AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

黄昏のサマソニ2013大阪 その3

2013年08月24日 | コンサート
だいぶ間あいたけど、サマソニレポの続き。

西陽になり、ようやく暑さもマシになったので、ちょっくらグッズ売り場まで歩いて行く気に。ノドはカラカラで体力は消耗しきっていたのでトボトボと移動。
グッズ売り場は朝の状況とはうってかわり全然客も並んでなくてガラガラ状態だったのに、柵がしてあってえらい迂回させられたところに入場口があった。ただし、プラチナチケットを所持してる者のみが迂回せず柵を開けてすぐ売り場に通されるという仕組み。要はプラチナチケット所持者との差別化を図るために、我々はわざわざ迂回させられてるってことだ。
どんだけ一般チケット庶民を虐げたら気がすむのか、このサマソニ主催者は?
まぁめぼしいグッズはなにも残ってなくすぐに売り場を離れ、とにかく水分補給をせねばと再びさまよい歩いた。いや、もうこの状態ではチープ・トリックの出演するMOUNTAIN STAGEへは辿り着けそうもないなと、半ばあきらめかけてるところにローソンが目にとまり「ここだ!」と思い入店待ちの列へ並ぶ。さすがにここではプラチナ優先制度はなかった。いや、このローソンがこの舞洲の中で唯一のオアシス、一番まともな場所に思えた。値段もボッタくり料金でなく会場より安い。供給が追っつかなく当然冷蔵庫内の飲料はどれも冷えてなかったが、カクテルパーティー用のアイスボックスカップを買い、そこに98円のむぎ茶を注いで飲んだ時の幸せといったらなかったなぁ~、天にも昇る瞬間だった。
キンキンに冷えたむぎ茶を飲んで、体力も気力もみるみる復活してきて、「よっしゃチープ・トリックみるか!」とMOUNTAIN STAGEの方へ移動。勾配も思ってたより緩やかで案外近かった(と感じたのは体力が回復したせいなんだろうな)。

人はなぜ山に登る。そこにチープ・トリックがいるから。


MOUNTAIN STAGEは海風が吹いていてかなり涼しいエリアだった。ここは柵もなくゴチャゴチャしてなくてなんだか穏やかで、下界のOCEANとは雰囲気がまるで違う。
チープ・トリックのステージはすでに始まっていた。ご機嫌な産業ロック、安定した演奏。うん、いい感じ。
でも曲全然知らんのよね~、ヴォーカルが『DREAM POLICE』のカッコしてるってのはわかった。ギターのあんちゃんの昔と変わらぬ個性的な衣装にチェック模様のギター。これを確認できたらチープ・トリックを見たといえるだろう。
まぁなんせ私が知ってる曲といえば、中学の時ラジオ番組で録音して繰り返し聴いた“How About You”と“Little Sister”くらいやからね~、まずライブでは演らん曲とのこと。

ロビン・ザンダーと私。


メタリカの『RIDE THE LIGHTNING』Tシャツを着てる若いねーちゃんがやけに気になった。私が中学の頃に夢中になってたアルバムのTシャツを今の若い娘が着てるってのがなんか感慨深かったのだ。

そうだった。私にはまだメタリカのライブを体感するという、このイベントに来た最大の目的があったのだ!
ブラックアルバムで見限った(厳密にいうとジャスティスで)とはいえ、メタリカは中学生の頃、私のメタル感を大きく転換させた最大のスラッシュメタルバンドであることは紛れもない事実である。にもかかわらず、スラッシュ四天王で唯一見てないのがこのメタリカであった。最近は大阪にも来てくれないし、サマソニはよくぞ彼らを再び招致してくれた。それだけは感謝する。
30分くらいチープ・トリックを見学した後、リンキンを見終わってOCEAN STAGEから退場する客の大群をなんとか振り切って、柵内に移動。Perfumeの時と違い、けっこう隙間もあって動きやすかった。ま、メタリカで最後やし次のアーティスト目的のファンで混み合うことはないからな。

民族大移動。左側通行守らんと逆行してくるヤツおるけど、これもプレミアチケットのヤツらか?


予定時間より少し遅れてライブがスタート。まぁ現在のメンバーの姿を拝んでもそれほどの感激はない。
まず、一発目いきなり“Hit The Lights”、そして私をスラッシュ道へといざなった“Master of Puppets”、よもやよもやの“Ride The Lightning”と、 初期キラーチューン3連発で狂喜乱舞。
はっきりいってメタリカは演奏力うんぬんというバンドではない。もちろん演奏はそれなりにしっかりしているが、なんといっても彼らの若い荒れくれた衝動によって生み出された珠玉の名曲、名リフ群である。それらの激速のキラーチューンをデビューして30年経った今でもやり続けてくれるんだから、ファンにとっては感謝してあまりあることである。



正直、中盤の後期作品からのナンバー、バラード、そして『ジャスティス』からの長尺ナンバーを4曲もってのは中弛み感が否めなかったが、ラスト3曲は再び初期のキラーチューンでキッチリ締めてくれ、感無量。
やはりスラッシュメタルのライブは楽しい。疲れもふっとぶ。“Seek & Destroy”で頭を振りながら思ったね。ヘドバンはホルモンやBABYMETALのネタのためにやるのではなく、本物のスラッシュメタルバンドのライブでこそやるものだと。メタリカはラーズがなんといおうと、まごうかたなきスラッシュメタルバンドである。
“Battery”終盤の怒涛のリフ攻撃のところでは、モッシュの切り込み隊長を務めさせていただいたし、“Creeping Death”では、念願のダーイ!コールを喉を涸らしながら叫んだ。思い残すことはない。
しかし、客に「死ねー!死ねー!」と叫ばすスラッシュメタルバンドが、ミスチルやMISIAなどが跋扈する日本の夏フェスの大トリを務めるなんて30年前誰が想像できた?えれえ時代になったもんだ。



ラスト“Seek & Destroy”で、客の頭上を跳ねまわったこのメタリカボンボンは、後にどうなったのか?
誰か持って帰った?もしそうだったら電車の中とか大変そうだ。



サマソニの灼熱は懲り懲りだから今後行きそうもないが、メタリカならもう一回くらい見たいな。


P.S.

気づいたら、靴の裏のゴムがベロンベロン。


つか、気づいたのはPerfumeが終わった直後で、この状態のまま舞洲であと8時間以上も過ごさなくてはならなかった私のその時の窮地をお察し下さい。
会場を移動するのも怪獣みたいに歩かなくてはならず、実はモッシュも70%くらいしか本気出せなかった。
10年以上前に処分品で購入してほとんど履いてなかった通気性シューズをいきなり出してきて履いて行ったのがいけなかった。




今日の1曲:『Ride The Lightning』/ METALLICA
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流離のサマソニ大阪2013 その2

2013年08月18日 | コンサート
Perfumeのステージが終わり、ツーステップもフィストバンギンもしてないのに、Tシャツは汗でグチョグチョになり、体力を50%くらい持ってかれ、ゲッソリした状態で群衆の中を抜け出てフラフラと歩いていると、屋根のついたシーサイドバーみたいなブースがあったので入ろうとすると、すかさずスタッフが立ちはだかり「ここはプレミアチケットの方のみですので」と言われ、気分を害しますます疲労感が募った。「なんや貧乏人は熱中症でもなんにでもなってのたれ死ね!ゆうことかい!けったくそわるい、こんな店二度とけえへんからな!」と、心の中で罵倒し、再び避暑地を求め会場をさまよう。
日陰になるような場所も少なく、主催者側はほんまに「プラチナチケット持ってない奴は死ね!」と言っているとしか思えなかった。
OCEAN STAGEを出たら屋根のあるベンチがあったのでそこでしばしの休息をとる。もうそっから動きたくなかった。空き時間けっこうあったけど、グッズ売り場まで歩く気力もなかった。メタリカの番までここでずっと休んでようとさえ思った。

それでも重い足を引きずりながら、FLOWER STAGEまで興味本位で見に行った日本版シーラ・Eとの呼び名も高い?シシド・カフカねーちゃんのステージは見てよかったと思った。
すでにドラムキットにドカっと座って、サウンドチェックをしながら客席に気さくに話しかけておられた。多分緊張をほぐすための行為かと思うが、「今日はとっても暑いねー」とか「みんな元気だねー」とか「夏はちゃんと食事とってね。肉がいいよ。」などと、姉御ハダの口調で言われると「今夜はカルビ1にでも行くか」という従順な気分にさせられる。
私と同様、興味本位で見に来たと思しき男子の口からは、まず第一声「かわいい」という囁きが方々から聞こえてくる。確かにこの地獄の炎天下の中において、粋のいいモデルばりのねーちゃんを眺めてるだけで、疲弊しきったこの体にいくばくかの滋養をもたらしてくれる。
そしてリハ演奏で、グリコ「プリッツ」のCMでもおなじみのこの曲をフルヴァージョンで披露してくれた時点で完全に惚れてしまっていた。



ライブ本編も熱く、いよいよそのワイルド振りを発揮し、あたかも栗山千明演じるGOGO夕張がスクリーンから抜け出てきたかのような挑発的なパフォーマンスを繰り広げていた。
正直音楽性は私の趣味とするところではないが、モデル級の容姿のねーちゃん(実際モデル業もやっているそうな)が、あれだけパワフルにドラム叩きながら歌えたら、エンターテイメントとして十分に成立しているし、ライブとしての見応えもバッチシ。いや、ええもん見させてもらいやした。


その後、FLOWER STAGE近くの日陰ベンチにポケ~っと座ってると、メタルバーで知り合ったプログレメガネ君に遭遇。彼もシシド・カフカを見ていたらしい。
彼につられてノリで酒をあおってしまいますます気分が悪くなる。水筒のソルティ&ライチはすでに底を尽いていた。趣味は怖いほど合致するのだが、私はどうもこの人とつるんでると調子が狂う。
で、人間椅子、クトゥルー談義を交わした後、ふたりでのんびり話題沸騰中のBABYMETAL(以下ベビメタ)を見ようということになった。ま、一応物見高い客としてチェックするつもりではあった。
そこに集まった客は50~60%メタルファンだったんじゃないだろうか?確かにこの時間帯はメタル的に見るものがベビメタくらいしかなかったかと。
まず、楽器を携えた和装姿の白塗りの男どもがゾロゾロ出てきて「あ、生演奏でやらはるんや」と、ちょっと期待してしまった。

モッシュも起こった。砂埃がすごい。


ベビメタに関しては事前にYOU TUBEで試聴済みであったが、ま、これはいわゆるイロモノの部類ですわな。まぁメタル+アイドル+和風ときたらイロモノにしかなりようがないだろう。
音楽的にはニューメタルとか、スリップノットなどを意識した楽曲で、歌い上げるヴォーカルスタイルからX JAPAN、陰陽座あたりの叙情メタルファンが食いつきそうな感じ。
小娘3人のダンスはよく見えてなかったが、やらされてる感が半端なく、ステージを走りまわってるだけみたいな印象しか残らなかった。実はこの振り付け指導、MIKIKO先生(Perfume専属の振り付け師)が担当しているそうで、ちょっと信じ難かった。まぁ相手は年端もいかぬ子供だし、音楽性を考えるとこういう感じにしか成りえなかったんだろう。
プログレメガネ君が意外とくいついてるみたいで、気づいたら前の方に移動してはって「ブルータスよお前もか」と、その場を少し離れる。しかし、移動した場所ではアイドルオタクみたいな連中が、娘たちと同じ振り付けしながら歌っており、私は一瞬秋葉原の路上、あるいはデパートの屋上にいるかのような錯覚に陥った。「いじめ、ダメ!」みたいな曲で皆が一斉にXジャンプをしだして、いたたまれずFLOWER STAGEから離脱。プログレメガネ君とはそれっきりだった。
ホルモンにしてもそうだが、ヘドバンやメロイックサインなどをネタとして使いまわすという手法がメタルをバカにしてるようで、どうも受け付けない。


まだつづく・・・・・

今日の1曲:『MUSIC』/ シシド・カフカ
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灼熱のサマソニ大阪2013 その1

2013年08月17日 | コンサート
遅ればせながらサマソニレポおば。いや、この猛暑やしずっと仕事で疲れ果てて。

私が今回日本一節操のない夏フェスSUMMER SONICに参加したのは、大阪の2日目。2005年に初参加してから実に8年振りとなる。
水筒に1リットル分のソルティ&ライチを詰め込んだリュックを背負い、ギラギラと照りつける太陽のもと、コスモスクエア駅に降り立つ。
8年振りにこの地に帰ってきたぜーー!!サマソニー!!元気だったか!?
しかし、会場はすでにこっから10キロほど先の舞洲にかわっており、そっから300円払ってシャトルバスで海を渡らなければならなかった。

シャトルバスを降りリストバンドを受け取った直後、まず目に飛び込んできたのが、出迎えのピチピチのサマソニガールたち。
なんやなんや?!こんな破廉恥なシステム8年前はなかったぞ!
「リストバンドお付けしま~す」と、その胸の谷間に吸い込まれるように、フラフラ~と手を差し出してしまう私。後で考えたら、そんなもんひとりで出来るわい!と情けない気持ちになったが、その時は完全に思考力が停止してしまっていたのだ。これぞサマソニマジックか!?(いや、オッサンがスケベなだけやろ)

しかし、殺人的な猛暑でそんな一時の幸福感も一瞬にして蒸発してしまう。
ともかく、私はOCEAN STAGEへと赴かなければならなかった。そこではVOLBEATなるメタル風ロックンロール?バンドのステージが繰り広げられていた。右最前にプラチナエリアなる1万円ほど高いチケットを持った者のみが入場できるエリアが柵で囲ってあって、なんかイヤ~なものを感じたが、中央柵内はオールタイム解放されており出入り自由だったので、人の間をぬってそちらに移動。



もちろん私は次のPerfume待ちで、後方でVOLBEATのキャッチーでノリノリなステージをボ~っと眺めてたら、バンドが終盤にいきなりスレイヤーの“Raining Blood”のイントロを演奏しはじめ、私の目の前で客がサーーっと円を描いて後退りしはじめ、瞬く間にモッシュサークルエリアが形成された。なんという、オーディエンスの機敏な反応であろうか!予定外にも私がそのモッシュピットの中に飛び込んでいったのは言うまでもない。

Perfumeのタオル頭巾にメタリカをパロったベビメタTの兄ちゃんがVOLBEATでノリノリ。いろんな人がおりまんなー


VOLBEATの演目が終わり、Perfumeが始まるまでけっこう待たされたと思う。いや、マイク3本用意するのにどんだけ時間かかっとんねん。なぜかベースを持った外人のオッサンが現われ音出しをしている。12時過ぎの炎天直下で私も周りも疲弊してくるのは当然の成り行き。人はどんどんエリア内に入ってくる。とうとう気分の悪くなった女の子が柵の外に担ぎ出された。
今回はスタンディングなので、ツーステップではじけまくるぞ!っと意気込んでおったのだが、今やROCK IN JAPANフェスの大トリを務めるPerfumeの動員力をみくびりすぎていた。そこに次のホルモン目当てのガキどもも詰めかけているもんだから、足も地につかない鮨詰め状態となり、もうライブを楽しめるどころではなかった。
あ~ちゃんが「うちら目がいいけ、後ろの方のお客さんの表情もよく見えとるからね」と言っていたが、ホルモンファンにギュウギュウ詰めにされて虚ろになってる私の表情もバッチリ見えていたのであろうか。



しかし、バックの電飾も一切皆無の真昼間に見るPerfumeのなんと見応えのないことか。後ろのホルモン目当てのねーちゃんが、「Perfumeはどうせなら夜に見たかった」とボヤいておったが、全く同感である。今回はさらに選曲もイマイチすぎた。心底残念だったのが私の苦手なP.T.A.のコーナーの後、最近は必ずといっていいほど“FAKE IT”の流れだったのに、今回はなんでか“だいじょばない”という不意打ち。いや、その選曲こそ全然だいじょばない。
しかもだ。“だいじょばない”のサンプリングの一番激しい場面で音響トラブルが発生。まさに全然だいじょばない。
そういえば、あ〜ちゃんが去年のリベンジでまたサマソニ大阪のステージに戻ってきたとか言うてたけど、去年何があったんやろ?と思っていたが、これのことか。

2012年「Perfumeがいっぱいサンダー呼んじゃいました♪~」って、シャレにならん!


しかも、これもP.T.A.コーナーの直後みたい。う~む、呪われてるとしか・・・・・・・


つづく・・・・

今日の1曲:『だいじょばない』/ Perfume
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ケピティポラ

2013年08月08日 | ♪音楽総合♪
今週末開催のサマソニ大阪2日目に、メタリカとPerfumeが出るっつー理由だけで参戦を決意してしまったわけだが、タイムテーブル見たら両者の出番が6時間も空くということが判明した。その6時間の間何を見たらいいのかと出演アーティストを色々試聴してみたがピンとくるものがなかなかない。
私は舞洲の炎天下の中、どう過ごせばよいのか!ヘタしたら熱射とタイクツさでおじさん死んでしまうぞ!

で、ふとソニックステージのプログラムを見ると、M.I.A.が出演することに気づいた。
M.I.A.は8年前のサマソニで日本に初上陸しており、私はそのステージを目撃している。
彼女がちょうどデビューしたての頃で、この年1stアルバム『Arular』をリリースしている。これが今は亡き奈良のHMVでフィーチャーされてて、「なかなかパンチのきいた斬新なスタイルだな」と、2000円というお手頃価格なのもあって思わずその場で衝動買いしてしまったのだった。



M.I.A.はタミル系スリランカ人のミュージシャンで、もともと本職はデザイナーだった。本名はマヤ・アルプラガサム。M.I.A.という芸名は「Missing In Action(戦闘中行方不明)」の略で、スリランカで政府に追われる身となった行方不明の父に対するメッセージなのだとか。
彼女自身、11歳のとき内戦状態のスリランカから家族と一緒にイギリスに逃れてきた亡命者である。

スリランカ人といえば、私が浪人の頃、イズミヤの掃除のバイト先にひとりスリランカ人がいて、話しかけても「ワカラナイ」の一点張り。仕事が終わった後にいつも出口を間違えてた姿が実にかわいかったことを思い出す。名前は確かアナンダ・ケピティポラ。数年後、彼は突然路上で倒れて死んでしまったと、事務所の管理のじいさんに聞かされたが、彼もそんなスリランカからの亡命者だったのだろうか?

父親が反政府活動のメンバーで、過酷な環境で育ったこともあってか、やはり彼女の容姿や歌からは戦士たるバイタリティがあふれ出ており、私生活においてもそのじゃじゃ馬ぶりは有名で、デビュー前にどっかのパーティーで言い寄ってきたデーモン・アルバーンに対して、「ちょっと有名だからって、アンタなんかに興味ないわよ!」と啖呵きって撃退したとかいないとか。そういう気の強い部分も音楽性に表れていて、色仕掛けで男を挑発しておいて、近づいてきた者のこめかみに銃を突きつけぶち放つといったようなアグレッシヴさが感じられる。
チェ・ゲバラのような反骨精神に充ち溢れたラップに、自分のルーツをアピールするかのようなヒンズーテイストなバックサウンド。最初の数カ月はM.I.A.の痛烈な表現力に魅了され車ん中で繰り返し聴いていた。

しかし、語尾を「ぁ~~あ!」と上げるワンパターンなヴォーカルスタイルがだんだん鼻についてきて、聴けば聴くほどシロウトくささが浮き彫りになってきた。ラップもよく聴けば平坦さが否めない。
きわめつけは2005年のサマソニでのステージ。ミキサー担当と黒人ダンサーの二人を引き連れた小じんまりした編成で、マヤはシルクの民族衣装みたいな安っぽいいでたちで登場。これが全然ライブ映えしなくって、歌もシロウトに毛が生えたレベル。黒人ダンサーは緊張でヤクでもやってたのか、とり乱したかのようなダンスを展開しだし、酒をあおろうとしたところをマヤにコップを取り上げられたりして、ステージはもうグダグダのコントの様相を呈していた。これが本当にプロのステージかと我が目を疑った。一緒に付き添わせていたツレも「なんじゃこりゃ?」みたいな反応を示しており、なんだか申し訳ない気分になった。

まぁでも、あれから8年も経ったことだし、彼女もそれなりに成長、進化してるとは思うんでちょっくらのぞきにいってみたろかしらんと思ったのだが、その時間帯はちょうどチープ・トリックの出番とかぶってて、その後もメタリカを見に走らないといけないので多分ムリ(なのを紹介してどうする?)。




今日の1曲:『Bucky Done Gun』/ M.I.A.
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