AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

レイジがヤバい

2007年05月31日 | ♪音楽総合♪
レイジのライブDVDの落札に成功。

まぁレイジといっても、3人組ジャーマンメタルバンドのRAGEの事でも、中川家の弟の事でもない。

RAGE AGAINST THE MACHINEのレイジの事である!(最初からそういえよ)


もっともこの映像は10年前にVHSでリリースされたもので、もちろん発売当時即購入して鑑賞しまくった映像である。
90年代””世界最強のライブバンド“”という名声をほしいままにした、彼らの95年~97年にかけてのベストシューティングな怒涛のライブ映像が10曲 + PV6曲、それに加え、ザックの祖国でもあるメキシコのアメリカ傀儡政府に弾圧される現地の人々の現状を描いたセルゲイ・エイセンステン監督のドキュメンタリー映画『Qu In The Sun』の後ろで、ザック・デ・ラ・ロチャが詩を朗読する映像「MEMORY OF THE DEAD(LAND AND LIBERTY)」(ちなみにザックは今でもメキシコの反政府組織“Zapatista Army Of National Liveration”の運営活動に協力しており、そのためソロアルバム制作をうっちゃらかしにしている)が収録されている。
ただ残念なことに、日本盤VHSに特別収録されていた「97年のフジロックのライブ映像」は収録されておらず。

VHS版には特典としてブルース・スプリングスティーンのかヴァー曲『THE GHOST OF TOM JOAD』の8cmシングルCDが付いてきた。



近頃、関東の若者や、しょーもない若手芸能人らがこぞって「もの凄くいい!」の意味のことを「ヤバい!」という言葉で気安く表現することに、私はどうしても抵抗を禁じ得ないのだ。
このレイジのライブ映像と比べてみて、果たして彼らの日常の出来事がほんとうに「ヤバい」と言えるだろうか?


アンプには逆さに貼り付けた星条旗。大地を揺るがすような分厚いティムとブラッドの轟音リズムセクション。「90年代のロバート・フリップ」と評されるハーバード大出身の黒人ギタリスト、トム・モレロのトリッキーなスクラッチギター奏法。
「BULLET INT THE HEAD」で、プラグを直接弦に接触させてスイッチングのように弾くトムの奇想天外な様を見たときは、ほんと度肝抜かれたと同時に戸惑いを覚えたものだ。「なんでそんなややこしい弾き方すんの?」って。
ラップというよりシュプレヒコールのようなザックの怒りのMCは意味は全然わからんと聴いてるけど、200%くらいの本気度がヒシヒシと感じれるほど真に迫るものがあり、とにかくマジギレしてるかのような目つきがヤバすぎる。

この4人のケミストリーが生み出す唸るようなサウンドエナジー!!

「ヤバい!」という言葉は、まさにレイジのためにあるようなものである。


ちなみにこの映像集は、当時この手のミクスチャー系のバンドは殆ど扱わない本国の“ザ・ワールズ・へヴィスト・ヘヴィ・メタル・マガジン”BURRN!でも取り上げられてかなりの評価を得ていた。


今回このライヴ映像を改めて鑑賞してみたけど、やはりなんか物足りなさを感じないではいられない。
というのは、私は97年の地獄の「第一回フジロックフェスティバル」での嵐の中の伝説のライブを体験してしまったひとりなのだ。
あのライブを生で体感してしまっては、どうしても映像ではそのライブの迫力を50%も伝わりきれていないと感じられてしまうのだ。


なので私にとってこのDVDでは、PVやスタジオライブとの方が興味深かったりする。
まず、私のお気に入りなのが、「BULLET IN THE HEAD」のイギリスTV番組「レイト・ショウ」出演時のスタジオライブの模様。
この時のザックの服装とパフォーマンスがやけにかわいい。この頃はまだまだガキンチョだったんだなぁ~って感じ。




そして「KILLING IN THE NAME」のプロモーションライブの映像だが、ステージダイブしようとする客を引きずり回しているガタイのデカい白人セキュリティスタッフに、ザックがキレてつっかかっていくシーンが抜かれていてヤバい(演出ではないと思います)。
事が収まってからもしばらく両者の睨み合いが続き、火花が飛び散ってて緊張感ハンパない。

あと、私が最も好きなPVなのが「FREEDOM」。
彼らの演奏姿も実にクールだが、曲の間中画面下にFBIがインディアン(ネイティヴ・アメリカン)を不当に迫害、虐殺してきた事実を突きつけるテロップが延々と流れ続けるというもの。
彼らの場合、PV自体がバンドのプロモーションというより、反政府運動を目的としたものってかんじで、とにかくとことんヤバいのである。



今日の1曲:『FREEDOM』/ RAGE AGAINST THE MACHINE
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主人公は僕だった

2007年05月28日 | しねしねシネマ

久々に面白い映画を見てきました。『主人公は僕だった』。
かなりネタばれしてしまいますんで内容知りたくない方はエロサイトでも閲覧してて下さい。

これはもう邦題に惹かれましたね。なんか想像つくようなつかんような、とてもシンプルで素敵なナイスタイトル。
「僕は君のためにこそ死ににいく」とかいう長ったらしい邦題(ってこれは邦画か・・・)とは大違い。タイトルでそこまで説明してどないすんねん!
そういえば最近この高の原くんだりまで窪塚君が舞台挨拶にきとったみたいだが今はそれ関係ありませんので。

『主人公は僕だった』<ってタイトルを最初聞いたとき、なんかブラピやアルパチーノなどの有名俳優がドンパチアクションを繰り広げる中、無名の脇役俳優がラストにズームアップされて「ええっ!!僕が主人公やったん!?」というドッキリサプライズな話を想像してしまったのですが、実際は繰り返しの毎日を過ごしている平凡な国税庁の会計検査官が、ある日突然どこからか彼の行動を文学的な表現で語る女性のナレーションが聞こえてきて、自分が小説の主人公であったことに気づかされる。そして自分に死が近づいていることをほのめかす予告話を聞かされ、自分の人生を見つめ直すといった内容。
まぁ癌宣告を受けた主人公の物語のようなもんですかね。

まず、あまり主人公とかには成りえなさそうなのっぺりとした感じのウィル・フェレルという役者さんのキャスティングが的を得ていたなと思った。いかにも地味~な検査官役を見事に演じておりました。
彼にいちいちまとわりつくナレーション、そして妙なカウンターやアイコンのCGも効果テキメンで楽し過ぎで、もう最初から腹抱えて笑ってしまいました。もちろん声は押し殺していましたが、観客も私を含めて4人しかいなかったので体をおもっきり隣席によじらせたりもできますし、鼻毛を抜きながらまるで自分の部屋にいるかのようにゆったりと鑑賞できるのです。

まぁこの映画『トゥルーマン・ショー』とかの雰囲気を思わせそうな話なんですが、なかなか切ないラブ・ストーリーなんかも普通に展開されたりと、こちらの方がより日常的でそれほどカラクリっぽさを感じさせない。
私的には『エターナルサンシャイン』の要素を強く感じたのだけれど、ミッシェル・ゴンドリーやチャーリー・カウフマンが作り出す物語ほど複雑怪奇というわけではなく、結構ストレートな映画でした。

ただよくわからなかったのが、原題は『STRANGER THAN FICTION』で“小説より奇なり”という意なのですが、なぜ小説の主人公が現実の世界と全く同次元に実在しておったのかがよーわからんかった。
彼女が書く小説より“実在の主人公に彼女のナレーションが聞こえてくるという奇妙な現象が起こっている”現実の方が“奇なり”といっているのでしょうか?
じゃあこの女小説家が劇中で執筆している『税金と男(死だったっけ?)』という本はヒルバート教授が「傑作!!」と褒め称えるようにそんなに面白い小説なのか?例えば彼女のナレーションの声に本の中の彼が「誰だ?」と気づくシーンもちゃんと盛り込んであるのか?そのくだりがないと彼はギターを弾くこともなかったろうし、脱税者のパン工房の女性とも恋に落ちることもなかった。そこんところがよーわかりません。

ま、そんなことは別に考えなくても、私が上映前にポイントカードのことで受付嬢とひと悶着あったことさえ忘れさす、本当にハートフルな心温まるコメディー映画でした。

オススメ度:★★★★

今日の1曲:『TAX MAN』/ THE BEATLES
コメント (2)
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