AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

馬鹿が戦車でやって来る

2019年07月23日 | コンサート
TANK来日間近に届けられたTANK 5CD BOXを、なんとか5日間で部屋ん中でも車ん中でもスピードラーニングのごとく聴きまくって(5th『TANK』はもう捨てたけど)、すっかりTANKの魅力にハマってしまった今日この頃。


つーか、TANKって案外わかりやすいバンドで、まぁ2回も聴いたらどの曲をライブで演ってくれそうかだいたい予想できてしまうという。
HM/HRファンのツボをつく絶妙なコール&レスポンスが随所に出てきて、メタル心をくすぐってくるんですよね。
Voに不安はあったものの、当日なんだかすごく楽しめる気がした。


会場は心斎橋SOMA。
以前原始神母のライブで一度訪れたことがある。
ステージの奥行きは広いが天井が低い、フロアは白黒のタイルが敷き詰められたなかなかオシャレでいい感じのハコ。

会場に赴いた頃には、おなじみ大阪のハードコアスラッシュバンドRIVERGEのステージがちょうど始まった。



会場のあちらこちらでTTFやROCK STAKKのバーゲンセール時などでよく見かけるメタラーさんらがちらほらいらした。
その中でほとんどROCK STAKKのスタッフみたいなにーさんとはまあまあ心安かったので、TANKについてにわかながら色々話しかけてみた。
「アルジーがVoじゃなくてPINK CREAM69のヴォーカルが歌うオリジナルメンバーがひとりもおらんTANKて、これってほんまにTANKのライブって言えますの?」と。
で、その人曰く「ベースヴォーカルじゃない時点で、もうTANKとは言えまへんな~」と。
やはり一応ライブには足を運んだものの、みんな不安な気持ちはかかえてたみたい。

だって、想像してごらん。
レミーの後釜として、マイケル・キスクが歌うMOTORHEADを・・・・

想像してごらん。
トム・ガブリエル・ウォーリアーの後釜として、リック・アストリーが歌うCELTIC FROSTを・・・・

想像してごらん。
オジー・オズボーンの後釜として、イアン・ギランが歌うBLACK SABBATHを・・・・

ん?これは現実にあったんだっけ?

「こんなのTANKじゃない!」って、パスしたTANKファンも何人かいたんじゃないかな。
逆にPINK CREAM69のVoが観られる!って、かけつけたメタラーもいたかもしれない。

この人みたいに。



BGMはすっかりNWOBHM仕様。
外人DJさんナイスチョイス!デフレパはやっぱこれだよね。
♪Let It Go



全然数を用意してなかったらしく、TANKTシャツはすでに売り切れメンゴ。もう!!(怒)




そして、いよいよ私にとって初のTANKライブ。
ほんまに想定してた通り、1stアルバムの冒頭の「ウンバウンバウンバ!」の掛け声SEが流れ出し、怒濤のTANKのショーがスタート。
ただ、そっから「Shellshock」に傾れ込むのではなく、3rdから「This Means War」がきたのは不意をつかれた。
Y&Tの楽曲を彷彿とさせるキャッチーなメタルナンバーだが、あの時代の英国メタルバンドならではの湿ったメロいギターワークがメタル魂を高揚させる。
聴きたてホヤホヤだったので「WAR!!」の掛け声のタイミングを逃してしまったが。
でも立て続けに3rdから「Echoes Of A Distant Battle」が演奏され、「エコーズ!!」のコール&レスポンスは拳を振り上げバッチリ応えることができた。
この時は非常に気分が上がったことを覚えている。
「ああ、メタルのライブ楽しい!!」と心から思える瞬間だった。
さっき「もうTANKとは言えへん」とかしゃべってたにいさんも拳を上げておおはしゃぎしてた。


「アルジーじゃなくってゴメンナサイ」感を微塵も見せないビブラートきかせまくりで最後までキッチリ歌いあげたピンクリ69のVoの堂々とした佇まい。
想定以上にアルジーとはまったくかけ離れたタイプの高音域のメタルシンガーさんだった。
違和感は覚えたものの、楽曲のカッコよさとコール&レスポンスの楽しさに、ライブ中あまり気にはならなかった。



このバンドはクリフとミックの2人のギタリストが加入してからより一層メロウなメタル路線へとシフトチェンジしていったことが見受けられる。
私の唯一所持していた『血まみれの栄光』なんてそれが実に顕著。
だからライブではこの2人がギターバトルを繰り広げるシーンが何度か見受けられた。
まぁミックは厳めしい面の割に照れ屋なのか、隅の方で地味~に演奏しておりその定位置から動くことはなかったが、クリフはメイデンのデイヴ・マーレイのようなおっとり顔の割にはけっこう前にグイグイ出てきて、メタルギタリストらしいパフォーマンスを繰り広げていた。




ドラムソロコーナーもあった。
いつ頃加入したメンバーか知らないが、割と年配のドラマーさん。
タイトでパワフル。



そのままベースソロコーナーに。この若いにーちゃんは案外うまかった。
途中でどこかで聴いたことあるフレーズを弾きだして、なんだったかなぁ~と考えてたんだが、ああ、YESの「Roundabout」かと。



まぁライブまでの5日間4作をジックリ聴きこんで、「この曲カッコいいな」って思った曲はだいたい演奏されたのではないかと。
私の一番のお気には前回も言ったように2nd『反逆の戦士』なんだが、ピンクリのVoが「TANKの曲の中で俺が一番好きな曲だ」といって演奏されたのが「Walking Barefoot Over Glass」だったのは意外だった。と同時にちょっとこのVoに好感がもてた。「ヘーイ!」「ユー!」の掛け声が楽しすぎるキャッチーでノリノリのナンバーだ。
爆走ロック「Power Of The Hunter」の中間のアルジーのダーティーな「イェーイイェーイイェーイ!」も頑張って再現してくれてはった。

ギタリスト2人の代表作であろう4thからは「Honour And Bood」、「W.M.L.A.」の2曲と意外と少なかった。
ここから完全再現くらいに演ってくれると予想してたのだが。

5作目以降は聴いたことないので、そっからやられると弱いが、もう知らん曲はより一層ヴォーカルのハイトーンが際立って、「これはもうTANKの曲ではなくピンクリ69の曲なんじゃないか」とか思ったり思わなかったり。
心なしか、その辺の曲になると、客のノリも悪いような。





アンコールラストは、もちろんみなさんお待ちかね、「Shellshock」。
曲始まったとたん、一瞬だったがモッシュがおっぱじまる。ステージダイバーがステージによじ登りだし、ピンクリ69のヴォーカルさんそういうのに慣れてないのか、ちょっとひいてはった様子。

で終わりかなぁ~っと思とったら、予定外でもう1曲演ってくれはったのはよかったのだが、なんか地味な曲で(「Blood,Guts And Beer」だったかな?)ちょっと締まりが悪かったか。


でもなんか意外と楽しめた。メタルっていいなと思った。
TANK観に行ってよかった。

大阪に来てくれてありがとう。
また来てね。




今回珍しくアナログ盤を持参。ミックにだけサインもろた。
コメント (2)
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いまさらTANK

2019年07月14日 | やっぱりメタル!!
MOTORHEADのエディ・クラークに見出され、NWOBHMの重鎮的存在であったTANKのまさかの来日の知らせを聞いたときはビックラこいた。
と同時に、TANKの現在のやるせない実情を聞かされ、かなり残念な気持ちにもなった。

現在のTANKは、83年、84年に加入したミック・タッカー(Gt)とクリフ・エヴァンス(Gt)を中心としたTANKと、オリジナルメンバーであるアルジー・ワード(Vo/B)による同名のTANKに分裂しそれぞれ活動中なんだとか。

で、今回来日するのは、じゃない方TANKと申しますか、ミックとクリフによるTANKの方であり、ボーカルはPINK CREAM 69のデイヴィッド・リードマンが担当しているとのこと。
今年このメンバーでTANKの往年の楽曲をセリフカヴァーしているアルバムも出しており、TANK大好きのSODOMのトム・エンジェルリッパーもゲストで参加しているそうな。
ヨウツベの方でその音源を視聴してみたけど・・・・これはいりませんかね。


とか四の五の言ってますが、自分実はTANKそれほど好きっだったわけではないんですよね。
ハッキリいってドがつくにわかです。


TANKは中坊の時、ドハマリ中だったMOTORHEADの弟分ということで興味を抱き、京都のメタル中古レコード屋アビスで4th『血まみれの栄光』のレコードを発見して、期待に胸を膨らませて購入したのが最初だった。



ただ、レコードの針を落としスピーカーから繰り出されたそのサウンドは、自分が期待していたものとは随分違ったものだった。
確かに1曲目「The War Drags Ever On」なんかはMOTORHEAD直系の爆走メタルナンバーだ。
しかし、当時私が求めていたようなソリッドな感じのリフではなく、ちょっと鈍り気のあるサウンドでなんだか迫力に欠ける。
そしてアルジー・ワードのもっさりとした男くさ~いヴォーカル。
確かにレミーと同じ系統の、喉の調子が常に悪そうな感じのダミ声ヴォーカルなんだが、レミーほどの極悪強烈さは感じられず、なんかスゲー音痴やなぁ~ってのがファーストインプレッション。
バックコーラスもあんま迫力ないし(とくにラストの「KILL!!」のコーラス)。

で、TANKはこの1枚だけで、それ以上追及することなくメタル中学時代を終えた。
高校の時、SODOMのポップなアルバム『Better Off Dead』を購入し、その中に収録されていたTANKのカヴァー曲「Turn Your Head Around」がメチャクチャカッコよくて、どうやら『Filth Hounds Hades』てアルバムに収録されてるらしいが、その頃はメタル以外のいろんな音楽を探求していたこともあって、TANKの初期作品まで気がまわらず、そのうちメタルにも興味をなくしちまって・・・・

そして歳月が流れ、TANK諸作品は時々ひっそり再発とかされてたらしいが、現在まで長年入手困難な状態にあった。


で、この度の来日興行に乗じて、ひょっとしたら・・・ひょっとしたら・・・って思っていたら・・・・


キターーーーーーーーっ!!!!

TANK 『1981-1987 5CD-BOX Set』日本盤リマスタ&紙ジャケで再発!!

紙ジャケっすよ!紙ジャケ!

TANKマニアの店長が経営してる大阪のメタル専門店ROCK STAKKがいち早く予約を受付。
7月中旬頃といっていたが、なんとかTANK来日前に届けてくれた。感謝!!(すでにソールドアウト)



それにしても、我ながら思い切った買い物をしたもんだ。
正直1枚聴いただけで見限ったにわかの私が、この豪華で高価なBOXセットを躊躇することなく購入に踏み切ったのは、おこがましくいささか勇み足が過ぎたかなと。
当初TANKは初期作品1枚か2枚入手できるくらいでいいと思ってたんやけど。

まぁTANK初期作品はまた当分手に入らんと思うし、一瞬で売り切れ廃盤になることは必至やったので。


今回大阪公演のみ、ROCK STAKKさんの計らいで枚数限定のステキなTANKロゴデニム柄仕様チケットも販売された。
私はこのチケットが欲しかっただけなのかもしれない。


 
で、やっぱり初期作品はカッコいい!!
『Filth Hounds Hades』もいいけど、個人的には2nd『反逆の戦士』がツボだった。
なんか70年代B級ハードロック感があってすごい自分好み。シャリシャリ感のあるチープなリフで、シンプルながら実にカッコいいフレーズがバンバン繰り出される。
で、今更このアルジー・ワードの音痴ぎみのもっさりとしたヴォーカルの味というものがとてつもなくカッコよく感じられてきた!

4th『血まみれの栄光』も、聴くのはヘタしたら中学以来になるのかな、いやいやどうしてめっさカッコええやないですか!!
男くさいメタルをやる中でも、シンセとかメロいコーラスとか導入してドラマティックさを加えることによって、初期のようなモタヘクリソツ路線からの脱却を図っているようでもある。当時はそこが気に食わなかったのかも。
でも、曲の展開とかけっこう覚えていて、なんだかんだ当時よく聴いてたんだなって。


いやいや、TANK作品はどれも素晴らしい!
もう今までないがしろにしてきた己の浅はかさを恥じるしかない。
特に初期2作品のトリオバンドらしいチープなサウンドが好き。ハッキリいってこの楽曲やるのに5人もいらん!
アルジーのVoもTANKには欠かせない要素だと思う。

それだけに、この度のアルジー不在のTANKは、期待しろっていう方が無理かもしれない。
でも往年の名曲でなんとか盛り上がろうかと思う。


Tank - Turn Your Head Around (HQ audio)
コメント
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人間椅子をおごる

2019年07月07日 | コンサート
人間椅子も今年で30周年。
今回はベスト盤に逃げず、『新青年』というちゃんと通算21枚目のオリジナルアルバムも作ったのであるが、内容の方は・・・
まぁ感想の方はもうちょっと聴き込んでからということで。




てな感じなので、30周年も兼ねたレコ発ツアーはそんなに気が進まなかったんですが、今回のツアーは京都も組み込まれており、ド平日ではあるんだけど、この日はちょうど例の持病で病院に化学療法(レミケード)を受けに行く日で仕事を一日休みにしていたのでちょうどいいなと思って。


会場は、四条通りにある京都ミューズホール。
なにを隠そう私が浪人生の頃、人間椅子を初に見た会場がここであった。
初代ドラマー上館徳芳氏のプレイを拝んだ最初で最後の場所となったのもここ。




先月京都に用事があったので、チケットは直接会場で発券したのであるが、なんせ京都MUSEは大学生の時以来行ってなかったのでだいぶ様変わりしてて、最初気づかずに通り過ぎてしまっていた。
昔はアーケード通りに京都MUSEの表札が出てたんやけどなぁ。
なんかビルの奥まったわかりにくいところに入口があって、非常階段みたいなところから入っていく構造になっていた。




先行物販も階段のおどり場でひとりずつ。



で、今回奇遇にもいつの間にやらアメリカ在住の友人が長期休暇とって帰国しており、一応メタル免疫のあるヤツだったので「おごってやるから人間椅子一緒に行かないか?」と誘ったところのってきよって、通い続けて20何年目にして初めて人間椅子を他の者に接待できた。




友人が祇園四条に到着したのが開演時間ギリギリで、会場に入るとハコパンパンに人が溢れかえっていてビックラこいた。
京都やのにど平日でこの集客率は、10年、20年前だったらとてもじゃないけど考えられない。
2013年のオズフェストに出演してからの人気爆発ぶりがいまだ冷めやらぬのかと。


「新青年まえがき」が出囃子で流れ、メンバーが登場。
1曲目は確か「宇宙のディスクロージャー」だったと思う。
和嶋氏が得意げにテルミンをジミー・ペイジばりのジェスチャーで鳴らしてた。

今回はライブ中ずっと友人の反応が気になってしかたなかった。
飲み物片手に演奏に合わせてゆらゆら揺れてはいたが、ひょっとしたらついていけなくてウトウトしてるんじゃないかって。
おそらく彼が把握していた曲は、一応ヨウツベで予習してきてくれよった「無情のスキャット」くらいだったと思う。
「針の山」が演奏された時「これ、メタリカのカヴァーじゃね?」と反応したが、「メタリカもカヴァーしたBudgieの“Breadfan”な」と一応訂正しておいた。
和嶋氏がダブルネックに持ち替えて「月のアペニン山」を12弦で奏でだした時も「これなんかメタリカの“コール・オブ・クトゥルー”ぽくね?」と言及していた。
そう言われてみたら確かにそれっぽいかも。

今回ノブコーナーで当然「地獄小僧」も演奏されたが、これって実はノブ氏の大好きなマンガ家日野日出志の作品のタイトルやったんね。
そういえば今回は久々にプログレッシヴナンバー「幻色の孤島」も演奏されたな。
で、ノブ氏はなんと今月上映される日野日出志のドキュメンタリー映画『伝説の怪奇漫画家・日野日出志』に出演してるんだとか!
いやーよかったねー。これも人間椅子で頑張って15年間ドラム叩き続けた賜物だね。




まぁ個人的には新曲+最近の曲多めのセトリで、全体的にはハズレ感の否めないライブだったが、「黒猫」が久々にきけたのがよかったのと、今回最もテンションがあがったのが、鈴木氏がファズベースを用いた曲として、まさかまさかの「盗人賛歌」が演奏されたときは飛び上がらんばかりに歓喜した。
まさか生きているうちに生演奏でこの曲がきけるとは!


友人はけっこう楽しめたと言ってくれた。
鈴木氏のパフォーマンスとほんわかしたMCがよかったって。


Ningen Isu / Heartless Scat(人間椅子 / 無情のスキャット)
コメント (4)
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