーラは畏怖なる光明
敵地を蹂躙す

ウル-サグジ-ガ-ニナファルアッジャビシャルシュ
サ-パル-マー-ズディリラ-マギルシンス-ラ

呪文訳:
おお獅子頭よ、その何よりおそるべき燃え上がる力よ
粉砕するものよ
敵の邪神どもを

おまえの偉大なる綱はあまりにも無尽なり
逆らうものどもをひと呑みに
彼奴らの手をへし折るのだ


~『COVENANT OF DEATH』~
Amah-Usumgal-Anna
Deep within you hold the key
Habus being the way
To claim the throne that's ours by right

アーマ-ウシュムガル-アンナ
奥深くそなたは鍵を握り
ハブスは道を指し示す
当然の報いとして茨を求めるのだ

ザマヌムフラル-リジ-パ-グルド-ズネメ-エ
イギ-ヌドゥ-ア-フルイギ-セ-ジド-ジン

呪文訳:
憎きものどもよ、やがて己の蒔いた種の報いを受けるであろう
無知なる至福にしばし遊べ
覚醒のときはやがてくるのだから


2曲とも5th『FLESH TO THE FATAL FORMULAS』に収録。
全アルバムの中でもとりわけ呪文が頻出する作品で、「よー覚えたな!」と感嘆せずにはおれないほどの呪文が歌詞カードに(呪文訳付で)悍ましくもビッシリとしたためられてある。



クトゥルー、ハブス、アーマ-ウシュムガル-アンナという“最高なる三竦み”を普遍の概念に据え置き、神聖なる息吹吐く雷神メ-ガル-ガルの境地に到達すべく、東西南北に四大精霊を召喚するための呪文が狂おしくも捲くし立てられる。
すなわち、この作品の曲のサビを歌う=「呪文を唱える」ということにほかならないのである。



今日の1曲:『すべての邪な神々よ!』/ MORBID ANGEL
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久しぶりだなオイ

2011年09月17日 | ♪音楽総合♪
20代前半まであんだけ夢中になってたレッチリ。
6th『CALIFORNICATION』の時点で一気に冷め、こんなもん20代のジャリが聴く音楽だと見限り、それ以降10年以上いっさい関わってこなかったのに・・・

ふと立ち寄ったCD屋でレッチリの新譜『I'M WITH YOU』が目にとまり、なんとなく視聴してみたところ(ギタリストが代わったてのもあった)、なんかこのやけに肩の力が抜けた、ドライな質感にビビッとくるものがあった。
で、先週タワレコで国内盤より千円安い輸入盤の方を購入したわけですが。

いやいや自分でも意外や意外、ここんところずーっとヘビーローテーション。
やはり『CALIFORNICATION』からのメロウ路線を踏襲しており、こじんまりした楽曲が並んでいる。
相変わらずリズム隊が曲全体をひっぱる感じで、1曲目なんかは“WARPED”っぽい展開だったりするが、ダイナミックさを見せつつも、やけにまったり感のある堅実なプレイに徹している。
最初は同じような哀愁歌が多くてダルいなと思っていたんだがそれも徐々に気にならなくなり、一時はシロウトくさいアンソニーのメロウな歌声に嫌悪感さえ抱いてたのが、今回はやけに心に沁みてくる。
新ギタリストの助手、いやジョシュはジョニーほどのハデさはないものの、要所要所に程よいフレーズをほうり込んでくる柔軟性に富んだ堅実ギタリストといったところ。実にいい仕事をしている。

各楽曲も実にバリエーションに富んでおり、#8“DID I LET YOU KNOW”のエゴ・ラッピンがやってそうなトランペットソロ鳴り響くオシャレ系あり、#10“HAPPINESS LOVES COMPANY”のキンクスか!みたいなメランコリック調のピアノ伴奏曲ありと、14曲もありながら最後までダレさせない内容となっている。
あとコーラスがとても効果的。

とにかく、1曲1曲とてもシンプル且つ丁寧に作り込まれており、聴けば聴くほどに味わい深くなってくる、レッチリが今までで一番マジメにロックしている作品なんじゃないかなぁ。
前2作は聴いてないけど。

レッチリの音楽も、私の耳も、お互い年をとったなぁ。



今日の1曲:『DID I LET YOU KNOW』/ RED HOT CHILI PEPPERS
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サリュ連続体

2011年09月14日 | まったり邦楽
経済的にマシになったので、やっとこさsalyuの新譜を購入。
いや、これはsalyu×salyuっつー彼女の別プロジェクト。
salyu自らがCORNELIUS=小山田圭吾に直談判して、実現した意欲的コラボ企画らしい。
で、約2年の共同作業の末、完成したのが本作『S(o)un(d)beams』。
もちろん従来のsalyu作品とは全く異なる内容に仕上がっている。

音を楽しむと書いて音楽。
本作はまさに、その言葉の意味を具現化したようなアルバム。
「この歌詞、私の心を代弁してるぅ~」みたいな音楽を歌でしかとらえられない勘違いリスナーには、実験的で抽象的な冒頭からして理解し難いシロモノかもしれないが、こういった曲構成や音色をユニークだな、心地よいなと思えればしめたものなんじゃないかと。

コーネリアスの音源は実は1つも聴いたことがないのだが、多様なヴァリエーションを持つsalyuの歌声を自由自在に合成加工し、アーティスティックに仕上げるこの小山田圭吾氏の繊細緻密なサウンドアレンジメントにはかなり目を見張るものがある。とにかく心地がよい。
一見前衛的エレクトロニカとも捉えられるが、salyuの歌の持つポップ性が柔軟に作用しているため、Bjork、Buffalo Daughterばりに抽象的な音楽というわけでもない。
salyuがエレガントに歌う“レインブーツで踊りましょう”や、ファンキーなベースラインの“Mirror Neurotic”など、実にバラエティーに富んだ楽曲群が全編にわたって配されているので、集中力がそれほどとぎれることはない。
ちなみに#10“Hostile To Me”はドイツのエレクトロニカ/インディーポップ Lali Punaのカヴァー。
作詞には、元ゆらゆら帝国の坂本慎太郎、いとうせいこう、七尾旅人などの著名人らが携わっているのも興味深い。

しかしまぁ、この作品を聴くにつけ、salyuってやっぱBjorkを目指してはるんかなぁ~って改めて思った。



今日の1曲:『ただのともだち』/ salyu×salyu
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ピョンヤン

2011年09月08日 | ♪音楽総合♪
ダンス・ミュージックはちょいちょい聴きかじってはきたが、ダンス系のクセにやたらロック色が濃厚だったり、歌モノが先行したり、逆にロックバンドがやたらエレクトロ色を導入したりともうなんだか垣根がよーわからんようになって、最終的にはそのブレまくりさ加減に嫌気がさしてくるというパターンがほとんどだった。

そん中で、一本筋が通ってるなと思ったのがこの英国出身のFAITHLESSで、最近購入した『NO ROOTS』を聴いて、こりゃ世界一クールなダンス・ミュージックなのではないか!と思った次第である。
まー最近ダンス系といえば、Perfumeぐらしか聴いてない私が言うのもおこがましいけど。

まず、ジャケからしてただのオシャレなダンスミュージックバンドではない、インテリジェンスな雰囲気を漂わせており、冒頭の20秒足らずのイントロを聴いた時点で「こらすごい作品やないか?」ということを予感させる。
アルバム全体に彩り鮮やかな心地よすぎるエレクトロサウンドが散りばめられ、それがまるでストーリーが展開していくかのようにDJ感覚の繋ぎ技で進行していくので、聴き手はまるでダンスフロアにいるかのような臨場感が味わえる。
要はアルバム1枚を通して楽しめる構成となっており、ピンク・フロイドの『狂気』にも似たコンセプチュアルな感覚を持った作品でもあるので、アトモスフェリックな嗜好を持つプログレファンにもオススメできる。

先行シングルでロックなサウンドアレンジを響かせていた“MASS DESTRUCTION”は、マキシ・ジャズのクールなMCがのっかるダークなヒップホップテイストに仕上げられ、中性的なヴォーカルがシットリと歌う“I WANT MORE Part.1”から、躍動感溢れる4つ打ちヴァージョンへと移行していく“I WANT MORE Part.2”へのくだりがたまらん!

私の目がテンになったと同時にFAITHLESSに興味を持つキッカケとなった“I WANT MORE”のヤバいPV。


にしても、ヴォーカルのキャスティングがセンスよすぎ!全然知らん人らやけど。
どっかの有名人を起用したチャラチャラしたエレクトロバンドとは違って、決して歌が先行するのではなく、ちょっとした味付けとして適材適所で見事に機能しているのだ。
でもやっぱアルバム全体の方向性というか、FAITHLESSのシリアスな世界観をコントロールしているのは、病んでいくばかりのこの世界を憐れむかのように、どこか醒めた視線で眺めているマキシ・ジャズの憂いのこもったクールなMCなのだ。

うん、この研ぎ澄まされたエレクトロサウンドに、計算しつくされた構成美と完成度・・・
本作はおそらくFAITHLESSの最高傑作だと思われる。
つってもFAITHLESSのアルバムは、これとベスト盤を含め4枚しか持ってないけど。



今日の1曲:『NO ROOTS』 / FAITHLESS
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吹けよ風、呼べよ嵐

2011年09月03日 | 晒しな!日記
この度の大型台風12号の影響で今週末に開催予定であった野外フェスが軒並み中止に追い込まれているということで、楽しみにされていた方はなんともお気の毒。
私も今年のTHRASH DOMINATIONが中止になったことへのウサ晴らしとばかりに泉大津のOTODAMAへの参加を検討していたのですが、どうやらこちらも中止のようで。

まぁこんなことを言うのは不謹慎なんですが、環境に恵まれていたこともあり昔から台風が接近してもあまり危機感というものを抱いたことがなく、どちらかというとワクワク感の方が強く、嵐の日に限ってどこかへ出かけたくなる衝動にかられてしまう私なんですが。
昨夜もフラフラとイオンモールに行ったり、ブックオフをはしごしてたりしてたのですが、さすがに客足は少なかったですね。それがまたたまらなく居心地がいい。
フードコートのソファに座り、ドーナツ食いながらクラーク・アシュトン・スミスの『ヒュペルボレオス極北神怪譚』などを読み耽って、ウールミタドレス山の地底の暗い洞窟世界の泥の深淵に住まう、宇宙の不浄すべての父にして母であるアブホースについて思いを馳せたりしていたのでした。

で、家に帰って自分の部屋へ入ろうと半開きのドアに手をかけたその瞬間、台風による強風に煽られたドアが恐ろしい勢いで押し返され、私の手を思くそサンドイッチング。
激痛のあまり、呻き声も出せぬまま慌ててひっこぬいた自分の手のひらを見てみると、中指第一関節付近に、ち、血が!

いてぇ!!いてぇよぉぉ~~~~~!!

私は血が大嫌いなんだよぉぉ~~、特に自分の血がなぁ~(ペロッ)



いや、長年生きてきて初めて台風被害というものに遭っちまいましたわ。
こういう日はおとなしく部屋に閉じこもってベタにフロイドの『おせっかい』でも鑑賞しながら屁こいて寝よう。



今日の1曲:『吹けよ風、呼べよ嵐』/ PINK FLOYD
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