AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ギオンの脅威

2013年07月17日 | 名所ガイド、巡礼記
TICAのライブの行きしの電車で、やたら浴衣姿の女子が目につくなと思たら、そういや京都ではちょうど祇園祭の真っ最中だということに気がついた。
長年京都に住んでいるけど、祇園祭なんてほとんど行ったためしがなく、新入社員時代に会社が京都駅前で、イベント好きの同僚とその彼女の付き添いで行ったのが最後だったと思う。んで、人混みが鬱陶しくて蒸し暑くて発狂しそうだったという記憶しか残ってない。
なんでわざわざあんなむさ苦しい処へ行きたがるのかと、その浴衣連中を横目で見ながら気の毒なゲドニーのことを考えていた。

TICAのライブが終わって、夕方雨が降ったせいか、例年よりも京都市内は結構涼しかったので、時間もあるし京都駅まで歩いて地下鉄代をケチるかと、堀川通りをタラタラと南下していった。
そして四条通りに差し掛かると、なにやら異様に賑やかな雰囲気が漂ってきて、向こうの烏丸の方ではチンチンシャンシャンと、まだ盛り上がっている様子ではないか。「アホどもがまだ浮かれ騒いでんのか?」と思いつつも、足が勝手に提灯の灯りの方に向かっておったので、「ま、ついでやから一枚くらいデータおさめて帰るか」と、笛太鼓の陽気な音色に誘われるかのように、フラフラと人ごみの中に溶け込んでいってしまったのであった。

車道には浮かれ騒ぐカップルや親子連れでゴッタ返しており、四条通りはもはや無法状態。


あっというまに、群衆に囲まれ「これはマズい」と思った時にはもう遅かった。かき氷の店では飢えた餓鬼どもが行列を作ってヨダレを垂らしながら自分の番を待っており、集団でむやみに大声を張り上げるヤンキーどもや、棒に刺したキュウリを丸かじりする浴衣姿の淫らな女子たちに囲まれた私は、もう生きた心地がしなかった。
私の精神がガラガラと音をたてて崩壊しはじめようとしていた。このままでは正気を失ってしまう!今すぐここから脱出せねば!

しかし、そこで私は折れそうな心をなんとか奮い立たせ、こう決意したのだった。
「ミハル、俺はもう悲しまないぜ!このウカレポンチどもみたいなのを増やさせないためにも、ギオンを叩く!徹底的にな!」と。


とかゆうといて、雰囲気にのまれて唐揚げ買い食いしてんじゃねぇよ!
いや、小腹がすいてたので。腹が減っては戦はできぬってね。
見た目は美味そうだが、塩味が足りなかった。もしかしてタムラ料理長が?



とうとう定番のフランクフルトにまで手を出してしまった(しかもファミマの)・・・・・
これも塩味が足りない。塩がなければ戦力にひびくぞ。



あまりの人いきれに耐え切れず回避行動をとると、なんだかやたらと雰囲気のある石畳の袋小路に迷い込んでしまった。
しまったぁぁーーー!これは罠だ!

はいはい、いかにも女子が好きそうな、はいはい。



こういうのに弱いんだろ?好きなんだろ?



やっとの思いで無事袋小路を抜けると、通りでまたなにやら街燈にたかる蛾のように、提灯群の周りに人だかりができてやがる。
あれは、ギオンの新兵器・・・・・・?

だ、駄目だ!前へ進んじゃ駄目だ!光と人の渦がと、溶けていく・・・あ、あれは憎しみの光だ!



突如、船首にゴールドメッキの絢爛豪華なる鳳凰を戴く、ムサイ級巡洋艦“船鉾”が現われた(拝観料700円)。
こ、これが、ギオンの威力なのか・・・



しかし、なんだな。結果今までで一番祇園祭りを楽しんでしまった。

いや、このあましん、戦いの中で戦いを忘れた。

不覚・・・・なんたる不覚・・・・・


今日の1曲:『Mr.サマータイム』/ 武田カオリ
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ネオンナイト

2013年07月15日 | コンサート
先週、難波のファーストフード店でサイフを紛失するという痛ましいアクシデント後の傷心を乗り越え、TICAの久方ぶりの関西三都巡行ライブを見るべく、京都は二条に赴いた。
思えば神戸のライブイベントで、たまたまTICAのライブを目撃し思いがけず魅了されたのが、10年前のちょうど今頃だった。

京都の会場は、「NEON FOREST JIJI」というところで、ライブハウスではなくアートギャラリー感覚のオサレなバーらしかった。
http://salamu.jp/neon-jiji/
「結婚式場の間の路地の奥、ネオンの光を頼りに.....」という店側の曖昧な案内メール文を頼りに行ってみて、その辿り着いた場所を目の当たりにし、愕然となった!
「これは・・・・何かの間違いではないか?」と。

な、長屋やんけ!


おそるおそる硝子の格子戸を開けて店に入り、店主に予約名を告げると、何の確認もせず「どうぞどうぞ」と案内される。チケ代は後払いとのこと。
中のネオンアートをみて、2年前和束市でのイベントで展示されてたオブジェのデザインと同一のものであるとすぐに気づいた。あの時はLEVEL7のライブを見に行った時。で、ここのマスターはそういったアーティストと繋がりのあるイベンターの人であることを知った。



店の雰囲気はさすが京都の隠れ家的なアートギャラリーをも兼ねたバーだけあって、TICAのライブを楽しむ場としては極上の空間を備えていた。
ただ、席の選択肢が限られてて、カウンター席では体勢的に見づらいし、後ろの席は小部屋が出っ張っててステージ全体が見えない。なので、もう最前席にいくしかなかった。
いや、TICAのライブを間近で堪能できるのはとてもいいのだが、グレッチのエレキ一本に歌だけという、この厳かな雰囲気の中で、この少スペースにこの少人数なので、物音ひとつ咳払いひとつ立てちゃなんねぇというプレッシャーが伴ない、とてもリラックスして見れるポジションではないのだ。



とはいっても、やはりTICAのライブは極上の雰囲気があって、祇園祭でピ~ヒャラピ~ヒャラと浮かれ騒いでいる三条、四条通りとは対照的に、その夜二条では京都でただ一つの静謐とした奇跡的な空間が生まれていたのではないかと。
曲目も“Minning For Gold”、“Prophecy”、“I Shot The Albatross”など、お気に入りナンバーのオンパレードで、特に“Johnny Cliche”~“Sunday Afternoon”をアルバム通り連続で演奏された時(この2曲はセットで聴くのがいい)は、まさに至福の瞬間であった。
カオリさんの歌も、ライブが進むにつれてやはり深みが増してくる。ギター一本でこういう雰囲気の中で歌うのって慣れてるとはいえ、結構難しいと思うんやけどね。



武田カオリさんの昨年のソロアルバムの曲のほか、アルバム未収録の“What a Wonderful World”や“Moon River”などのスタンダードカヴァーも演奏され、“Moon River”演奏後、マサユキ氏が「この曲はおそろしくいい曲だよね」「オードリー・ヘップバーンのヴァージョンは超えられない」と言ったのに対し、カオリさんが「なんか遠回しにダメ出しされた感じなんですが」とボヤいていらしたのがウケた。
いや、“ポリリズム”は置いといて、カオリさんのヴォイスにかかったらどんな曲だってオリジナルにはない別次元の深みが生まれると思うのだが。ライブ中も「オジー・オズボーンの“Goodbye To Romance”とかカヴァーしたらおもしろいんやないか」とひとり考えてた。



最前の席に座っていたのは私を含め3人いたのだが、アンコールでTICAがCHEMISTRYに曲を提供して、カオリさんがデュオってるナンバー“アンドロメダ”が披露された時、私の横に座っていたお兄さんがなぜか「ププッ」と笑いを押し殺していた姿を見て、「この反応・・・よくわからないが、この人相当好きなんだな」と確信をもった。

『the CHEMISTRY joint album』

終演後、後ろを振り返ると見たことあるミュージシャンの面々が数名いらした。いってしまうと元DETERMINAITONSの人たち。そしてTICAのメンバーとの談笑が始まった。ここらで退き時だなと思って店を出る。
今回のライブはオフィシャルサイトにも情報が載ってなくミクシィ情報でたまたま知ったのだが、後で考えるとこの京都でのライブは、関西にライブに来た“ついで”だったのではないかと。で、せっかくだからウチの店でも演ってってよとイベンターでもあるJIJIのマスターが招待したんだと思う。そんで仲間内だけでも楽しめたらいいかみたいなノリのライブだったのだろう。

いや、極上空間のいいライブであった。同行してたカオリさんの息子(5歳くらい?)が、我々の面前でエキセントリックなダンスを披露してくれるという(今後も母の応援よろしくお願いします的な?)オマケもついて、二条まで来た甲斐があったというものだ。




今度こそは、バンド編成で、是非。


今日の1曲:『Prophecy』/ TICA
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ダニエル坊や

2013年07月09日 | コンサート
なんだかんだ、結局『Perfume World Tour 2ndイギリス公演』のライブビューイングを見に、難波まで足を運んでしまった。
ライブビューイングつっても、実際ライブ終わってから12時間後の第二部のVTR映像だ。リアルタイムの早朝4時はムリ。
まぁ、今回は数少なきPerfume理解者のサムソンを伴っての鑑賞だったから、行く気になったのだが。
あと、エレクトロに耳のこえたヨーロッパのファンに、どんなプログラムで挑んでくるのか、非常に楽しみでもあった。

劇場に着くと、別の館ではガクトのライブビューイングも上映するみたいで、女子たちがけっこう犇めいていた。
その中にダボダボのPerfumeツアーTで気合十分のアラフィフおっさんの姿も認められた。Perfumeの客層はやはり老若男女。

春のJOURNEY武道館ライブビューイングんときはみな大人しく座って鑑賞してたのに対し、Perfumeの場合はそうはいかんだろうとは予想してたが、案の定ライブが始まるや「ワーーーっ!!」っていう歓声が沸き起こると同時に、ほとんどの者が立ち上がり始めた。私の座席前でも3人ほど立ち上がってしまったが、ま、それでも十分座って鑑賞できた。
イギリスの会場は2000人規模の、3階まであるオペラハウス風のヨーロピアンなハコだった。
客席にはチラホラと東洋人の顔が見受けられて、やっぱ日本からかけつけてる熱心なファンも何人かいるんだなと。ま、逆に日本でチケとるよりこっちの方が確実にとれるとは思うが、あなたたちもお好きですね。というほかない。

オープニングは、すでにYOU TUBEで確認済だったのですぐにそれと察したが、先月のカンヌ広告祭の舞台で披露された“Spending All My Time”の厳かなイリュージョン・パフォーマンスだった。

Perfume Performance Cannes Lions International Festival of Creativity


館内のサウンドは、JOURNEYを見たときの西大和ワーナーマイカルよりは断然マシだった。臨場感は・・・・やっぱなかったな。
個人的にライブ映像で初にお目にかかれたのは“Magic of Love”と“だいじょばない”くらいか。主要な曲はほとんど演奏されたし、“SEVENTH HEAVEN”などレア曲もとびだしはしたが、曲数も少なく、アジアツアーでは披露された“edge”や“NIGHT FLIGHT”などの鉄板エレクトロチューンが外され、私がもしイギリス人ならかなり不満の残る内容だったと言わざるをえない。PTAのコーナーとか、海外のファンはどう思ってるのかな?私が昨年ライブのこのコーナーでTRFやB'zを流されて興冷めしたように、「Perfumeのライブまできて、別に“We Will Rock You”なんてベタな曲合唱したないわ」って思ってるかもしれん。ま、彼女らなりのファンとのコミュニケーションのはかり方なんだろうけど、このコーナーはもうちょっとなんとかしてほしい(しないと思うけど)。

本国でのMCタイムは間延びして苦手だが、海外ツアーで恒例となった、MCを日本語が解かる客に通訳させる(考えるとド厚かましすぎる)コーナーはけっこう面白くて、今回はいかにもチェリーボーイなイギリス青年ダニエル君が抜擢され、緊張のせいかマイクの角度がヒップホップみたいに上がり気味でナイスキャラだった。Perfumeのメンバーも3人が好き勝手しゃべりまくって「手プルプル震えとるよ」などと、無償で訳してもろとんのにかなりおちょくりぎみで、女はやっぱり怖いなと思った。シンガポールでのウメさんの扱いとえらい違いだ。

あと、興味深かったのが、アンコールでスクリーンにPerfumeの曲が3曲表示され、その中からイギリスの客にラストソングを1曲だけ多数決で選ばせるというもの。でも、このやり方って、けっこう残酷だよね。
曲は、
・Nee(「ねえ」むこうの人は「にぃ」と発音したのではないか)
・GLITTER
・love the world

「う~ん、個人的にはこの中やったらGLITTERしかないな」と思っていたら、イギリスの客も“GLITTER”が一番反応がよくて、メンバーも「え?この曲知ってくれとるん!?」って、驚いていた(じゃあなんで抜粋したんだ?試したのか?)。
まぁファンの間ではどういった曲が人気なんかはリサーチできていないが、Perfumeは少し自分たちのファンを見くびっているのかもしれない。
やはりカップリング曲の方に異常反応を示すのは、他のアーティストのファンとはちょっとちがう傾向だと思う。

今回失敗したなと思ったのが、上映中終始大声でペチャクチャしゃべってるアホな連中の前に座ったこと。曲1曲ごとにこいつらのどうでもいい解説が入って鬱陶しいこと極まりなかった。こういう輩はどこにでもおるな。
あと、鑑賞者に配られたピュレグミを座席のドリンクホルダーに置き忘れてきたことかな。

これはツレの。



その後、サムソンとPerfume談義で大いに盛り上がったことは言うまでもない。
うん、私は今回これが目的で大阪に来たのだ。




今日の1曲:『GLITTER』/ Perfume
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ヘーイジョーの怪

2013年07月07日 | アーマの発狂日誌
その日、私は日本最大にして最高の近未来テクノユニットのイギリス公演のライブビューイングを見るべく、こころもそぞろに最寄り駅に向かう途中だった。

そこはちょうど京都と奈良の県境にあたる混沌とした場所。

その脅威は突如として訪れた!
駅前の、太古より血なまぐさい儀式が頻繁に行われていたという忌まわしい祭壇広場に近づいたときの事だった!
前方に、あの冒涜的な角をもつ心騒がされるベージュ色をした鏡餅状の巨大な物体を目にした私は、全身が総毛立ち、すくみあがってその場で動けなくなってしまった。

なんということだ・・・・


奈良県最大にして最悪のクリーチャー、鹿と大仏の冒涜的な異種交配の結果生み出された、唾棄すべき邪悪の混合物、せんとくんが現われたのだ!!

あたりはたちまち阿鼻叫喚、大恐慌に陥った。



この付近では人身御供の習慣が後をたたない。

生け贄として捧げられた無垢な子供たちを、せんとくんは無慈悲にも次々と飲み込んでいった!

我が子をせんとくんに供された気の毒な親はなすすべもなく、せんとくんの透過性の胃袋の中を覗きこむほかなかった。


いあ!せんとくん!



今日の1曲:『Hey Joe』/ Jimi Hendrix
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特集「インベーダーはいる!」

2013年07月05日 | ♪音楽総合♪
考えてみると、私は昔から“インベーダー”というものにずっととりつかれてきたような気がする。

インベーダーつっても、1980年初頭に喫茶店などでブームを巻き起こしたアーケードテーブルゲームのことではない(俺あれヘタやったし)。
ここでいうインベーダーとは、侵略者、つまり外宇宙より我々の住む地球への侵略を虎視眈々と目論む、地球外知的生命体のことである。

こんな話をすると、「またあましんの荒唐無稽なカルト話が始まったよ」って、鼻で笑ってバカにするいわゆる常識人たちの顔が浮かんでくる。科学で証明されないことは何も信じないって頭の固い輩だ。とにかく、地球の重力に縛られたアースノイドたちはイマジネーションに乏しい。
しかし、手塚治虫先生の描くマンガのように、ちょっと想像力を働かせてみてほしい。
この無限大に広がる深淵なる大宇宙に、地球人より何十倍もの知性を持った知的生命体など存在しないなどと、誰が言いきれるだろうか?

UFOの目撃情報は、世界各国で報告されているし、実際私も数年前、奈良の若草山をデート中に、そこから望む生駒山上空にて異様にギラギラと光る物体が、左から右へと残像を残しながら瞬間移動するという怪現象を目撃している。おそらくそこに居合わせた人たちも鹿たちも、あれは見ていただろう。

その他にも、ヒマラヤ山脈やアンデス山脈で目撃されている、地球でしか採れない鉱物資源を採掘しては、秘密裏に彼らの前哨基地であるユッグゴトフ(冥王星)に持ち運んでるという、ピンク色の菌類生物<ミ=ゴ>の存在。
超銀河より、精神だけで時空間を移動し、その惑星に住む生命体に精神移住を繰り返す<イースの大いなる種族>の脅威など、事例はいくらでもある。


ここまでいってもまだ信じないわからずやのアースノイド諸君は、以下に紹介する名曲たちをご視聴いただきたい。
これほどのミュージシャンたちまでもが、インベーダーの存在を示唆しているのである!


♪『Invaders』 / IRON MAIDEN


アイアン・メイデンの3rd『魔力の刻印』(1982年作)収録。この作品はUKチャート1位を獲得するというセールス的にも大ヒットを記録した名盤中の名盤。
中学生の時、タイトル曲のPVを見て一発で気に入り、伏見の大手筋商店街のレコード屋に買いに行ったことは今でもよく覚えている。しかしアルバムの一発目にきた“Invaders”の方が疾走感があってはるかにカッコよく、本作品で一番のお気に入りのナンバーとなった。
なんつっても今年3月に逝去してしまったクライヴ・バーのストレートながら、大胆かつパワフルなドラミングが痛快だ。学生の頃バンド仲間と何回か遊びで演奏したが、今振り返っても、ドラム叩いててこんなに気持ちいい曲はなかった。


まぁ、ここで歌われているインベーダーとは、宇宙人のことではなく、彼らの国イングランドに8世紀頃侵略してきたヴァイキング(ノルマン人)のことなんだが。「なんや、さっそく今回のテーマから外れとるやないかい!」との誹りを受けるかも知れんが、中学の時、この“Invader”という英単語は、宇宙人だけではなく、侵略してくるもの全てのことを指してるんだなということを初めて理解できたことは、私にとって非常に大きかった。
人間であれ、宇宙人であれ、我々は常に侵略者からの脅威にさらされていることを肝に銘じておかねばならないということを、この曲から学んだのである。


♪『侵略者(インベーダー)』 / 人間椅子


人間椅子にもインベーダーについて歌った曲が存在する。それは10thアルバム『見知らぬ世界』(2001年作)に収録されている。
宇宙人が地球に侵略してくるという、中学生が描く妄想のような歌詞は、手塚治虫のマンガ『ブラックジャック』の第87話「侵略者(インベーダー) 」によく似たエピソードが描かれているが、ひょとしたらこの話がヒントになったのかもしれない。
つか、ギタリストの和嶋氏自身、若い頃にUFOにアブダクションされた経験の持ち主であるとかないとか。



人間椅子の「侵略者」。
一見バカバカしい歌にも聞こえるが、演奏はハンパなく凝っていて、間奏部分ではまるで宇宙からの信号音のような和嶋氏自作のテルミンを駆使した幻惑的なギターソロが炸裂する。マスヒロ氏のタイトなドラミングも秀逸。
和嶋氏はこの頃、ヘンテコな装置を背負い、銀色の宇宙服みたいな奇妙奇天烈なコスチュームを身にまとったりして、真剣に宇宙人(ウンモ星人?)との交信に入れ込んでいたようだ。



♪『インベーダーインベーダー』 / きゃりーぱみゅぱみゅ


てか、もう、彼女自身がインベーダーなのではないか?という疑念が日増しに強くなってきている。だいたい「きゃりーぱみゅぱみゅ」って名前自体、人間の持つ音声器官では発音不可ではないか!
デビューわずか2年足らずでヨーロッパ~アジア~北米と、8ヶ国18公演をまわるワールドツアーまで実現させてしまうこの浸透力は、やはり彼女が世界征服を目論むインベーダーである証ではないかと。

様々な姿で出没するきゃりーぱみゅぱみゅ
    

この曲にいたっては、「ダ・ダ・ダ・ダ・インベーダー」というフレーズが延々と繰り返され、意味の通じることは何一つ歌ってはいない。
しかし、世界は彼女の発信する宇宙的フレーズに踊らされ、陶酔し、狂喜している。
おそろしいことだ・・・・・・
現に、この私も彼女の虜になりつつあるのだから。


彼女は、たぶん・・・・いぇいいぇいいぇい・・・

劇的な・・・・みみみみみ・・・・み・ご・・・・・

ダ・ダ・ダ・ダ・・・・いわんこっちゃない・・・・・

ぱびゅぱびゅ・・・・(聴きとり不能)


今日の1曲:『インベーダーインベーダー』/ きゃりーぱみゅぱみゅ
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なんだこれ

2013年07月01日 | まったり邦楽
ぱびゅぱびゅ!!

みなさん、もう薄々お気づきかと思いますが、現在きゃりーぱみゅぱみゅにゾッコンである。
正直ヴァン・ヘイレンのライブ会場へ向かう途中も頭の中では、きゃりーの曲がずっと流れっぱなしだった。まぁ奇遇にもヴァン・ヘイレンの大阪追加公演日と、きゃりーのフルレンス第二弾『なんだこれくしょん』の発売日が重なってしまったのがマズかった。エディが大腸憩室炎にならなけりゃこんな鉢合わせにはならなかったんだ。
会場でもタワレコセールのきゃりーの団扇持ってる人おったし。

で、今回のきゃりー作品もゴキゲンだね。
前作は全体的にはフワフワしていて、前半ブっ飛ばし過ぎの後半ヘロヘロという感じだったが、今回のは曲の配置にも工夫が感じられ、全体的に密度の濃い内容となっており、一聴目は年のせいもあってか正直疲労感を覚えた。
今回ももちろん全編中田ヤスタカプロデュース。歌い手に、歌い上げずなるべく不要な感情表現をさせないのは、Perfumeと同じ手法である。ただ、今回はきゃりーの自由奔放なキャラに触発されたかのような色鮮やかな楽曲が並び、かなりヴァリエーションに富んでいる。
やはり、テクノポップという括りのある、最近すこし格調高くなってしまったPerfumeと比べ、きゃりーの方が振り幅が広く、今中田氏にとって色々なことが試せる格好の素材なんだと思う。

にしても、今回はキャラもんが目立つな。忍者にモンスターに宇宙人と、きゃりーの七変化ファッションショーといったところか。
auのCMでおなじみ“にんじゃりばんばん”なんか、忍者とかベタなテーマで、大和撫子な合いの手や和テイストな音色が散りばめられてかなりベタなんだが、やはりヤスタカ氏の作る楽曲には、それなりの整合感とポップセンスの良さがあってどこかオシャレ。だからギリギリのところで色モノに陥らないのである。
g.u.のCMで奇抜なカッコとインパクトだけっぽいサビのフレーズで「なんだこれ?」って首を傾げる人もいるだろうが、それだけで判断するのは早計というものだ。おそらく全体像を知れば、その楽曲のクオリティの高さがわかるだろう。スペーシーな電子音にブっ太いベースとグルーヴが炸裂した、ヤスタカ氏の真骨頂ともいえる、“インベーダーインベーダー”のミックスなんて絶品である。

まぁPerfumeと違って、私のまわりにはきゃりーの共鳴者などひとりもおらんし、アラフォーのオッサンがこの期におよんでこんな小娘の破天荒な楽曲にハマってるなんて、端から見たらヘンタイにしか映ってないのかもしれん。
ただ、きゃりーの曲を聴いてると、案外私の今まで聴いてきた音楽のルーツと繋がる部分が見え隠れしてくるのだ。素のままの何も考えてないようなヴォーカリゼーションが、一時期ハマったHALCALIと重なるのもひとつである。
応援団みたいな太鼓音で始まる電グルっぽい“み”などは、個人的にガーゴイルの珍曲“ぎ”(この曲も和太鼓で始まる)への回答ソングと勝手に思っているのだが、こんなふざけたような楽曲でもカーステで爆音で流すと、もう最高にクールなディスコサウンドとして脳内にズンズン響いてくる。まぁ一度夜中にコッソリあなたの愛車で試してごらんなさいよ。
そして、クールなエレポップサウンドが爽快なスイーツ称賛ソング、“さいごのアイスクリーム”の世界観は、小島麻由美の“ショートケーキのサンバ”で感じた、我の強い女の子の等身大の天然さと妙にシンクロしてしまった。


初回限定盤は、フォトブック仕様となっており、確かに中身は「なんだこれ?」って感じの写真が満載されている。
ちなみにロケ地は、伊豆しゃぼてん公園だそうだ。

なんだこれ?


ジャケット写真はこっちのほうがよかったと思う。


ここまでくると、もう岡本太郎の世界だな。



最近はギャルバンドですら、制服を身にまとったり、近年のアイドルみたいな卑猥な格好をして客の目を惹こうとする時代なのに、きゃりーは全く世間に媚びてない。むしろ“グロかわいい”なんていう新境地を開き、世界からも注目を集めるという。
ヤスタカ氏も多分そんなきゃりーの言動にインスパイアされて、どんどん楽曲のアイデアが浮かび上がっていくのだろう。


しかし、たかが大衆向けの歌番組の連中の「歌手ならフツーに歌うことが絶対条件」とか、口パク排除の動きをみせるといった中坊的な了見の狭さには、吐き気をもよおしてしまう。オマエらがどんだけエラいねん?
原宿からモデルとして出現した女の子が、ヤスタカ氏のような売れっ子敏腕プロデューサーをも巻き込み、ダンスやファッションなど、各分野のクリエイター達の創作意欲を刺激し、“Kawaii”という日本カルチャーを総合ポップアートの域まで高め、世界に知らしめたきゃりーの求心力ってのは、やはりタダものではない証拠だと思う。
そう、きゃりーぐらいの領域に達すれば、リップシンクであれ何でも許されるのだ。
あの故マイケルだって、ライブで口パクしてるぜ。





今日の1曲:『ファッションモンスター』/ きゃりーぱみゅぱみゅ
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