AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

Dead Man Tell No Tales

2015年12月31日 | ♪音楽総合♪
今年の年末はヒドいことの連続であった。悲惨といってもいい。
そしてダメ押しとばかりに、年の瀬にまさかこのような訃報を聞かされることになろうとは・・・
29日、ツイッターのトレンドのトップに「レミー」の名前が挙がったときには、「あ、もうそれしかないな」と確信した。
つい先月にフィルシーが61歳の若さで逝ったばかりだというのに・・・

レミー逝く。享年70歳。

今年フジロックに出演したレミー。
ライブ中ちょっと歌うのがしんどそうだったとは聞いていた。
だから、ひょっとしてこれが日本で見れるレミーの最後の姿になるのでは・・・って予感はなんとなくしてた。
で、今年フジロックまでモーターヘッドを見に行く決心をしなかったのは、大きな間違いだったんじゃないかと。

ま、それほど悲観に暮れてるワケではない。
あんな酒びたりの生活を送ってて(噂によると1975年以来シラフだったことがないとか)、70歳近くになっても毎年のようにアルバムを出し続け、老身にムチ打ってギグをやり続け世界を回っていた。
まだ生きていることの方が不思議だった。
思えば、死ぬ間際まで爆走ロックンロールを貫き人生を全うした人だと思う。
ただ、ライブを一度も見れなかったということだけが悔やまれるのである。


以前のモタヘの記事でも言っていたと思うが、最初にレミーのあの強烈なダミ声に出会ったのは中1の時に買ったHear ’n Aidのオムニバスアルバム『Stars』に収録されてた「On The Road」のライブヴァージョン。
当時この曲を聴いた時は「なんじゃこのギリギリの瀕死みたいなダミ声は」と拒絶反応を起こしたっけ。
その2年後、ちょうど発売された『Rock 'n Roll』を聴いて、まさにロックンロールでこのストレートな疾走感に一発でやられたのであった。
これ聴いてから教科書にモタヘのトレードマークのビーストやレミーの似顔絵を描きたくっていた。




そして、寺町京極にあったBLACKというバンド雑貨専門店で人生ではじめてバンドTを購入したのがこいつだった。


メタルやロックに理解のない母親にバレたらマズいと思って、棚の奥の方にかくしてたんだが、エロ本と一緒に余裕でバレてたという。
モーターヘッドの爆走ロックンロールは、思春期真っ只中の中坊の私にとってエロ本と同じくらい、危なくて刺激的な音楽であった。
そう、モーターヘッドはまさに私の青春だった。


昨夜は恒例の午後連の忘年会に呼ばれて行っていたのだが、その席に在学中は全くといっていいほど面識がなかった(一応)後輩のYが久方ぶりに顔を出しており、ジャケットを脱いだヤツのTシャツを見て思わず歓喜の声をあげた。

ウオオオーーーッ!!最終メンバーやんけ!!



残念なことに、午後連のメンバーの中にはモーターヘッド好きなど皆無に等しく、私が追悼とばかりにモーターヘッドの諸作品を準備していってもほぼ相手にされなく、いつものパターンみたいにアーティストの死をキッカケにその音楽に興味を示すなんてこともなく、絶望的な状況にあった。
そこに後輩YがモタヘのTシャツを着て現れ、私は一瞬救われた気持ちになったのであった。

ところがYにモタヘの話をふってみると、「いや、僕実はモーターヘッドは2曲くらいしか知らないんですよ」と・・・・・そこで話は終了。
その2曲とは、おそらく「Ace Of Spades」と「Overkill」であろう。


モーターヘッドは、ロックファッション的にあまりにもカッコよすぎるあのシンボルと、レミーの強烈な外見とキャラで、その知名度は日本ではAC/DCとタメをはれる程であろう。
ただ、モーターヘッドの音楽を真剣に好きな者はほとんどいないのではないか?
ツイッター上で訃報を嘆いてる人でも、実はYのようなのが案外多いのかもしれない。
私とてモーターヘッドの作品を熱心に買い求めていたのは高校生半ばくらいまでで、90年代半ば以降の作品はいっさい関知してこなかったというにわか者である。


80年初頭からリアルタイムでモーターヘッドを聴いてた人は、『極悪ライブ』や『Ace Of Spades』などをプッシュしはるかと思われますが、オリジナルじゃない頃から聴きだしたにわか者の私としましては、訃報を知った29日は以下の作品をレミーの追悼作に選んで聴いておりました。
当時よく聴いていたアルバム、そして今でもよく聴くのはこの2枚だからです。
今夜もこれらの作品を爆音で聴いて、極悪な気持ちで新年を迎えたいとおもいます。



ロックンロール!!
良いお年を。




今日の1曲:『Dead Men Tell No Tales』/ Motorhead
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ボジオどんがやっでぎだ。

2015年12月27日 | コンサート
先月テリー・ボジオ好きのじょにい氏から、またボジオ要塞ドラムソロツアーライブのお誘いメールがきて、どうしたものかと思案に暮れていたのだが、ボジオ情報熱心な彼がまだ公にされてなかった105人限定の岐阜の飛騨公演というのを見つけてきて、しかも入場料2500円とメチャメチャお手頃価格だったので、飛騨観光がてら見に行くのも悪くないと思い参加を表明した。


飛騨公演は開演が13:30と早く、私ん家から車で朝8:00に出発するという慌ただしい1日となった。

飛騨には12時過ぎに到着した。
みごとなまでにド田舎である。まぁその日はいい天気で見晴らしはすこぶるよかった。



テリー・ボジオのライブが行われる飛騨市文化交流センターはなかなか立派なイベント施設だった。



当たり前だが、小ホールの方だ。
え?今回の企画はクリスマスコンサートだったのか!?



けっこう色々なアーティストが来ているんだね。



ハコの規模は6年前に行った奈良郡大和城小ホールの2/3ぐらいだろうか?
開演前、入口にはボジオのサイン付ドラムヘッド(3000円)が並べられてあった。
買った人いるんか?


あのバケモノドラムに再会!!
さすがに3回目だから最初に対面した6年前の興奮はない。



PA席。タブレットのみの作業という。時代やなぁ。



ドラムキットの撮影は開演前はOKだったようなので、またしても撮りまくったった。
奈良ん時とは違い、飛騨の方々はけっこう控えめだった。県民性の違いか?




ドヘーーッ!



ヌホォォーーッ!



撮影に夢中で、バスドラに自分が映りこんでいることに気がつかなかった。
いつしかのザッパみたいやん!(そうでもないか)



ムハーーッ!



ヴォヂィーーッ!



テリーはその日、両手に持ったゴロゴロとした鈴をシャランシャラン鳴らしながら登場。
なるほど、クリスマスだからな。
ただ、その鈴をゴングに当てたり、太鼓に摺りつけたりする様子は、アフリカのどっかの村の部族の宗教儀式にしか見えなかった。
そして、おもむろに彼のTomTomとした、それでいて即興的なドラムパフォーマンスが開始された。
彼のタムタムプレイは、前回観たときよりもさらにメロディアスになっているような気がした。
ドラムというより、もうスティールパン的な演奏法なのだ。
はっきりいってこれはもうロックではないね。相変わらずスネアのバネは外したまんまやし。
シンバルはやっぱりシャンバラ然としたガシャガシャした音しかない。

こんなドラムの音だけの、民族音楽的な演奏が延々と繰り広げられるもんだから、ほとんどの客は迫りくる猛烈な睡魔と闘っていたかと予想される。
となりに座っていた親父に連れられてきた小学生低学年くらいの男の子なんか天井をボーっと眺めたり、完全に夢の中に陥ったりしていた。そりゃそうだろう。
私とて前の晩は2時間くらいしか寝ていなく朝早かったもんだから、何度かは気を失っていた。


意外と目が覚めたのが、今ツアー初かと思われるカフォンパフォーマンスが繰り広げられた時。
やっぱ鉄人が奏でるカフォンワークは、結婚式などで新郎の友人がやる出し物とはワケが違う。
足首に鈴を装着してシャンシャンとリズムを踏みながらカフォンを連打するテリーは凄まじかった。



指ピアノは試し弾き程度であまり活躍しなかった。ただ、コレクションを見せたかっただけなのだろう。
つかさっき足に付けてた鳴り物って、布団干しバサミでこしらえた自作楽器かよ!



MCで、サポートしてくれてる日本人のヨメさんやドラムを組んでくれたスタッフや飛騨のお客さんに謝辞の言葉を述べたり、自分の作品の他、どさくさにギャルバンを組んでる自分の娘のCDを紹介したりしてるテリーの様子は、相も変わらず人柄の良さが滲み出ていて微笑ましかった。


終演後の様子。


みんなやっぱりいっせいにドラムキットを撮影し出した。
この辺は奈良ん時と一緒。
ドラムの裏側見学ツアーは飛騨ではなかった。





今日の1曲:『I'm The Slime』/ Frank Zappa
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えれぇ面子だクリムゾンキング

2015年12月25日 | コンサート
キング・クリムゾン12年ぶりの来日公演『THE ELEMENTS OF KING CRIMSON TOUR in JAPAN 2015』。
大阪公演初日に行ってきた。

くどいようだが、私にとって人生初クリムゾンライブである。
高校のときより聴き続けてきて、1995年のダブルトリオ期、2003年のヌーヴォメタル期の2度の来日公演に行くチャンスをことごとく逃してきた。
都合がつかなかったというわけではない。なんか見す見す逃してきたのだ。
そして数年前のロバート・フリップ引退宣言により、ああ、もう一生クリムゾンのライブを見ることができないんだと失意に暮れておったのだが。

いやー、長生きはするもんだ。
1年前クリムゾン再始動の知らせが聞こえてきて、今年ついに12年ぶりの来日公演が決定。
今回は絶対逃すまいと、15000円という高額設定のチケ代なぞ驚くにはあたらなかった。
そして今年のモトリーのライブでお会いしたクリマン有料会員の大学の同期のツレの後輩さんに図々しくも先行予約の抽選を頼んでみたところ・・・・

やっぱクリマン会員様様!!この奇っ怪極まりないチケデザインと席番に鼻血出た。
しかも席番はなんと私の誕生日ナンバー。もう家宝。



当日、一緒にチケットをとった唯一といっていいクリ友のサムソンとフェスティバルホールで待ち合わせ。
彼は1995年のダブルトリオライブを目撃している男だ。


フェスティバルホールはすっかりクリスマス一色。
ふん、今の俺には何も感じないがね。全てが無意味だ。



開演前、客のひとりがなんか警察沙汰起こしてた。


テロを警戒してか、一人に対して警察官の動員数が多過ぎた。
その警察沙汰起こしてたおっちゃんは、いかにも内田裕也タイプの初老のおっちゃんで、まぁ12年ぶりの日本公演だからなぁ・・・・興奮してらしたのだろう。

開場時間の30分前に着いたが、物販販売はすでに始まっていて長蛇の列ができており、かなり焦った。
サムソンの到着を待たずして行列に並ぶ。まぁでも今んところサイズ切れはなさそうだった。

イン・ザ・コート・オブ・ザ・クリムゾンガールズ。



会場入りして、まずステージにメンバーそれぞれの楽器群がズラリと並べられているのが目に入ってきた。
フロントのトリプルドラムセットの配色がことごとく青で、今回は青を基調としたステージなのだということが窺えた。
パーツを見て、誰がどのドラムセットに座るのかは一目瞭然だった。
私は正直ギャヴィン・ハリソン側に座りたかったのだが、左側のパット・マステロットのまん前だった。
しかもこの位置はロバート・フリップからもかなり離れている。




そして7人のメンバーが登場。全員が正装。ネクタイもほとんどの者が着用していた。
なぜか「トニーー!!」のコールだけ起こる。出戻りだからか?それならメル・コリンズもそうだろ。
今回メルがツアーメンバーに加わったことには、大いに心騒がされた。なんせフリップを除く唯一の70年代クリムゾンメンバーだからな。
管楽器色が強い70年代の『宮殿』~『アイランズ』からの楽曲が演奏されることを期待せずにはおれなかった。

ただ、今回のメンバーには得体の知れないのが約2名いる。
ギターヴォーカルのジャコ・ジャクスジクとドラムのビル・リーフリンだ。

このジャコのアコースティッキーなギターの調べにのって、「平和」の独唱で幕が開けた。
これにはちょっと意表をつかれた感じ。まさかいきなり2nd『ポセイドンのめざめ』からとは!
ただ、歌の出だしでギターのピック位置を見失ったかなにかで、ジャコが確認のため下を見て歌が途切れるという・・・
これには愕然とした。「おいおい、この人大丈夫か?」と。

まぁグレッグ・レイクやらジョン・ウェットンらの歴代Voの全責任を背負ってるからなぁ。
それに開演中、ずっと翁にこの至近距離で見られてるんだぜ。そのプレッシャーたるや相当だと思うよ。



で、シャンシャンシャンシャン・・・・という、不穏なSE音が流れ出し「キタ!!」と思った。
そう!「太陽と戦慄 Part.1」である!
まさか生きているうちにこの曲を生で聴けるとは・・・感激極まりなかった。

で、お次は「冷たい街の情景」と、これまたいイヒョーー!という感じ。こんな曲やるんや!
いやいや「21世紀の精神異常者」の2番煎じ曲とはいえ、この曲のリズムセクションは最高なんだ。

そして早くも「エピタフ ~墓碑銘~」キターー!!
ここでわかったのが、中央位置にいたビル・リーフリンの役割。
彼はシンセサイザーも担当していて、初期のメロトロンがふんだんに使われる曲になったら彼がそれを再現する役割を担っていたんだ。
ドラムプレイに関しては特に注目に値するところはなかったので私はそう解釈した。


この調子で順番にタラタラ演奏曲紹介していくのもアレなんでセトリをば。


01. Peace
02. Larks' Tongues in Aspic, Part I
03. Pictures of a City
04. Epitaph
05. Radical Action (To Unseat the Hold of Monkey Mind)
06. Meltdoun
07. Radical Action (To Unseat the Hold of Monkey Mind II)
08. Level Five
09. Easy Money
10. The Letters
11. The ConstruKction of Light
12. Hell Hounds of Krim
13. Red
14. 21st Century Schizoid Man
15. Starless

encore

16. The Talking Drum
17. Larks' Tongues in Aspic, Part II
18. The Court of the Crimson King



見ての通り、以前のクリムゾンらしからぬオールタイムベスト的なものとなっている。
ただ、ブリューの歌モノ(ディシプリン期)の曲はいっさいなし。
まぁトリッキーすぎるあの個性を再現するのは無理やろからな。


心底感激したのが、「Easy Money」が演奏されたとき。
なんといっても中盤のインプロヴィゼーション。これはかなりきてた。
とにかくまん前で演奏しているパット・マステロットから目が離せなかった。
Crimson Projectの時も思ったが、彼はジェイミー・ミューア(あるいはブラッフォード)の意思をそのまま引き継いでおり、あらゆるパーカスの小道具を取りそろえ、ドラムセットはどこかディシプリン時代のビルのセットを彷彿とさせていた。
特に「戦慄Part.1」など、『太陽と戦慄』からの曲では彼が主役同然で、様々な奇抜な小道具の音で我々を楽しませてくれた。
高性能と思われるマイクが2ヶ所に取り付けられていて、そこでリール音を鳴らしたりパフパフラッパを鳴らしたり、かと思えばでっかい鉄板型の銅鑼を持ちあげてバンバンやる。
ダブルトリオの時は「いらんやろ」と思っていたが、やはり長年クリムゾンに在籍しプロジェクトなんかでもクリムゾンの楽曲を演奏しつづけているパットは、クリムゾンの楽曲をやりこなす技を身につけ磨きあげてきたのだ。

Porcupine Treeの凄腕ドラマー、ギャヴィン・ハリソンのプレイを初に拝めるのは今ライブの楽しみのひとつであったが、ポーキュパインのライブの時みたいにやりすぎず、的確なプレイに徹していたように思われ(上で翁が見てるからな)、ちょっと個人的にはもの足りなかった。
ただ、「21世紀~」では後半のテーマに戻る前に、これぞギャヴィン!な超絶ロングドラムソロが披露され、観客の度肝を抜いていた。

ちょっと勇気のいる発言だが、ちまたで絶賛されている今回の目玉であるトリプルドラム効果に関しては、正直私にはその意味合いがいまいち見いだせなかった。
なんかひとりでもやりこなせるドラムを3人で無理くり分担してやってるみたいなところが多々見受けられたし、パットとギャヴィンはそれぞれの役割分担を果たせていたとは思うが、真ん中のリーフリンに関しては両端の二人と比べると、どうしても存在が薄すぎた。ま、彼はシンセサイザー要員ってことで。


そして、なんといってもメル・コリンズの存在。
常にニコニコ顔のメル。彼が今ツアーに参加した意義はやはりデカくて、「The Letters」、「Starless」、そしてまさか演るとは思ってなかったラストに演奏された「クリムゾン・キングの宮殿」がレコーディングに近い形で再現されたのは、やはり彼がいてこそなのだ。
アルト、テナーサックス、フルートと管楽器を自在に持ち替え演奏するメル。「太陽と戦慄Ⅰ」のインプロではフルートで「君が代」のメロディを挟んだり、ときおり曲のイントロの部分で意味不明のダンスを踊り出すなど、結構オチャメな人だった。
けっこう近いところで見ていたので、ライブ中何回も目が合ったような気がした。
本編最後の「Starless」でのサックスソロは、ほんとカッコよかったなぁ・・・・


ロバート・フリップは遠かったのでイマイチ何やってるのかわからなかったが、彼のギターで「Starless」のあのメンイフレーズを聞けたのはよかった。
終盤ではステージが赤に染まった。



ライブ前、会場に入ったら、ステージ上に並べられた楽器群を塞ぐように、撮影録音禁止の注意書きのデカい看板が3本も立てかけられてあって、スタッフが警察犬のごとくにらみをきかせたり、怒声を浴びせたりしていたのはすこぶる感じが悪かった。
まぁ著作権とかにうるさいロバート翁のお達しであったのだろう。

ただ、ライブが終わった後にレヴィンが客席にカメラを向けてる間だけ撮影OKという特殊な緩和があった。
まぁあわてふためいて、ほとんどいい画はとれなかったが・・・




終演後、連夜の東京公演を回ってきたと思しき客の「今日は当たり日やった!」という声が聞こえてきた。
確かにセトリを見ると、あらゆる時代の代表曲がズラリと並んでいて豪華というほかない。
ただ、個人的な意見としては、「再び赤い悪夢」や「船乗りの話」などが演奏された日の方が当たり日だったような気がする。


しかし、今回は最後やと思ってちょっと物販奮発しすぎたか・・・
いや、もっとツワモノはおるやろうけど。軽く15000円のチケ代を上回ってしまった。




今回初観戦となったキング・クリムゾンのライブ。
一生見れないであろう、演奏されないであろうと思っていた珠玉の名曲群を、本物のクリムゾンで生で拝見できたのは本当によかったと思う・・・うん、ほんとそう思う。
思うのだが・・・フリップ翁はなんか丸くなってしまったなぁ、という淋しさも拭えなかった。
なにか殺伐とした緊迫感や、一触即発的なカオスが足りなかったように思えた。
10年前に来日したクリムゾントリビュートバンド“21stスキッツォイドバンド”で歌ってたジャコ・ジャクスジクをヴォーカルに据えたのにも、なんか妥協したんかなーっと。
いや、彼のヴォーカルにそれほど不満があったというわけじゃない。あらゆる時代の代表曲を、あれだけ無難に歌いこなせたら上出来だろう。
ただ、やっぱトリビュート感が否めないのね。
トニーのベースも初期の曲を演るには、ちょっとヘヴィさが足りないというか。


フリップ翁は今ツアーにおいて、とってつけた感は否めないものの、トリプルドラムというクリムゾンの進化を見せつけつつ、長年のファンに感謝の意も込めて、往年のオールタイム的名曲群を最後(?)に披露して有終の美を飾ろうとしたのではないだろうか。
ちょっと寂し過ぎる考察だが、そう思えてならないのだ。

でもまた日本に来てほしいな。


今日の1曲:『クリムゾン・キングの宮殿』/ King Crimson
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土曜日の本(クリム本キングの宮殿)

2015年12月12日 | プログレッシヴ草稿
今週はじめから、待ちに待ったキング・クリムゾン約12年ぶりのジャパンツアーが東京よりスタートしている。
大阪公演は明日(今日)!いよいよ私の人生における初の生クリムゾンである!

そんな折、先日タワレコに立ち寄ると、音楽雑誌コーナーの棚に『レコード・コレクターズ』と『THE DIG』のキング・クリムゾン特集号2冊が魅惑的な表紙で、まるで競い合ってるかのように並べて積み上げられていた。
こ、これは買わずにはおれない。
どちらも結構な値段なのでどっちか一冊に絞りたいが、かなり迷った。
表紙的にはレココレ。DIGの方はロキノンが昨年あたり使ってたショットやん。

で、結局THE DIGの方を買ってサンマルクカフェでベトナム珈琲をすすりながら気になった記事から読んでいた。




THE DIGの方のクリムゾン特集号を選んだのは、人間椅子の和嶋慎治氏のインタビュー記事が載っていたからにほかならない。


初めて見た海外アーティストのライブが、84年の中野サンプラザで行われたクリムゾンだという和嶋氏。
機材も自作するギタリスト和嶋ならではの視点でクリムゾンの魅力について語っておられる。
本書には、和嶋氏がフリップの愛用のファズを基に自作したエフェクター、その名も「狂気」も紹介されている。
実際「21世紀の精神異常者」をバンドでカヴァーして、そのYOUTUBE映像は海外からも絶賛のコメントが寄せられている。

つかワジーにインタビューするの遅いんだよ!売れたとたんに言い寄ってきてからに。
ワジーがクリムゾンの影響受けているのは、メジャーデビュー作『人間失格』(1990)収録の「天国に結ぶ恋」ですでに明々白々だ。
私も当時まだクリムゾンの良さもわかってなかった頃に、この曲の間奏のフリップ奏法を聴いて「なんじゃこの旋律!?」ってビビっときたもん。
まぁ一応人間椅子知る前にクリムゾンの『宮殿』聴いてたんだが、先に椅子の方にハマって和嶋ギターの変な歪みや奏法、そしてサバスの影響だけじゃ説明できないこのダークな世界観がクセになってきて。
それからジワジワとクリムゾンの『宮殿』のスゴさカッコよさが身に沁みてきて、次に大久保の電気屋に自転車こいで『太陽と戦慄』を買いに行ったんだっけ。
つまり、人間椅子に出会ったことで、私がキング・クリムゾンに傾倒していったのは必然だったのだ。

「天国に結ぶ恋」。よく考えたらイントロ部分はホルストの「火星」をモチーフにしてるやん。



あと『THE DIG』のクリムゾン特集号で、今は亡きYESのオリジナルギタリストのピーター・バンクスの自伝からの証言記事が非常に興味深かった。
当時YESと同じ頃にデビューしたクリムゾンのステージをYESのメンバーたちと初めて目撃した時、その圧巻のパフォーマンスにその場で全員が敗北を認めたという。
ビル・ブラッフォードがその時すでに「あのバンドに入りたい」と言っていたそうな(笑)。


気づけば、クリムゾン特集号は家にぎょうさんあるなぁ。
クリムゾンフリーク(いや、それほどでもないんやけど)の性みたいなもんで、本屋で見かけてしまうともう買わずにはおれんのよ。出す側もそれを見透かしている。
まぁジャケ買いみたいなもん。レココレの表紙はほんとセンスいいよなぁ。


約11年前か。サイゼリアで一字一句漏らさず貪るように読んでいたのが、ストレンジデイズ増刊の丸々全頁『キング・クリムゾン』本(写真右上)。定価2500円。
本書で各メンバーのパーソナルデータからロバート・フリップと同じ誕生日であった事実を知り、無茶苦茶興奮して勝手にクリムゾンとのディスティニーを感じていたのを覚えている(ちなみにビル・ブラッフォードとは1日違い)。
本書を読んでいた頃、『宮殿』から『スラック』までの各アルバムの参加メンバーの名をゲストまで全部言えたからなぁ。
今年の盆、ソニックマニア行くため、夜行バス乗り込む前に旅のお供にと駅の本屋で購入したのが、文藝別冊の『キング・クリムゾン ~二十一世紀的異常音楽の宮殿~』(写真右下)。
著名人の各クリムゾン体験、クリムゾン論が中心で、正直たいくつなもの、わけのわからない話が多かったが、この中ではジム・オルーク氏の辛口で率直なクリムゾン論が一番おもしろかった。
「ブリューの“味”があまり好きでない」とか、「ダブルトリオ云々は興味がありません」など。前者はともかく、後者は同意見である。
平田真夫氏のキッパリと「二十一世紀の精神異常者」と言いきる、わけのわからんなんの意味もない“倫理上の配慮”とやらを排除した文章も気にいった。

DVD化されてからも表記を変えなかった人間椅子に拍手!


とかタラタラ書いているうちにもう朝やんけ!

本日、いよいよ人生初生クリムゾン!!(さっき言ったか)




今日の1曲:『21世紀の精神異常者』/ King Crimson
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