AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

春泥マニアシンジケート

2009年10月29日 | しねしねシネマ
え?前回の大ヒントでも何の映画かさっぱりわかんなかったって??
も~だから普段からちゃんと人間椅子聴いてないとダメっていってんだよ~

いや、まぁ、フランス映画が全くダメダメな私が「フランス人監督が江戸川乱歩の1928年の怪奇傑作をどないして料理しはったんやろう」と、大変興味をそそられて観に行ったわけでありますが、まさか白人の監督が『陰獣』に目をつけるだなんてそれだけでも凄くナーイ?

『陰獣』といえば、妄想探偵趣味と惨虐色情趣味とが織り成す乱歩の代表作ともいうべき妖気漂う官能サスペンスでございます。
乱歩作品の中でも大好きな作品で、十代の頃寝床で読んでて竹中英太郎氏描くオドロオドロしい挿絵も手伝ってか、そのあまりの幻想怪奇な物語に夜寝られなくなったのを覚えております。
大江春泥という犯人像たるやそりゃあもう強烈なインパクトがございました。
この春泥のモデル自体が作者本人であったことも興味深く、作中で春泥の著した小説の中に『屋根裏の遊戯』『パノラマ国』『B坂の殺人』なんてのも出てきて乱歩の遊び心が垣間見れておもしろい。



で、映画はというと・・・

最初原作とは随分かけ離れた生首ゴロリなシーンが連続して、「どゆこと!?」と面食らったのだが、それは単なる前置きで内容はかなり原作に沿ったものでした。
大江春泥のネチネチした脅迫文も出てきますし(ただフランス語だったのがちょっと・・・)、屋根裏部屋からの変態のぞき見シーン、そしてSMプレイ。
主演女優で芸妓を演じるのはフランス在住の日本人モデルの源利華さん。いかにも外人好みのするエキゾチックな女性という感じ。
ヌードも菊池凛子とは違い、ナイスバディーでかなり色っぽかった。
ただ、彼女がフランス語話してるの見てると、なんでか韓国人女性に見えてくる。

それにしてもエロスはかんなり短めやったなぁ。
まぁこの仏監督は主人公のフランス人作家がミステリアスな異国に迷い込むというジャパニーズな部分をクローズアップしたかったのでしょう。
茶屋街の艶やかさなど、白色人種特有の耽美主義が誇張されてたような気がします。
古都の町京都、殺陣、天狗のお面、ゲイシャガール、丁寧なお辞儀、夏祭り、神社とか、原作にはない舞台設定や装飾を施したのは、この辺の日本アイテムはとりあえずおさえておきたかったのでしょうねぇ。

まぁ原作ファンからすると、「乱歩が描写した“暗闇にうごめく陰気な獣”のような雰囲気が全然表現しきれてない!」って思うだろうけど、ラストのドンデン返しな結末などは原作読んだことない人ならかなり楽しめる推理サスペンスとなってますし、フランス人が撮ったことを思えばまぁこんなもんとちゃいますやろか?
少なくとも人気俳優ばっかキャスティングしまくってるだけの邦画よりかはずっとおもしろい。

ただ、マフィアのボスみたいな役柄の石橋凌が登場するやいなや、なんだかVシネを見ているような気分に陥ってしまった。残念!
あと主人公役のブノワ・マジメル氏だが、白人っていう偏見もあるのだろうが、単なるスケベ外国人にしか見えんというか、フヌケ過ぎる!(まぁそういう役所なんだが)
最期の「ハナセー!!」っていうもがき声には失笑を禁じえなかったなぁ。
あそこは別に日本語でなくても・・・

原作は映画とは違って結局犯人は曖昧なまま終わってしまい、非常に後味が悪い結末なのだが、そこがまたろいろな想像を掻き立てられてゾゾゾーッときちゃうのだ!

『陰獣』はやっぱ原作を読むか、人間椅子の作品を聴くことをオススメしますね。うん。

オススメ度:★★★


鈴木氏の貴重なノーメイク時代。


前半にチラっと映る「何このバンド~?」って笑ってるピンクの女ども。
今じゃオマエらのカッコウの方がイタイぞ!

今日の1曲:『陰獣』/ 人間椅子
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キヨト

2009年10月28日 | 名所ガイド、巡礼記
先日、「京都・ボストン姉妹都市映画祭」とかいうのが京都駅ビルで9-10月限定で催されていたので行ってきました。
駅ビルの7階に特設映画館が設置されていて、2ヶ月間そこで約50本もの映画作品を上映するというものでした。
まぁ、別段映画ファンでもない私がこんな大そうなイベントに参加したのは、とあるフランス映画作品一本を見るためだけやったんですけど。

今年はアメリカ映画、ボストンを舞台にした映画や京都を舞台にした日本映画をはじめ、姉妹都市のある各国の作品を上映してたみたいです。
有名どころでは、『羅生門』『イージー・ライダー』『オペラ座の怪人』『グッバイ、レーニン!』『善き人のためのソナタ』など。

私が見たやつはフランス映画ですが、舞台は京都でした。
だから今回のこの映画祭のプログラムに組み込まれたというわけでとてもラッキーでした。
なんせこの作品、東京では今年の夏一夜限りの上映だったとのことです。

で、気になるそのフランス映画とは一体なんなのかって?

へその緒ちぎった錆びた鎌ぁ~ 真昼の戦慄 草いきれぇ~~
盲いた獣を呼び出せ 邪教の儀式に狂えるままぁ~♪(←ヒント:この次にくる歌詞)

答えは次回。お楽しみに。


駅ビル東側7階に昇ったのは初めてでして、野郎ひとりがいくにはいささか空しくなる所でした。


「駅ビルに悠然と浮かび上がる京都タワー」というイメージで撮影したんやけど、
わしの安モンのカメラではええ塩梅にはいきまへんなー


今日の1曲:『BOSTON TEA PARTY』/ THE SENSATIONAL ALEX HARVEY BAND
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音の加湿器みたいなー

2009年10月22日 | ♪音楽総合♪
英単語3~4文字の男女ユニットグループは日本でもけっこう存在しますが、EVERYTHING BUT THE GIRLもトレイシー・ソーンとベン・ワットからなる、そんな英国の男女ユニット。
ただ、間違ってもEVERY LITTLE THINGなどとは混同しないでもらいたい。あましんからのお願い!

で、このEVERY LITTLE THING BUT THE・・・あら、いや・・・この先はEBTGと省略しよう。
MASSIVE ATTACK作品で、ゲスVoとして参加してたトレイシー・ソーンの歌声に初めて出会い「どストライク!」と思って、必然的にEBTGの作品にも触れるようになったのだが、トレイシー・ソーンは今でも私の中の女性癒し系ヴォーカリストベスト5に入る。

デビューは1984年と結構古く、最初はアコースティッキーな音楽(いわゆるネオアコ)をやっておりました。
ところが“Missing”のリミックスヴァージョンがクラブ・シーンで人気を博し、これをきっかけにヨーロッパで一気に大ブレイクすることになる。
そして1996年発表の『哀しみ色の街』ではエレクトリック・サウンドを全面に打ち出し、EBTGは度肝を抜く大変貌を遂げるのである(ジャケットにカタカナで“イービーティージー”と表記してあるのも珍妙)。
ドラムンベースの心地よい弾ける電子音と、トレイシー・ソーンの清涼感溢れるマイナスイオンヴォイスが見事に相乗効果を奏し、聴覚を通って脳内に染み渡り、聴き手を陶酔の弥果に溺れさすのである。
クラブ・シーンでは、こういった楽曲の幾つものリミックスヴァージョンが12インチなどの媒体を通して出回ったりして、熱心な音源コレクターの蒐集意欲を駆り立てるのである。

今回レンタルした『Adapt or Die』は、そういったヴァージョン違いのレアなアナログをちくいち購入してはチェックするのがダルいものぐさな私にとっては、正におあつらえ向きの企画盤といえよう。
ここでは厳選されたミキサー達による卓越したセンスと技で、ハウス、ヒップホップ、ジャズ、ファンク、エレクトロニカといった色彩豊かな形でETBGの楽曲を楽しむことができる。
本作はオリジナル作品のちょっと一本調子なところが物足りないなぁ~と感じていた部分を見事に補ってくれている。

とにかく各々ヴァリエーションに富んだビートサウンドがもの凄く刺激的で楽しい。
特にサンバ風にリミックスされたカルロス・ジョビンのカヴァー“Corcovado(Knee Deep Mix)”はEBTG作品では聴くことのできない躍動感溢れるリオデジャネイリーなミックスに仕上がっている。
そして“Tempermental(Pull Timewarp Mix)”でのトレイシーの今まできいたことのない艶めかしいムーディーなヴォイスにウットリ。
あと、本作唯一のアコースティックミックス“Driving”のピアノ伴奏をバックにしたトレイシーのフォーキーな歌も秀逸。



しばらくはジミヘンのギターに悶絶しては、EBTGのエレクトロサウンドに癒されるというローテーション生活が続きそうである。


W.G.スティアーの『永遠の修羅場と禁忌界への昇天』については、またの機会に。



今日の1曲:『Before Today 』/ EVERYTHING BUT THE GIRL
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どりーだがー

2009年10月20日 | ♪音楽総合♪
ツタヤの半額クーポン券の有効期限が切れる寸前だったので、急遽CDを3枚ほどレンタル。
すぐPCに取り込んで当日返却するので、1枚あたり110円。
セコく、アバンギャルドに生きてます。

今回レンタルしたのは、椎名林檎最新作『三文ゴシップ』と、JIMI HENDRIXの『First rays of the new rising sun』、EVERYTHING BUT THE GIRLのリミックスベスト『Adapt or Die』の3枚。

椎名林檎の作品は東京事変になってから全然関知していなかったっけ。
10年もたてばもう落ち着いてはるやろうと思ってなんとなくかりてみたんやけど、相変わらずゴチャゴチャとしたもん作ってはりますな。
とにかく腕利きのミュージシャンかき集めて、ゴージャスに飾り立てたって感じ。
まぁ1曲目の“流行”は「おっ!ええ感じ。さすがは歌舞伎町の女王」と思ったんやけど、中盤辺りでこの種々雑多な音色に疲労感が募りもういやんなってきた。
やっぱ林檎の歌声はずっと聴いてたらしんどい。とにかく不純物というか、コレステロール成分が多すぎる。
自ら自作自演と謳ってはるんでこういう演出過剰な音楽でも本人は満足なのだろう。
まぁ林檎のアルバムはもういいかな。私も年だし。

ジミヘンの『First rays of the new rising sun』は、彼の死後発表された『THE CRY OF LOVE』、『RAINBOW BRIDGE』、『WAR HEROES』の3枚のアルバムに分散されていた17曲を総括した作品で、生前ジミヘンが構想していた2枚組みアルバムの姿をある程度具体化したものとなっている。
学生の頃、ツレの車ん中で流れてた“FREEDOM”に感銘を受け、私が最初に買ったのが 『THE CRY OF LOVE』だったのでこの作品にはかなり思い入れがあるんですが、今回未聴だった7曲を聴いてみて、悠香茶のしずくを使った真矢さんやないけど、興奮したぁぁぁ~~!
これほどの秀逸な楽曲群がまだまだあったことを知らなかったなんて、ジミヘンファン失格ですね。てか別にそれほどジミヘンファンでもなかったかな。
ベスト盤とかも持ってるんやけど、1st曲ばっかでこの辺の曲は収録されてないからな。

全体的にファンクやソウル、そしてブルース色がより濃くなっており、よりリズムに重きを置いた感じ。この辺はやはり黒人の血がそうさせるのかな。
うん、ゴニョゴニョとしたトリップ感や、サイケデリックなエフェクトを多用していた初期よりもはるかに好み。
今回超お気に入りなのは、インストの“BEGINNINGS”。
徐々にリズムセクションを変化させていき、ジミのリフがいよいよ高揚感を増していく!まるでライヴでのジャムセッションを聴いている感覚だ。カッコ良すぎる!
この曲聴いてて一瞬だが、VOIVODのピギーを想ってしまった。

この縦横無尽に繰り出される大胆且つ繊細なジミのプレイを聴いたら、ギター知識なしなしの私なんかでも、ジミがどれだけ独奏的なギタリストだったかがわかりますね。
とにかくジミの超絶ギターを十二分に官能したいなら、このアルバムしかないと思う。

あなたも聴いてみて!きっとわかるから!


EBTGの感想ですが、お時間となってしまいましたので次回。

今日の1曲:『FREEDOM』/ JIMI HENDRIX
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こちらがリビングです。

2009年10月16日 | やっぱりメタル!!
最近ヤフオクでテイチクのカップリングCDを見つけては落札するのが趣味みたいになってきた。
こんな人生絶対に間違ってる!!
とは思うんですけどねぇ~・・・今さら変えられねえんだよ、この生き方。

今回落としたのはジャーマンスラッシュ三バカトリオの1つ、LIVING DEATHの4th「WORLDS NEUROSES+LIVE」。
不動産屋さんもよく口にするバンド名なので、みなさんも一度くらいは聴いたことあるかと思います。
もう1枚オマケで付いてた1stアルバムのクソジャケ写真がカモフラージュになったのか、競り合うこともなく、かなり安くで落とせました。

LIVING DEATHといえば、ドッカンドッカン突き進むストレート直球勝負の押せ押せスラッシュの典型。
ひたすら刻まれるリフに重戦車が大地を蹂躙するかのように畳み掛けるドラミング。
そしてなんといってもトルステン“トト”ベルクマンの赤子の夜鳴きのような金属質のスクリームとスラッシュにしては覇気のないコーラス隊が最大の特徴だ。
3rd「PROTECTED FROM REALITY」はジャーマンスラッシュ史上に残る屈指の名作だ。
トトのシンナーでラリってるチンピラのような歌い方がバツグンに素晴らしい。




本作はその次なる作品ということで大いに期待をして臨んだのだが・・・

なーんやこれ!?

メチャメチャ普通になってしもうとるやんけ!

特にヴォーカル。
ロバート・プラントが「LED ZEPPELIN」から一気に「IN THROUGH THE OUT DOOR」に移行したかのような声変わり様である。
それでも4曲くらいまではそれなりにスラッシュしており、特に#3“SHIZOPHRENIA”は本来の獰猛さが息づいているアグレッシヴな良曲。
しかしそれ以降はショボくれたNWOBHMみたいな楽曲ばかりが続き、あくびを禁じえない。

この頃バンド内ではすでにメンバー間の対立が起きてたみたいで、その後見事に分裂している。
原因はやっぱりヴォーカルが自分のSWEET趣味をバンドに持ち込もうとしたのが発端らしい。

とにかく、テイチクカップリングコレクターは大金はたいてムリに買う必要はないと助言しておこう。


今日の1曲:『SHIZOPHRENIA』/ LIVING DEATH
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フジウルクォイグムンズハー

2009年10月11日 | ルルイエ異本
イ~ヒッヒッヒッヒ!!

京都丸太町の某古書店より、太古の忌まわしき禁断の書物が大量に届いた。
国書刊行会から発行された『真ク・リトル・リトル神話体系』第1~5巻の旧版である。
当時定価2900円というなかなかの高価本。

イヤ、ヤフオクで激安セット価格で出品されとったんで思わず落札しちまったんですがね。
ただ、一冊にかかる送料を全く念頭に置いてなかった。
これだったら家から本屋に直に買いに行った方が(ヒイフウミイ・・・・)高いわ。

最近これのスリムで安価になった新編が出てるんですがね。私も2冊ほど購入しました。
でも旧版の方が厳めしい装丁で雰囲気あるんで、ヨグソトースアイテムとして所持しておきたかった。
それに本書にはなんともオドロオドロしい挿絵がついていて冒涜性に溢れている。

あと第2巻にはあのアラビアの狂詩人アブドゥル・アルハザードが記したとされる「ネクロノミコン断章」の日本語訳が収録されている!
あ、でもこれ以前学研から出てたジョージ・ヘイ編のテキストに載ってたやつと一緒か。
フングルイ・・・

ク・リトル・リトル神話体系には様々な人が翻訳に携わっていて、中には“黒魔団”なんて翻訳者(組織?)もいる。
おっかねー


あの『ネクロノミコン』の表紙に印刷されていたのと同じ印が刻まれている。ブラスフェミー!!


邪神がいっぱい!君はいくつ名前が言えるかな? 
(ロバート・ブロック著『顔のない神』の挿絵より)

これでまたさらなる快適なクトゥルーライフが送れるぞぉ~

しまったアアアーーーーー!!!
私の部屋には、もうモノを置くスペースが・・・ない!!

今日の1曲:『地獄のこうもり』/ JERUSALEM
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ディアゴスティーニ

2009年10月09日 | 二酸化マンガ
朝日新聞出版から『週刊マンガ日本史』とかいう歴史モノシリーズが刊行されてて、創刊号180円という安さにつられ試しに購入。

これは毎週50回に渡り、人気マンガ家たちの筆によって、日本史に登場する人物の物語を描いていくというなかなか画期的なシリーズで、勉強嫌いの子供たちの食いつきもいいのではないでしょうか。
それにマンガ嫌いのお堅い父兄の方も理解を示されるのではないかと。

私は日本史に関しては手塚治虫先生の『火の鳥』や『陽だまりの樹』くらいでしか学んでこなかったので、自国の歴史については相当知識が浅いのでいい機会だと思い購入に踏み切った次第にございます。

さて、創刊第一号のテーマは邪馬台国の女王「卑弥呼」。
描き手は藤原カムイ氏。
この絵のタッチ、どっかでみたことあるなぁと思って調べてみたら、ああ!『ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章』の作者の人だったんだ!!
まぁ、そのマンガ読んだこともなければゲームもやったことがないけど。

話の内容は卑弥呼とその弟のシスコン的なやり取りが交わされる程度の極めてつまらないものでした。
それにしても内容が薄っぺらすぎる!
あの時代、日本で皆既日食が起こり、卑弥呼がおびえて岩戸の中に隠れあそばしたというあの有名なエピソードもでてこないし・・・彼女に仕えたという防人の猿田彦はどこにいった?彼が息子のようにかわいがってたクマソのナギも全然出てこないじゃないか!
なんのこっちゃわからない人は『火の鳥 ~黎明編~』を読んでいただきたい。ちゃんと出てくるから!

それに『火の鳥』での卑弥呼は、不老長寿のためなら手段を選ばぬ中国共産党の江青のような悪政をしく独裁者として描かれておるのだが、ここでの卑弥呼は70歳を過ぎてんのに容姿端麗で、民の平和を一心に祈る聡明な予言者であったかのように描かれており、手塚先生の論説に真っ向から反している。なんなんだこれは!
たくっ意外性とかイマジネーションのカケラもねえなぁ。
結局はお子様向けの当たり障りのないキレイ事か。つまんねぇ!

う~ん、このシリーズの定期購読はちょっと見合わせますわ。
それに、これから描くマンガ家たちも知らん人ばっかだし。
こん中で知ってるのは、ガンダムの安彦良和ぐらいっすかね。

私の希望といたしましては・・・

手塚治虫、青木雄二、和田ラヂオ、はるき悦巳、諸星大二郎、丸尾末広、とがしやすたか、つのだじろう、寺沢武一あたりに描いて欲しかったかと。


ディアゴスティーニ♪

今日の1曲:『フィルモアのパンティ嗅ぎレース』/ FRANK ZAPPA
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トゥ・ビー・ウィズ・ユー

2009年10月03日 | ♪音楽総合♪
こないだの午後練集会で、最近リリースされたMR.BIG集金ツアーの武道館ライヴDVDの話題で盛り上がっていたので、私はふと、とあるブリティッシュバンドのCDをBGMにかけてみた。

そのCDとはFREEの1stアルバム『TONS OF SOBS』。
最近このアルバムの紙ジャケリマスターを購入したばかりで持参していたのであった。
まぁ残念ながら、彼らから殆ど反応を得ることはできなかった。

なぜ私が、この古色蒼然たるブリティッシュバンドFREEの作品を持ち出したのかというと、MR.BIGというバンド名はもともとFREEの曲“MR.BIG”からとったものだったからだ。
この曲は彼らの最高傑作と誉れの高い『FIRE AND WATER』に収録されている。
ただ、私は“ALL RIGHT NOW”などの代表曲が数多く収録されているこの洗練された作品よりも、泥臭さの漂う1968年のデビュー作『TONS OF SOBS』の方に当時から深く傾倒しており、今でもなお愛聴盤の1枚としている。

この作品は、当時主流だったブルースやR&Bの流れに深く根下した暗くヘヴィな楽曲が全編に渡って展開している。
まず、英国特有のウェット感漂う不穏な旋律のアコギ小曲“OVER THE GREEN HILLS PART.1”の プロローグ的なオープニングにググっと惹き込まれ、まだまだ粗のある4人のダイナミックな演奏がフェイドインしてくるこの大胆不敵さにやられました。
この作品ではまだ未熟な演奏の荒っぽさが目立つけれど、それもそのはず。
メンバーは当時まだ平均年齢18歳だったのだから!
演奏の未熟さは問題ではない。この作品の魅力は、楽曲のオリジナルティの豊かさと、サウンドの渋味である。
この若さにしてはあまりにもマセ過ぎている!!
“WILD INDIAN WOMAN”などの猥雑でアダルトムーディな雰囲気は、とてもじゃないけど未成年の演奏から発信されているものとは思えない。
ポール・コゾフの荒れ狂うヘヴィなギターも魅力的だが、なんといっても楽曲をひっぱるアンディ・フレイザーの印象深いメロディセンスのベースワークが素晴らしい!
やはりこういったプレイヤーの味のある演奏力に、ただのブルースロックで終わらせない英国人のキラリと光る楽曲のセンスが垣間見られる。
“MOONSHINE”の鬱蒼とした森の深みに迷い込むかのような、ただならぬ怪しさは、今のドゥーム、ストーナー系と呼ばれるロックに相通ずるものがあるかと。
ブルース・ジャムのように終盤にかけて徐々に盛り上がりを見せていく“SWEET TOOTH”の若さゆえの大胆な4人の狂演も圧巻だ。
そしてラストは、再び“OVER THE GREEN HILLS PART.2”で怪しく締めくくるというこの演出、構成力・・・
いい、いい仕上がりだ。

ただMR.BIGファンの人に「彼らのルーツだぜ!」といって、無下にFREEをススめてみたところでまず理解はされないだろう。
だってあらためて聴いてみると、MR.BIGとは似ても似つかないからね。
まぁかろうじてポール・ロジャースのセクスィーヴォイスがエリックに通じるものがなくもないかな。
ポール・ロジャースといえば、近年ではQUEENのヴォーカルとして参加したことで日本でも一般大衆にはそこそこ知られるようにはなっただろう。
だからといって最近のQUEENファンにFREEの1stをススめたところで、食いつく者はやはり皆無に等しいかと。

速弾きとかこなれたテクニックだけでは到底表現しきれない、未熟さゆえのダーティな渋さと味わい深さ(つまりMR.BIGのアルバムとは対照的)を持つ音楽に、私は魅力を感じてしまうのである。



今日の1曲:『MOONSHINE』/ FREE
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