AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

episode 2 La+の箱

2018年05月20日 | ミノフスキー粒子
まぁ今回は、前回よりも東京遠征ライブついでにお台場にガンダムを見にいくタイミングが実によかった。

実はここダイバーシティでは4月下旬からGWにかけて、「実物大ユニコーンガンダム立像」 初のプロジェクションマッピング『TOKYOガンダムプロジェクト2018 ガンダムプロジェクションマッピング“UC NexT 0100”』というのを開催していたのである。
当初は、夜に赤い光を放って角割れに変形する姿を拝めればええわと思ってただけやったのに、こいつは棚ボタって感じ。

だからユニコーンの足元には、すでに大勢の人だかりが出来ていた。
みんな地球の重力に魂を縛られた者たちばかりだ。
三脚を立ててその様子をバッチリ動画で収めようというものも何人かおった。


私が観たのは、1日3回あるうちの21:30の最終回。ほんまギリギリやった。
観衆の今か今かと息をのむ緊迫した雰囲気の中、壮大なオーケストレーションと共にサイコフレームの演出ともいうべき光のイルージョンがスタートした。

インスタ映えやねぇ。



ダイバーシティの施設の壁には、宇宙世紀に入ってからの連邦とジオンとの血塗られた死闘の歴史映像が映し出されていたが、ユニコーンの撮影に必死でまぁあんまりそっちには目がいかなかった。

バナージかと思ったら、何だカミーユか・・・しかも、男か・・・・
「カミーユが男の名前で何が悪いんだ!俺は男だよ!」



私がヘタクソなんじゃない!後ろでコロニーが地球に落ちた振動のせいだ!



そして、ディーバな劇中歌と共に、いよいよNTDシステムが作動し、ユニコーンが赤い光を放って角割れに変形!
この煽りを食らって、足元の見物人の何人かは死亡したかと。



デーーーーーーーーーーーーーン!!



・・・・まぁ、変形アクションそのものは、映画であったような、ケンシロウが怒りにまかせて自分の上着を破く時のような豪快さはなく、わりと地味ではあったが、いやいや、ここまでアナハイム社の技術が進歩したのは画期的なことである。
こりゃ人類が宇宙に出て、モビルスーツで殺し合う日も近いぞと。


変形してからもサイケデリックな光に彩られるユニコーン。
バックで流れてるブンブンサテライツのエンディングテーマが映える。

川島さ~ん、天国から見てる?



ちょっとバンシィっぽいか?



変形するところは私も動画で収めてたが、ブレアウィッチプロジェクトばりに映像ブレまくりなので、誰かがアップしてくださった下の4K映像をどうぞ。



そして、全てのプロジェクションマッピング演目が終わり、照明がフッと落とされた時、私の後ろにいたお兄さんが思わず一言「やっぱガンダムはいいなぁ・・・」と、感嘆の声を漏らしていた。


確かにこの後ろ姿、いい・・・



で、ここが「ラプラスの箱」が保管されている場所かと思われたので、中に入ってみることにした。
そう、私は箱の解放を望んでいるのだから!!



その箱の中身はというと・・・クッキーだった。

う~ん、ガンダム。



今日の1曲:『BROKEN MIRROR』/ BOOM BOOM SATELLITES
コメント (2)
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episode 1 暗礁宙域ダイバーシティ

2018年05月19日 | ミノフスキー粒子
日比谷野外大音楽堂での長丁場の屋外フェスっていうやつを十二分に満喫した後、アゲアゲ野外クソフェス野郎どもに別れを告げ、休む間もなくいちもくさんに虎ノ門駅に向かい、地下鉄に乗って新橋、そっからゆりかもめ線でお台場に向かったこの私の目的が何だったのかというと、まぁもう皆さん上の写真見て「やれやれ」とため息つかれたかと思われます。

そう、ラプラスプログラムの示した最終座標が、この東京の暗礁宙域ダイバーシティだったからにほかならない。
ここに、私が4年前『ガンダムUC episode 7』を劇場で鑑賞しても解き明かせなかった“ラプラスの箱”の秘密が隠されているのだと。

GW中とはいえ、さすがにこの時間帯からゆりかもめ線に乗ってお台場に向かう乗客は少なかった。
まぁここいらの住民くらいだろう。

切符が青い・・・・ラル専用みたいでテンションあがった。



お台場の地に足を降ろしたのは、これで2度目。
前回この地に来たのも、やはりこいつの偵察目的だったっけ・・・・



あの時も確かイット・バイツ来日公演ついでだった。
お台場に早朝に乗り付けて、ガンダムはまだ開発途中だったんだ。
あれからもう9年か・・・


お台場の駅に着いて、まぁ夜も夜だし辺りは真っ暗でどこがどこだかさっぱりわからんかった。
前回もだいぶ迷ったが、今回も同じくらい台場をさまよった。しかも今回はひとりだし徒歩だ。

フジウルクォイグムンズハー



にしても、このお台場というところ・・・・
GW中ってこともあって、とにかく家族連れや外人が犇めいていて、しかもリア充感がハンパなかった。
リア充どもの論理が支配する世界とでもいおうか・・・・
どこを歩いててもGWを満喫してる者どもで溢れかえっており、チャラチャラしたイルミを横目で見ながら「この世界は一度さっぱりさせないといけないのかもしれないな」という、ルサンチマンめいた思いに耽るのであった。


しばらく歩いてて左舷の方向を見やると、向こうの方にほの赤く光る熱源体を発見したので、「あれや!」と思い早足で向かったら・・・・

ここはニューヨークか!アメ村か!(怒)関係ないやろ!しょーもな!


このマガイモノにつられてこっちの方向にきたのがいけなかった。
でっかい建物を2軒はしごしたが、リア充施設しか見当たらなく、ドツボにはまっている感じだった。
ユニコーンのNTDシステム最終作動時間も迫ってきていたので、お台場に来たことがないクソ田舎モンと思われるのは屈辱だが、それでも!意を決してそこいらのゲーセンの店員にたずねることに。

「あの・・・ユニコーンのあるところどこですか?えっとほら、アナハイム社が開発した・・・・“角割れ”って呼ばれてる・・・」
ゲーセンのオッサンは最初「はぁ、何言ってるんだよ、このクソ田舎もんが」みたいな訝しげな顔をしていたが、「でっかいガンダム」というキーワードでやっとピンときたらしく、実は駅降りてから全く逆の方向に歩いて来ていたことが判明した。
足がもう棒状態でしんどかったが、それでも!元来たルートを引き返し、こことは(フジテレビはさんで)裏っ側のダイバーシティとかいう施設へと急いだ。


えっとここは、去年ギルボアじゃなくて、ギルモアの絶響ライブを上映したハコで・・・・
向こうで光ってるのが・・・ハコのカギだ!!



ユニコーンガンダム・・・・
そいつはそこに立っていた。
まだ“角割れ”になっていない、まさに一角獣の姿で。




こいつはニュータイプを感知することでガンダムタイプの姿に変化するという。

さて問題は、私に明確なニュータイプの素養があるかどうかだが・・・・


つづく・・・・


今日の1曲:『狂気の世界』/ David Gilmour
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スーパーカルト登場

2018年05月13日 | コンサート
今年のゴールデンウィークは、ROVOという京都のバンドが毎年全国津々浦々で開催している『MDT Festival』なる野外音楽祭を観に、東京まで遠征してきました。

まぁ今年はこのフェスのチケット、他府県からの音楽好きも殺到し、凄まじい争奪戦になったかと。
GW中の開催ってのもあるが、とにかく面子が凄い。
前回すでに記事にも書いたGOMA & The Jungle Rhythm Sectionの参加もナイスだが、なんつってもゆらゆら帝国解散以来、ほとんどライブ活動をしてなかった坂本慎太郎くんが、約8年振りにバンドセットで参加となると、こりゃもう日本中が大騒ぎっすよ!
私の場合、ゆら帝の最後の方のライブは全然行ってなかったから約15年振りくらいになる。
ソロになってからの坂本くんのライブもずっと待ち望んでいたから、こりゃもう行かない手はないと。
そして、運良く(まぁ姉に丸投げだったが)先行抽選に当たり、この野外フェスを観にいけることに相成ったわけだが。


開催場所は日比谷野外大音楽堂。
まぁいつもの通り、夜行バスで移動して茶店でモーニング食って新宿でディスクユニオンで盤漁りしてから霞が関に向かった。
日比谷野外大音楽堂は行ったことがなく、霞が関のオフィスビルや官公庁施設にぐるりと囲まれた日比谷公園の中にあって、現地に着いて昼メシ食う所に迷った。
物販の先行販売で欲しいTシャツもあったのでテキトーに吉牛ですませて会場に向かった。




当日は見事な晴天。日差しが暑かった。



先行物販はにわかに行列が出来ていたものの、思ってたより人少なかった。
この人数なら十分欲しいものが買えるやろうと思っていたのが、なんと欲しいものの先行販売がやってなかった。
私の欲しいものといえばもちろん坂本慎太郎グッズにほかならない。
なんとフェスのオフィシャルTとROVOのオフィシャルTしか先行で売ってなかったのだ。
売り場の向こう側をみると、坂本くんの物販ブースが見えたので近くのスタッフに指さして「あそこの先行はやってないの?」と尋ねると、「開場してからになりますね」とサラっと言われた。
「なんであっちは先行で売ってくれへんの?」とイライラしながら訊くと、スタッフもイラっとした様子で「今回はROVOのフェスなんで」と。
はぁ?ROVO主催のフェスであってROVOのフェスと違うやろ。ROVOのフェスやからROVOの物販売上優先てことか。
ったく、なんのためにディスクユニオンの盤漁り早めに切りあげて現地入りしたかわからん。
しかもチケットの整理番号1950番やし絶対ムリやん。




ほれみい!!



まぁ一応顕微鏡デザインTシャツは買えたけど、狙っていたのはクールなデザインのZeloneTシャツ。
少量販売だったので案の定即売り切れたみたいだった。

最初からなんやけったくそ悪い思いで姉にとってもらっていた席に向かうと、なんと中央の最後列席。
ただ、このフェスけっこうゆるめのフェスで、ドリンク食べ物持ち込みOKで、なんか席も自由に移動してよかった。




ステージを見ると、すでにおびただしい数の打楽器類がズラッと並べられてあり、どうも全出演バンドの楽器が予めセットされていて、徐々に楽器をかたずけていくというシステムみたいだ。なるほど、その方がセットチェンジもスムーズだしね。



そして、トップバッターのGOMA & The Jungle Rhythm Sectionのご一行がステージに登場。
ワーーっと会場が湧き上がる。
ドラム、パーカス、ジャンベからなる強力なリズムセクションをバックに、GOMAの原始的なディジュリドゥの音色が日比谷に響き渡る。
そりゃ野外フェス好きのオーディエンス達はドンチャン騒ぎですよ。
それにしても、GOMAはなんか盛り上げ上手になったなぁ~、まぁ一種のパフォーマーですよ彼は。




私もちょっとこのサウンドは前の方で体感せんとあかんと思って、その場を移動。なんぼでも前の方に行けた。
やっぱ音が違う。全員電子楽器じゃないからこの生のサウンドはやっぱ前の方じゃないとその迫力は十二分に体感できない。

前の方に移動して気づいたのだが、柵で囲ってある最前エリアの客がどうも様子がおかしいと思ったこと。
まぁ音楽フェスだし浮かれ騒ぐのはいいのだが、人の事言えんけどどうもにわかっぽいのだ。
おそらくだが、なんかのコネでいい番号のチケが回ってくるVIPな連中で、こういうのがいわゆるパリピという類の人種かもしれん。
GOMAの演奏の最中に、みんなでステージをバックに堂々と集合写真撮ったり、ペチャクチャしゃべったりと。
さっき先行物販並んでて私の前にいた集団の客がそのVIPエリアにおって、並んでる時「ゆらゆら帝国の予習してきてねえんだよ~」という耳を疑うような会話が聞こえてきて唖然としたのだが。
こいつら今日ゆら帝の曲演ると思っとんのかと。たぶんソロは聴いていないのだろう。


まぁこういった連中はどのライブにもおるしいちいち気にしてはいられない。
いよいよ待ちに待った坂本バンドの登場である。

セットチェンジの時、気づいたらすでに坂本くんがステージに現れていてチューニングを始めてた。
いったん後ろの席に戻っていたが、もういてもたってもいられずすぐまた前の方へ移動。

坂本くんがSGかけている!もうそれだけで感動!



サポートメンバーもぞくぞくと登場。
ドラムはやはり菅沼雄太氏。ベースはOOIOOのAYAさん。そしてパーカス兼サックスは西内徹氏。



それぞれ入念に音合わせしてるなぁと思ってたら、いつのまにか曲が始まっているというジャムセッションのようなカッコいいスタート。
坂本くんがスティールギターの音をピヨ~~ンっと鳴らした瞬間会場がワァーーっと湧き立つ。
もうみんなこの瞬間を待ち望んでたんだね。

1曲目は「思い出が消えてゆく」。
坂本くんの歌が入ったところでも再び喚声が湧く。

それにしてもポップでオシャレなサウンドだ。
菅沼氏の繊細で軽やかなドラムも最高だし、徹さんのサックスも渋すぎる。
AYAさんの弾むようなベースもいいし、彼女のコーラスがまたとても機能していて素晴らしい。
このバンドの面子ははっきり言ってズルいですよ。ベストメンバーつうか、みんなカッコよすぎる!
坂本くんも、ゆらゆら帝国の時よりわずかながらオーディエンスとの壁が薄れたような気がする。
「めちゃくちゃ悪い男」の時、リズム隊の演奏が始まって、チューニングにてこずってなかなかギターが入らない場面で、客席に向かって「ちょ、ちょっと待って」と言って場が和んだ時にそれをなんとなく感じた。




「幽霊の気分で」が聴けた時は、興奮というより「ああ、ほんと東京まで来てよかった」っていうしみじみとした幸せな気分になった。
「仮面をはずさないで」んときはもうピークって感じ。とにかく演奏隊が素晴らしい。
そういや徹さんがサックスソロ吹くたびにも喚声があがってたな。
やっぱこのバンドは素晴らしいよ。もっと全国的にライブやればいいのに。
是非フルセットで聴きたい。


残すは今フェス主催者のROVO。
ROVOの存在は知ってはいたが、ライブも見たことなかったし曲も知らなかった。
アルゼンチン音響派という種類の音楽だということは姉から聞いていた。

で、ROVOを初めて体感しての感想だが、なかなか難しい音楽をやっているなと。
アヴァンギャルドで即興性が強くトリップ感もあるけど、気持ちいいというまでにはいかない。
なんかスゲェなという感じ。
スペーシーな鍵盤の音と、けたたましいヴァイオリンの響きがカッコよかった。
でもなんだが疲れる音だ。ツインドラムのせいかもしれない。
まぁでもものすごく盛り上がってた。

光の演出はよかった。



まぁこういう音楽なら最後GOMAとのジョイントもありなんじゃないかと思ったが、どうやらそんな気ぶりはなく一応アンコールまで観ていたが、ちょっと21時に別件の用事があったので終演を見届けることなく会場を後にした。
虎ノ門向かって歩いている時にもまだ会場の外に演奏が聞こえてきてて「長い曲やなぁ~」と。


とにかく、今回はこっちではなかなか見れない坂本くんのライブが見れてほんと東京まで行ってよかった。
ほんといいライブが見れた。


今日の1曲:『ディスコって』/ 坂本慎太郎
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マスヒロさんやっとかめ

2018年05月07日 | コンサート
今回、神戸での『ExProg×078』というマニアックな日本の地下プログレ祭に、中途半端なプログレ趣味の私が観戦する気になったのは、KADATHという名のバンドが出演するからという理由以外に、もうひとつの決定的な動機があった。

それは、このイベントに人間椅子の低迷期にして黄金期を支えたドラマー後藤マスヒロ氏が現在在籍するプログレバンド金屬恵比須が東京よりゲストで出演するからにほかならなかった。
(昼間は三宮のHMVでインストアも行ったそうだ)

金屬恵比須の存在は以前より知っていた。
数年前、マスヒロ氏は人間椅子脱退後どうしているのかなぁ~っとネットで調べてたら、どうやら金属恵比須なるこれまた和製タイプのけったいなバンドに加入したとかの情報が入ってきた。
まぁでもその時はYOU TUBEでライブ映像か何かを見て、なんかピンとこなくてそのままうっちゃってしまった。




会場に赴くと、やはりマスヒロ氏目的の人間椅子のTシャツを着てる方が何人かいらした。
何を隠そう、私も前回の『異次元の咆哮』ツアーのねぷた絵Tシャツを着て本イベントに臨んでいた。
椅子のTシャツって、こういう時にしか着れないしね。

金屬恵比須はわりと長年演ってるバンドでありながら、関西でのライブは今回が初なんだとか。
マスヒロ氏自体、関西の地にやってきたのは人間椅子での『怪人二十面相』ツアー以来なんだって。
思えば私自身人間椅子のライブでのマスヒロ氏のドラミング姿を見たのは2~3回だったか。
確か『頽廃芸術展』ツアーで京都磔磔で見たのが最後だったと思う。
『羅生門』ツアーの時、まだサポートドラマーだったマスヒロ氏のドラムプレイを初に拝見した時は、「メチャメチャ巧い人やなぁ~」と感心してたのを覚えている。




本イベントのトリを飾った金屬恵比須は、女性ヴォーカルを擁する5人編成のプログレバンド。
他の出演プログレバンドと違い、基本歌モノ曲中心。

ステージには4台の鍵盤が組み立てられ、ギターもダブルネックなど数本のギターが運ばれてきた。
ヴォーカル席にはタンバリンや木魚などのパーカスが数点。
で、やはりドラムセットの上左右にはチャイナシンバルが2枚配置された。
戦国時代ののぼり(武田信玄の家紋?)も5本掲げられ、なかなか物々しいステージセットで演出にもこだわりがあるよう。




で、ライブがスタート。
まぁ初見だったし楽曲も全然把握してなかったので、ずいぶん騒々しいバンドだなと。
なんかいろんなことしてるみたいだが、各プレイヤーの自己主張も妙に強くってバランスが悪いというか、何をやっているのかわかりかねた。
女性ヴォーカルもどうもピンとこなくて、全体的にそれほどプログレっぽさも感じなかった。
どちらかというと古典的なハードロックに和製感を中途半端にのっけた感じというか。
人間椅子か陰陽座みたいなバンドを目指していて、どっちにも成れなかったみたいな。
ただ言えることは、他のどのバンドよりもキャッチーだということ。




マスヒロ氏はもっと叩きまくるのかなと思ってたが、割と普通のハードロックドラムだった。
ただ、どのバンドのドラマーよりもパワフルで音がシッカリしてたのはさすが実績が違うなと。

チャイナも相変わらずしばきまくっております。



まぁでも他のプログレバンドと違い、メンバー間の和気藹々とした馴れ合いムードなところもあって、人間椅子在籍時はライブ中一言もしゃべることなどなかったあのマスヒロ氏までMCにけっこうつっこんだりして、なんか仲良さそうだった。
ライブの終盤では、途中でレインボーの“Stargazer”とかサバスの“In To The Void”のフレーズをぶっこんだり、客席に手拍子を求めてきたり、ええじゃないかみたいな変な振り付けを強要してくるという、ちょっと私の苦手なノリではあったが、ほんとライブをとことん楽しもうという意欲的な姿勢は、ちょっとしんどいなと思いつつもなんだかエネルギッシュだなぁと感心してしまった。


客もノリノリ。よいやさよいやさとかなり盛り上がっていた。



「風林火山」とプリントのはいったTシャツはなんやねんと思いつつ、マスヒロ氏の十数年振りの生ドラムが聴けてよかった。
お疲れ様です。



物販で猟奇的な入浴剤と、ジャケットの良さで選んだ(DU特典の帯も付いていたので)『阿修羅のごとく』というアルバムを購入。
マスヒロ氏にサインしてもらおうと人間椅子のCDも一応持参してきていたが、なんか差し出せるような雰囲気ではなくてよう出さんかった。



家帰ってCD聴いてみると、新録2曲とライブ音源3曲のミニアルバムだった。
で、この作品に収録されてる曲は今回のライブで全曲披露されてたということが分かった。
それだけ金属恵比須の楽曲は一度聴いたら忘れられない妙なインパクトがあったということだ。

レコーディング音源を聴くと、わりと整合感があってかなり練られた楽曲だということがわかり意外とハマってくる。
ライブではちょっと苦手かなと思ってた女性ヴォーカルもいい塩梅。
今度フルレンスを買おう。





今日の1曲:『阿修羅のごとく』/ 金属恵比須
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未知なるカダスを神戸に求めて

2018年05月03日 | ルルイエ異本
4月下旬、例の病気で内視鏡的バルーン狭窄拡張術というのを受け、その術後の後遺症でCRP定量が一気に上昇しほぼ絶食状態だったのもようやく回復したので、久々に心斎橋のプログレバーに寄ったのだが。



そこで寡黙なマスターが「明日神戸に“カダス”って日本のプログレバンドを見に行くんですよ」と、私に話しかけた時は一瞬耳を疑ってしまった。
まぁ従来私のような中途半端なプログレ趣味の人間には、日本の地下プログレバンドなんぞに興味を示すような習性はビタ一文持ち合わせてはいないのであるが、その心騒がされる“カダス”という不吉なバンド名を耳にして、そのまま聞き流すわけにはいかなかった。


凍てつく荒野の未知なるカダス・・・・・・・
ボストンの夢想家ランドルフ・カーターが、深い眠りの中の国で彷徨い辿りついたという禁断の地。
その計り知れない高みの頂には、インクアノクの石切り場から採石された縞瑪瑙の城塞が築かれており、地球の神々がナイアーラトホテップの庇護の下で居城として棲まっているという。
カダスの所在については諸説あり、恐るべき禁断の魔道書『ネクロノミコン』では中央アジアの高原モンゴル近くに位置するとされ、一方で南極にある未知の山脈(狂気山脈)に位置するという説もある。


かつて奈良の二条大宮に「カダス」というビューティーサロンがあることを知り、現地に駆けつけたら見事スペルが違っていたという苦い過去がある。


なのでマスターに一応スペルを確認したところ、「KADATH」とまさにぴったり符合した。

それでもバーには決定的な資料はなく、意気をそぐマスターの助言や、解読あたわざるほどに古い『ナコト写本』や『フサンの謎の七書』もさして助けにならないことに失望したものの、家に帰ってネットで「KADATH」というキーワードで検索してみると、すぐにプログレバンドKADATHのHPに辿りつくことができた。
http://www.kadath.jp/

そして彼らの1stアルバムのタイトルを見て、私の不吉な予感が見事的中していたことを確信したのであった。

『The Dream Quest of Unknown Kadath』
まんまやなぁ・・・・



朝帰りの翌日、気づいたら私は『ラヴクラフト全集 6』を携え、神戸三宮の地に向かっていた。
そう、未知なるプログレバンド、KADATHを神戸チキンジョージに求めて!



今回のライブは、神戸発のクロスメディアイベント「078Kobe」の一環として行われる、NPOレーベルJPRG RECORDS主催の「ExProg×078」というプログレッシヴロックフェス。
まさにオッサンのオッサンによるオッサンのための音楽祭だ。
これには4グループの日本のプログレバンドが出演参加していた。

私が会場入りしたときは、ちょうどトップバッターのプログレバンドの演目が終演を迎えんとしていた。
その次がお目当てのKADATHの出番であった。
客層は原始神母以上にオッサン率高めで、後から入った私でも中央のテーブル席に座れるくらいの集客であった。


KADATHは山口県出身のインスト主体のプログレバンド。
ただ、MC担当の人のしゃべりは「~あんしたぁ」みたいな長州なまりな感じではなく、普通の関西弁だった。
厳かな雰囲気のSEで演奏がスタートし、私の不埒な期待は大いに膨らんだ。




超弾きまくりのギタリスト菅原氏の、メフィストフェレスを意識したかのようなシアトリカルな衣装から、独特の世界観の持ち主であることを窺わせた。



で、このバンドではイアン・マクドナルド的な役割を担うサラリーマン風の石井氏の存在感にも目が離せないものがあった。



なんとスティックもこなすマルチプレイヤー。時折菅原氏とのポリリズミックな演奏も見られたが、タッピング奏法を活かした高速プレイはなく、わりと地味で微妙な役割だった。



4バンドの中では一番整合感があり演奏もまとまっていて、実にプログレハードな演奏を聴かせてくれた。
実は最近プログレマニアの間でもけっこう話題になってきているのだとか。
ただ、凍てつく荒野の未知なるKADATHというバンド名を冠してる割には、いささかその音楽面において宇宙的恐怖の深淵を感じさせる要素が欠如しているようなもの足りなさを感じた。
そこにはングラネク山で無貌の夜鬼が上空から舞い降りてゴム状の腕でこそばし攻撃を仕掛けてくるような恐怖感や邪悪さはなく、まぁ楽曲的にはロマンティシズムやドラマティック性に重きをおく、どちらかというとドリーム・シアターに近い健全なタイプのテクニカルプログレバンドだ。

物販で2ndアルバム『煉獄楽団』、そしてKADATHステッカーも購入。
残念ながら1stは置いてなかった。どうも再プレスしてないみたい。



まぁ菅原氏が愛読書であるラヴクラフトの小説から「カダス」という名称をただバンド名に拝借しただけで、その暗黒神話の世界を音楽で表現しようとまでは考えてないというのが真相なのかもしれない。
一歩間違えればヴィジュアル系にしか聴こえない歌モノのラスト曲「乾きゆく旅人」の歌詞内容をはじめ、「狐」、「死神」、「鬼」など、ただ日本の和的な名詞を付けただけの曲名を見ても、クトゥルー神話的な要素はほとんど感じられないし、人間椅子やモービッド・エンジェルのように、あまりそういう楽曲のコンセプトや雰囲気作りには重きをおいていない感じがする。
アルバム内容は、全体的にクオリティの高いドラマティックな粒揃いのプログレハードな楽曲が並ぶ。

ただ、クトゥルー好きとしては、せめて「ヘイ!アア=シャンタ!ナイグ!」くらいのフレーズはぶっこんでほしかったかと。




今日の1曲:『死神』/ Kadath
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