AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ベトナム珈琲とゾス神話群

2014年12月30日 | ルルイエ異本
年末休みこの3日間は大そうじもはかどらず、近所のコーヒーハウス(あるいはマクド)に行ってクトゥルー神話を読み耽って、冒瀆的かつ優雅な時間を過ごしております。
現在私が熟読ぢでいるのは『ゾス神話群』。
スティーリー・ダンをBGMに(アルバムはもちろん『幻想の魔天楼』)このゾス神話群と、サンマルクカフェのベトナム珈琲という組み合わせは、なかなか意外と合うんですよ。

で、なぜ私が今年の秋頃角川から刊行された禁断の書物、リン・カーター編纂によるこの『クトゥルーの子供たち』を『ゾス神話群』と呼称するのかというと、それは邦題があまりにもしょーもないからだ。
「子供たち」はないだろ、「子供たち」は!あまりにもかわいいやんけ!
せめて「落とし子」という言葉を使ってほしかった。

いやまぁ確かに、本書は<旧支配者>の一邪神<クトゥルー>が、ゾスと呼ばれる場所でイダ=ヤーという存在と交わり産み落とした子供たち三柱<ガタノソア>、<イソグサ>、<ゾス=オムモグ>に焦点を当てた一連の編纂集であるから、『クトゥルーの子供たち』って邦題は妥当かと思われる。
しかし、私の部屋の冒瀆的な蔵書を収めた書架に並べるには、もっと『エイボンの書』だの、『グラーキの黙示録』だの、『ハナモゲラ経典』といった厳かで学術的なタイトルの方が稀覯本的雰囲気が出るじゃないですか。
ま、クトゥルー神話布教促進のためには、“クトゥルー”って言葉をタイトルに盛り込みたかったっていう企画側の気持ちもわからんではないが、なんか暗黒神話の気品が下がる感じがして個人的には好みではない。

ちなみに原題は『THE TERROR OUT OF TIME and OTHER』(超時間の恐怖)って、このタイトルもどうかと思う。
ま、これはラヴクラフトの作品『超時間の影』を文字(パロ)ったものであるのは明白ですわな。
結局リン・カーターってのは、模倣作家に過ぎんのですよ。ただのクトゥルーマニアっていうか。
尊敬する作家へのオマージュとかは物語の中で存分にやってもいいけど、タイトルはもちっとセンスいいやつにして!!

ストーリー性について言えば、クトゥルーものとしてはごくありふれた平凡なもので、好奇心旺盛な教授が禁断の書物を読んで邪神の復活の予兆にあたふたして発狂!(というか狂人扱いされて精神病院送り)ってのがだいたいのパターン。私もそろそろこういった展開にはいい加減飽き飽きしてきている。
ただ、このリン・カーターって人は、設定マニアともいうべき人物で、ラヴクラフトやオーガスト・ダーレスの意思を引き継ぎつつ、クトゥルー神話体系に実に事細かい設定を施している。
この『クトゥルーの子供たち』はいわば「クトゥルー神話辞典」の様相を呈しており、暗黒神話にまつわるおそるべき教義、膨大なる書物の数々についてこれでもかといわんばかりに言及されている。
で、日本の翻訳家さんや編集者さんたちが神話的用語について丁寧に事細かい注釈を付けて下さっていて、それがまた非常に私の不埒な冒瀆心を楽しませてくれた。

本書の帯にも、その慄然たる暗黒用語の数々がクレジットされてある。



巻末には暗黒神話年表まで!!



この物語は、ハロルド・ハドリー・コープランド教授が中央アジア、ツァン高原地帯にある墳墓から持ち帰ったという、不穏当で議論の余地がある『ザントゥー石版』から抜粋された、現代の人類誕生以前に海に没したムー大陸で暗躍した、<深淵の忌まわしきもの>イソグサの敬虔な信徒ザントゥーの神話的な冒険譚から始まる。
そして、サンボーン研究所に収められているコープランド・コレクションのひとつ、<ポナペの小像>とよばれる翡翠細工の彫刻品にまつわる一連の怪事件。
この邪神の似姿を象ったと言われる(イソグサ、あるいはゾス=オムモグか?)我々人類を破滅に追いやりかねない不吉な翡翠の小像は破壊されねばならず、その像を安全に破壊するための儀式が、ミスカトニック大学に所蔵されているアルハザードの禁断の『ネクロノミコン』に記されているという。

この『ゾス神話群』には、ときに『黒の書』と呼ばれる『無名祭祀書』におけるフォン・ユンツトの論述 ― <大いなる古きものども>の家系と系譜についてのうんざりさせられるほどの詳細な説明、及び旧神による<大いなる古きものども>の追放や投獄についての詳しい解説まで掲載されていて、その膨大な情報量には読んでいてマジで発狂しそうになる。


このあまりにも冒瀆的で凄まじい書物を読み終えた頃には、私もあのスティーヴンスン・ブレイン博士のように毎夜クトゥルーの落とし子たちの悪夢にうなされることになるであろうか?
そして、どこからともなく聞こえてくる亜人間たちの何やら地獄めいた、ブツブツいう「いだ=やあ いそぐさ くとぅるう なぐ」なる連祷の幻聴に悩まされぬよう、最近は常にiPhoneのBGMで耳を塞ぐようにしている。
その連祷こそは、<イソグサ>や<ゾス=オムモグ>に仕えているという、怪物的な長蟲めいた存在ユッギャを讃える歌、『ユッギャ賛歌』にほかならないのだ!


私は頭がイカれたか、イカれかけている。
イカれた莫迦なコープランドの畜生め!『クトゥルーの子供たち』ってなんやねん!『イソグサと愉快な仲間たち』ってなんやねん!
莫迦めが!てゆーかオリックス劇場ってどこですか!?おい、聞いてるのか?!
こ、殺せぇぇぇぇ~~、ウォルター・ベッカー・・・メガ・ペッカーを殺せぇぇぇ~~~~~!!!

神よ!私は見た!

ユッケを・・・・・ユッケを見たんだ!!


ん?これは、2年前のなんばHatchで観たUK来日公演での話だったか・・・
どうも頭が混乱してて、ゴチャゴチャになっている。


今日の1曲:『最後の無法者』/ STEELY DAN
コメント (4)
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オリックス劇場はどこですか?

2014年12月25日 | コンサート
上原ひろみ THE TRIO PROJECT 「ALIVE」JAPAN TOUR初日の圧巻の奈良公演から約1ヶ月。
で、日曜はそのツアー最終日の大阪公演へ、寒空の中オリックス劇場へと赴いた。
またもチケット確保はツレに丸投げで、今回は4列目ど真ん中!とまたも良席に恵まれた。
先行チケ獲ってくれたじょにい氏に感謝還暦!!

ところが、今回もまたやらかしてもーて、オリックス劇場がどの辺だったかわからんくなって、本町をウロウロ道に迷うハメに。
まぁこの会場でライブ見たのは、確か8年前のCocco「ザンサイアン」ツアー以来だったからなぁ。だいいちそん時はまだ厚生年金会館やったんよ。
その前はメガデスの「クリプティック」ツアーの時だっけ?とにかく普段この会場には滅多に足を運ばなくてかなりブランクが空くワケなんですよ。
今回の開演時間は17時とかなり早めだったにも関わらず、4時半頃に本町の商店街のマクドから出て10分もありゃ行けるだろと余裕ぶっこいてたワケよ。
でもなんか御堂筋を北へ北へと進んでしまって「ん?ここどこだ?なんかヤバくね?」てな展開に!
私の今回の最大のミスは筋を間違えてたこと。御堂筋じゃなくて、四ツ橋筋だったのだ。
で、50くらいのコンビニのおっちゃんに聞いても、茶店の若いねえちゃんに聞いても「オリックス劇場」という名称が通じんのだ。
「厚生年金会館のあったところ」と言って初めてわかってくれる。
ライブとか滅多に行かん人やったら、「オリックス劇場」って名はまだまだこの界隈でも浸透しとらんのやろね。

17時過ぎになんとか到着。このクソ寒いのに汗ダクダクですわ。


15分ぐらい開始時間押すんやないかと期待したんだが、会場入りするとすでにメンバーがステージに出てきて盛大な拍手を受けてるところであった。
慌てふためいて自分の席に行こうとすると係員に「1曲目が終わるまでここでお待ちください」と制止される。
ダッシュでいけば間に合うと思ったが、諦めてその指示にしたがい、ドア通路の袖から鑑賞。
クソ!なんて日だ!

結局2曲目も間を置かずに始まったもんだから、着席するタイミングを逃しそこで見るハメに。
いや、でもここからはサイモン・フィリップスの裏側からの演奏姿がよく見えてまんざらでもなかった。
1曲目「Warrior」からサイモンかなりヤンチャなプレーしてるなーっと、奈良公演の時とはかなり違った印象を受けた。
まぁ普段大したリスクも冒さず、自堕落な人生を送ってきた虫ケラのような私が世界屈指の名ドラマーに対してこんなこと言うのはおこがましいにも程があるが、奈良でのプレーが素晴らしかっただけに今回のサイモンのプレーはかなり頂けなかったかと。
やっぱ最終日でネタつきていたのかもしれない。長期ツアーの疲れもあったのだろう。
ニック・メイスンかみたいなお粗末なフィルとか、信じられんようなミスショットもあったし。

こんなことぬかすと刺されるかもしれないが、奈良公演での席が極上過ぎたのであろう、4列目ど真ん中という良席にもかかわらず今回の席に少々不満を覚えてしまった(贅沢な)。
アンソニーが真正面でプレイしてるのに、前の席の人の座高が高すぎて全然見えんくて、サイモンの顔はライドに隠れてしまっていた。
第2部で隣りに座っていたおじいちゃんの姿がなぜか消えていたのでだいぶ見やすくなったけど。
で、ひろみちゃんとサイモンが左右の方向でバトルを繰り広げるもんだから、テニスの試合見てるような見方になってしまって少し集中力を欠いた。

あと後ろの列に座っていた、終始感情を爆発させていたヒューヒュー野郎の存在。
盛り上がるのは大変結構だが、メンバーのちょっとしたアクションにいちいち「ホォー!!」とか「ポウ!!」とか、しまいにコール&レスポンスみたいな掛け声までやりだして周囲の者の気分をだいぶ害していたかと。
特に被害を被っていたじょにい氏はかなりブチ切れていたご様子。
ひょっとしたら、サイモンが調子出なかったのはこいつの的外れな掛け声のせいだったかもしれない。


セットリストは奈良公演のとほぼ同じ
アンコールで「LIFE GOES ON」やってくれたのが救い。



つるべ。



「ALIVE」JAPAN TOUR全21公演お疲れ様!!



また3人揃ってのライブあったら行きたい。
今度はオリックス劇場へ道に迷わず行くからね!


曲の70%ほぼ同じフレーズで延々と繰り返すアンソニーの左右の二人に対して「もっとやれ、もっとやれ」と煽るかのような渾身のプレイは圧巻であった。



今日の1曲:『MOVE』/ Hiromi The Trio Project
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チャリティーウーマン

2014年12月16日 | まったり邦楽
Cocco商店より、素敵なブツが届けられた。

『CoccoシングルCDスペシャルパンチ』。

2011年東日本大震災直後、Cocco×映像クリエイター陣による完全自主制作映像作品『東日本大震災救援企画・Cocco Inspired Movies』から3年。
その第二弾は、Cocco×ミュージシャンによる新曲音源2曲を収録したシングルCD。
まぁ根岸孝旨、大村達身、椎野恭一、堀江博久と、おなじみのCoccoサポートメンバーで、×(コラボ)というほどのことではないとは思うが。

本作には、ライブでしか披露されていなかった「希望の光」と、新曲「ドラゴン気流」の2曲を収録。
今回も作品の売り上げ利益は、全て東日本大震災の義援金として寄付されるとのこと。

この企画作品のことはニューアルバム入手時にすでに情報を得ていたが、まぁ急いでネット予約することもないかと放っていた。
で、滅多にチェックしないミクシのCoccoコミュの雑談トピ(Coccoファン同士のやりとりは昔からなんか殺伐としてて苦手なので)をふと見てみたら、そこでCocco商店より<<特別セット>>なるものの限定ヴァージョンが出ていることを初めて知り、今まで利用したことのなかったCocco商店にすぐさま登録して慌ててこの商品を発注した次第である。

<<Cocco商店特別セット>>には、こっこ店長によるマーク印付き手書き謝辞、Coccoデザインのポーチ、Cocco直筆(プリントでない)サインカードがついてくる。


まぁCoccoファンなら、こっちを買わない手はないだろう。
もう通常盤の方を買ってしまったって人も、商店特別セットを新たに買い直してみては?
今ならまだ注文可能みたいなんで。
http://coccoshowten.com/shopdetail/000000000085/

Coccoの直筆サインがもらえて、少しでも東日本復興支援の足しになると思えば全然痛くはないだろう。


震災の1年前か・・・この名曲を桜井と亀田のバック演奏でやっていたとはね。相変わらずMCがナイス。



今日の1曲:『強く儚い者たち』/ Cocco
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エベエベ嗤ってまたベスト。

2014年12月07日 | やっぱりメタル!!
人間椅子4枚目のベスト盤『現世は夢』がディスクユニオンから届く。

前回のベストは20周年記念で今回のは25周年というわけだが、アルバムのほとんどを所持している古参ファンからしたら、これらをいちいち購入するのはお布施以外のなにものでもない。
でもなんで購入するのか?それは新曲が何曲か入ってるから。そしてなんといっても人間椅子が好きだからにほかならない。
5年ごとにベスト盤出すとか、ちょっとはこっちの身にもなってくれとも思うが、出す側からしたらそんなことは知ったこっちゃない。
そもそもベスト盤というものは、古参ファンのためではなく、これから人間椅子の音楽を聴いてみようかなっていう人のためのガイド的なものである。文句言うなら買わなければいいだけの話。
特に今回はオズフェスト出演効果により一気に増えた新参ファンには恰好のベスト盤と言える。
だからして、最近よくライブで演奏される曲を意識してセレクトしたと思われる。古参ファンからしたら、もうその辺の曲ライブでしてくれんでもええわ的なセレクトとも言えるが。

初回限定盤の特典、25周年記念オリジナル手ぬぐいのデザインの良さも、悲しいかな、大いに購買意欲をそそられた。



でも、こうも思えるんですよ。
オズフェストで人間椅子を知った新参ファンは、フェス後(もしくはフェス前)に20周年ベスト買ったか借りるかしたんでねべが?ってね。
それを最近の4枚のアルバムからの曲を追加しただけの同じようなベスト盤また出されてもねぇ~って思ったんじゃねべが?

そこで私は考えたんですよ。古参ファンも新参ファンも納得する周年アイテムを。
オズフェスのでもいいし、今年のツアーのでもいいし、最近のベストライブ映像を編集したDVD一枚と、新録及び未リマスター音源を収録したCD一枚をセットで出すっていう。
これだったら、今回の5000円っていう無慈悲な値段設定でも納得できたかと。
まぁこんなことここで書いてもどうなるわけでもないですけどね。


最近の作品からのセレクトが増えたせいで、2nd~7thのまさに黄金期ともいえる人間椅子が一番創造力に富んでいた良作からのナンバーがほとんどハズされてしまっているのは残念というほかないが、イカ天時代のインディーズ盤0th『人間椅子』からの2曲「陰獣」、「神経症I LOVE YOU」がリマスターで復刻されたのはよかったと思う。なぜ「猟奇が街にやって来る」をハズしたのかは理解に苦しむが(次のベスト盤用か?)。

0th『人間椅子』。音はペッチペチだが、初期ならではの味があり「桜の森の満開の下」の森の妖怪が歌ってるかのようなエフェクトVoなどは最高。
手作り感満開の歌詞カード内の竹中英太郎を彷彿とさせる版画挿絵も秀逸。




気になる新録4曲だが、まだそんなに聴き込んでもいないので感想は割愛させていただくが、今回私が最も注目していたのが、やはり「宇宙からの色」。
言うまでもなくラヴクラフトの小説をモチーフにした前作収録「時間からの影」に続くタイトルまんまクトゥルーもの第4弾である。

『宇宙からの色』は、創元推理文庫刊行『ラヴクラフト全集 4』に収録されている。
アーカムに住むある農家の井戸付近に宇宙から飛来した奇妙な隕石が落下してから、その周りに生えている草木を始め、農作物、家畜などに不穏な影響を与え始め、その農家の家族の者まで次々と精神を病み発狂してしまうといった、神話的クリーチャーなどは登場しないが、まさに宇宙的恐怖というべきラヴクラフト本人も自信作と謳っていた傑作ホラー小説である。
ミスカトニック大学の調査員によれば、その落下した隕石からは、既知のどんな色とも異なる名状しがたいスペクトルを発していたという。

今回のベスト盤ジャケも、なんとなく「宇宙からの色」あるいは「隕石」を彷彿とさせてはいまいか!

PVも作製された。




今回の新曲については、ウェブロックマガジンBEEAST連載の和嶋慎治氏のコラム『浪漫派宣言』(最終回!)で詳しく解説されてます。
http://www.beeast69.com/column/wajima/117475

最近の和嶋氏の言葉は正しいんやろうけど、やけに説教めいてて私にとっては耳が痛いってゆうか、苦手なんだけど、実に頼もしい言葉もこのコラムの最終回に残してくれています。

「H・P・ラヴクラフトの小説をモチーフにした楽曲は、これからも作り続ける所存だ。受けようと受けまいと、それこそしつこく。喜ぶべきは、ここ最近海外からメールや問い合わせが来ていること。世界中にラヴクラフトのファンがいることを勘案すれば・・・」

てかアルバム20枚近く出しててクトゥルーもの4曲ってのが今まで少なすぎたんよな。
てっきり1998年の名曲「ダンウィッチの怪」以来、ラヴクラフトとか、そういうSFホラー曲から足を洗ったものとばかり思ってたけど、今回のPVでは「The Colour Out of Space」と、英語表記のテロップなども表示してかなり海外クトゥルーファンを意識した作りとなっている。
フフフ・・・これから楽しみになってきたな。

DU特典の特製人間椅子ブックカバー。とりあえず『ラヴクラフト全集』を包んでいる。



今日の1曲:『宇宙からの色』/ 人間椅子
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ケイオスDJ

2014年12月04日 | DJはじめました。
先週の土曜日も、先月ハロウィンパーティでDJ参加した例のロックバーにて周年パーティが催されるということで、特にDJイベントをするというアナウンスもなかったにも関わらず、仕事終わってから東大阪へと赴いた。

おそるおそる店のドアを開けると、店内では懐メロ歌謡で盛り上がっており、なにやら80年代昭和歌謡大会みたいな様相を呈していたので、一瞬来たことを心から後悔した。
しかし、ママに強引に中央のカウンター席に座るよう促され、いきなりテキーラをつきだされる。

私の座った席には、吉田栄作のセクシープロマイドが飾られてあった。ウウウ・・・


店のDJ席には顔見知りのメタルDJさんが陣取っており、この日はやっぱDJ大会ってわけではなく、どうやらメタルDJさんがママからとりあえずBGMを任されたらしく、今回は昭和歌謡をテーマに設定しているようでiPodにふんだんに詰め込んだ己の青春歌謡ナンバーを気の向くまま好き放題流している様子だった。まさにヤツの独壇場であった。
私の場合、一応80~90年代は思春期真っ只中だったが、歌謡曲、邦楽の類はほとんどスルーしてたため、この辺のナンバーかけられても全然ノスタルジーを感じられないのはどうしようもない。
周りには知り合いもおらんし、このいかんともしがたい状況のまま終電時間までガマンしなければならないのかと、半ばヤケ気味に目の前のテキーラをグっとあおってぶっ倒れそうになった。

すると、ママが気を利かせてくれたのか、「シャブくんも(ここでは“シャブ=ニグラス”というアンホーリーネームで通っている)CD持ってきてんのやったら、後でDJやりいな」と救いの言葉を投げかけて下さり、そのとき跳び上がらんばかりに歓喜した(ただし、あくまで平静を装って)のは言うまでもない。

周年イベントということで、電気グルーヴの「Happy Birthday」を一発目にもってくることは心に決めていたので、その流れで今回は打ち込み括りということで以下のようなセットリストとなった。

1.「Happy Birthday」/ 電気グルーヴ
2.「Don't Stop The Music feat.森高千里」/ tofubeats
3.「N.W.O.」/ MINISTRY
4.「NIGHT FLYGHT」/ Perfume
5.「One Man Army」/ PRODIGY & TOM MORELLO
6.「FREE SATPAL RAM」/ ASIAN DUB FOUNDATION
7.「Sugarless Girl」/ capsule


その後のBGMも任されることになって、DJ用の30分枠のCDしか持ってきておらず、急遽i-phoneにラインを切り替えてのセレクトとなったが、容量的に普段自分が聴く用のアルバム(癒し系とか暗黒神話系)しか入ってないためここからパーティ用の楽曲を選ぶのはかなり困難を要した。
それでも、ビースティの「SABOTAGE」やドナルド・フェイゲンの「I.G.Y.」(とにかく有名なやつ)、いっぱいいっぱいになってヤケクソでクリムゾンの「21世紀の精神異常者」。


今回流した中で一番反響があって、私自身も自信を持ってセレクトしたのがこれ。

The Prodigy & Tom Morello - One Man Army


この曲は、サントラ『SPAWN THE ALBUM』に収録されているプロディジーと元レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタリスト、トム・モレロとのコラボナンバー。
リアムの打ち込むぶっといビートに、トムの「BULLS ON PARADE」イントロを彷彿とさせるトリッキーなギターフレーズが切り込むこの絶妙な名コラボはカッコいい以外の何物でもない。
このコラボは、フジロック97年のレイジのライブステージにプロディジーの面々が飛び入り参加したあの嵐の中の伝説のパフォーマンスを思い起こさせる。

このサントラ自体、ハード&ラウド系のバンドとテクノ/ドラム&ベースなアーティストとのコラボレートを趣旨とした企画アルバムで、他にマリリン・マンソン&スニーカー・ピンプス、メタリカ&DJスプーキー、ヘンリー・ロリンズ&ゴールディー、スレイヤー&アタリ・ティーンエイジ・ライオットなど、錚々たるコラボアーティストが名を連ねているが、正直出来が良いのはプロディジー&トムのと、マリリン・マンソンのくらい。
実際劇中で使用されてるのもこの2曲くらいだったと思う。




『スポーン』は、アメコミ作家トッド・マクファーレンが生み出した人気アメコミキャラのひとつであるが、まぁアメリカ版デビルマンといったところだろうか。
1997年に実写映画化されており、若気の至りか当時このスポーンにいたく入れ込んでて、もちろん映画も劇場に見に行った。
当時としてはCGがかなりクオリティが高く、オープニングからなかなか凝った作りで、特にスポーンが深紅の巨大なマントをヌラヌラとはためかせるシーンは実に見応えがあった。

Spawn 1997 Movie Trailer


ただ、制作費をかけた割には興行成績が芳しくなかったのだろう。その後、続編が作られることはなかった。
確かにダークヒーローすぎて内容が暗すぎたのかもしれない。
今だったら、クリストファー・ノーラン監督あたりがメガホンとったら、いい感じのものが撮れるのではないかと思うのだが。


敵キャラのクラウンが大のお気に入りでフィギアも持ってる。


クラウンがバイオレーターというクリーチャーに変化するシーンもよかったなぁ。

もうすぐクリスマスということで。


今日の1曲:『One Man Army』/ PRODIGY & TOM MORELLO
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