AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

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2008年03月28日 | ♪音楽総合♪
お待ちかねCoccoのDVD『きらきら Live Tour 2007/2008 ~Final at 日本武道館 2 Days~』が届けられたのでさっさくレビューといきたいところなのですが、まだ全部見てませんので感想はまた次回にでも。
代わりといってはなんですが、もう1枚DVDを同時購入したので、本日はそちらの方を。
ま、Amazon風に言わしていただくと、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というノリでご覧になっていただければと。

ケンタッキー・フライドチキンのバケツ帽に無表情な白仮面という奇妙奇天烈ないでたちの大道芸人ギターロボと言えば、皆様ご存知、元ガンズ・アンド・ローゼズの超絶ギタリスト、BUCKETHEAD!!
このフィギアの箱のようなパッケージのDVDは『SECRET RECIPE ~13th ANNIVERSARY EDITION~』という、彼のデビュー13周年を記念して2006年にリリースされた彼の仰天パフォーマンスが凝縮された仕様書付の2枚組み映像集。

Disk-1の方はわけのわからんコンテンツがテンコ盛りで、メニュー画面が懲りすぎてて映像を探すのにかなり苦労した。ここではバケットの13年間の活動の軌跡を追った映像が盛り込まれており、ライヴの他、意味不明のコント、日本でのSSTVのバケット特番、彼のプライベートルーム映像などがゴチャゴチャと盛り込まれている。全部見るとあまりの支離滅裂さにかなりの疲労感が溜まります。
バケットの部屋に巨大ジャイアントロボを運び込んでる日本人の兄ちゃんが「バケット大好き。でも俺はまんだらげで働いてるんだよね」って言ってるシーンが笑えた。
1998年のDJ DISKとの掛け合いライヴはかなり見物。実はその翌年に両人とも来日しており、私は岡山のちっさいライヴハウスまでバスに飛び乗って見に行ったんですが、なかなか楽しいぶっ飛びライヴでした。(しかもゲストは元BRAND Xのベーシスト、パーシー・ジョーンズ!)

BUCKETHEAD in 岡山
 

DISK-2にはボストンで行われたライヴ映像が丸々収録されていますが、岡山のとほぼ同内容。ズームイン、アウトの固定カメラ2台アングルのブートレベルの映像。でもオフィシャル。
舞台袖から鶏のオモチャを持って登場し、自分でシーケンサー操作して黙々と超絶ギターを繰り出し始めるバケット。もちろん一言もしゃべることはない。
途中見事なまでのロボットダンス+ヌンチャックパフォーマンスを披露。自前のジャイアントロボのフィギアと戯れながら片手でロボのテーマソングを奏で、後ろからでかいバケツを取り出しておもむろにその中のオモチャを客に配りだす。あとギターのチョッパー弾きは圧巻。
彼愛用の白のレスポールがまたぶっとんだカスタマイズで、まずストラップがゴムみたいにビヨ~ンと伸びる。そしてボディに押すボタンが付いてて、それを連打することで凄まじいスイッチング奏法を繰り広げるという。
ホンマに独創的でトリッキーなギタリストさんですわ。見ていて全然飽きない。


まあ速弾きもド変態級だが、彼の頭の中ではオモチャ箱をひっくりかえしたようなクレイジーワールドが無限大に広がっとるんでしょうなぁ。
あと、ジャケ写真のバケットフィギアの一般発売を希望してやまない。


Live in Boston 2002。これ、ホンマにガンズのライヴか!?


今日の1曲:『STICK PIT』/ BUCKETHEAD
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這い寄る混沌

2008年03月20日 | ルルイエ異本
星辰が正しい位置に近づいているというのか!?
最近クトゥルー神話ムーブメントの怪しい動きがあちこちで湧き起こり始めている!!

例えば、邪神占いなどという忌まわしき占星術にふけり、「イア!イア~ン。あたしハスターの末裔ですって!」とか、「わしゃあ這い寄る混沌、ないあるらとほてぷだべ!」とか、「この占い、計算がウザい、ウザ・・・ウザ=イエ~イ!ラーン=テゴス!!」などとお互いを召喚しあっている恐ろしいブログを私は見た!!

そればかりではない!先週イオンで購入したお菓子、キャラメルコーン期間限定イチゴミルク味の中に私はあるおぞましい“もの”を見てしまった。
キャラメルコーンはもともと、カブトムシの幼虫を想わせるなんともいやらしい形状をしているが、そこにイチゴミルクが混ぜ合わさるとどうなるか・・・
ああ!私がそこに見出したのは薄桃色をした小さな這う虫だった!!
最近私が読んだブライアン・ラムレイ著『妖蛆の王』(『タイタス・クロウの事件簿』に収録)という物語に出てくる書物にルドウィク・プリンが異端諮問の獄中で執筆したという『妖蛆の秘密』の中で、「サラセン人の宗教儀式」の章でもほのめかしていたあの忌まわしきマゴット(蛆)ではあるまいか!!



そして先日、私の甥が家に遊びに来て、ラクガキ用紙にある奇怪な“もの”の絵を描いて帰ったのである。
そこに描かれている、尋常ならざるものを見て私は恐怖した!
ああ、彼の夢の中にまで異形の神々どもが邪悪な波動を送り、超太古の虚ろな自分達の呪われし姿を映じせしめたというのか!?
私の甥っ子の描いたその“もの”は、とても人類が想像しえるものではなかった!!


イア!シュブ=ニグラトフ!!

今日の1曲:『Pulse of the Maggots』/ Slipknot
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ひきこもりサウンド

2008年03月14日 | プログレッシヴ草稿

同じハードロックファンだが、嗜好がイマイチ噛み合わない、半額ハンターの異名で呼ばれるじょにいに昨年あたりからしきりに聴かされていたのが鬱プログレッシヴ・メタルバンドPORCUPINE TREE
先日、彼の自宅でかかっていたのに私はちょっと惹かれるものを感じ、そのアルバムをジックリ聴こうと思いその音源を家に持ち帰った。
アルバムは昨年リリースの「FEAR OF A BLANK PLANET」
ジョーンジーのアレンジかと想わせるシンセ音、メロトロンによるストリングス効果がとても幻想的で美しく、まるで小川のせせらぎのような緩やかな叙情性を醸し出している。
メタルとは程遠い透き通るようなヴォーカリゼーションはどっちかというとRADIOHEAD、COLDPLAYなどに近いものを感じる。
そして時折コア・チェンジのごときダイナミックなプログレ・メタル的曲展開を見せる。特に18分近い超大作#3“ANESTHETIZE”は今作のハイライトと呼ぶべき秀逸作に仕上がっている。後半の哀愁感タップリの流れは本当にウットリものである!
う~ん、かのクリムゾンのロバート・フリップ翁が惚れ込んでいた訳がなんとなくわかったような気がします。
この鬱蒼としたダークさ加減に私の大好きなトリップホップの帝王MASSIVE ATTACKに近いものを感じたのは私だけだろうか?MASSIVE ATTACKが踊れないダンス・ミュージックだとすると、PORCUPINE TREEは拳を振れないハード・ロックといったところだろうか?
この音楽は部屋を真っ暗にして、非常に音質の良いデジタルサラウンドで、禅を組みながら鑑賞するととても良い塩梅だろう。

しかし昨年聴かせてもらったものにはピンとこなかったのに、今作でこんなにハマるとは思ってもみませんでした。
このアルバムのコンセプトは“ひきこもり”をテーマとしているのだとか。
最近部屋にひきこもりがちで、クトゥルー神話関連の怪しい書物などを読みふけっている今の私の心情にピッタリと当てはまったということなのかな?
聞くところによると、近年の統計で30~35歳にひきこもりの兆候が多く見られるという・・・

ちなみにレコーディングには、ゲストであのブラッフォードバンドのデイヴ・スチュワート(EGG、NATIONAL HEALTH)がキーボードで参加しているのが嬉しい。



今日の1曲:『FEAR OF A BLANK PLANET』/ PORCUPINE TREE
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チベット!チベット!

2008年03月12日 | ♪音楽総合♪
ビョーク、上海コンサートで「チベット独立」叫ぶ

アイスランド出身の女性シンガー、ビョークさんは2日夜、上海国際体操中心でコンサートを開催したが、最後の曲「ディクレア・インディペンデンス」の終盤に「チベット、チベット」と叫んだ。政府がチベット独立に強硬に反対している中国では、この予想外のパフォーマンスの波紋が広がっている。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200803040019.html



おっとろしい根性やね!!凄いわビョーク・・・。
しかもこの“Declare Independence”は、中国当局から許可を得ていない楽曲だったらしい・・・
にもかかわらず、音楽=自由表現のもとにビョークは信念を貫き、それを見事実行したわけだ。
しかし中国当局がいちいち演る曲を検閲してくる時点でどうかしとるなこの国は・・・
こんな国にオリンピック開催を許可したオリンピック委員会もどうかしているかと。
そして事態を重く見た中国文化部は彼女に対し法的措置をとると発表したらしい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080310-00000002-rcdc-cn

“Declare Independence”=独立を宣言しよう

チベット人に対するナチスのユダヤ人迫害にも匹敵する民族浄化活動を現在も遂行している中国共産党にとっては非常に耳の痛いナンバー。

最近ビョークの音楽についていけそうもなくて、前作『Medúlla』あたりから彼女の音楽に距離をおいていたのだが、YOU TUBEでこの“Declare Independence”を聴いてみると・・・



メチャメチャ力強くてカッコええやなですか!ちょっとレイジをも髣髴とさせるシュプレヒコールソング。
またPVがペイントアートというか、芸術性とメッセージ性との調和が痛烈である!!
最新アルバム買おうかな・・・

今日の1曲:『Declare Independence』/ Björk
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終わらない演奏会

2008年03月10日 | コンサート
 

わ、結局人間椅子が一番好きなんかも!!

今回も気まぐれで、人間椅子ワンマンツアー『春と修羅』@大阪MUSE、見に行って参りました。
いや~予想外にフィストバンギングで盛り上がってしまった。鳥肌5回くらい覚えたもんな~、最近ライヴ不感症ぎみの私が、照明消えた瞬間戦慄が走るなんて久方振りの感触ですわ。

入場テーマは、IRON BUTTERFLYの“In A Gadda Da Vida”!!
今回はレコ発ツアーでもなんでもないライヴだったので、予想外の曲やレア曲が聴けるんちゃうか~という軽いノリで参戦してみたのだが、その予想は見事に的中したといっていい。
“暁の断頭台”、“幽霊列車”と飛び出し、なんと“蛮カラ一代記”とか!!ありえへんわ・・・でも、ありえるのがこれ人間椅子!予測不可能!“蛮カラ”での和嶋氏のダブルハーモニカプレイは超レアだった。
昨年のレコ発ツアーライヴを見逃していたので、新作から“牡丹燈籠”聴けたのは超ラッキーだった。“世界に花束を”なんかもかなりヤバかった!初期ナンバーからは“賽の河原”や“人面瘡”とか、イントロ聴いただけで鳥肌モノの瞬間が幾度もあった。
しかし、何より嬉しかったのは、和嶋氏がダブルネックを駆使してのあの幻の名曲“夜叉ヶ池”が初に聴けたこと!ま、デキはそれほど良くはなかったが、和嶋氏の12弦を掻き鳴らす姿は、それはそれはもう涙モノでござった。こういうところに、彼のハードロック魂を感じるのでございます。
しかし、和嶋氏がいつになくノリノリで楽しそうだったと感じたのは、あちきの気のせいか?“ロックンロール特急”で、鈴木氏と並んでチャック・ベリーケンケンしとったし。やっぱこの日のライヴは、普段よりそうとう全体のノリがよかったんではないかと。
このライヴで改めて思ったのは、自分はやっぱピロピロした早弾きとかよりも、ギュワイィィィンとSGを掻き鳴らすギタリストが好きなんだと。なんか魂の叫びを搾り出す感じというか、演奏者の感情を直に表現しているというか。
“夜間飛行”での和嶋氏のテルミン奏法には思わず見とれてしまった。やっぱこの人、ジミーが好きなんだな。
“サバス・スラッシュ・サバス”に続く、恒例演目となってるらしいブラック・サバス・カヴァーは何の曲か知らなかった。うーむ、実はそれほどサバス好きじゃないことがバレてしまうな(って、いつ私がサバス好きだと公言した?)。

しかし、今年のCoccoファンのノリの悪さ、メイデンの無秩序スタンディングの大混乱に比べ、適度に間隔があって、貞節をわきまえながらもクレイジーな盛り上がりを見せる人間椅子のライヴって、やっぱいいな。

売れてないバンドのライヴ最高!!



追伸
名古屋ではなんと“狂気山脈”を演ったらしい・・・・羨ましすぎるではないか!
ウフフ・・・さては前のブログ記事読んだなぁ・・・・(読むか!)

このPVがまたヤバい!


今日の1曲:『夜叉ヶ池』 / 人間椅子
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70年代の掘り出しモノ?

2008年03月07日 | やっぱりメタル!!
ブログでお知り合いになったあっこさんからご紹介に預かったスウェーデン産ドゥーム・ロックの旗手、WITCHCRAFTのサウンドを最初に聴いた時、私は我が耳を疑い、そして大いに当惑いたしました。
「え?これってホンマに21世紀のバンドかいな?!」と。
あまりの音質の古ぶるしさに呆気にとられた私は歌詞カードを何度も確かめたり、ネットで検索したりして、アマゾンでようやくこのバンドが紛れも無い21世紀のバンドであることを確認したぐらいです。

このサウンド・・・悠久の時空を超えて、35年前からタイムスリップしてきたのではないかと疑ってしまうくらい古色蒼然たる音を奏でていらっしゃいます。
私も学生時代に70年代ブリティッシュロックに熱く傾倒していた時期があり、様々なハード・ロックやプログレ・バンドなどの探求に精を出しておりました。特にオカルトチックな雰囲気を持つジャケットにひどく惹かれ、ジャケ買いしては失敗を繰り返す日々を送っておりました。
例えばGREEN SLADEの『Bedside Manners Are Extra』やTHIRD EAR BANDの『マクベス』、BLACK WIDOWの『悪魔と魔女と生贄』など、挙げ出したら枚挙に暇がありません。
とにかく音楽的にピンとくるものが殆どなく、結局はサバスの『パラノイド』さえあればいいじゃないかという結論に達しておりました。

ロジャー・ディーン画モノはよくつかまされたなぁ~


このWITCHCRAFTの3rd、その名も『錬金術師』には、あの頃私が捜し求めて止まなかった正に理想的な楽曲が、これまた全8曲というちょうどよい曲数で収められていたのであります!もうドストライク!!って感じでしたね。
アナクロニズムも甚だしいなどと言われそうな危うい程の古めかしすぎるサウンドだが、それを批判することができないぐらい音作りに徹底しており、楽曲、演奏共に非常にクオリティーが高い!
牧歌的なフォークロックをベースに、ネチっこくてペラペラのギターが曲各々にいちいち渋過ぎるフレーズを切り込んできます。そして、この裏返りぎみのほろ苦く不安定なヴォーカルがまた魔術的な味をだしております。
そこへさりげなく、且つ絶妙な形でメロトロン、パーカス、オルガンの音色が怪しく挿入され、いよいよ楽曲を中世的オカルティックなものへと発展させておるのであります。
お気に入りナンバーは、サバスの影響モロ出しの#5“HEY DOCTOR”。ドゥーミーなループに、サックスソロが怪しく絡む#6“REMEMBERED”。そして14分にも及ぶ長編タイトル曲#7“THE ALCHEMIST”。メロトロンの音色がたまんないっす!
ほんでまたこのジャケと帯がいいじゃないですか!ジャケ買いしても正解です!

いや~“ドゥーム”って聞くとカテドラルしか思い出せないくらい最近のバンドには無頓着な私ではありますが、彼らのここまで徹底したレトロなサウンド作りに驚異的なものを感じました。
う~ん人間椅子の1stも顔負けですな(ちなみにWITCHCRAFTの1stの邦題は『黄金の夜明け』)。



今日の1曲:『HEY DOCTOR』/ WITCHCRAFT
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テケリ・リ!テケリ・リ!

2008年03月05日 | ルルイエ異本

御伽話に伯父きがほのめかす 
遠きヒマラヤ古えの種族
テケリ・テケリと地底に木霊する
光届かぬ禁断の叡智

歴史たる名の祭司は戯れに
為政者たちを頽廃に招く
クルルゥ・クルルゥと獣の呪言が
人の神なる冒涜の奥儀

行方知れずの伯父きは何処


これは人間椅子の3rdアルバム『黄金の夜明け』のラストに収められている“狂気山脈”という曲の歌詞の一部である。
言うまでもなくかの20世紀最大のオカルティスト、アウレスター・クローリーが創設した魔術結社「黄金の暁教団」からとったアルバムタイトルである。
この不穏な音階に彩られた忌まわしい曲の冒涜的な歌詞を耳にする度に、私は『ネクロノミコン』に繰り返しあらわれる、邪悪な伝説のつきまとう、レン平原の異様で心騒がせられる描写を思い出し、大学であの凄まじいラヴクラフトの書物に目を通したことを心から悔やむのである。
その書物とは『ラヴクラフト全集4』に収められてある「狂気の山脈にて」というタイトルの作品で、そこには人類が決して足を踏み入れてはならない、恐るべき太古の秘密が語られていたのである!



ミスカトニック大学探検隊が迷い込んだ南極大陸の奥地に眠る呪われた窮極の深淵を見はるかす狂気の山脈、そこには人類史以前の太古に築かれた謎の巨大石造都市が広がっていた!!
そこでは樽状の胴、7フィートにおよぶ膜状の翼を供えた海ユリ状の頭部を持つ先行種族<古のもの>の名状しがたい異臭が立ち込め、そしてかつて<古のもの>どもが重労役のために無機物から作り出したある種の多細胞の原形質の泡の無定形の塊、アブドゥル・アルハザードがアルカロイドを含むある種の薬草を服用した夢想家以外に想像した者もいないと断言していた忌まわしき“ショゴス”のあの広範囲に響きわたる慄然たる笛を吹くような音、「テケリ・リ!テケリ・リ!」が洞窟の底から迫り来るのであった!!
(“戸口にあらわれたもの”の話によると「カモグ!カモグ!」とも鳴くらしい)


この西洋文学なども取り入れた和製ロックバンド人間椅子の意欲的な3rdアルバムには、その他、あのクトゥルーが眠っているという海底都市ルルイエ、あるいは超太古に沈んだレムリア大陸のことを想わせる“水没都市”、絞首刑者の排泄物が滴り落ちた場所から生えて、地面から抜き取る際に恐ろしい金切り声を上げ、その声を聞いた者を死に至らしめるという“マンドラゴラの花”、枕詞を踏まえた五・七・五からなる構成を大胆に取り入れた典雅な赴きを持つ“平成朝ぼらけ”などが収められている。

私はこれらの忌まわしき楽曲が納められている人間椅子の名状し難き3rdアルバムを聴く度に、「黒い穴蔵」、「ショゴスの原型」、「ヨグ=ソトホース」、「五つの次元を持つ窓の無い立方体」、「わ、ガンでねべが」などの意味不明の奇妙な言葉を囁くようになってしまった。

そして、最後にはその源があまりにも明白な、ただ1つの狂った言葉を繰り返すだけになっている。

「テケリ・リ!テケリ・リ!」と。



大越孝太郎先生の筆による「マンドラゴラの花」の挿絵だが、
海ユリ状の頭部がなんとなく<古のもの>を想わせる。




今日の1曲:『狂気山脈』/ 人間椅子
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