AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

アヴァンギャルバンド

2014年01月28日 | コンサート
日頃からメタルDJ大会やなにやらでお世話になってる大阪梅田のメタルバーの5周年記念ライブイベントに行ってきた。
ま、一応ブレイクタイム一枠のBGMの選曲を任されていたので、CD-R焼いて心斎橋へと赴いた。
EXODUSのアマチュアコピーバンドとか、愛知のパワーメタルバンドなどのほか、メタルバーのママが店ほったらかしで追っかけするほど寵愛してやまない東京のギャルバンドGacharic Spinまでブッキングするという、なかなかゴージャスなイベントだった。まぁ私もガチャが出るというのを店で聞いて今回行く気になったのだが。
ちなみに今回の主役のメタルバーのママがギターを担当する即席メタルカヴァーバンドもトリで出演。


会場であるライブハウスの向かいには、電気の武者様が。



街灯には、ボンタン姿のチョイ悪オヤジも。「あんちゃん金かしてや」



開場時間ちょうどくらいにライブ会場につくと長蛇の列ができていて、腹ごしらえして開演時間に戻ってきてもまだ並んでいた。
たかが150人キャパやのにどういうこっちゃと思ったら、入口にGacharic Spinのベースのねえちゃん(彼女はどうやら広報担当らしい)が立っていて、それが原因だとわかった。
何かガチャ特典を配布してたみたいで、キップ切る時スタッフに「どのバンド目当てですか?」と聞かれて考えればガチャが本命だったんだが、なんか意味分からんくて「いや、イベント全体」って答えたらその特典を手渡してくれなくて思わずベースのねえちゃんに「え?俺にはそれくれへんの!?」と叫んでしまった。やんわり「ガチャ目当ての人だけなんです」と返され、ちょっと残念な気持ちで会場入りする。
すでにEXODUSのコピーバンドの演奏が始まっており、「BRAIN DEAD!!」の合唱が沸き起こっていた。

たかが、大阪の一個人のメタルバー5周年ライブイベントがソールドアウトとなったのは、言うまでもなく彼女たちの出演効果。年始に問い合わせの電話が殺到したとか。
開演前けっこうその辺うろついてはった。近未来的な髪の色してはるからかなり目立つ。


最前にはよく見かけるパッチデニム野郎どもがコブシを挙げており、メタルDJ大会で顔見知りの人たちもチラホラと。彼らとは実はそれほど打ち解けてはいないので、二言三言かわすだけでほとんど孤立していた。まぁ私は彼らほどバーには通っていないしマニアックでもないからね。
SKYLARK(全部の方)の連中もおる。もうこのイタリア人ら見かけても全然珍しくもない。

二番手に出てきたメジャーデビューも果たしている名古屋のメタルバンドARGUMENT SOULは、さっきのコピバンとは打って変わって格段に音がよくなった。やはり機材が違うのか。特にドラムの音がクリアで技術もピカイチ。
リードギターの人が実は代役の人で、なんとVOLCANOで屍忌蛇とタッグを組んでるギタリストらしくって、そのことだけでちょっとテンション上がった。あとヴォーカルの人がスラドミのTシャツ着てた。



三番手のRIVERGEは昨年のTTFの時初めて見たけど、その時はよくわからんくてボーっと傍観するだけだったが、今回拝見してけっこう自分好みのハードコアスラッシュであることがわかった。ステージダイバーも続出。私もモッシュに興じたことはいうまでもない。

そして、本イベント最大の動員力Gacharic Spinの登場。前列はサイリウム持参のファンで埋め尽くされる。そのファンらがアイドルの振り付けみたいなんを一斉にやるもんだから、けっこうステージが見づらくってドラムヴォーカルの人なんて全然見えんかった。私はドラムプレイを観るのが習慣なのに・・・
それでもスラップを武器とするベースのねえちゃんや踊り子たちは、台でも用意してあったのか、幾度も上半身見える高さまで登ってプレイしてはった。サービス精神旺盛やね。
しかし、こんな小さなハコでの少人数のイベントでも全力を持ってプレイする姿には実に好感が持てた。「ママのお店にも行ってあげてね。彼女のガチャライブ遠征資金になるので!」という気のきいたMCも。メタルバーのママもファン冥利に尽きたろうな。

Gacharic Spinの演奏時は、ステージダイヴ禁止という厳令をしいといてからに、興奮のあまり主催者本人が飛び込みはった!


ビリー・ミラノばりの衝撃が客席を襲ったかと思われるが、このシーンはおもろかった。ま、一応本イベントの主役だからこういうのもアリだろう。ただ、ガチャのファンはビックラこいたろうな。

Gacharic Spinに関しては、以前よりメタルバーのママにライブ映像をしょっちゅう見せられており、演奏力は目を見張るものがあったが、ギャルバンに偏見を持っているのと、色モノ的な演出がダメなので最初は敬遠ぎみだった。
が、昨年末にまた、ドラマーの人がヴォーカルを担当するようになってからの最近のライブ映像を見せられて、その赤字覚悟のLED多用演出に並々ならぬエンターテイメント性を感じ、これはライブ見たらおもしろいかもと、数年前Slipknotに興味を持った時と同じような衝動にかられたのであった。


ありえないタムの形状。楽器は光るのが当たり前。ギターボディのデザインを考案したのは、なんとメタルバーのママ。いちファンがどこまで関わっとんや。この人の行動力は計り知れない。



そこそこ人気のあるバンドだとは思うが、今回の小規模のイベントでも熱心にライブの告知をしてたし、終演後メンバー本人らが直々に物販を売っていて、それが現状なのかと。確かにまだまだ無名だし、今の時代ギャルバンドなんてのは注目されにくいのであろう。
最近若い踊り子が加わったことにより、いよいよアイドル演出が増してきた感があるが、演奏力は申し分ないのに増員してアイドル性を強化するその意図は何なのか?
テクニカルギャルバンドとアイドルの二面性を狙っての編成なのか。ママのように、そういうのがドストライクな人もいるだろうし、演奏面のみに魅かれて興味を持つ人もいるだろう。
ただ、こういう特殊なのは色モノバンドと受け取られがちで、敬遠する人も少なくないだろう。それでも彼女らのポリシーとしてその方向をこれからも貫き通すのだろうか。
本人たちの信じた道を突き進むのが一番かもしれないが、私はなんかもったいない気がするのだ・・・・



今日の1曲:『NEXT STAGE』 / Gacharic Spin
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AMASHINレコード大賞2013

2014年01月22日 | ♪音楽総合♪
ようやく2013年俺ベストアルバムを発表できるメドがつきやした。
「もう、だいたい予想ついとったわ!アンタの近年の好きなアーティストと、昔から好きなアーティストのジャケットと映像貼り付けてひとりで喜んどるだけでっしゃろ!?」と、言われても仕方のない今回のベスト結果と相成ったわけだが、しょせん個人ブログのベストなんだからそんなもんです。
なんか『MUSIC MAGAZINE』の影響モロ受けてない?と思われてそうな気もするが、私はあの雑誌の編集者とはほとんど気が合いそうもないし、全くのお角違いのカングリモングリだと言っておこう。


第一位:『LEVEL 3』 / Perfume


昨年のNHKドラマ『あまちゃん』?の大ヒットといい、近年のアイドルブームはいまだとどまることを知らないが、それとPerfumeが大ブレイクしてからの今日までの活躍とはまるで関係ないように思える。
握手券とか、アコギな商法に走るでもなく、今まで散々媚を売りまくっておいて自立するメドがついたらファンそっちのけで簡単に卒業(抜け駆け)するとか、個人が別ユニット組んだりすることもなく、ブレずにテクノポップユニットとしてのレベルを確実に上げていく別次元の存在であるPerfumeを、他の大衆向けアイドルと比較すること自体、もはやコッケイなことであろう。
大ブレイクしてからすでに6年以上たというというのに、彼女たちは全くPerfumeを辞める気はない。それは、本人たちこそが一番Perfumeを好きで大切にしているからにほかならない。
そんな3人だからこそ、中田ヤスタカ氏もハイクオリティな楽曲を彼女たちに提供し続けるのだろう。この人も世間に全く迎合することをしない変人としかいいようのない天然のプロデューサである。常にクリエイティヴであることを心がけているというか。音楽以外は全く干渉しない両者の距離感もいい。
今回、彼のサウンドクリエイター且つメロディメイカーとしての技倆と、3人の持つ不可思議な和声が見事なまでに結実開花した楽曲といえば、#4“Clockwork”、そしてラストの“Dream Land”であろう。
大仰に感情を込めてビブラートをきかすでもないのに、感情を揺さぶられる彼女らの醸すこのなにげない旋律・・・・
自己主張ではなく、調和。それがPerfumeの洗練された世界観を生み出している。

Clockwork



◆第二位:『なんだこれくしょん』 / きゃりーぱみゅぱみゅ


ヤスタカプロデュース作品が連続しますが。まぁ長年の功績を称えPerfumeがエコ贔屓票で一位となってしまったが、作品の完成度ではこの『なんだこれくしょん』もまったく退けをとってはいなかったと思う。むしろ勢いはこっちの方が上かと。
きゃりーの声の魅力は、案外本作収録の沖縄民謡風の“のりことのりお”(auのCMのあれね)にあったかと。こういったほんわかソングをゆる~く個性的に歌えるってのはやっぱ持って生まれた才能だと思う。
あときゃりーのキャラをどういう目線で捉えるかということであるが、まぁアイドル的見方も可能だとは思うけど、やっぱ彼女のスタンスはアイドルではないよ。PVを見てもわかると思うけど、きゃりーの世界観は大阪モード学園的発想の自由さがある。奇をてらった鼻息の荒い近年のアイドルの手法ではなく、肩の力を抜いたゆる~いポップアート性があるのだ。
だから、みんなもゆるキャラとかばっか追っかけてないで、ゆるきゃりーを聴きなよ。

にんじゃりばんばん



◆第三位:『Target Earth』 / VOIVOD


本作は、オリメンベーシストのブラッキーもバンドに復帰し、いろんな意味でVOIVODの復活作といえる。
もう終焉を迎えんとしていたVOIVODに、今回再び活力を与えたのは、間違いなく新ギタリストのダニエル・モングレイと言ってさしつかえないだろう。10年前もバンド解散の危機をメタリカを抜けたジェイソン・ニューステッドがそのピンチを救うなど、ほんとVOIVODってのは周りが辞めさせたくない何かを持っているのだろう。
最初モングレイのVOIVODごっこ感が否めなかったが、Martyrからの己のテクニカルなエッセンスも随所にちりばめ、さらに進化したVOIVODワールドがカオティックに展開している。
しかし、復活してもサウンドが今風になったり、本来の個性を見失うバンドが多い中、デビューからほとんど売れなくて、メンバーチェンジなどで紆余曲折し、曲作りの要であったメンバーを失いながらも、VOIVODらしさを全く損なわず、時代に適合せず進化することを辞めない、こんな生命力の強い矛盾したバンドはおそらくVOIVODくらいなのではないか。

Target Earth



◆第四位:『The Next Day Extra』 / David Bowie


2013年購入したCDの中で、一番の冒険作だったんじゃないかなぁ。
ここにきてデヴィッド・ボウイである。長野生まれスラッシュメタル育ちのこの私が!
ただ、本編がさほど気にいったというワケではなく、昨年11月にリリースされた『Extra』の楽曲の方にひどく感銘を受けたのであるが、それを足しての総評の順位結果と捉えていただきたい。
まぁもっとアンビエントな音世界を期待していたのだが、割とオーソドックスなロックンロールを奏でていらっしゃった。
しかし、デヴィッド・ボウイに感心持ったなんて、『戦場のメリークリスマス』以来であろうか?
とにかく渋いの一言につきるが、詳しいレビューはまた改めてしたいと考えております。

The Stars (Are Out Tonight)冒頭の渋いインストは『Extra』に収録。



◆第五位:『萬燈籠』 / 人間椅子


海外某メタルサイトでは、「日本での人間椅子に対する過小評価は犯罪レベル」などとレビューされているのだそうだ。
そんな犯罪者天国の日本でも、昨年のオズフェスト出演効果は今年に入ってもとどまることを知らず、今月のO-EAST(1300人規模)でのライブは満員御礼という、過去最大の動員数を記録したとのことだ。いや、おめでとう!
この年代モノのワインのごとき熟したハードロック的味わい深さと、和の情緒が合わさった人間椅子の不可思議な音楽性の魅力にまだ気づかない者は、一生犯罪者のレッテルを貼られたままでいることを覚悟したほうがいい。
まぁ本作は、倦怠気味だったここ最近の作品と比べて、一歩抜きんでたヘヴィメタリックな作風に仕上がったが、突然の人気に慢心することなく、さらなるレベルアップを目指して、古参の椅子ファンをも「エパダだ!」と言わしめるほどの怪作を期待したいところである。

黒百合日記



今日の1曲:『死者より』/ 坂本慎太郎
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追悼ライリ~ライリ~

2014年01月13日 | ミノフスキー粒子
先週のやしきたかじんの突然の訃報は、驚いたっちゃー驚いたけど、なんとなくそんな予感はしていたので、正直三宅久之先生の時ほどのショックはなかった。
いや、昨年初めに復帰後すぐに再入院されて、それからもう全然テレビに出てこんようなってたので、こらもうアカンのと違うかと。
まぁ関東の方とかは、やしきたかじんといってもヤンチャなMCっていうぐらいのイメージで、あんま馴染みないかもしれませんが、西日本ではナニワの視聴率男として、休養中でも土日の冠番組は3本ともたかじん抜きで放送しておりましたし、しかも今後も継続していくとのことです。

私自身は90年代、25%という高視聴率を記録した『たかじんnoばぁ〜』放送時は、おもいっきりテレビ離れしていた頃で、別にたかじんにも興味なかったし、ほとんど見たことなかったのだが、10年前くらいから放送されだした『たかじんのそこまで言って委員会』は、日曜に特に用事がなければ必ずといっていいほど拝聴していた唯一のバラエティ番組で、番組を通してたかじんの人となり、MCさばきの巧みさにだんだん魅かれていき、ブログで滅多にタレントとかを取り上げない私でも自然に情がうつって想い入れ深くなったというわけでありまして、今回追悼記事を書かずにはおれなかったわけでございます。

まぁ『委員会』も、関東以外ではほぼ全国区で放送された人気番組。
たかじんは「東京で放送するんなら番組を辞める」と断言していたが、それは別に彼が東京の人間を嫌っていたからではなく、東京の放送局側に問題があってこの番組の特性が失われるからだとおっしゃってた。
この番組はとにかく他の番組ではまず取り上げられないタブーな事柄をガンガン取り上げていた。靖国問題、慰安婦問題、皇室事情、国防問題など・・・まぁざっと並べたテーマからしてかなり右寄りな番組であったことは想像できるかと思われますが、それを中立の立場でうまくまとめていたのがたかじんのこの番組での役割だったように思う。
司会進行役の辛坊治郎氏ですら、この番組ではパネリスト(出演者)とマジ論争となって(特に実名報道の是非の話になると牙をむく)収拾がつかなくなるという凄まじい番組やったからのう。
卒業後ずっと東京で働いてて、最近またこっちに戻ってきた大学時代の友人が、委員会の放送をみて「あんな番組、向こうじゃ考えられないよ!」とビックラこいてたからなぁ~

たかじんの音楽に関しては、正直それほど興味を持ったことはない。関西弁の歌詞がなんか気恥ずかしくて苦手っていうのもある。私がメタル少年時代の頃なんて少しバカにしてたから。
一番売れた「東京」を聴いた時はさすがにたかじんの歌手としての実力に感服した。「なんや、普段のガラの悪いしゃべりとこの美声とのギャップは!?」と。ちょっといい曲だなとも思ったし。
でも、私にとって一番馴染み深い曲といえば、やっぱガンダムのテーマ曲でしょうな。
たかじん自身にとっては触れられたくない、汚点以外のなにものでもなかったらしいが。



「砂の十字架」は、劇場版『機動戦士ガンダム』の第一作目の主題歌である。作詞作曲は谷村新司氏。
そういえば『委員会』で、たかじんが「ガンダム見たことないわ。どういう話なん?」みたいなことをボソっと言われて、パネリストの誰かが(哲っちゃんやったっけ?)「あれは地球連邦軍の支配を拒んでジオン軍が独立戦争をしかける話で、日米開戦にもけっこう通ずるところがある」って説明を聞いて、「お、なかなかおもろそうやん」って少し興味を示されてたのを思い出す。
谷村新司氏との当時のレコーディング秘話はおもしろい。

たかじんとガンダム(そこまで言って委員会増刊!) なにげにアムロのポーズしてんのがおもろい。



でもね、ガンダム劇中歌「スターチルドレン」は、たかじん作曲なんだよ。
私はこの曲を聴くと武者ぶるいがしてきて、宇宙に飛び立ちたくなる衝動にかられるのだ。
ニュータイプとして覚醒していくかのような、不可思議な感覚がこの曲にはある!



改めてこの曲聴くと、やっぱたかじんいい声してんなぁって思う。

ご冥福をお祈りします。


今日の1曲:『スターチルドレン』/ やしきたかじん
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正気の山脈にて 後篇

2014年01月06日 | 名所ガイド、巡礼記
さて、笠置山史跡巡礼記のつづき。
あまりにも掲載写真が多かったのでふたつに分けた。


とても短い胎内めぐりを満喫したあと、そっからも延々と急勾配の山道をたどっていくほかなかった。
もうここまで来たら、そう簡単に引き返せるもんじゃねぇ。


「太鼓石」というものらしい。人類誕生以前の悠久の太古に、地殻変動による大地の隆起が組み立てた自然のドラムセットとでもいいたいのであろうか。どこがスネアでどこがハイハットだ?



「ゆるぎ石」というものらしい。ふ~ん、この辺からもうあきてきた。



つかまだあるのかよ!今度はなんだよ!



この絶景からも、かなりの高所まで来ていることがわかった。
さっき車で渡ってきた笠置大橋があんなに小っさい。


ここで「ハハハハ、人がゴミのようだ!」という決まり文句を言うのが通例であるが、人など無論見えはしないし、だいいち疲れきっていて、そんなアホらしいセリフをいう元気すらなかった。


どうやらこの「二の丸跡」って所がこの山寺の最終高所地点らしかった。
なんのことはない。ただのだだっ広い休憩所であった。


なんともあっけない幕切れであった。苦労して登ってきた結果がこれか。
ここで20~30分休憩していきたかったが、そういうわけにもいかず、またすぐ踵を返して足早にもと来た山道を下っていった。
帰りはなおさら長く感じた。その日は温かかったし下に着ていたヒートテックはすでに汗でグショグショに濡れていた。


下山してから境内の笠置山全景図を見てみると、どえらい所までのぼっていたことが判明した。


両親を待たせていた駐車場からかなり上方の位置だ。約1時間は待たせたであろうか。
そりゃ親父もカンカンに怒ってたワケだ・・・・これは悪いことをした。


笠置山自然公園出口。いや、ちょっと、もうカンベンしてください。



わかさぎ温泉に到着。お待たせしました。


この温泉独特のローションでも混入させたかのようなヌメリ感が、その評判の滋養効果に並々ならぬ信憑性を与えていた。
確かに風呂上がったあと、疲弊しきっていた私の体もすっかり回復したような気がした。
両親の待ちぼうけ疲れもこれで癒されたことであろう。

やっぱただ入るだけじゃつまんないじゃん。だからお互いちょうどよかったんだよ。
やっぱ私は善人だ。


今日の1曲:『苦しみに耐え、幸福に至る』/ Cathedral
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正気の山脈にて 前篇

2014年01月05日 | 名所ガイド、巡礼記
家から30分くらいの近場でありながら、先月の3連休に初めて利用したばかりの笠置のわかさぎ温泉にまた行かないかと、三が日の最終日に両親をさそってその温泉地に再び訪れた。



先月赴いたのは夕方頃で、陽がおちて辺りはもう真っ暗で全く景色が見えなかったので、これはもういっぺん明るいうちにいっとくべきだろうと思っていたからであるが、今回はその地に点在している遺跡群めぐりをしてみたいという私の個人的な目的もあったのだ。
なんでもその地は、後醍醐天皇が鎌倉幕府打倒のため戦陣をしいた場所であり、様々な史跡や蒼古たる碑石が祀ってあるという。
ちゃちゃちゃーっと車で巡って写真撮って、すぐにも温泉施設に乗り込もうという計画であったが、その遺跡群が点在している笠置山自然公園は、そんな気軽に巡れるようなところではなく、おっそろしい勾配のグニャグニャの一本道を、上方から対向車が来るおそれと、ガードレールなき細道から脱輪して転落するおそれにビビリながら車でソロソロと走行していかねばならないとんでもない難所であった。

このポップ絵図にだまされた。この絵からだと平坦な田舎道を車でスイスイ行っているようにしか見えんだろが。我々がもし転落死してたら、この陽気なポップ絵のせいだかんな。



心臓が縮こまる思いで、なんとかだだっ広い駐車場に辿り着いた。ここからはもう車では進めないようだったので、降りて辺りを探索してみることに。
またさらなる勾配の坂道を上がっていくと食事処があって、その施設右手の石畳の階段をさらにのぼっていくと、笠置寺という所に辿り着いた。



さっき上がった石畳の階段すら勾配がきつかったので、もう高齢の親はここまでくるのは無理だろうと判断し、私一人でこの寺におそるおそる入ってみた。
うん、人の気配がまったくない。三が日にこんな冬の山寺まではるばる来るもの好きな観光客などめったにおらんのだろう。僧の姿すら見あたらない。

さらに奥に入っていくと、鬱蒼とした壮大なスケールの岩場があって、この古色蒼然たる神秘的な墓所にはかなり心騒がせられた。もう私のドストライクな場所だ。



「弥勒石」。岩に投影された、ボォ~~・・・と浮かぶ不気味なその白い影は、そのデカさといい、“風にのりて歩むもの”イタカを彷彿とさせた。


アメリカ先住民の間ではウェンディゴとして崇拝されるその邪神の姿を想像した瞬間、突如いいしれぬ恐怖感に襲われ、もう引き返した方がよいのではという臆病風に吹かれてしまった。
しかし、上方からホッと安心させる人の声が聞こえてきて、私より先に入山して帰る途中の親子連れに遭遇したので、そこでまた勇気が湧いて、もうすこし先に行ってみる気になった。
一応下の駐車場で待たせてる両親に「ちょっと15分くらいかかるかも」とケータイで連絡しておいた。


この山寺最大の目玉「虚空蔵石」を目の当たりにしたときは、そのド迫力に圧倒されてしまった。
(仏さんが岩に刻まれてるんだけど、分からない方は上写真を参照)


この時点でもう引き返してもよかったのだが、「なんだちょっと歩いただけなのに、わりといいものが見れるじゃないか」という、浅はかな探究心に火がつき、もうすこし先へ行ってみる気になった。
しかし、そっから先はいよいよ険しい山道となり、遺跡らしきものにもなかなかめぐりあえず、両親も下で待たせているのでけっこう駆け足で登っていたため、体力だけがどんどん奪われていくという情けないドツボ状況に陥っていった。
「俺は正月3日目に、汗水たらしてなんでこんな山にひとりでのぼっとんのや?」という、形容しがたい虚無の念が幾度も幾度も脳裏をかすめた。


胎内めぐりキターーーー!!っと、ここで一気にテンションがあがる。
このような山中で、まさか私の大好きな胎内めぐりができようとは・・・・


そして、人間椅子のあの曲のあやかしのフレーズが頭をよぎる。

「善男善女は出られるが~~ 悪人悪女は犬になるぅ~~う~~・・・・」

無事人間の姿で出てこられた私は、やはり善人であったのかと、ホっとする。
下で高齢の両親めっちゃ待たせてるけどね。


つづく・・・・




今日の1曲:『胎内巡り』/ 人間椅子
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ジンジャー・ジンジャー

2014年01月04日 | 名所ガイド、巡礼記
昨年中は、無謀にも始めてしまった大掃除が収拾つかんくて、年賀状に初詣もサボったせいか、ライブビューングにいってサイフ落としてきたり、コンサートグッズを座席の下に忘れてきたり、ライブ中親しくしてた同伴者と話してたら突如「指さすな!!」とブチギレられたりと、ほんとロクなことがなかったので、今年はキッチリと詣でてまいりました。


詣地は一昨年と同じく近所の岡田國神社。
「おかだくにじんじゃ」と読みます。「おかだくん」じゃないよ。


京都最果てのここいらでは、けっこう由緒ある神社みたいですが、正月2日目でこの閑散ぶりですわ。
元旦に近所の人らがちょこっと詣でるくらいなのであろう。
おみくじはもう売り切れたとのこと。いや、新年2日目でっせ!
そもそも神主さん自身にあまりやる気が感じられないのだ。


今年は午年なので、絵馬でも買おうかなと思ったが、馬の絵じゃなかったので今回は見合わせた。



境内下には、もうひとつ荒れ果てた社があり、そこは古色蒼然としたありさまだった。



おそらく、躍動感あふれる立派な狛犬が描かれていたのであろう。修復もせずほったらかし。


いや、これはちょっと昨年大ブレイクした高名な復元絵師セシリア・ヒメネスさん(80歳)でも呼び寄せて、いっぺん修復してもらったほうがええと思うよ。
そしたら参拝客も増えると思うし。


修復完成予想図




今年こそフィオナが来日しますように。




今日の1曲:『Sleep To Dream』/ FIONA APPLE
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迎惷

2014年01月01日 | アーマの発狂日誌
あけましておめでとうございます。

初画は、私の14年前の潜在写真で申し訳ありません。他に思いつかなかったもので。
まぁ、この忌むべき姿は、実は私のもう一つの局面でもあるのですが。
最近は、こっちの局面を休眠状態にさせておく薬(ミンティア)が切れてきたので、時々鏡に映った自分の姿が馬面になっているのを見て、身も凍るような思いをすることも少なくありません。
だから今年はひょっとしたら、<あましん>改め、<うましん>と名前を変えることになるかもしれませんので、その時はまたひとつ、よろしくお願いいたします。

あ、それではアランフィッツ=ジェラルド星の他の精神(ブオの精神も含む)との緊迫した新年会に出席せねばなりませんので、今日はこの辺で失礼いたします。


本年もよろしくお願いしま・・・・ング・・・・ンガイ・・・・・



うましん

平成26年 1月1日 元旦




今日の1曲:『You Can't Do It Right (With the One You Love)』/ Deep Purple
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