AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

ハローウィン

2006年10月31日 | ♪音楽総合♪
ハーッピハッピイ ハーローウィーン
ハーローウィーン ハーローウィーン
ハーッピ 法被・・・・・・・

う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ~~~~~~!!!

失礼。えー今歌っていた歌は、ジャーマンくさメロスピ界の先駆者HELLOEENの1stアルバムから“STARLIGHT”のヤンチャなオープニングにございやす。
今宵はハローウィンということで、久々にあの世紀のカップリングCD『WALLS OF JERICHO+JUDAS+HELLOWEEN』を引っぱり出してきて聴いておったとこです。
なになに?「HELLOWEENといえばマイケル・キスクの歌う『守護神伝 第一章』、そして『第二章』だろうが!」ですって?
ま、確かに当初私もそれらの代表作から入り、アホのひとつ覚えみたいに聴きまくっておった時期がございました。
ところが時がたつにつれて、このキスクのあま~い歌声に飽きがきて、気がつくとカイ・ハンセンの歌うこの5曲入り1stEP『HELLOWEEN』がお気に入りとなっとったんですね。
まぁ楽曲はスピードメタル直球勝負みたいなのがほとんどなのでありますが、なんつってもカイ・ハンセンのいささか暴走気味の甲高くて野暮ったい歌い方が強烈ですね。「ええヴォーカルが見つからんかったんで、とりあえず私が歌わされるハメになりましてん」といわんばかりのヤケクソ感が見事に伝わってくる。
名曲“VICTIM OF FATE”での中間の「ハァ~=3」とカイが溜め息を交じえて語り出す場面など、なんともやるせない秋の哀愁を感じさせます。

余談ですが、中学時代仲の良かったA~ha好きでメタル嫌いの優等生タイプのアベちゃんに「ハローウィン最高やで!!聴きねえ」といつも言い聞かせていたのですが、その度にアベちゃんは「ハローウィンじゃなくてヘロウィーンって発音するねんぞ」と、ちくいち訂正されてたのを思い出します。

まぁ13分にも及ぶ長編曲“HELLOWEEN”を流しもって、パンプキンマンの仮装をしてメタルパーティーで盛り上がるのも一興だが、やはり今宵は心穏やかに澄んだ月明かりの夜空を眺めながらしっとりと秋の哀愁を味わいたいという方には、EGO-WRAPPIN’の異色の問題作『MERRY MERRY』なんかいかかでしょうか?
本作ではやはり、よっちゃんが麗しのクリスタルヴォイスでハローウィンの風景をしっとりと歌う#3“Moonlight Journal”なんか、まさにうってつけのナンバーでありましょう。
それではその歌詞の一部を引用しておきましょう。

ダイヤが光る並木 先を争うパレードは溢れる
街は叫んでいる 「ハローウィン ハローウィン 今日は ハローウィン」
くりぬいたかぼちゃのポーカーフェイス
虚ろな黒い瞳
夜の舞踊会 盗賊たちの好物 ざくろは血の色
ナイフ片手に明かりを探すと 未来は錆びついて
同じ道 行ったり来たり
ミクロな私に月がついてくる 月がついてくる♪



今日の1曲:『STARLIGHT』/ HELLOWEEN
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

LOUD PARK 06 2日目~SLAYER編~

2006年10月25日 | コンサート
普段その辺で着ていれば間違いなく職質されるであろう勝負メタルTシャツ

さて、昨年のスラドミの時も着ていったCANNIBAL CORPSEのゾンビTシャツに、昨日購入したばかりのDIOのリストバンドという意気込みタップリのメタルスタイルで、ラウド・パークの2日目に臨んだ。
つってもこの日のお目当てバンドはSLAYERのみ。厳密に言うと、デイヴ・ロンバードのドラミングを見るためにこの2日目に参加したようなものです。
ドリンク代を誤魔化してやろうと、1バンド分ワザと遅れて行って再入場客を装ったのだが、ちゃっかり再入場券を配布しており、私のシミッたれた目論見は見事失敗に終わった。

2番手のIN FRAMESがすでに始まっており、どんなバンドかとちょっと見学にいってみた。
なんとなく彼らのことをメロデスバンドかと思っていたのだが、案外キャッチーなメタルコアといった感じか?ヴォーカルの人はどこかレイジのザック・デ・ラ・ロチャを彷彿とさせる容姿をしていた。
ふ~む、最近のナウなヤングは、こういうのが好きなのか。

そして、あの冒涜的な『Christ Illusion』の巨大バックドロップが上がり、 大トリ、スレイヤーの登場である。
客のなんとも不穏な咆哮があちこちから湧き上がり、殺伐とした雰囲気が場内を覆う中、どっかで聞き覚えのあるSEが聞こえてきた。しかし、私とした事が何の曲かわからん。怒涛の演奏が始まりしばらくたった頃、ようやくこの曲がスレイヤー史上私が最も聴いてなかった前作の曲“Disciple”であることが分かった。
「なんでこれが1曲目やねん・・・」と、昨日のメガデス同様一発目からのり遅れてしまったのだが、トム・アラヤさんの声の様子もなんだかおかしい・・・曲が終わってからのMCもカスレ声で全く聞き取れず。
どうやらこの2日間の連続のライヴで喉をやられたか、風邪をこじらせたみたいだ。
2曲目の「War Ensemble~~~!!」という曲目宣言もグダグダな感じで始まり、もう全くのれましぇ~ん(泣)。「スポ~ザウォ~~~~!!」のサビはトムの代わりにとばかりに熱唱していたが、途中からは演奏見学に切り替えた。特にデイヴの雷神のごときドラムさばきをしかと見届けた。
そして3曲目は早くも名曲“Chemical Warfare”。「コノ曲デモッシュシナイデオクベキカ!」とばかりに前列に突っ込む。この時点で、私のスラッシュ魂にもいよいよエンジンがかかり始めた。
“Season In The Abyss”が終わり、長~いブレイクの後“Postmortem”のイントロが鳴りだしたとき歓喜した!まさかこの曲をライヴで体感できるとは!
トムの声も徐々に出はじめ、従来の残忍性を取り戻しつつあった。そして、そのままあの曲に流れるか思たら、まさかの“Hallowed Point”で肩透かし。“Dead Skin Mask”と続き、「5th大会でも始まるんかい」と思った矢先、ギターの残響音がピ~~~~~~と鳴り出し、「ダダダン!!」という例のデイヴのドラム音が打ち出されたのには意表をつかれた。なるへそ、そうきたか!!
気が付けば、私は最前ブロックの狭苦しいモッシュピットの渦の中に突っ込んで、狐に憑かれたように踊り狂っていた。
今回は“Raining Blood”フルヴァージョンが初に聴けて最高に幸せだった。

暗転して長い沈黙の後“South Of Heaven”のあやかしのイントロが流れ出したのはいつものアンコールパターン。
そしてトドメの“Angel Of Death”で、最前ブロックのモッシュピットは殺人的な盛り上がりを見せる。私もあえてその危険地帯に身を委ね、「殺さば殺せ!!」と言わんばかりに悔いのないよう、存分に暴れまくったのであった。

今日の1曲:『Postmortem』/ Slayer
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

LOUD PARK 06 1日目~MEGADETH編~

2006年10月24日 | コンサート
(前略)コッテコテのケバケバしいバックドロップが貼り付けられ、1日目の大トリであるMEGADETHのライヴが始まった。
デイヴ以外のメンバーを全く知らないということもあり、実は今回最も期待してなかったのがメガデスだった。

1曲目は未聴の新作曲から始まり、マイクの音量が小っさかったのか、デイヴの声も全然通っておらず「こらアカンな」と、いきなし冷め冷めの棒立ち状態であった。
しかし、続いて意外や意外、“Set the World Afire”のジャキジャキのリフが響き出した時は「おお!!これがきたか!」と、私のヴォルテージが一気に上昇した。立て続けに“Wake Up Dead”でもう頭振りまくり状態。そして「ユー!!ダーイ!!」の大合唱。

今回は『Rust In Peace』からのナンバーが比較的多く、“Tornado of Souls”、“Take No Prisoners”、“Hangar 18”など、ヘッドバンガーズ泣かせの曲の時は、私はひたすらエアギター、エアドラムに興じておりました(そうするしかなかった)。
私の前にいた半裸の全身イレズミオヤジがひたすら「初期の曲やれ~!!」とか「Rattle Heads!!」とか必死で叫んでたのが笑えた。つーか見苦しかった。そのヤジにデイヴが応えてくれたのかは定かではないが、大阪でしか披露されなかった“Mechanix”のイントロが鳴り出したときは興奮したなぁ。
“Peace Sells”で無心に頭振っていたら、なんとアンスラックスのダン・スピッツがニコニコしながら舞台袖から出てきて、デイヴと一緒にラストのサビを熱唱してた(実はジョーイも出てきてたみたいで頭振ってて見逃した)。この光景はなんかギャグとしか思えなくて爆笑するしかなかった。
アンコールラストは“Holly Wars”で締め。私はまたひたすらエアギターに興じるのであった。

しかし、今回デイヴ兄になんか好感持てたなぁ。デイヴが次の曲紹介してて、前列の客がチャチャを入れたのに対し、そいつを睨みつけ指を差して、「お前を殺す!」みたいな首をカットするジェスチャーをかましてたのはおもしろかった。
相変わらずの美貌だし、インテレクチュアルながら、エンターテイメント性も重視した商売上手なスラッシャー屋といったところか。
最後ジャクソンVを掲げて「アイシテマス。マタアイマショー」という、彼には不釣合いな片言の日本語がやけにかわいかった。そりゃ女子にモテるわけですよ。
うん、メンバーコロコロ変わっても、メガデスはデイヴ・ムステインさえいれば成立するバンドなんだなぁということを実感させられたライブだった。

今日の1曲:『Set the World Afire』/ MEGADETH
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

LOUD PARK 06 1日目~DIO編~

2006年10月23日 | コンサート
ラウドパーク2日間の疲労が思ったより尾を引いてしまった。おかげでイブレポにもなかなか着手できなった。
まぁこの一週間はフィオナ・アップルのライヴ→演劇→ラウドパーク2日間→結婚式とイベント続きで、仕事が終われば即昏睡状態というありさまだった。

では気を取り直して、ラウドパークのライブレポの続きを・・・

(前略)『ホーリー・ダイバー』の巨大バックドロップがデーンと出現し、ラウドパーク1日目、2番手であるDIOのライヴがおっ始まった。
1曲目、なんか聞き覚えのあるイントロが鳴りだしたと思たら、なんとサバス時代の名曲“Children Of The Sea”がいきなりきたではないか!「うお~~~!!」と、興奮のあまり思わずメロイックサインを掲げてしまった。
写真や映像でしか見たことなかったロニーを、今回初めて生で拝見したわけだが、もうその貫禄たっぷりの存在感は絶大だった。あの美声も全然無理なく出せているし、容姿も昔と全然変わってない(昔から老け顔だったという意見は受けつけない!)。これで60過ぎだというんだから驚くしかない。
とにかくステージ上での立ち振る舞いなんかも実に魔力的パワーに満ち溢れていて、もうその魔力に私は始終惹き込まれっぱなしであった。

それからも“Kill The King”、“Man On The Silver Mountain”、“Long Live Rock'n'Roll”とレインボー時代のノスタルジックな名曲連発で、途中やけに長いドラムソロ~ギターソロ~キーボードソロが挿入されたが、おそらくその間、舞台裏ではロニー様の邪悪なパワーを補充するための儀式が執り行われておったのであろう。
ステージが暗転し、ロニーのあのビーストフェイスが赤く浮かび上がった時は「マジカ!」と思っちゃいました。
ラストナンバーは名曲“Heaven And Hell ”。イントロのギターのフレーズを客一同で「オ~~オ~オ~オ~~♪」と大合唱できたのは、楽しい一時だった。

まぁ結局ディオ(ソロ)の曲は1曲もわからずじまいだった(クレイグ・ゴールディがギターなんやったら1曲くらい『DREAM EVIL』からもやってよ!)。
クレイグは全編に渡ってソツなく卓越したプレイをこなしていたが、サバス、レインボーの曲はやっぱトニー、リッチーじゃないと少しもの足りなさを感じた。
しかし、こんな正統派なヘヴィ・メタルの生ライブを見たのは、今回が初めてかも。なんか新鮮で、思いがけずかなり楽しんでしまった。
いや~たまには様式美もいいもんですねぇ。

あと私がロニーに向かってメロイックサインを掲げている時、ふと横を見ると、明らかに60歳を過ぎたおばぁちゃんが、背中を丸めて小さい手拍子でのっている姿を見た時も、心底「マジカ!!」と思っちゃいました。
ディオのライヴに意外にも興奮してしまい、その後物販で思わずディオのマジカルリストバンドを購入してしまったのだが、ロニーの顔がデーンとプリントされているマジカルTシャツを見たときも、心底「マジカ!」と思いましたね。

今日の1曲:『Heaven and Hell』/ Black Sabbath
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

LOUD PARK 06 1日目~ANTHRAX編~

2006年10月17日 | コンサート
METAL UP YOUR ASS!!
国内最大規模のメタルの祭典「ラウド・パーク」がついに大阪にやってきた!
中学生時代、家庭的経済的な理由で全盛期のライヴを拝めなかった大御所のメタルアーティストたちを、この2日間で一気に網羅できるよろこびと期待とを胸に、私はZEPP OSAKAへと赴いたのであった。

1日目の面子は、ANTHRAX、DIO、そしてMEGADETH。
縮小版ながら、オールドメタルファンにとってはかなり贅沢な組み合わせかと思われる。
この面子だけに、客層は見事なまでにオッサン、オバハンが大半を占めていた。中には60をとうに過ぎているであろうおばあちゃんもスタンディング席にいて、「へ?」と目を疑ってしまった。

さて、トップバッターは本日お目当てのANTHRAX。まさか黄金期のラインナップで拝めることになろうとは・・・・
一発目いきなし“MAD HOUSE”がかまされ会場は歓喜に沸きあがる!後方からクラウドサーフしてきていきなりケンカになりそうなバカがいたっけな。
キャッチーなジョー・ジャクソンのカヴァーの後、早くも“CAUGHT IN A MOSH”がきたので、これはもうモッシュするしかないだろう。しかし、ブロック割の柵がジャマしているためなかなかモッシュの渦ができん。会場の規則なのか、まったくいらんことしてくれてせっかくの盛り上がりが台無しである。
こういった暴れる系のライブでは、柵割りはかえって危険であることがなんでわからんのかなぁ。

ほんじゃこの辺でセットリストをば。曲順は定かではございません。

Madhouse
Got the Time
Caught In A Mosh
Indians
Antisocial
Medusa
I Am the Law
Bring the Noise


アンスラックスの曲はコール&レスポンス所が多すぎて、いきなり喉がガラガラになってしまった。首筋もかなりヤバい状態だったので、常にマッサージを怠らなかった。
しかしジョーイの顔がジャッキー・チェンに見えて仕方がなかったな。フランクはトム・クルーズ、ダニエルは中川家のお兄ちゃんといったところ。アンスラックスの連中って、なんか表情が明るいよね。
音はいまいちクリアじゃなかったし、ジョーイの声にもだいぶ衰えがみえていた。
セットリストは“Medusa”などのレア曲もあったが、短い持ち時間の中、ポップなカヴァー曲を3曲もやるのはどうかと。スコットの強制的な煽りの“Bring the Noise”がラストナンバーであったのも興醒めだった。
とにかくあっという間の縮小ライブで、かなりの不完全燃焼且つ期待ハズレ。

次はDIOだったが、「ま、これは酒でもチビチビやりながら、ポケ~と傍観するブレイクタイムにしよか」と、その時の私はそう思っていたのですが・・・

次回に続く。

今日の1曲:『Gung-Ho』/ Anthrax
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラウドパーク特集 最終回~SLAYER~

2006年10月15日 | やっぱりメタル!!
さ~ていよいよLOUD PARK特集も最終回とあいなりました。幕張でも今日が最終日ですね。で、最期を締めくくるのは・・・
はい、言うまでもありませんね。でも言います。そうです!今回のオオトリを務める泣く子もだまるスラッシュメタル界の帝王SLAYER!!!

スレイヤーは中学の時、スラッシュ仲間のひとりに『REIGN IN BLOOD』のアナログ盤を貸してもらい家でポケ~と聴いてて、あ~やっと2曲目終わったんかと思たらレコード針が上がってしまって「ええ~~!!もうA面終わったん!!」とそのあまりの高速さに驚愕したのを覚えている。もう翌日からは学校で「エンジェボデア!!」を連呼していたっけ。
まぁこの『REINGN IN BLOOD』がスラッシュ史上最強のアルバムであるのは私も認めるところであるが、実はこのアルバム以上に私がよく聴いていたアルバムがあるのです。
それは私が初めてアナログ盤で買った『SOUTH OF HEAVEN』である。

前作が前作だけに、このアルバムは「スピードが落ちた」「パワーダウンした」などの批判を受けることが多いが、いやいやどうしてこれがなかなかユニークなアルバムですよ。
とにかく音がメチャメチャクリーンだ。ギターの音なんか研ぎ澄まされた果物ナイフのように木目細かな切れ味。そして最初の“SOUTH OF HEAVEN”のイントロからしてなにやらドロ~ンとしたダークさが前面に出ている。
この作品で目を見張るのはなんといってもトム・アラヤの歌である!!なんとちゃんと歌を歌っているのだ!
それが顕著に出ているのが、このアルバムで最もキャッチーなナンバー#4.“十字架の裏側”。ゴーゴーダンスでもいけそうな軽いノリの曲なのだが、トムの声にはどこか冷酷で冷めた雰囲気を醸し出しており、スレイヤーの楽曲の中でも非常にユニークなナンバーだ。
彼の捲くし立てるような吐き捨てヴォイスもいいが、このようにクールに歌う声もまた魅力なのである。
それにこの曲の時のデイブ・ロンバードのドラムがまた凄い複雑なのだ!前作よりもキレがあるし、尚且つ安定していてかなりの存在感を放っている。かつてスレイヤーとは犬猿の仲だったデイブ・ムステインが「デイヴのいないスレイヤーなんて怖くない」と証言していたこともなずける話である。
そしてライブでは必ず演奏されるミッドテンポの#5.“MANDATORY SUICIDE”もトムの冷酷な歌い方が光っており、ザクザクと刻まれるリフに乗せてつぶやくように歌う後半の雰囲気はもう鳥肌ものだ!!

もちろんスピーディーな曲も存在していて、ちょっと忘れられがちと思われるのが#6.“GHOSTS OF WAR”。もうスレイヤー節全開の曲で、デイヴのタメを効かしたドラミングも素晴らしく、まぁ個人的にはスレイヤーのスピードナンバーの中でも5本の指に入る名曲なんじゃないかな。
このアルバムの唯一の汚点はジューダス・プリーストのカヴァー#9.“DISSIDENT AGGRESSOR”だな。なんでこれを入れたんだ??歌詞カードには間違えてインストゥルメンタルなんて書かれてあるし・・・

とにかくクリーン、ユニーク、(スレイヤーにしては)メロディアスなスレイヤーの作品の中でも一番の異色作でありましょう。
それとジャケットデザインも非常に冒涜的で素晴らしい。一番好きかも。


さて、いよいよ明後日です。スレイヤーのライブは過去2度行きましたが、全てポール・ボスタフの時代でした。いやポールのプレイには十分満足していたのですが、やっぱり死ぬまでに一度は見ときたいじゃないですか!デイヴ・ロンバードの生プレイ!!
なんの曲をやってくれるんでしょうか?やっぱデイヴ時代の曲、新作の曲中心ですかね。
でも私新作からはあんまりやってほしくない。なんか今回のはつまんない。結局は3rdの二番煎じでしかない。
『REIGN IN BLOOD』みたいなアルバムは一枚だけでいいんです。あのアルバムはどうあがいても超えられないっしょ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラウドパーク特集 第5回~MEGADETH~

2006年10月14日 | やっぱりメタル!!
とうとう今日から既に始まってんですよね!LOUD PARK 2006!!
しぇ~~先日のフィオナのことで頭いっぱいでMEGADETHの記事が当日投稿になっちまった。
だからできるだけ簡略して語ることにしよう。

メガデスの黄金期メンバーといえばマーティー・フリードマン(g)、ニック・メンザ(dr)がいた頃というのが世間一般的だが、私にとってはクリス・ポーランド(g)、故ガル・サミュエルソン(dr)の時、つまりオリジナルメンバーの時が正に黄金期時代なのであります。

1st『KILLING IS MY BUSINESS...AND BUSINESS IS GOOD!』は楽曲は素晴らしいのに音質が劣悪で誠に残念な作品であった。
そして、見違えるかのように音質が良くなった2nd『PEACE SELLS...BUT WHO'S BUYING?』がメガデス史上最高傑作なのは誰が聴いても明らかでしょう。
メタリカのラーズが「デイヴを誇りに思った」と言わしめたこの作品は、私がコンパクト・ディスクとして買った最初のアルバムということでも非常に思い入れが深い作品でもあるわけでして。

出だしから凄まじい勢いで展開する間奏部分が殆どの大胆かつインテレクチュアルな#1.“WAKE UP DEAD”からして凄い!!
恨めしげなデイヴの唸るような歌いっぷりが超イカつくて、ギターソロがまたスリリングでカッコいい#2“殺しの呪文”。メガデスの代表曲にしてヘドバンソングの#3.“PEACE SELLS”。そしてガルの金属質なドラミングに最高級にソリッドなリフの#4.“悪魔島”と、この怒涛の4連発は痛烈な殺傷性を放っている!!

とにかく、この頃のムステインの「殺しますよ。」と言わんばかりの極悪な殺気立った歌い方が好きだ。
この荒びきった餓えた野獣のような獰猛さが今のメガデスにはない魅力であった。
演奏技術はバリバリ長けているのに、テクニックを見せつけるというようないやらし感がない。まぁジェフ・ベックのカヴァー“迷信の恐怖”(確か昔CMソングに使われてましたよね?)ではジャズの要素なんかもチラリと垣間見せてはいるが。
ラストを飾るウットリするよな美しいクラシカルなギターとベースの三重奏で始まる流麗ながらにイケイケの“MY LAST WORDS”も秀逸すぎる。



ギターの講師であったジェフ・スコットと、ガルのローディーだったチャック・ビーラーが在籍してた唯一のアルバム3rd『so far,so good...so what!』も2ndの次ぐらいに好きなアルバムで、渋いアコースティックのカッティングフレーズから始まるインストナンバー“INTO THE LUNGS OF HELL”から間髪入れず“SET THE WORLD AFIRE”に繋がっていくこの流れからして、いよいよインテレクチュアル・スラッシュ・バンドとしての進化が顕れている。
SEX PISTOLSのアナーキーをカヴァーするなど、コマーシャリーな一面もみせてはいるが、デイヴの恨み節はまだまだヤワにはなっていない。
ムステインが終盤でこれでもかーつーぐらいボロクソに悪態を吐きまくる(よう息もつなぁ)“LIAR”。そして出だしのリズム隊のみで疾走する中、デイヴが皮肉たっぷりにPMRCを痛烈に糾弾した“HOOK IN MOUTH”は抜群にカッコいい最強の激走スラッシュナンバーだ!!



まぁ私が昔編集したメガデスベストテープ『MEGADETH IS MY BUSINESS...AND MEGADETH IS GOOD!』には、やはり上の2作品の曲ばかりがチョイスされてましたね。

『RUST IN PEACE』~『CRYPTIC WRITINGS』までの作品ももちろん好きですよ。
やっぱムステインの作る楽曲はクオリティーが高く美しく素晴らしい。
ただ昔のようなハングリーさ、尖がり感がなくなり、丸みを帯びたようになってしまった。デイヴの声もかわいくなっちまったしね。
この辺のアルバムからライブで演って欲しい曲は“ASHES IN YOUR MOUTH”ぐらいかな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

FIONA APPLE @心斎橋クラブクアトロ

2006年10月13日 | コンサート
前回見逃してしまって、約6年間も待ち望んでいたフィオナ・アップルのライブをついに体感した。

開場30分前にクラブクワトロに着き、リハーサルの音が会場から聞こえてきた時は、「彼女は今大阪に来ているんだ!」との実感がフツフツと沸いてきた。
整理番号も若かったので、最前列にも余裕で行けたのだが、ステージ全体をゆったり眺めたいと思ってカウンター席の中央を陣取ったのだが、それは私の大きな誤算であった。
ステージが低いのでフィオナがピアノ席に座ってしまうと、ピアノと客にフィオナの顔が隠れてしまい、かなり見づらいことになっていた。
フィオナは登場するや客席には目もくれず、すぐにピアノ席に座り、真剣な眼差しで他のサポートメンバーと目配せしていきなり“GET HIM BACK”、“TO YOUR LOVE”、“SHADOW BOXER”の3連チャンを披露。もうしょっぱなから感情剥き出しのドスの利いた歌唱でオーディエンスを圧倒する。
え?今日は機嫌が悪いんか?と思うほどの気迫であった。

今回は、各作品からの曲がまんべんなく披露されて、ファン泣かせの選りすぐった代表曲のオンパレードだった。
演奏が始まると彼女は、もう湧き上がる感情が抑えきれないのか、始終ステージを右往左往している。歌の部分じゃないところでもマイクをはずして、なにやらハミングしたり、シャウトしたりと。ほんと近くにいたら胸ぐらつかまれてひざ蹴りされるんじゃないかというくらいの勢いで、私は彼女の気迫にただただ圧倒されるばかりであった。
そして今回もうひとり注目に値したのが、ドラマーのチャーリー・ドレイトンさん。キース・リチャーズなんかとも共演しているセッションドラマーさんらしく、“LIMP”の間奏では見事なまでのドラムソロをかましてくれていた。泡立て器などを使ってのトリッキーな技も珍妙。

今回のハイライトはなんといっても“SLOW LIKE HONEY”であろう。
この時のフィオナはマジで何かが憑依したかのごとく凄かった。レコーディングのアレンジをさらにムーディーに、そしてあの魂に揺さぶりをかける官能的な歌い回し・・・
これほどまでに神々しい女性の歌を、私は今まで体感したことはない。もうジャニスを超えていると思う。
ただ、ずっとしゃがんで歌ってはりましたので、フィオナの姿がほとんど見えないという・・・
ラストはデビュー曲“CRIMINAL”で締め。全18曲の2時間弱の感無量のライヴでしたが、なんか時間たつのがもの凄く早く感じられた。

そして、この後思いがけないサプライズが私を待ち受けていた。
ライヴ終了後、姉がクアトロの出待ちスポットを教えてくれたので、ちょっとでもフィオナの姿を拝めればいいかなという思いで待ってたら、間もなくハイヤータクシーが進入してきてフィオナが裏口から出てきて、すぐタクシーに乗り込んでしまわれた。
そこにいた連中は誰もアクションを起こさなかったので、最初に私が思いっきり手をふってみたら、フィオナがすぐ私に気付いてくれて手を振り返してくれた時は本当にうれしかった。
タクシーはさっさと発進して行ってしまったんだけど、はじめの信号で車が停車すると、そこにいた連中がいっせいに車の方に走り始めたのにはア然とさせられた。
私はそこまでの醜態は曝したくないと、はじめはその様子をその場で眺めていたのだが、なんとフィオナが車の窓を開けて皆に握手を交わしたり、サインを書いてやっているではないか!!
「こらアカン!」と、私も我を忘れて車の方まで一目散に走っていき、ちゃっかり持参していたブックレットをカバンの中からなんとか取り出し(この時の私の無様な焦りようといったらなかったな)、長年憧れ続けてきたフィオナのサインをゲットしたのだった。
しかし、この時ほど「備えあれば憂いなし」という言葉を痛感したことはなかったな・・・
逆手ながら握手も交わし、その時のフィオナの私に向けた眼差しと、あの華奢な手の感触と「Thank You」というステージ上のフィオナからは想像もできないキュートな声は今でもクッキリと私の脳裏に焼きついている。
その後、私は感激のあまり足がワナワナと震え出し(足にくるとはこのことか)、立っていることもままならず、しばらく地べたにへたり込んでしまっていた。
至上の幸福感・・・・もう今死んでもいいって思ったもん。



今日の1曲:『Slow Like Honey』/ Fiona Apple
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラウドパーク特集 第4回~ANTHRAX~

2006年10月11日 | やっぱりメタル!!
実は今回のラウドパークで私が最も楽しみにしているバンドがANTHRAX
なぜならスラッシュ四天王の中で、唯一1度も生ライヴを見たことがないバンドだからです。といってもスコット“ノット”イアンとチャーリー・ベナンテの2人はS.O.D.のライブの時に拝見いたしましたが。
さらに今回はあの黄金期メンバーが全員揃うということで期待感も一潮なんです。

アンスラックスは他の四天王バンドと比べて妙に明るいというかなんか軽い。
軽いといってもスコットのリフは最強にアグレッシヴだし、なんといってもこのバンドのリズム隊は皆ツワモノである。
チャーリーのドラミングは超パワフルでスピーディー。フランクのベースもスラッシュメタルにしては圧倒的な存在感を放っている。
アンスラックスは1st『FISTFUL OF METAL』の段階ではどちらかというとパワーメタルバンドであった。あの甲高いニール・タービンのハイトーンヴォーカルに、それ程ディストーションの効いていないクリアなサウンドで、楽曲もかなりオーソドックスなメタル。
まぁこの頃はダン・リルカなんかも在籍していたし、全く別物のバンドと考えると決して悪い作品ではない。“DEATHRIDER”や“METAL THRASHING MAD”のアグレッシヴ感は今聴いても強烈だ!!

そこにハードコア・パンクのノリの軽さ、スピード感、ヘヴィな音圧を加えることによってアンスラックスをスラッシュメタルバンドへと変貌させたのが2ndその名も『狂気のスラッシュ感染』だ!!
ヴォーカルもジョーイに交代したことにより、歌がクリア且つ聞きやすさが出た。てゆーかこの頃のサウンドにまさにピッタリの声だった。

そして2ndのバラード的な部分を完全排除し、歌メロ要素を極力押さえた全編スラッシュ一点張りのまさにアンスラックスがピークに達したともいえる最高傑作『AMONG THE LIVING』を完成させるのである!!
このアルバムを聴いて頭を振らないことがあろうか?!(いや、ない)このアルバムを聴いてモッシュしないことがあろうか?!(いや、ない)もう何も語るまい。聴けばわかることだから。


あと、メタルにラップ要素を加えるバンドなんて今じゃ5万と存在するが、その手法をアンスラックは80年代中期から既にやっおったんですね~
ジョーイ、ダン以外のメンバーがMCをとる“I'm The Man”を聴いたときは、ラップ嫌いだった私もこの楽曲のセンスの素晴らしさには感服したものである。
まぁアンスラックスは元々こういった遊び心の多いバンドで、その辺が彼らのサウンド面に軽いなぁ~という印象を与えている点なのかもしれません。
その後のヴォーカルがジョン・ブッシュに交替してからの作品は全然聴いた事ありません。別にジョンが嫌いというわけじゃあないんだけど(彼の歌はアーマード・セイントで聴いていたからね)、4thから楽曲が急激にパワーダウンしてしまって、もうこれ以降のアンスラックスの作品に期待が持てなくなってしまったので。
考えれば私の中では一気に燃え上がってすぐに冷めたウスバカゲロウのようなバンドだったな~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラウドパーク特集 第3回~DIO~

2006年10月10日 | やっぱりメタル!!
本題に入る前にちょっとご報告・・・
昨夜ヤフーオークションで、格安のラウドパーク大阪公演2日通し券を競り落とすことに成功。ラウパーに参戦しちゃうことに相成りました。
しゃ~て、どのメタルTシャツ着ていこうかなぁ~、ドキドキドキ、あワクワクワク・・・

さて、今日はおそらくラウドパーク最年長出演者であろうメタル界の魔術師?DIOさんについて。
彼の音楽に出会ったのは映画『ヴィジョン・クエスト』のサントラに収録されていた“Hungry for Heaven”のスタジオ盤。その次がロニー主催のメタル版USA・フォー・アフリカHear and AidのVAアルバム『STARS』に収録されていたのがやはり“Hungry for Heaven”のライブテイクだった。



そしてメタル仲間とのMTVのメタルPV鑑賞会で、初めて動くロニーを見たのがやはり“Hungry for Heaven”のライブ映像だった。
中学の頃ツレの部屋では毎日のようにメタルPV鑑賞会が繰り広げられており、DIOの“Hungry for Heaven”のPVになると、突如みなで雨戸を閉め切って部屋を真っ暗にし、PVに出てくるステージ後ろのDIOのロゴの電光板がくるくる回ってるのをイメージして、クリスマス用のサンタの電飾をピカピカ光らせてみんながみんなメロイックサインを出し合ってロニーになりきっていたものだ。

さて、そんなアホなメタル少年時代の思い出話はおいといて・・・
実は私、それほど彼参加の作品は持ち合わせてなくて、RAINBOW時代の『虹を翔る覇者』、そしてサバス時代の『Heaven and Hell』と『悪魔の掟』くらい。
なんてゆうか彼の声は私には少し暑苦しすぎるといいうか、ようはそれほど好みじゃないんだな。

そんなロニー苦手な私でもこれはよく聴いた作品があって、まぁDIO名義のアルバムはこれ1枚しかもってない。
それは『DREAM EVIL』という少しダーク色の強い作品。
これはロニーの歌いっぷりもクールな感じで聴きやすいし、なんといってもクレイグ・ゴールディのシャープかつスリリングなギターワークが非常にカッコいい!!もう一発目の“Night People”のギターソロの時点でやられました。
#3.“SUNSET SUPERMAN”の「シュッシュッシュババ~♪」な歌いっぷしもユニークだし、PVにもなったバラード曲#4.“ALL THE FOOLS SAILED AWAY”では、ロニーの透き通るような美しいクリスタルヴォイスがただの暑苦しいメタルヴォーカリストではないという事を証明しているし、クレイグの泣きのソロといい、クラシカルなキーボードソロといい、これぞ様式美!!な名曲である。
#6.“OVERLOVE”のクレイグのシャッフリーなバッキングギターも抜群にカッコよい。


まさにドリーム・イーブルなジャケットはいささか稚拙な感じではあるが、この作品の雰囲気をよく表しているのではないかと。ベッド下からどさくさにメロイックサインも出とるし。
ちなみにベッドの上で笛を吹いている魔物はロニーが昔在籍していたELFの1stアルバムで登場したロニー自身がモデルになっているエルフ君らしいのがなかなか興味深い。
てゆーか彼は多分ホンモノのエルフなんじゃないかしら?



いやしかし、まさか生のロニーを拝める事になろうとは夢にも思ってなかったな。
今回は何の曲をやってくれるのだろうか?
“Kill The King”とか演るんだろうなぁ、RAINBOWに未練タラタラな彼のことだしね。
とにかく、当日はみんなメロイックサインで盛り上がろうぜ!!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラウドパーク特集 第2回 ~CATHEDRAL~

2006年10月09日 | やっぱりメタル!!
さて、LOUD PARK特集第2夜は、霊妙なる造物主、あるいはおそろしく陰鬱な救済者ともいうべき窮極のドゥームメタルバンド、CATHEDRALについて語ることにいたそう。

CATHEDRALは(“カテドラル”と読むのか”キャッシードラル”と読むのか筆者自身未だ困惑している)元NAPALM DEATHのヴォーカリストであるリー・ドリアンマーク・グリフィンが中心となって1989年に結成された。
ギタリストは元ACID RAINのギャズ・ジェニングスアダム・レハン、ドラムは最初ベン・モックリーが叩いていたが、1stレコーディングではマイク・スメイルがゲスト参加。その後アンディ・ベイカーが正式加入したがリーと口論となり、(その口論の内容とはウソか誠か「CANDLEMASSとTROUBLEとどっちがヘヴィか」というアホみたいな事だったとか)間もなく脱退してしまったそうな。
まぁ彼らの音楽性を一言でいえば“陰鬱”。これまでやってきたグラインド・コアの速くて短いという音楽性を嘲り笑うような超スローテンポさ、そして奈落の底に沈んでいくような絶望的な暗さ、当時1stアルバム『この森の静寂の中で』をジャケ買いして聴いた時はこのあまりのスローテンポさに目が点状態。聴く度に毎回意識を失ってしまうという始末であった。

そしてしばらくCATHEDRALからは遠ざかっていたのだが2nd『デカダンス』を聴いた時はすぐに飛びついた!これぞ正に私が当時CATHEDRALに求めていたサウンドだった。
中期サバス色の強いミッドテンポのヘヴィサウンドに、リーのヴォーカルの表情も豊かになりとっつき易くなった。
とくに遊び心が爆発したファンキーナンバー“MIDNIGHT MOUNTAIN”は、彼らの名を一躍有名にさせた楽曲といえよう。



それから私はCATHEDRALに夢中になり、もちろん93年のBRUTAL TRUTH、SOBを引き連れて敢行された彼らの大阪公演にも足を運んだのだが、このライヴを見て私の嗜好にまた新たな衝撃が襲った!
それはラストに演奏された“EQUILIBRIUM(静謐)”を聴いた時だった。
後半で展開されるギターフレーズのこの終末的な雰囲気の不可思議な魅力に私は吸い込まれるかのように酔わさてしまったのだ。もう完全にノックアウトだった。
そこで私ははたと気づかされたのだ。
1stに秘められていた楽曲のおぞましくも陰鬱なる魅力というものを!!

このライヴを見終わった後、私は1st『この森の静寂の中で』を毎日とり憑かれたように鑑賞し、聴けば聴くほどにこのアルバムの魅力に溺れていった。
まず#1.“弔儀”のイントロの美しくも怪しいアコースティックにフルートの音色は、まるでこれから陰鬱なる御伽の国に案内されるかのような不吉な予兆を感じさせる。
引きずるようなドロドロした演奏にリーの歌うというより、牢獄の中で絶望に喘ぐようなヴォーカリゼーションは強烈である。#2.“黒き涙に溺れて”のイントロでグリフィンの陰鬱なベースから突如バケモンが飛び出てきたかのようなリーの絶叫には心底ビビらされる。
#3.“蛇眼”はこれはもう暗黒密教の究極の背徳的宗教賛歌と呼ぶべき曲である。途中のリーの歌メロの絶望的な哀愁感といい、後半の大蛇召喚の呪文を唱えているかのような呻き声は戦慄すら覚える。
#4.“生贄”はアルバムの中では比較的テンポの速い曲で初めての方でもとっつきやすいかも・・・ただし2ndの曲のような生易しい曲ではないと言っておこう。
#5.“最期の願い”は、2ndのボーナストラックに93年ヴァージョンが収録されているが、イントロでのピロ~~ンという歪んだギター音や、最後に効果的に挿入されるアコースティックギター音の絶妙な味付けが施されているオリジナルの方が圧倒的に魅力的である。
#6.“静謐”はなんといっても後半の百鬼夜行のようなギターのフレーズ、そして絶妙なタイミングで挿入されるあやかしのオルゴール音が実に効果的である。
ラストの9分にも及ぶ“苦しみに耐え、幸福に至る”は、幻想的なシンセサイザーとフルートの音色が奇妙に乱れ狂う中、リーがもうこれでもかと嘆きに嘆き喘ぐという絶望的な哀歌でCATHEDRALの曲の中でもより陰鬱さを極めた窮極のドゥームナンバーであろう。
この一切の妥協を許さぬ陰鬱さに徹底し、その中でシンセ、フルート、アコースティックといった幻想的な音色を効果的に施すことにより恍惚感すら覚える耽美さをも表現しているこの異形のモンスターアルバム。
これはもう一種のプログレ作品であるといってよいだろう。

確かに2nd、3rdも悪くはない。
だが、しかし!1stアルバムにこそドゥームメタルたるCATHEDRALの真の魅力が秘められているのだ!!と私は思うのである。
そしてまたこのアルバムの素晴らしい邦題や二人称を“汝”とか“そなた”と表記する尊厳なる対訳を施してくださった秋山幸子さんにも敬意を表したい。

この1stと共に2ndのメジャーな音楽性へと以降しつつもまだ1stでのドゥーミーな体質を失っていなかったミニアルバム『SOUL SACRIFICE』も合わせてオススメしておこう。
そなたの忍耐強さと秘められた暗澹たる内向的暗黒面を試すいい機会かもしれません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ラウドパーク特集 第1回~NAPALM DEATH~

2006年10月08日 | やっぱりメタル!!
さて、LOUD PARK特集第一弾は、英国産グラインド・コアの元祖的存在NAPALM DEATHをご紹介することにいたしましょうか。

まぁ一般的なメタラーの間では、1秒(といわれているが実際は2秒)という史上最短曲“You Suffer”ぐらいの認識しか持たれてないかと思われますが、私は当時このネタオンリーの評判が気に食わなかったし、S.O.D.が85年に既に“Diamonds and Rust(Extended Version)”という実質2秒の曲をやっていたのを聴いていたので、たいした驚きもありませんでした。
私はなぜかNAPALM DEATHの作品を6枚も所持しておるんですが、まぁほとんど把握できておりません。
私にとってNAPALM DEATHはちょっと難解というか、いくら聴いても中々頭に入ってこない雲の上、ではなく泥沼の底のような存在なんですなぁ。だからこそ挑戦し甲斐のある生涯における研究テーマ的な存在でもあるのです。

一番最初に買った4曲入りミニアルバムは結構聴いてましたが、その次に購入した1stと2ndとのカップリング+ボーナストラック計55曲入りの『SCUM+FROM ENSLAVEMENT TO OBLITERATION』は当時の私にはとても手に負える代物ではございませんでした。
このアルバムは段階的な手順を踏まえないとまず最後までは集中力が持たないです。
ま、とりあえず2ndの曲は置いといて、全28曲入り1st『SCUM』を聴いていってみましょうか。
そこからさらに後半16曲を切り離し、アナログ盤ではA面にあたる最初の12曲をまず認識する必要があります。というのもこのアルバム、最初ニック・バレン(b,vo)、ジャスティン・プロードリック(g)、ミック・ハリス(d)の3人編成でレコーディングがスタートしたのですが、途中創始者のニック、そしてジャスティンが脱退してしまいB面録音の時点で既にオリジナルメンバーがひとりも残ってないという、クリムゾン顔負けの状態となっておったのです。
そして新たにジム・ホワイトリー(b)現CATHEDRALのリー・ドリアン(vo)、CARCASSのビル・ステアー(g)が加わり、B面を録音したという実に波乱に満ちた経緯を辿っておるんです。

自ら“SCUM(カス)”呼ばわりなこの1st。ノイズ音と共にニックの宣戦布告のような連呼で幕を開け、荒削りなハードコア・パンキッシュサウンドでノリノリかと思いきや、突如怒涛のブラストビートでうぢゃ~~~~!!と畳み掛けるといった感じのが繰り返される。
この時点ではグラインド・コアらしさを放っているのは、ミックのトチ狂ったようなドラム乱れ打ち業くらいで、どちらかというとパンク色の方が強いという印象がある。
個人的にはこのチープさ加減が最近のNAPALM DEATHよりかは遥かに好みで、歴代ヴォーカリストの中でもニックの声が一番好きだったりする。

13曲目からはB面に突入し、曲構成自体はまぁ前半とだいたい同じ(そりゃそうだろ、同じアルバムなんだから)なのだが、サウンドが若干重くなっている。
演奏スピードも微妙に速度を増しており、グラインド色が20%くらいアップしているように見受けられる。
引継ぎのリーのヴォーカルもドスが利いており太い。現在はデス声をマーク・バーニーが、高音発狂ヴォイスをミッチ・ハリスが担当しているようだが、リーは当時その両方を担っていた。
超スピード感、ニブり気のある重さ、そして極端にして曲短!この時点でNAPALM DEATHはグラインド・コア・バンドとしてのスタイルを既に確立していたといってよいのではないでしょうか。

2ndではジムが抜け、UNSEEN TERRORでドラムを叩いていたシェーン・エンバリーがベーシストとして加入している。
彼は現在では唯一残っているメンバーで長老的存在となっている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

グエムル ー漢江の怪物ー

2006年10月02日 | しねしねシネマ
映画の日だったので、6ヵ月振りに映画館まで映画を見に行きました。
最近ホンマに見たいと思う映画がなくて、なかなか映画館まで足を運ぶ気になりませんでしたが、スクリーンで是非見なければという韓国映画があって、奈良近郊の映画館では全てこの作品の上映が終了していたので、雨の中を梅田の三番街シネマまで赴いたというわけです。

その映画とはポン・ ジュノ監督作『グエムル ー漢江の怪物ー』。
ネット検索したら“グエムル”を“グエルム”と勘違いして覚えてしまってる人が結構いらっしゃいますね。
そういう私も最初“グエルム”と思ってて、このキーワードで検索しててわかったことなんですけど。

ジュノ監督の作品は、以前『殺人の追憶』という作品を見て「いや~韓国映画もなかなかあなどれんな~」と私が初めて韓国映画に興味を示したこともあって、彼がどんな描写でモンスター映画を撮ったのかと大いに期待が持てました。
で、やっぱりおもしろかった。まぁストーリー自体は韓国版ジュラシックパーク。
怪物の高度なCG映像に驚かされたが、なんのことはない、『ロード・オブ・ザ・リング』や『ハリー・ポッター』の制作チームが手掛けているので、この点に関しては別に韓国映画として褒められる点ではありません。
やっぱ彼の作品の魅力は人物描写にある。
うだつの上がらない駄菓子屋の親父とその息子、大学出だが未だフリーターの弟、アーチェリー全国3位という微妙な地位のある妹という、平凡なデコボコ家族が一致団結して長男の1人娘をさらった突然変異の人食い怪物“グエムル”に立ち向かうという設定にまずグッとくる。
もう冒頭から惜しげもなく闇雲に暴れまくる怪物を登場させてるところがあまりにも乱暴すぎて笑えた。客席でもけっこう笑いが起こっていた。
この思い切りのよさはスゴイ!いきなりそんな修羅場を見せてその先の展開どないするんやー!てつっこみたくなった。
そしてこのデコボコ家族のやり取りがなんかコントみたいで笑える。
とにかく怪物に立ち向かうこの家族の無計画さったらないです。もうただ娘を助けたい一心なんですね。そこらへんの家族愛の描写が非常に面白い。親父の死を覚悟した瞬間のニヒルな表情は印象深かったな。
とにかくなんのヒネリもない内容のようで、なぜか展開の予想がつかずワクワクしてしまう。
それとあとクサさがない。この映画には笑いと同時に非情さも同居しているのだ。決してハッピーエンドな映画ではない。
またしてもジュノ監督にやられたって感じです。

ハリウッドでこの作品のリメイクを検討中とのことだが、止めとけって。
この作品は舞台が韓国、そして役者が韓国人やからこそユーモアがあって面白いのであって、毛唐が演じてもなんの新鮮味もないし、結局アメリカ万歳アホ映画に終わるのは目に見えとるから。
そしてソン・ガンホほどのトボけた演技をできる役者はまずおらんであろう。

オススメ度:★★★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする