AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

青春スラッシュ(SANITARIUM)

2017年12月29日 | やっぱりメタル!!
早いもので、今年も残すところあと3日。

この一年間、世間を賑わせた様々な事がございましたね。
相撲界の暴力沙汰騒動や、北朝鮮のミサイル問題にこのハゲーーーーっ!!と。

そして、メタル好きとして知られるインドネシアのジョコ・ウィドド大統領が訪問先のデンマークで、宮殿で行われた公式訪問の際、同国のラース・ロッケ・ラスムセン首相からサプライズでメタリカの『MASTER OF PUPPETS』デラックス・ボックスをプレゼントされたという、大変微笑ましいエピソードも今年の印象深いニュースのひとつ。

「あとで、アーティレリーもお渡ししますね」と、ラスムセン首相。



そう、今年はあのメタリカの究極のモンスターアルバム『MASTER OF PUPPETS』が発売されてから丁度30周年(と思ったら31年だった)。
今月、各メタル雑誌でもこのアルバムの特集が大々的に組まれている。


このアルバムは確かに当時、メタル界を大いに揺るがす衝撃をもって世に放たれた。
そして、この私もリアルタイムでその衝撃を受けた者のひとりであり、それまでの私のメタル嗜好(といってもまだメタル歴一年くらいだったが)をガラリと路線変更させた一枚であった。

メタリカに出会う以前は、ナイトレンジャー、モトリー・クルー、アクセプト、イングベイ、リジー・ボーデン、そしてアイアン・メイデンなど、いわゆる正統派というか、妙に色とりどりな、今思うとキテレツ極まりない派手な衣装に身をつつみ、ヴォーカルはだいたいハイトーンっていう王道のメタルバンドを聴いていた。そういうメタルが常識だったし、それがカッコいいと思っていた。

だが、ある日突然ラジオから流れてきたメタリカの「Master of Puppets」は、そんな常識をいとも簡単に打ち砕いてしまった。
ザクザクと刻まれるリフの応酬、吐き捨てるようなヴォーカル(といっても、この頃のジェームズの声にはもうすでに整合感が備わってきていたが)、曲展開の激しさ、そして長尺!
それまで8分超えの曲なんてあまり聴いたことなかったから、当時の私としてはとんでもないものを聴いているような気がした。

Metallica-Master Of Puppets (Lyrics)



この作品は、「Battery」や「Disposable Heroes」などのスピード感溢れるキラーリフに満ち溢れた楽曲群の秀逸さもあるが、バラード「Welcome Home」やタイトル曲、そして故クリフ・バートンが作曲の大半を担った遺作ともいうべき長編のインスト曲「Orion」に見られる整合感と知性に溢れる楽曲が含まれていることが、以前は「うるさいだけ」「速いだけ」と、メタリカやその辺のスラッシュを蔑んでいた者を振り向かせたという点で、大変な偉業を成し得た作品といえよう。
煌びやかで華やかなメタルバンドが幅を聴かせていたアメリカで、NWBOHMに影響を受け、決してイケメンじゃない普段着を着た連中がアンダーグラウンドでシコシコやっていた過激なスラッシュバンドが、PVの力も借りず(MTV全盛期の当時としては異例)実力だけでスターダムにのし上がったのである。

コスチュームでない彼らのファッションセンスも、当時メタルの常識を真っ向から覆した。



デニム&レザー。クリフのジージャンにベルボトム姿も印象的だった。



『MASTER OF PUPPETS』は、凄まじい猛威をふるって全世界に波及した。
いわゆるスラッシュメタルムーブメントが勃発したのである。これはもはや社会現象といってもよかった。
その影響力は凄まじく、私が通っていた京都南部の田舎の中学校にまで及んだのである。
私の周りではわりとメタルが流行ってて、まぁ持ちこんだのはおそらく私だと思われるが、私よりも人望があって影響力のあるやつが他のクラスで広めたといったところだ。
ラジオでメタリカの音源を目の当たりにした私は、さっそくワルツ堂に赴き『メタルマスター』という、カセットテープかみたいなダサい邦題のついたメタリカのレコードを取り寄せた。
そしてさっそくメタル仲間に聴かせたところ、4、5人のやつがやはり共鳴した。ただ、ハマらないやつも何人かいた。
メタリカのサウンドに感じいったものは、それからいわゆるスラッシャーという人種に変貌していって、もっと過激なスラッシュバンドはないかと、互いに競い合うかのように音源漁りに邁進していった。
そこでスラッシュコミュニティみたいなものが形成され、いままで聴いていた産業ロックめいたメタルには見向きもしなくなっていった。
そしてメタル仲間の中で派閥みたいなものができて、論争やケンカにまでは発展しなかったものの、メタル正統派の連中とは自然と付き合いがなくなっていった。

当時私の下敷きにはさんでいたものも、いよいよ過激さを増してゆくのであった。



それから2nd、1stと遡って聴いていって、今となってはその初期3枚の中で3rdはサウンド的に一番もの足りない作品となってしまったが、以降の作品にロクなものがないことからも、まぁ『MASTER OF PUPPETS』ってのはメタリカにとって、これ以上ない頂点に達してしまった作品といったところですわな。


それから歳月は流れ、メタリカのあの印象深いロゴは今じゃブランド、ファッションと化しており、イオンに入店しているような安物のアパレル店で購入したメタリカのロゴの入ったTシャツを着た若者を最近よく見かけます。

そういう若者を見ては、メタリカの音楽と共にスラッシングな青春時代を過ごした最良だった日々が思い出され、ああ、この子たちがせめて『MASTER OF PUPPETS』ぐらいは聴いてて欲しいものだと、思ったり、思わなかったり。




今日の1曲:『Battery』/ METALLICA
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グットキッタ

2017年12月20日 | コンサート
Salyuが今月京都でライブを演るという知らせは、先々月くらいから知ってはいたが、行こうかどうかと迷っている内にもう次の日ライブってなった時点で、ローチケではすでに完売しとったし、平日やし「もう行かんでもいっか」って気持ちになってたんだが、ライブ当日になって仕事しながら「しかし、今年すでになんの予定もあらへんし、多分もう年内いい事ひとつもあらへんなぁ~」ってポケ~っと考えてる内に、気が付いたら京都の神宮丸太町駅に降り立っていた。




まぁ今回は開演が20:00からってのがよくて、仕事終わって家帰ってから会場に向かっても十分間に合う余裕があった。
家出る前に会場に問い合わせたら、当日券出ますって回答も得られたので。


Salyuはここ数年、小林武史氏とのコンビユニット“Minima”などで精力的にライブ巡業を行っているが、今回神宮丸太町駅にある京都Metroで行われたライブは、『ウッタギッタ』という歌とギターで織り成す構成で、内橋和久氏という、国際派の、なんだかすごいキャリアのギタリストさんとのユニットライブ。




このユニット企画、ここ京都Metroで今春にも演ったらしく、実は今年二回目。
前回は瞬く間にソールドアウトになったらしく、今回はそのアンコールに応えてのものだったらしい。
まぁこの小さなハコの狭い空間で、Salyuの歌を堪能できるなんてことはめったにない事だから、そらSalyuファンは殺到するだろう。


京都Metroは3年前のチボ・マットのライブ以来(チボ・マット先日解散しちゃったんだよね)。
まぁここは京都で屈指のオシャレなライブハウスで、Salyuのアコースティッキーなライブにはピッタリですわな。




当日券なので当然座席には座れなかったけど、前回のチボ・マットの時と同様、右側の一段せり上がった通路の上からかなりステージに近い所で見ることができた。
わりとのんびりしていて、20:00をかなり回った頃に演者が出てきてライブがスタートした。

序盤はSalyuが自前の多重ループサウンドマシーンを操作しての演目で、1曲目ウォーミングアップな感じでSalyu × Salyuからの楽曲 「Sailing Day」で幕を開けた。
まだ声の方は本調子ではないようだったが、それでも忙しなく機械を操作しながら歌うSalyuの姿は、なんだか余裕のある一端のミュージシャン然としていて、やはり場数を踏んでいるだけあるなと思った。




そして、2曲目で早くも私に、この日一番の衝撃が走った!
Salyuがなんかブルージーな洋楽のカヴァー曲を歌い出したのだが、なんだか聴き覚えのある歌だった。
で、徐々にその曲の輪郭が見えだし・・・・え?おい、まさか!・・・こ、これは・・・・

ス、スティーリー・ダンの「Show Biz Kids」!!

そのことがわかった瞬間、もう今年一番っていうくらいの寒イボが全身をかけ巡った。
まさか、Salyuのライブで、スティーリー・ダンの2nd『Countdown To Ecstacy』からのこの地味な曲のカヴァーが聴けるとは・・・・




今回カヴァー曲はけっこうあって、ジブリ映画の主題歌で有名なユーミンの「ひこうき雲」、スタンダードナンバー「My Favorite Things」、Salyuの(最近始めたばかりだという)ギター弾き語りによるヴェルヴェット・アンダーグランドの「Femme Fatale」・・・・etc。
あ、そうそう、Salyuのシングル『iris~しあわせの箱~』に収録されてたc/w曲、ジョニ・ミッチェルのカヴァー「River」が聴けたのはよかった。

リリイ・シュシュからの楽曲も数曲披露されて、「グライド」「飛べない翼」「エロティック」の3曲だったかな。
まぁリリイの楽曲は大好きなんだが、アコースティッキーなこのイベントにはリリイの楽曲はあまりそぐわないなと思ったのは私だけだろうか?


想定外にもSalyu名義の楽曲が少なく、「messenger」と、本編ラストに「to U」が演奏されたくらいか。
今年8月に宮城県石巻市の特設ステージでSalyu自身が演劇の舞台に立って披露したという、宮沢賢治の詩に曲をつけた「雪の下のふきのとう」は、最初に説明のあった宮沢自身の若くしてこの世を去った妹の事を綴った詩ということも相まって、Salyuの神々しくも哀愁感溢れる歌声に目頭が熱くなるのを禁じ得なかった。
宮沢賢治作品モチーフ『四次元の賢治』、一体どんな舞台だった?


おそらく、今回のが今年最後のライブ観賞になると思うが、まぁ、どんなものかとふらふらと見に行ったこの私の優柔不断な行動力が今回見事功を奏したと申しましょうか。
狭いオシャレな空間で、番外編的な趣のアダルティーなSalyuの歌を至近距離で堪能でき、「ほんと来てよかった」って思える、プレミアムで極上のいいライブだった。
(今までで見たSalyuのライブで一番よかったかも)




今日の1曲:『ひこうき雲』/ Salyu
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TAKASHIが届いた!

2017年12月16日 | やっぱりメタル!!
へへへ・・・やあ、みんな!

待ちに待った、TAKASHIが届いたぜ!

TAKASHIといえば、昔住んでた家の近所に住んでた毬栗頭のタカシくんのことが思い出される。
ある日タカシくんの家の前を通ったとき、お兄ちゃんと2人で庭で焚き火をしていて、珍しい家庭だなと思って近づいていったのがキッカケで友達になった。
だが、そのタカシくんと今回届いたTAKASHIとはなんの関係もない。

TAKASHIは、アメリカ、ニュー・ヨーク産のツインG.を擁する5人組正統派へヴィ・メタル・バンド。
1983年に彼らが唯一残した4曲入りEP『Kamikaze Killers』。それになんとメタルのコンピレーションアルバムに提供した幻の2曲と、デモ音源とライブ音源が数曲付いてCD化された物が私のもとに届けられたのだ。

これはもはや事件だ!

TAKASHI。このアー写から、計り知れない日本愛が感じられやしないか?!



なんと輸入盤なのに邦題もついてる!
もうこれだけでウェルカムトゥジャパーーーン!!じゃないですか。



ちなみにボーカルのダニー・スタントンは、TAKASHI解散後、NINJAというバンドを組んでいる。


とにかく、TAKASHIはダテじゃない。







今日の1曲:『Kill Or Be Killed』/ TAKASHI
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Kool Thing

2017年12月10日 | ♪音楽総合♪
さて、上写真のは、先日またしても通販で購入したおろしたての限定Tシャツでありますが。
まぁ洋ロック好きの方ならこのTシャツの柄を見て「おっ」と思われるだろうが、果たしてこれが手塚マンガのキャラTだと気づく人が何人いるだろうか?


柄全体の構図は、SONIC YOUTHの言わずと知れた1990年のメジャー作第一弾『GOO』の有名なジャケット画。


ソニック・ユースは自分の中ではまぁまぁ好きなバンドといったところ。
大学に入って、そろそろメタル、ハードロック以外にも色々聴きたくなる年頃になって、同じ学部のロック好きの奴から借りた『Dirty』を聴き衝撃を受けたのが最初。
時代はグランジがいよいよ勢いを増していた頃で、ニルヴァーナやメロコアなんかも流行ってて、ま、いわゆる“パンク”が再び返り咲いたみたいな時代を迎えていた。
ただ、それらよりも、「エレキギターは歪ませてナンボ」みたいなノイジーなサウンドをカオティックに繰り広げるソニック・ユースの楽曲に言いしれぬパンク精神を感じたのだ。
門外漢だが、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやパティ・スミスなど、NYパンク、ニューウェイブの流れを汲んでいることもなんとなく感じとれた。
フロントの3人がかわるがわる個性の違うヴォーカルを担当してるが、“Shoot”や“My Friend Goo”など、官能的かつダーティに歌うキム・ゴードンの楽曲が特に好き。
それからインディーズ時代のアルバムにも何枚か手を出して挫折。やはりソニック・ユースは私にとって敷居が高いなと。


で、グラサンかけてるカモとウサギは一体何なのかと?
これらのケダモノどもは、手塚治虫先生が1965年少年サンデーに連載していた『W3(ワンダースリー)』というSFマンガに出てくるキャラクターたちである。



表紙を見てもらってもわかる通り、まぁ小学校低学年向けのいわゆる少年冒険マンガですわ。
当時、連載と同時にTVアニメ(白黒)も放送され、私より15才くらい年配の方が幼少の頃にけっこう人気だったらしく、ま、今でいう『ワン・ピース』ぐらいの立ち位置だったのではないかと。




タイヤを改良して作ったW3たちの乗り物ビッグ・ローリーに乗ることが、当時の子供たちの憧れだったとか。



実は私も『W3』のマンガに出会ったのは小学校低学年の頃。
同じクラスの子が朝日から刊行されていた小学生新聞というものをとっていて、私もそれに影響され親にせがんだところ、「この年で新聞を読みたいなんて・・・うん、この子の将来のためにもなる」と思ったのだろう、いとも簡単にとってくれた。
実はその小学生新聞には3~4つのマンガが掲載されていて、当然それが目的で結局それしか読んでなかった。
その新聞の最後のページに再連載されていたのが、手塚治虫の『W3』だったのである。
確かに当時、これは大変ワクワクしながらおもしろく読んでた記憶がある。
少年と動物に扮した3人の宇宙人たち(この辺に当時から手塚治虫のケモナーたる性癖が見え隠れする)との愛憎もつれる友情関係や、スパイアクションなど、少年のハートをわしづかみにするドラマと冒険活劇がフンダンに盛り込まれていた。

で、成人して黒手塚作品などに触れて、再び手塚マンガの魅力にハマった頃、ふと幼少の頃に読んだ『W3』の事を思い出して単行本を買って再読したら、やっぱ内容が稚拙すぎて正直読んでられませんでした。


ちなみに、このソニック・ユースとW3のコラボパロTのデザインを手掛けられたのは、きはらようすけというイラストレーターさん。
毎年吉祥寺で開催されている『手塚治虫文化祭(キチムシ)』で、今年出品された新作Tシャツである。
なるほど、彼の年齢からして『W3』はまさにリアルタイムに体感したアニメマンガで思い入れが強いことが窺い知れる。
でも音楽趣味がソニック・ユースってのは、なかなか耳が若い気がする。
まぁロック大好き人間のようだ。
W3たちの動物なのに人間みたいな黒髪が生えてるところに着目し、今回の『Goo』との普通ありえないコラボが実現したのであろう。

今回の通販に際して、なんかいろいろ特典つけてくれた。いい人のようだ。
(着払いで送料720円もとられたけど。Tシャツ1枚で・・・・)





今日の1曲:『Kool Thing』 / Sonic Youth
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