AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

恐るべき球体の集積物

2012年04月29日 | ルルイエ異本
ゴールデンウィーク初日。
屈辱的な阪神VS巨人の野球中継(どうした能見?ユー能見?)が終わった後、所用あって近所のイオンに出かけたが、まぁ遅い時間やのに店内は家族連れでゴッタ返しとりました。
ここいらに棲まう住民どもはホンマ、他に行くところないんかい。

で、私はというと、いつものようにKALDIで無料コーヒーをいただいてから、4Fのフードコートで魔道書に耽ろうと思ったが、その前にウンコをもよおしたのでトイレへとかけこんだ。
想定していたより長便になりそうだったので、そこできばりながら禁断の書の第7章「人類誕生以前に到来したもの」の断片についての註解の続きを読もうとカバンに手を伸ばしたところ、魔道書『ネクロノミコン』を家に忘れてきてしまっていることに気づいた。

トイレから出て、仕方ないので2Fをブラブラ散策していると、中央広場から私の心情を騒がせるなにやら不穏な配色の球体の集積物が目に飛び込んできた。
それは、この広場の雰囲気に固有ななにか、信じられないほど古くて邪悪ななにか、怖ろしい太古の冒瀆的行為と想像もままならない恐怖を暗示するなにかであった。




この異様な球体の集積物はまさか・・・・生身の人間が迂闊に踏み越えてはならない領域への門・・・
地球の時間と空間から、時空の外の地球の延長部へと通じる想像も及ばぬ彼方への入り口なのでは・・・!?



光り輝く虹色の球体の集積物・・・・それは時空間の最下のさらに彼方、核の混沌のただなかにおいて、原初の粘液として永遠に泡だっている、有害きわなりないヨグ=ソトースにほかならない。



オオオ・・・上空では、ヌラヌラとした触手を這わせながら、彼方より到来せし不定形のものの顕現が・・・!!
それは、すべての生物がまだ原初の軟泥から出現していない生命進化の段階における、おそろしいほど流動的な無定形の成長物のようにも見えた。


アラブの狂詩人アブドゥル・アルハザードの禁断の書『ネクロノミコン』の断片にこうある。

「ヨグ=ソトースは輝く球体の集まりであり、人間の創造を絶する異様な存在である。
ヨグ=ソトースは門であり、門の鍵にして守護者である。過去、現在、未来はすべて、ヨグ=ソトースのうちにて一である。旧支配者のかつて突破したところ、周期が完了して再び突破しようとするところを、ヨグ=ソトースは知る。」

しかるがゆえに、ものぐさなるイオンの民よ。いくら赤貧だからといえどもゴールデンウィークの初日から、軽率にもこのような呪われた場所に、自分らの子を連れていたずらに徘徊するのはやめよ。
このように天気のいい日は、山か海、あるいは平城宮跡にでも行って、バドミントンやチアン遊びなどの健全なる遊戯にでも耽るがよい。
もっとも山へいけば、千匹の仔を孕みし森の黒山羊シュブ=ニグラスの落とし仔である矮人族、そして海へいけば、大いなるクトゥルーの眷属<深きものども>に遭遇するやもしれぬ。
それでも“窮極の門”へといざなう外なる神であるヨグ=ソトースに出会うよりはよっぽどマシというものである。


ん?そういえば、私はこのイオンに何か大切な所用を果たすためにやってきたのではなかったか。
それは何であったか?

そうだ、思い出した。無料のピュアウォーターを汲むことであった。




おぞましいほどにおびただしい、球体の集積物映像である・・・・


今日の1曲:『EXTENSION』/ Salyu
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キキコレ

2012年04月26日 | プログレッシヴ草稿
先日の予定外のイエスライブ終了後、物販にえらいオヤジ臭漂う人だかりができていて、何かと思ったら新星堂がとっくに品切れ状態にあったと思われたイエスの紙ジャケSHM-CDシリーズ(こいつらがストックしてたのか、再プレスしたのか)を特典ポストカード付で売りさばいとるではないか!
まぁでも代表作2枚の音源は所持しているので、にわかの私には関係ないやいと思っていたのだが、今じゃ入手困難な紙ジャケリマスターホンマにいらんのかい?という、押さえ難い誘惑に気持ちがモラホラと騒ぎだし、気づいたらラス一になっていた5thアルバム『危機』を手に掴んでいたのであった。

つーわけで、今回で『危機』は4枚目。まさにキキキキキキキキーーー!!って感じ
中古で買った旧規格盤、ジャンク屋で見つけたアナログ盤、今は亡きWAVEで正規の値段で買ったデジパックリマスター、そして紙ジャケSHM-CD。
今回の紙ジャケ盤は、当時の表裏エンボス加工を再現した英国E式見開き特殊仕様となっており、このザラザラした手触りと、当時のLPの帯を再現したカタカナのイエスロゴに思わず心トキメいちゃう

ストレンジデイズ刊行の『イエス本』はほとんどジャケ買いだ。


プログレ聴き始めの高校生の頃、最初このアルバムを鑑賞したときは「なんかせわしないゴチャゴチャとした音楽やなぁ」と、しばらくは当惑するばかりであったが、聴けば聴くほどこの驚異的なイエスサウンドの深みにはまっていった。
ロジャー・ディーン描くこの緑を基調とした幻想的なグラデーション画をまさに具現化したかのような壮大なスケールと、アンダーソン、ブラッフォード、スクワイア、ウェイクマン、ハウという黄金期メンバーだからこそ到達しえた完成度の高さ。この各メンバーの目くるめく技のぶつかりあい、せめぎ合いに何度陶酔したことか!

尋常じゃないくらい格パートの自己主張が激しい音楽で、ここまで絶妙な音世界を創造しえた作品はそうあるものではない。大仰かつスリリング。しかしムダというものが一切感じられない、全3曲という大作主義の象徴のようなプログレモンスターアルバム。
アナログではA面全部を占める18分に及ぶ超大作の“危機”は4つのパートで構成され、地殻変動のごとき劇的な流れで展開していき、特に3パート目“盛衰”でのリック・ウェイクマン奏でるスリリングなキーボードソロはプログレ史上に残る名演!!
今回のイエスライブでも演奏されたアコースティッキーな#2“同士”も、アンダーソンの牧歌的な歌唱が秀逸で、中盤のウェイクマンの代名詞的な印象深いキーボードの音色は、後のプログレキーボーディストに多大なる影響を与えたのではないかと。
ラストの“SIBERIAN KHATRU”も、前作収録の“燃える朝焼け”に勝るとも劣らない(個人的には“朝焼け”より好き)スリリングな名曲であり、イントロの激しく切り込むハウのカッティングから、ラストの変則的コーラス技にいたるまで、息もつかせぬ尋常ならざるスリリングさにドーパミンがほとばしること必至。
今回のライブで演奏されなかったのが返す返すも残念であった。




今日の1曲:『Siberian Khatru』/ YES
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あましんアルカイック

2012年04月23日 | コンサート
金曜の晩にツレからメールが届いてて、「明日のイエスのライブに代わりに行ってくれへんか?」とのことだった。
メールに気付いたのが深夜2時だったので明朝事情を聞いてみると、どうやらここ一週間ずっと風邪をこじらせていて咳が止まらないのだとか。ちなみに彼は筋金入りのイエスフリーク・・・タイミング悪すぎもいいところである。
よって一生見にいくことなんてないだろうと思っていたイエスのライブに急遽私が行くことに相成ったわけなんです。
いや、プログレ四天王の1バンドを、8列目という良席で見れるなんて超ラッキーとは思わねばならぬのだが、ライブ行く前はかなり複雑な心境であった。
というのは、今ツアーメンバー、ヴォーカルはジョン・アンダーソンではなく代役で急遽来日したイエスのトリビュートバンドで歌っているというアメリカ人ヴォーカリスト。そしてキーボードがジェフリー・ダウンズという・・・こんなイエスのライブに期待しろという方が無理であろう。
そして一番ネックなのが、この私が『危機』と『こわれもの』くらいしかマトモに聴いたことがない“にわか”であるということだ。
正直イエスは四天王の中では一番馴染みが浅いバンド。そんな私などが行って、果たしてあんな長尺ナンバーの多いバンドのライブを楽しめるかどうか・・・

前の晩は3時間くらいしか睡眠とってなく、朝からイエスのベストアルバム流して予習やりもって(ってほとんど悪あがき)、寝ぼけなまこで他のイエスライブ参加者の連中と合流場所や時間などを打ち合わせたりしてたもんだから、連絡事項を聞き違えてウンコ漏れそうなくらいにヤバい状況に陥ったりして、行く前からてんやわんやであった。それでも我々の長年培ってきプログレッシヴな連携プレーでなんとかやりくりして時間通り会場に着くことができた。

会場は尼崎のアルカイックホール。
アルカイックホールなんて22年前のオーヴァーキルの初来日以来である。うん、街の様子とか、建物の外見とかも全然覚えてないや。

で、パーキングに車預けて会場に向かって歩いてたら、ギョッ!とする文字が飛び込んできた。



あましんアルカイックホール!?な、なんじゃそりゃ??俺やんけ!
なんという歓迎ムード・・・なんで今日俺が来るってわかったんだ?


よせやい、なんか照れるじゃねぇか・・・だから俺、にわかなんだって。


まぁ関西では周知の名称なんですが、尼崎信用金庫の呼び名なんですね。中学生の時「あましん僕らの貯金箱~♪」ってよくひやかしを受けたもんです。
つーかいつの間にかあましんの傘下に入っとったんやね・・・


会場に入ると、まさに関西中のプログレ親父大集合といった感じ。
ロジャー・ディーン画の3Dステージを想定してたのだが、スクリーンが一枚吊り下げられてるだけだった。
そして時間通りになんの緊張感もなくわりと普通にイエスの演奏会がスタート。
アンダーソンもどきのヴォーカルの人は雰囲気がリー・ドリアンに似ており、やはり本物ほどの透明感はなかったものの、全曲無難に歌いこなせてはりました。うん、似てる似てる。
「サンキュートーキョー!」と言ったあと、間違いに瞬時に気づいて間髪入れずに「オーサカー!」と言いなおしてる機転の素早さはさすが若いなと思った。
ハウ爺は見かけによらずシャンとしており、彼のわりとシッカリとしたMCを聞いて、ハウ爺は遠隔操作ロボットなんかじゃない!ということを確信できた。エレキ、アコギ、スパニッシュ、ラップスティールと、手を換え品を換えの多忙なプレイ、終盤にピョンピョンと飛び跳ねられたあのお姿は一生忘れられないだろう。
緊張感なしなしの“燃える朝焼け”スローヴァージョンで、ベースをガリガリと弾かれるスクワイヤ氏のどや顔。ジェフリー・ダウンズのメタボリックでみすぼらしい自信なさげな演奏姿。あ~あ、やっぱり自前のショルダーキーボードを持ち込んではりましたか
まぁ半分くらい意味わからんくて、ウトウトしておりましたが、有名な“Roundabout”や“ロンリー・ハート”では自然とテンションが上がり、普段やらない手拍子なんかやったりして、にわか丸出しでけっこう楽しんでました。



今日の1曲:『Roundabout』/ Yes
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

飛行機で駆けつける

2012年04月16日 | やっぱりメタル!!
もういっちょフィンランドメタル。
AIRDASHの88年作の1st『THANKS GOD IT'S MONDAY』。

まず、この高層ビルを背面跳びしてる黄土色のジャケがワケのわからんB級感を漂わしている。おまけにバンド名にバンドロゴもワケがわからん。
そして、アルバムタイトルが「ありがとう、神さま!月曜日です!」と、ますますワケがわからん。
実はメンバーに前回紹介したSTONEのギタリスト、マルック・ニラネンが在籍していたりする。

まぁジャケットのB級感をそのまんま表した感じの内容で、ザクザクというよりジャリジャリ感のある坦々としたクランチーなスラッシュメタルを展開している。
ヴォーカルはジョーイ・ベラドナを安っぽくした感じで、全編に渡って歌のパターンがずっと一緒という。
言うなればアンスラックスの“A.I.R.”の出来損ないみたいな曲を繰り返し聴かされている感じ。
妙にヘンチクリンな音のギターソロが耳を惹くこともあるが、楽曲がショボいので印象に残ることはない。
当時日本盤もリリースされていたが、多分売れなかったと予想される。



今日の1曲:『THANKS GOD IT'S MONDAY』/ AIRDASH

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2012年04月11日 | やっぱりメタル!!
たまには、フィンランド産のメタルも聴かなきゃね。
ってことで、STONEの1990年作の3rdアルバム『COLOURS』を紹介。

まず、貞子の目みたいなジャケットがおっかないですね。
このSTONEには、かつてみんなの大好きなCHILDREN OF BOTTOMのルーペ・ラトヴァラ、元AMORPHISのペッカ・カサリが在籍していたバンドなんですが、この頃は真っ当なスラッシュメタルをやってはりました。
モーターヘッド、タンクばりの男くさいヴォーカルに、小気味よいクリーンなリフ&ギターソロで演奏力はかなりテクニカルで安定している。
全体的には地味な印象もうけるが、曲構成もかなり複雑怪奇ながら柔軟性に富み、やはりヨーロッパ特有のダークさが漂っている。
とにかく、ベースヴォーカルのジェネの作曲センスが良すぎるというほかない。

ラストにレッド・ツェッペリンのカヴァーで“FRIENDS”を取り上げてるところなんか、なかなかの変化球で攻めてくる。しかもこのアレンジがまたセンス抜群!!
#3“WHITE WORMS”でのストリングス効果など、この辺りからもツェッペリンに影響を受けているのがなんとなく窺える。



今日の1曲:『Spring』/ STONE
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三たび死を決してしかも死せずぅ

2012年04月04日 | 二酸化マンガ
手塚治虫先生の大河マンガの最高傑作『陽だまりの樹』が、いつのまにかドラマ化決定されてて、NHKのBSプレミアムで今週6日(金)8時からスタート。
http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/7000/106315.html
てゆーか遅いんよ、ドラマ化するのが。

主人公の伊武谷万次郎役は市原隼人か・・・・
「俺が俺が」みたいなイチビリ感の強い中高生向けのチャラ俳優が万次郎役ってのはどうも納得しかねるが、向こう見ずな熱血漢という側面では適任かもね。
まぁ全12話ってのは、あの厖大で壮大な原作のことを考えると少なすぎるといわざるをえない。
この作品はとにかく内容が濃くて、適塾奮戦記、アメリカ使節団との交友、安政の大地震、江戸のコロリ(コレラ)大流行、安政の大獄、、歩兵組育成、戊辰戦争と、テーマは多岐に渡っており、おそらく全部読み終わる頃には、幕末に関してはメチャメチャ詳しくなってると思いますよ。
本マンガの重要テーマのひとつ、蘭方医と漢方医との確執なんかは、数年前流行った幕末ドラマ『JIN』の原作者が影響受けたんやろなぁ~って、ついつい勘繰っちゃいます。
まぁ幕末ドラマの題材としては、宝庫的スペクタル大作といえましょう。

実在の歴史上有名人物もぞくぞく登場し、緒方洪庵先生をはじめ、勝海舟、西郷隆盛、ヘンリー・ヒュースケン、みんなの大好きな坂本龍馬もちょこっとだけ顔をのぞかせます。
その中で万次郎の親友として深く関わりあうのが、“鬼鉄”のあだ名で知られる剣客山岡鉄太郎。こないだNHKの特番で知ったのだが、彼は後に明治天皇の家庭教師にまで登りつめる凄い人物やったんね。
鉄太郎をはじめ、上に挙げた人物たちがこぞって万次郎の実直さや愛すべき人柄に惚れ込んでいくんですね。うん、私も惚れましたもん。いや、このマンガ読んだら誰だって惚れちゃいますよ。

人望が厚くちゃんと世を見据えていたのだが、融通が利かないのがネック。



あとはもうひとりの主人公の町医者、手塚良庵(後の良仙)であるが、この人物、実は手塚治虫の曽祖父にあたる実在の人物であるとのこと(どうりでお父っちゃんが手塚治虫そっくりなんだよね)。
彼は緒方洪庵が設立した適塾で医学を学び、その同窓生には大村益次郎、大鳥 圭介の他、あの福沢諭吉なんかも深く関わってきます。

女たらしで普段はチャランポランだが、いったんスイッチが入るととことん追求する。


性格が全く正反対の万次郎と良庵とが、どつき合いのケンカをしながら激動の時代を生き抜いていくふたりの絶妙なデコボココンビ劇が、このマンガの魅力なのであります。

ちなみに私の一番好きなキャラは、万次郎に影のように付き従う平助(マタギ出身)。
とぼけた顔してもの凄い剣使い。

万次郎がピンチのとき、いつもどこからともなく参上する。「平助でがんす。ヒッヒッヒッヒ・・・・」



まぁ、この原作のオモシロさを実写版で80%も引き出せるのかというと、正直期待はできません。
BS見れない方は(いや、見れる人でも)漫喫でもいいので、ぜひ原作の方をお読みになることをオススメいたします。




今日の1曲:『辻斬り小唄無宿編』/ 人間椅子
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする