AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

マコちゃんフォーエバー

2016年04月18日 | 名所ガイド、巡礼記
本町船場センター街の喫茶スカーレットのレポ記事でも言っていた通り、ここの「珈琲は黒い魔女」のコーヒー豆を卸している福田珈琲株式会社さんが、4月28日をもってコーヒー事業を廃業されるということで、これは一度訪れておかねばと先日大阪西区新町にある本店まで行ってまいりました。
http://kuroimajyo.com/


もちろん目的はマコちゃんグッズ。
手塚治虫先生が考案提供した「マコちゃん」は、まぁここ福田珈琲のマスコットキャラクターなわけでありまして、ここの前オーナーさんが手塚先生と高校の同級生で、そのよしみでマコちゃんを描いてもらったってわけなんですね。
かつてたくさんあったマコちゃんグッズは今はほとんど残ってないと店のHPに書いてあったけど、コーヒー豆のパッケージでもいいし、とにかくなんかあるだろうと。


地下鉄降りて地上に出てなにわ筋沿いを適当に歩いてると一つ目の筋にすぐ緑の看板が目に入り店を見つけた。
なんや、サムソンの店の近所やないかい。これは彼にも教えてやらねば。




店に近づいて店内の様子を覗きこむと、ここはどうやら事務所兼ちょっとした近所の住民相手の喫茶も営んでいるようであった。
外のガレージにも席があって近所の住民と思しきおっちゃんが新聞片手にコーヒーをやっていた。



おそるおそる店に入ると、店には女性客がひとりコーヒーを召していた。
セルフサービス式らしかったが、ホットを注文するとカウンターにいたお婆ちゃんが淹れてくれるみたいだった。
淹れてくれている間、店内をキョロキョロ見まわしたり、商品棚をマジマジ物色したり、かなり怪しい客に映ってたに違いない。
しかも平日の真昼間に働き盛りのオッサンがリュックしょってひとりでこんな辺鄙な場所の店に入ってきたんだから怪しいことこの上ない。

本格ブレンドコーヒーがなんと一杯200円。安!まぁ卸店だからこその値段設定。
近所の人いいな。

マコちゃんの絵の入ったカップで本格ブレンドを召すこの幸せ・・・・・
も、サイコー!



コーヒー豆の計り売りっていうんですか?こういうのしたことないから。
つかこの樽欲しい・・・・




年代物の豆挽き機。歴史を感じる。



いや、これはアカンやろ。年端もいかぬマコちゃんにそんなこと言わせちゃダメ!



コーヒーを飲み終わって、いよいよ本題に。
事務してはる女性の方にマコちゃんグッズは何があるかをたずねると、やっぱカップソーサーぐらいしか残ってないとのこと。
あと、マコちゃんの絵の入った缶の円筒容器を店の奥から掘り出してきてくれた。


なんやかんや購入してビッグサイズのマコちゃんビニールバッグに入れてもらった時は興奮した。
も、サイコー!



コーヒー無料券ももらった。でもマコちゃんの絵が入っててもったいなくて使えない。



つか、今回はたまたま仕事平日休みがとれたので行けたんだが、ここ土日祝は営業やってなくて、もうおそらく閉店まで店に行けないかと。
残念。もう一度ブレンド味わいたかったな。


つーことで手塚ファンは是非。あと残り10日ですので。


今日の1曲:『今日の魔女信仰』/ Electric Wizard
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テクノポップ

2016年04月16日 | プログレッシヴ草稿
Perfumeはメジャーデビューしたての頃は、「近未来テクノポップユニット」というキャッチフレーズを掲げ世に出てきた。

中田ヤスタカ氏がPerfumeの曲を手掛けるようになってから、彼女たちに言わせると「ちゃっちい」音楽として当時いたく困惑させたテクノポップミュージック。
まぁもともと70年代後半から日本で流行り出した「テクノポップ」というジャンル語は日本発祥の造語らしく、その「テクノポップ」という言葉をいたく気に入って全世界に広めたというクラフトワーク(なんせ『エレクトリック・カフェ』というタイトルやったものを近年になって『テクノ・ポップ』に改題したくらいやからな)の存在は無視できないだろう。
つか私自信『人間解体』だけ持ってて今まで無視し続けてきて、今頃になってリマスタ音源を買い漁ってるわけだが。




正直この手のジャンルに疎い私にとって「テクノポップ」とはなんなのかわからない。
先日大阪のディスクユニオンでクラフトワークの中古を探してて、洋楽ロックコーナーにもテクノコーナーにも見当たらなくて、スタッフにたずねるとなんとプログレッシヴロックコーナーに案内されて、「クラフトワークってプログレでもあるのかよ!」と思わず関東弁でつっこんでしまった(ウソ)。
まぁ確かにメジャーデビュー作『アウトバーン』は、A面まるまる1曲20分を超す壮大なる構成の曲で、このフワフワとしたアルバムが大ヒットしたって、クラフトワークが編み出したこういう電子音による無機質な音楽が当時もの凄く斬新で進歩的やったってことなんやろな。
東京の年配の知り合いの方もこの作品をフェイバリットに挙げとったし。

私としては80年代に入ってから、ちょっとニューウェイブ色が加味されだした頃の『コンピューター・ワールド』がドンピシャという感じ。
同じテクノポップっつってもクラフトワークはPerfumeと違ってダンスミュージックとか、今で言うEDMというカテゴリーには分類できないだろう。まず踊れない。
言うなれば電子音を脳内で楽しむ音楽。そういう意味ではPerfumeもそうである。
この単調なリズムと80年代の家庭用のテレビゲームみたいな無機質なピコピコとした音色に、なぜか私は心奪われるのである。
幼少の頃、親にファミコンも買ってもらったことないのに・・・(ゲームウォッチは持ってた)


曲目をざっと紹介すると・・・

コンピューター・ワールド
コンピューター・ワールド2
コンピューター・ラヴ
ホーム・コンピューター
コンピューターはボクのオモチャ

・・・と、ほぼコンピューターのことしか歌ってない、いわゆるコンセプトアルバムというやつだ。
てゆーか、この時代はパーソナル・コンピューターがまだ一般家庭に普及してない頃で、メンバー自身ですら所持してなかったとか。
だからほとんど妄想の世界なんですね。
あるいはコンピューター時代の到来をすでに予感していたと思えば、クラフトワークこそがまさに「近未来テクノポップユニット」と呼べるのかもしれない。

個人的お気に入りナンバーは「ポケット・カルキュレーター」。そう、電卓。
電卓を叩く音をイメージして構成された曲みたいだが、実際はTexas Instruments社から発売された携帯翻訳機の操作音を奏でてるんだとか。
つまり様々な言語を音声で翻訳してくれる機能の付いた当時最新鋭の電子卓上計算機。
そんな便利なトンデモ計算機が昔あったのか。私の時代はそんなもん家になかったぞ。
プッシュ音も鳴らんかったし。



あとは「コンピューター・ラヴ」。
なんだか今の私の心情を歌っているようで、ラルフの無機質で淡い感じの歌い方が心に沁みてきて切なくなってくる。
ホワホワしたメロディーを奏でるシンセ音もよい。




幼少の頃、ほとんどの人が家庭用ゲーム機やアーケードゲームに夢中になった時代があると思う。
そしてゲーム中誰もがスーパーマリオやドラゴンクエストなどの電子がかったピコピコとしたBGMはやけに耳に心地よく響いてたはずだ。
誰も無音でゲームやってたなんてことはないだろう。
だから人工的でプログラミング加工されたピコピコとした音楽なんて味気なくてショボいとかちゃっちいなんて言ってテクノを侮るのはいかがなものかと。
ゲームサウンドが好きだったのがもとで打ち込み加工中心の曲をやりだしたヤスタカ氏。
確かにPerfumeのメジャーデビューシングル「リニアモーターガール」はゲームサウンドっぽい曲だった。
そして初期のシングル曲「コンピューター・シティ」「コンピューター・ドライビング」「エレクトロ・ワールド」といったストレートでシンプルなタイトルは、どこかクラフトワークの影響を思わせる。
そういった簡素でピコピコした感じの電子音楽で多くの人々に嗜まれている。
そういうのがたぶんテクノポップなんだということでよろしいでしょうか?
違うか?





今日の1曲:『Computer World』/ Kraftwerk
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エレクトリック・カフェ

2016年04月13日 | まったり邦楽
Perfumeの約2年ぶりの新作『Cosmic Explorer』はフラゲしてから車中、iPodでヘヴィロテ中。
と同時に、クラフトワークなんかも合間合間に聴いてるテクノポップな今日この頃。

まぁこの2年間、CMソングやドラマ、映画の主題歌などで既出のシングル曲が7曲以上も収録されていて、そのほとんどがあまりピンとこなくてどうしたものかと期待は半分で、もう新録曲と、あとはヤスタカ氏のアルバムMIXの如何に期待するほかなかった。

サイコフレームの光が宇宙のただ中を浮遊してるかのような神秘的なイントロをはさみ、宇宙的で壮大なシンセ音で幕を開けるこの出だしは、まさにUKやMAGELLANなどに通じるスペクタクル感を演出する大仰なプログレッシヴロック曲を彷彿させる、まさに「Cosmic Explorer」というタイトルに相応しい、今までのPerfumeにはないスペースアドベンチャーなナンバー。
こういうのは、えてして稚拙でクサくなりがちなのだが、やはり感情を込めない3人の洗練された和声がクールに機能していて、そういった陳腐な事態に陥らないでいる。

「宇宙探索者」なんていう大それたタイトルでおっきく出たなと思ったが、まぁPerfumeはExplorerであると同時にPioneerでもあるかと。
10年前からすでに、先人たちが決して踏みこえなかった領域を敢えて突き進み、後続者たちに道を切り開いた。そこへサブカルチャーが台頭し、今やもう何でもアリの時代。
ただ、Perfumeは最初に垣根をブっ壊しておきながら、その後続者たちとは全く別次元のレベルで躍進している宇宙的存在といえるだろう。
そこに胡散臭いサブカル人のつけ入るスキは見当たらない。
それは本作の5曲目、毎年アメリカはテキサス州で開催される『SXSW』(過去にデビューしたてだったCoccoもこのフェスに出演している)にPerfumeが出演したとき、異次元のパフォーマンスとハイテクノロジーによって表現された「Story」の映像をみてもわかるかと。
はっきしいって普通のJ-POPファンも置いてけぼりなこのPerfumeの未知なるエンターテイメント性は、もはや宇宙レベルである。

Perfume Live at SXSW | STORY (SXSW-MIX)。正直私もわけがわからない。



ハイクオリティでクールなダンスナンバーも相変わらず秀逸だが、今回は3人の歌の特性をフィーチャーした楽曲も耳を惹く。
その一つが「Miracle Worker」。エフェクトがかっていながらもとても3人の歌が前面に押し出されていて、なんかハミングパートも今まで以上に力強くてカッコいい。
あと、ポップかつストレートな「Tokimeki Lights」。ほぼ生声に近い3人の歌が、ヤスタカ氏の作り出す絶妙なメロディーラインに沿ってポップでキュートに歌い上げられている。

そして今回アルバムミックスされた楽曲群。
特筆すべきなのは、シングルで聴いた時全くといっていいほどハマらなかった「Cling Cling」が、違う曲?ってゆーくらい見事なバキバキナンバーに生まれ変わったのはナイス。
まさにヤスタカ氏の真骨頂って感じでやりたい放題ズベベまくっている。

しかし、アルバム後半の怒涛のシングル曲攻撃は、クールに展開していく前半に比べていささか詰め込みました感が否めなく、ややバランスを欠いてるかと。
だから私はiPodなどで聴くときは、クラフトワークの無機質な楽曲を挟んだりしてうまいことテクノバランスを計っているのである。


で、先日茶屋町にあるWIRED CAFEというオサレなカフェレストランで期間限定でPerfumeの新譜をBGMでたれ流すというコラボ企画やってたので大阪に所用がてら行ってきた。



ただ、土曜日の晩メシ時だったので、店内はシャレオツな若者どもで犇めいており、べしゃり声もうるさくて、とてもゆっくりと食事とテクノを楽しめるような環境ではなかった。


「Relax In The City」というスペシャルドリンク。全然リラックスできなかった。


まぁ今回の限定盤のジャケットはデザイナーの自己主張が甚だしく全然好きになれんのだが、コースターの模様としてはいい感じだね。





今日の1曲:『FLASH』/ Perfume
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ジンバラルの友だち

2016年04月05日 | しねしねシネマ
土曜日に梅田まで『リップヴァンウィンクルの花嫁』という映画を観にいったのは、岩井俊二監督×Cocco出演という条件がそろったからにほかならない。

前世紀末に私が最も感銘を受けたアーティストがCoccoであり、10数年前に観て、最も衝撃を受けた映画『リリイ・シュシュのすべて』を撮った監督が岩井俊二。
その思い入れ深い両者が10数年の時を経て繋がった。もう観に行くしかないだろう。

Coccoはドキュメンタリー映画合わせてすでに2本の映画で主役をはっているが、私はその2本ともなぜか観る気にはなれなかった。
歌手Coccoとしての思い入れが強すぎて、ステージでもあんなリアルなCoccoが映画で演技をしてるのを観るのがなんか怖かったのだ。

岩井作品に関しては、『リリイ~』鑑賞後他の作品も何本か観てみたが、『リリイ~』の衝撃が凄すぎたのか、どれもピンとこなくて『花とアリス』を劇場で観たっきり関知してこなかったが、今回の作品は実はそれ以来だったのね。


梅田ブルグという映画館は行ったことがなく、大阪のオフィス街の高そうなメシ屋がたくさん入居しているシャレオツなビルの上階のシネコン。



で、やっぱり岩井監督は凄かった。
劇場で映画を観て、何年か振りに感情を揺さぶられた。


主役の七海を演じるのは、NHK大河ドラマ『真田丸』などで今をときめく黒木華さん(先日死んじゃったんだっけ?)。
七海は、地味で引っ込み思案でうだつの上がらない、それでいてSNSで簡単に男と付き合ってしまうような、軽率で優柔不断で周りに流されやすい平凡な女性。
パンフレットとかでは、この普通の女性を見事演じきる黒木さんをしきりに絶賛する文章が目立つが、上手い下手抜きにして、私はこの黒木さん演じるあまりにも無力で危うい感じの女性像に最初イライラを禁じ得なかった。
彼役の人と接するときの控えめでかわいらしい仕草もなんかブリっ子すぎて鼻についた。

あと前半の結婚披露宴シーン。これはダルかった。
もう友人の余興とかよくあるベタな披露宴のシーンで、なんか赤の他人の披露宴ビデオを見せられているようで、これがまたイライラするのだ。
その時私が心の中で思ってたのは「Coccoいつ出てくんねん!」ってことであった。
ただ、『リリイ』を見た人なら分かっていると思うが、これこそが岩井監督独特の手法で、こういった誰もが見たことあるような淡い風景をジックリ見せることによって、鑑賞者にリアルな感覚を植え付けるのである。
ただ、この場面でひとつシラけた箇所があったのが、『花とアリス』でも散々やらかしてたどうでもいい有名人のカメオ出演。フジがからんでるらしく大人の事情があったんだろうが、せっかくのいい作品にケチがつくのでこういうのはやめてほしかった(せめてもうちょっと人を選べよ)。


トントン拍子で幸せ街道を突き進むかに見えた七海の人生は、中盤にさしかかると音をたててガラガラと崩れ始める。それはもう残酷に。この辺もいかにも岩井テイスト。リアルにエグい。
そこに暗躍するのが、綾野剛演じるなんでも屋(なりすまし屋)の安室。このミステリアスな安室の存在は、一種クライムサスペンス的な雰囲気をも匂わせ、もう物語がどういう方向にいくのか予測不能になる。私の浅はかな想像力では、「この映画って、大掛かりで壮大なスケールのドッキリ映画ちゃうか!?」なんてことを一瞬思ってしまった。


そして後半、ようやくCoccoが登場。
(あ、こっからはCocco贔屓のオッサンの意見なんで、気持ち悪がられるかもしれんけど)
Cocco演じる真白は、七海にはないものを全部持っているといった、破天荒で天使のような存在。
そして物語は真白の登場によってグっと引き締まったものとなり、七海の人格にも精気のようなものが宿り出すのだ。

Mステなど、テレビでの挙動ったCoccoしか見たことのない人は意外に思うかもしれないが、今回初めて観たCoccoの演技は、まぁほとんど普段の素のCoccoに近い。
(Coccoは気を許した人に対しては、本当に人懐っこくて気さくにしゃべりまくる人物なのだ。)
CoccoがCoccoを演じている感じ。つまり生々しくリアルなのだ。
こういったニュアンスは本格的な役者さんには出せない味だと思う。岩井俊二監督はまさにそれを求めていたのだと。Coccoそのものを撮りたかったのだと。



劇中では、彼女の生歌も披露される。
それはCoccoの作った曲ではなく、ユーミンの曲。
カラオケバーみたいなところで歌うシーンなのだが、東京の人ごみの中で真白とはぐれてしまった七海が、喧騒の街中で必死に真白を探し求めるシーンで、そのCoccoの歌がシンクロして響いてきたときは、やはり涙を抑えきれなかった。

あと、岩井監督がTVBrossのインタビューで「Coccoが音楽活動休止する前の最後のライブでMCで言ったことがこの映画のストーリーに影響している」と言っていた。
終盤、七海と真白がベッドの上で向かい合って話しているシーンが出てきた時、ここだなってのはすぐにわかった。
もうこのCoccoの長いセリフ、ライブでCoccoのMC聞いているときの感覚となんら変わらんかったもんな。


パンフ。寿タッチなデザインがシャレてていいね。



エンドロールで初めて気づいたのだが、この映画に個人的に思い入れ深かったAV女優さんも出演していて感慨深い気持ちになった。
ほんで岩井監督、ふざけてるのか、マジなのか、今回ちょいちょい(綾野氏演じるキャラクター名見てもわかるように)ガンダムネタをぶっこんできてて、劇場で何回か吹いてしまった。


とまぁ、私の好きなものが不可思議にも詰まりに詰まった大傑作映画であった。


オススメ度:★★★★★




今日の1曲:『コスモロジー』/ Cocco
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