AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

2020年06月14日 | まったり邦楽
紅白歌合戦やうたコンなどの大衆音楽番組にはビタ一文興味が持てないが、NHKってのは、観ててなかなかいい音楽を採用するなぁって思う事がよくある。

音楽関連の教育番組なんかは、たまたまテレビつけてそれが始まると、音楽もいいし、つい見入ってしまう時がある。
それはやはり他の民放ではなかなか出てこない、流行り廃れに関係なく、洗練された質の高いミュージシャンの音楽を採用してるからだと思われる。
以前Eテレで放映してたUAの民謡歌番組「うたううあ」なんかでは、バックにLittle Tempoなどのダブ系ミュージシャンを起用したりなど、なかなか興味深い攻めた音楽番組を制作してたし、最近の「ムジカピッコリーナ」という音楽番組では、アイアン・メイデンの「Aces High」なんかを題材に取り上げてたりもしてた。
そういえば、最近人間椅子のメンバーも早朝のEテレに出演してたとか。


10年くらい前からEテレで放映され始めた『デザインあ』のバックで流れてる音楽も、かなり心騒がされるものがあった。

それもそのはず、音楽を担当しているのがコーネリアスこと小山田圭吾氏だからにほかならない。




「デザインあ」は、大人が観ても(というか大人向け?)おもしろい番組で、アニメーションのユニークさや、デザインの美しさなども、映像作家のセンスが光っているというか、とても目を楽しませてくれるもので、そこにコーネリアスの立体感のあるオシャレでユニークな音像とが絶妙にマッチングするのである。
笑い飯のふたりが声を務めてたりもして、ちょっとしたユルさもよい。
M-1の時、西田氏から発せられた名言「思ってたんと違う」コーナーなんかもあったりして。


こうなりゃサントラというか、音源も当然欲しくなってくるわけですよ。
で、ポチったらスゲー盤がむき出しのものが送られてきた。
ペーパークラフト教室で作ったかのような特殊ジャケがいかにも教育番組っぽくてグー。




全25曲で、素材集というか、ほとんど3分にも満たない効果音集的な作品ではあるが、やっぱ小山田氏が作るものなので聴きものとしてちゃんと成り立っている。
とにかくサウンドミックスはやはり極上でオシャレで、耳にとても心地いい。まぁ一種のヒーリングミュージック作品であるかと。

オープニングの「デザインあのテーマ」で歌を務めるショコラをはじめ、嶺川 貴子、相対性理論のやくしまるえつこ、Buffalo Daughterの大野由美子などの選りすぐりの清涼系ヴォーカリスト陣の歌モノも数曲あって、決して聴き手を飽きさせない。

あと「解散!」や「Sound of Composition」を聴いてもらったらわかるかと思うが、ちょうど同じ時期くらいに進められていたコーネリアスとSalyuとのコラボプロジェクト、Salyu × Salyuの楽曲とまったく同じ曲調の楽曲も存在する。
本作でもSalyuの歌で「カラーマジック」というSalyu × Salyuのアルバムに未収録のナンバーが収録されているのがうれしい。


Salyuが「デザインあ」のパイロット版を見て小山田氏にアプローチしたのか、NHKのプロデューサがSalyu × Salyuの音を聴いて番組の企画を思いついたのか、どちらが先だったのかは知らないけど、どちらも楽器の伴奏があってメロウな歌を歌うことだけが音楽ではなく、音を楽しむと書いて音楽、人の歌声、生活環境の音、そして電子音など、様々な“音”を素材として、それを音楽として構築することに長けた小山田氏の面目躍如たる画期的なプロジェクトであったかと。
その音楽と映像編集の絶妙なハーモニーがどちらも素晴らしい。

salyu × salyu "話したいあなたと"
 


ということで、『デザインあ』の音源に感銘を受けた方は、こちらのSalyu × Salyu作品も是非。



まぁ約10年くらい続いてる番組だから、やっぱそこそこ人気があるのだろう。
アルバムもいつの間にか、2弾、3弾と出ており、チボマット、ハナレグミ、原田郁子、環ROY × 鎮座DOPENESS(!)、中納良恵など、多彩で豪華なゲストアーティスト陣が参加してるらしい。

教育にいいか悪いかは別として、これらも是非聴いてみたいと思う。
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GBに魅せられつづけて

2020年06月07日 | ♪音楽総合♪
小学生の時からずっと欲しかったブツをこの歳になってようやく入手した。

そう、レイ・パーカーJr.の主題歌で有名な『ゴーストバスターズ』のサントラ盤。
ほんとうはアナログ盤で欲しいんだけど、2009年に出た超希少盤の紙ジャケCDを見つけて即買いしてしまった。


映画『ゴーストバスターズ』は、私が小学高学年くらいの頃に一世を風靡した大ヒット映画で、当時はMTVが盛んに放映されてて洋楽のPVがお茶の間に頻繁に流れているという時代だった。

『フラッシュダンス』、『フットルース』、『グーニーズ』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など、まずはその映画の主題歌が先行してMTVで流れ、そのPVの映像でだいたいどんな映画なのかを知り、よし映画館に観に行こう!っていう策略にみながまんまとハマるというバブリーで平和な時代だった。

このやる気に満ち溢れたリフサウンドに、覚えやすくキャッチーなコーラス。
80’s洋楽ポップスに興味を持ち始めたクソガキだった私も、このゴーストバスターズのPVにまんまとハマった。




このPVはほんと大好きだった。
終盤のゴーストバスターズウォークも小学校の廊下でよく真似してたし、大人になったらこのPVのレイ・パーカーJr.みたいに、ネグリジェ姿のネェちゃんに「イェーイェーイェーイェー」をやるんだって。
コロンボとかの有名俳優がカメオ出演してるのも楽しかった。




そして『ゴーストバスターズ』は、自分の意思で「映画館で観よう!」と思った初めての映画作品でもあった。
今観ると子供だましもええところの内容だが(『サイコ』や『エクソシスト』の要素もパクってるし)、まだ洋画が新鮮だった小学生の頃の私は、鑑賞後はもう寝ても覚めても「ゴーストバスターズ!」のオンパレード状態で、明治維新後の日本政府のように、生意気盛りの小学生が西洋カブレに染まっていくのに時間はかからなかった。

パンフレットはもちろん、ゴーストバスターズグッズは買いまくってた。
当時一大ブームを巻き起こしてたゴーストバスターズのグッズは、現在の『アナと雪の女王』ばりに近所の文房具屋で普通に売られていたのだ。




その後遺症は今でも引きずってて、Tシャツとか今更購入してるし(トップ・バリューで)。



ニトリで買った時間がとても分かりやすい掛時計を、わざわざゴーストバスターズのやつに挿げ替えたりもした。
こいつは長針と短針がちょうどオバケのところで重なると、時間が全然わからん。


しかもこれ、畜光でないのがとても残念。
昔のグッズはよく光ったものさ。




サントラ盤は当時めちゃくちゃ欲しかったんだが、小学生ん時ゆえの経済事情でなかなか買えず、映画を一緒に観に行った裕福な家庭に生まれ育った同級生の大野くんが先にサントラのカセットテープを購入したので、これまた当時最新鋭だった大野くんのダブルカセットデッキでダビングしてもらったのを聴くことで満足していた。

まぁでも、このサントラを改めて聴いてみて、当時私が経済的理由意外に購入に踏み切らなかった理由がなんとなく窺えた。
本作には、トンプソン・ツインズ、エア・サプライ、ローラー・ブラニガンと、80年代ポップスの代表的なアーティストがずらりと名を連ねてはいるんだが、やっぱ全体的には音楽鑑賞として楽しむにはちと退屈な内容と言わざるを得ない。
インストのなんとかのテーマとかになると、それは劇中でかかって初めて効果がでるものであって、まぁサントラってのはどうしてもそういう弱点が拭い切れない。
他の楽曲も主題曲を含め、このシンセ中心の時代を感じさせる古くさいサウンドと曲調は、今聴くにはちとしんどいものがある。

本作中今でもイカしてるなと思えたのは、ザ・バス・ボーイズの「きまぐれロック・タウン」。
ゴーストバスターズが要請を受けて出動するシーンで挿入されるナンバーで、歌詞内容からしてこの映画用に作られた楽曲なんだと思うけど、古き良き時代のアメリカンロケンローの普遍的なカッコよさがフンダンに盛り込まれた楽曲だ。

Cleanin Up the Town / The Bus Boys



あと劇中でも印象深かったこのサイケデリックなシーンで使われたミック・スマイリーの「Magic」。



最初はボブ・ディランを彷彿とさせる歌唱の眠たげなラブソングかと思いきや、中盤から延々とトリップ感溢れるエレクトロ展開に。その部分が劇中で絶妙な挿入歌として使用されている。とにかくミックスが素晴らしい。


まぁなんやかんや言うて、ゴーストバスターズってのは当時の若者に絶大な影響力があって、それは一見なんの関わりもなさそうなプロのミュージシャンにまで及んでいる。
例えば、イギリスのスラッシュメタルバンドXENTRIXは、デビュー当時あまりにもバカバカしい「ゴーストバスターズ」のカヴァー曲を音源化しているし、つい最近やっと気づいたんだが、電気グルーヴとスチャダラパーのステキなコラボ曲「聖☆おじさん」のあの印象深い決めのフレーズは、完全にゴーストバスターズのパクりである。

    


今現在でも、ゴーストバスターズのあのかわいらしいトレードマークはファッショングッズとして若者の間でも人気があるみたいだし、私と同じくらいの世代の人たちなんかは、幼少期の頃からの依存症が抜け切れず、いまだゴーストバスターズアイテムを見つけては買い求めて止まない人たち(今回購入したサントラ盤もまぁコレクターズアイテムみたいなものだ)が少なくないのではないかと。

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