AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

石&ASKA

2016年07月20日 | 名所ガイド、巡礼記
Salyuの崇高なる歌声を堪能する前に、明日香村で回っておきたいポイントがいくつかあった。

明日香村といやぁ、石舞台古墳をはじめ、酒船石、猿石、亀石、二面石、鬼の雪隠など、謎めいた古代石造物の宝庫である。
我が敬愛する手塚治虫先生も『三つ目がとおる』、『火の鳥』などの作品の中で、これらの石造物に関して様々な諸説を発表している。
ならばその諸説が本当がどうか、我々手塚ファンが先生の意志を継いで現地まで赴き、その真偽を確かめねばなるまい。




我々が最初に向かったのは、亀形石造物のある場所。
ユーモラスな亀の形をした貯水槽があるというので、これは是非見てみたい。

どうやら有料らしい。また今度にしよう。



田んぼのあぜ道で亀石発見。やっとかめ!(名古屋弁で「お久しぶり」という意味)
これは私は人類誕生以前の地球に飛来した旧支配者の類のなにかだとにらんでいる。



そして竹やぶの中でこの謎の石造物を発見!
酒船石という、どうやら古代人が酒を造るためにこしらえたものだとされているが、はっきりしたことはわかってないらしい。


だが、手塚先生の著書『三つ目がとおる』の第一集の第四話「酒船石奇談」の中では、これはある薬を調合するための調合台であると、古代三つ目族の末裔である写楽が説いているのだ。
17種の原料をこの台で混ぜ合わせ生成された汁を人間に飲ませると、人間は生きながら人形みたいになり、死ぬまで命令者のいいなりになるという。
日本各地の巨大古墳はそうやってかつての支配者が奴隷人形になった人間を役使させ建造されたのだと。

そう、私もそれを試そうとここまでやってきたのだ!
アブトル・ダムラル・オムニス・ノムニス・ベル・エス・ホリマク・・・・・・



しかし、私は一つ重大なことを忘れていた。
その魔薬の調合に必要な17種の原料とその生成の仕方は、二面石の仕掛けの中に記されてあるということを!



今から二面石のある場所まで行くと、とてもじゃないけど音話祭のSalyu開演の時間には間に合わない。
仕方なしに今回は悪魔の薬の調合はあきらめ、石舞台地区に向かった。


ここも有料らしい。17:00を過ぎていたのでもう閉まっていた。
でも、上の丘みたいなところから見えるらしい。



石舞台古墳。
不細工な墓だと言われているけど、この明日香の緑の大地に堂々とたたずむその悠然とした姿と名状しがたい形状は、なんだか圧倒されるものがある。
ちなみに写楽はこの古墳の中で石焼きイモを焼くという大事件を起こしている。



で、なぜこんなむきだしになったできそこないのような墓になったのかというと、手塚先生はこう考察されております。
ここに埋葬された王さまは、きっと中途ハンパな気持ちで死んでいったのだと。
(『火の鳥 ~ヤマト編~』より)

で、こんなディズニーアニメのような突貫工事が行われたのだと。



この石舞台古墳に埋葬されたとされる王。



明日香村は小学生の時の遠足以来だったと思うが、駐車場もタダだしなかなかいい所だ。
そして、いにしえの古代石造物に壮大なロマンを見出すのもおもしろい。
空気もおいしい。
また昼寝でもしにこよう。

アブトル・ダグラム・オムニバス・ノムニス・ベル・エス・ホリマクル・・・・・・


今日の1曲:『STONE FREE』/ THE JIMI HENDRIX EXPERIENCE
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タダ&ASKA

2016年07月18日 | コンサート
3連休ど真ん中日の昨日は、奈良県明日香村で『ASUKA DESIGN WEEK』なる催しがあって、石舞台古墳地区のあすか風舞台では音と語りを楽しむ「飛鳥音話祭」というのが催されていた。
フリーイベントで、しかもそこにSalyuが出演するというんだからこれは行かない手はないと。
まぁ誘って同伴してくれそうなヤツも思い当たらなかったので、今回はあまり音楽に興味のない母親を接待することにした。




18時前に会場に到着するやいなや、ステージの方からこの緑地帯広がる歴史ある崇高な場所におよそふさわしくないガサガサした関西弁のしゃべくり声が聞こえてきた。
そういえば、まぁまぁ売れっ子だったのに最近引退するしないとかでよーわからん状態にあるお笑い芸人が独演会でこのイベントに招かれてたっけと。
遠くの方からその様子をのぞいてみると、かなり盛り上がってない感じ。
それでもその芸人さんは声を振り絞って手ぶり身ぶりを加えながら一生懸命熱弁をふるっていた。
しかもステージ上ではなく下まで降りてきていたので笑けてきた。


石舞台古墳見学してたら、ステージ方面からその芸人さんが「どうやって盛り上げたらええねーーーんっ!!」って叫びが聞こえてきたので笑けてしゃーなかった。
まぁ盛り上がらんやろな。
でもこれはこの芸人を呼んだ主催者側が悪いと思う。なんのメリットがあってこの微妙な感じの芸人をこのイベントに呼んだのかと。全くもってして意味がわからん。
そら本人も何をどう盛り上げてええんかと戸惑ったやろう。それでも一生懸命しゃべっていたその姿には少し好感がもてた。
トークショー終わってから客席までやってきて来客の人らひとりひとりに快くツーショット写真にも応じていたし。


そろそろ音楽の部が始まりそうなので、ステージの方へと赴いた。
入口でレジャーシートと団扇まで配布してくれはって、フリーでプロのライブが見れてなんていいイベントなんだと。

てかまたこいつか!


ドラムセットが用意されていたので、最初てっきりSalyuかと思っていたが、ローディーみたいな男の人らが3人出てきてサウンドチェックを始め出して、なんや地元のアマバンドの方々かと思いきや、この人たちがGAKU-MCとかいう名前はなんとなく聞いたことのあるもう一組の演者だった。
いや、ラッパーって肩書きやったからてっきりMC&ミキサーオンリーみたいなスタイルやと思ってたらバンド編成やったんね。失礼!
韻踏みまくりのポジティブシンキンなメロいラップ&客ノセ中心のMCスタイル。
まぁ音楽性の嗜好の相違はどうしようもないんやけど、ワンマンならいざしらず、最初から客にC&Rを求めてくるこの一体感の押し売りみたいなライブスタイルは私の苦手とするところで、かなりしんどいものがあった。
でもうちの母親はけっこう楽しんでた様子。彼らのかます軽めのジョークにも声を出して笑ってたし、「ラララ~~♪」みたいなC&Rにも付き合っていた。
まぁこの人とも性格も感性も全然違うんよな自分。母親はもう至って健全でオットリタイプ。よくこの人から俺のようなクソみたいな人間が生まれてきたなぁ。


ちょっくら席を離れて出店見学。



その後ろはこんな感じ。つかもう今にも雨が降りそうで気が気でなかった。



そして、約1時間くらいのGAKU氏の演目がようやく終わって辺りも暗くなってきて、これまたちょい長めのセットチェンジの後Salyu御一行が登場。



今回はいつもの名越氏(G)にコーラスのヤマグチヒロコさん、そして見たことないキーボードの人とSalyuという4人編成。
名越氏がペイジを思わせるバイオリンの弓でギターを奏で出し、Salyuの厳かなスキャットでライブがはじまった。
その神々しくも透明感溢れるのびやかなSalyuの歌声と、後ろの森をバックにした幻想的な照明の演出とが見事にシンクロして、この明日香の大地にとてつもない神秘を生み出していた。
今まで数々のSalyuのフリーライブは見てきたが、ここまで贅沢な環境でのライブはなかったと思う。

この明日香の自然に合わせたセットリストだったのかわからないが、「夜の海 遠い出会いに」、「Landmark」など、初期の割と声を張り上げる曲多めで後半戦大丈夫かと思ったが、「The Rain」で案の定ちょっと歌唱が不安定になっていた。
それでもヴォイスループマシーンを駆使しての、その場で自分の歌を多重ループさせる演出は素晴らしかったし、少人数編成&野外だからこそモロに脳に響いてくるSalyuののびやかな生歌は、屋内のワンマンよりも絶大なのだ。
知らない曲が1曲あって新曲かと思ったが、「My Memory」というどうやら以前ライブでは演奏されたことのある曲らしく(ライブDVDに入ってるのかな?)まだ音源化はされてない曲みたいだった。
この曲の時のSalyuの歌の調子がもの凄くよくて、楽曲の感じも今までの厳かで重厚な感じとガラっと違うタイプの曲でなんとなくグルーヴ感が加わり気分も少し高揚してきた。よし、これから盛り上がるぞーーっ!
だが、信じられないことに、次にリリイ・シュシュの「回復する傷」が演奏され、Salyuがメンバー紹介してライブはそれで終わってしまった(約45分くらい?)。
雨はやがて降りそうで降らぬまま・・・・

計5曲って・・・なんだよそれーっ!金返せー!(払ってないけど)


当然アンコールが起きた。Salyuファンのへこたれなさは知っている。
うん、多分あるだろうと思っていた。
しかし、しばらくするとSalyuがひとりだけステージに出てきて、もうスタッフが機材の片づけを始めたのでと申し訳なさそうに説明し、アカペラで1節だけ何か歌ってくれた。
Salyuはほんとに律儀な人だ。
しかし、覚えはあるんやけどこれ何の曲だったかなと、最後まで思い出せなかったのは私の不覚であった。




帰りに母親に今回のイベントの感想を聞いてみたところ、やっぱりGAKU-MCのライブは楽しかったとのことだったが、Salyuに関しては「聴いたことない音楽やったねぇ」くらいの感想しか返ってこなく、よかったという言葉すらなかった。

俺この人とほんまに血つながってるんやろか・・・自信なくなってきた。

それでもGAKU-MCでハッスルできたのなら、まぁそれはそれでこのイベントに接待した甲斐はあったかなと。



今日の1曲:『回復する傷』/ Lily Chou-Chou
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千日前宇宙(狂気!)

2016年07月10日 | コンサート
今年の2月頃にリリースされた人間椅子の新作『怪談 そして死とエロス』が全くといっていいほどハマらなかったので前回のレコ発ツアーは見合わせたが、今回の『地獄の道化師』ツアーは、味園ユニバースという千日前にある元キャバレーだったホールが会場で、あとツアータイトルが私が小学生の頃に読んだ初めての乱歩作品名(もちろんポプラ社)ってのもあり、なんだか心騒がされるものがあって、金曜で仕事終わってからだと開演にギリギリ間に合うか間に合わないかってな際どいスケジュールだったのにも関わらず参戦を決意した(つっても発券したのはライブの2日前だが)。


実は味園ユニバースには行ったことがなく、千日前のアーケードからちょっと外れた通りにあるビルということは確認してたがハコが何階にあるとかは確認してなくてちょっと不安だった。

あった。実にわかりやすくて助かる。


19時を余裕で回っていたのでビルの中入ったらすでに演奏音が鳴り響いていた。「雪女」が演奏されていてチラッと情報を得いてたのでまだ1曲目だとわかりホッとしたものの、「あのどんくさい車が道をふさいでなければ開演時間には余裕で間にあったのに・・・クッソーっ」と呪いつつ、ジトジト湿気で身体から湧き出る汗と雨水でグッチョグチョミックスの状態で会場へと急いだが、この味園ユニバース、どこを見渡しても電飾が気になってしゃーない。




物販ブース。気になってしゃーない。



まず会場の想定以上の広さとデカダンスな雰囲気に愕然となった。
なんだこのギラギラノンセンスな宇宙空間は?!


ステージには壁~天井一面に蛍光灯みたいなネオンがビッシリ張り巡らされていて、ここぞという時に(?)色とりどりにピカピカと光り出す仕掛け。その演出は昭和のパチンコ屋さながら。
しかしこれって、人間椅子に合ってるのか合ってないのか?かなり微妙であった。
鈴木氏も「なんかこの昭和で不思議な電飾がたまらないですねぇ。これが大阪の人のセンスですか?」って、おもしろがっていながらも少し戸惑っていた様子。

ただやはり、もともとキャバレーだったところなので人間椅子のようなドロドロとしたロックバンドが演るには音響設備の方があまり芳しくなく、いつも重低音を弾きだす鈴木氏のベース音もあまり響いてこなかった。
そのかわり生ドラムの音は抜けがよく、鈴木氏が「ノブくんがバスドラム蹴るたびにビビっております」と言っていた。
この会場の雰囲気に合わせてかよくわからんけど「平成生まれの人間椅子ではありますが、昭和っぽい楽曲を」といって「怪人二十面相」、「踊る一寸法師」などの乱歩ナンバー、「夜叉ヶ池」、そしてなんといっても「東京ボンデージ」がきたときは心から歓喜した。
このナンバーは十数年振りか、とにかく私が20代の頃に一度だけライブで体感した曲だったと思う。この曲はライブになると「蟲」と同様、エキサイトしたワジーのソロパートが長くなって秀逸なのだが今回もやはりそうであった。


この客の頭上にぶらさがっているプラネット電飾。まさにユニバース。
こいつもここぞという時に光ってしかも回り出す!よって客席めっちゃ丸見えになる。


この電飾の雰囲気に起因してるのか、「宇宙からの色」、「恐怖の大王」、「沸騰する宇宙」など、宇宙のことを歌ってるナンバーが多く演奏されたように思う。
他の会場では和嶋氏がテルミンを駆使した「天体嗜好症」が演奏されたと聞いて、宇宙ナンバーならこの曲か「宇宙遊泳」の方が宇宙的だろうと思った。

この味園の会場でもテルミンが登場した。
最初和嶋氏が試し弾きみたいな感じで鳴らしだし、テルミン使うなら「侵略者」とかだろうと思っていたのが、ベースのフレーズが鳴りだした瞬間「こ、これはもしや!!」と名状しがたい戦慄が走った!

「狂気山脈」だ!!

やっとだ・・・やっときた。
10代の頃京都で初めて見た人間椅子のライブの時以来、実に20数年振りにこの名クトゥルーナンバーをライブで聴くことのできた私は感激のあまり「テケリ・リ!テケリ・リ!」と歓喜した。
あの時のライブでこの曲と出会い、和嶋氏がMCでこの曲はアメリカの怪奇作家H.P.ラヴクラフトの作品を題材に作曲したという説明があって、私はそれから『ラヴクラフト全集』を貪り出したのだ。まさに私をクトゥルー神話の世界に引きずり込んだナンバーなのである!
あの時はまだ3rdアルバムリリース前だったので呆然と眺めてるしかなかったが、今回は思いっきり「狂気!」コールを叫べて至福の極み。
もう曲が展開する度に鳥肌が全身を駆け巡り、本当に今日雨足の中味園ユニバースに出向いた私の判断は間違っていなかったと、心からそう思った。そして、首を上下に振りつつも気の毒なダンフォースの事に思いを馳せた。

鈴木氏のあやかしのベースフレーズと語り部のような歌、重すぎない程よいドゥーミーなギターフレーズ、そして怒涛のスラッシュ展開と和嶋氏の歯切れよく力強い、それでいて和の節が感じられるヴォーカリゼーション、後半のブルージーなGソロ展開と・・・・これほどクトゥルー神話のオドロオドロとした宇宙的深淵とストーリー性を感じさせる絶妙な構成力とバランスのとれたクトゥルーソングもないのではないか?
この名曲に比べたら、もう最近のラヴクラフトナンバー「宇宙からの色」なんてダーレス作品レベルと言わざるを得ないだろう。




バーカウンターも心なしか、ヨグ=ソトホート。



そして私はソファ席でヨギ=オレンジをチビチビやりながらナニワキャバレーの宇宙的雰囲気を楽しんだ。



今日の1曲:『狂気山脈』 / 人間椅子
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