AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

キチムシ前後

2018年11月14日 | 名所ガイド、巡礼記
前日急に思い立って夜行バス乗って東京に赴いたもんだから、まぁ今回の遠征は無計画極まりなく、準備不足もいいところですよ。
キチムシで買い物して、後は新宿行ってディスクユニオンで盤漁りできればいいやくらいにしか考えてなかった。
でまぁ、やっぱいいこと悪いこと共々想定外のことが色々ありましたねぇ。


日曜日、朝早くに吉祥寺に着いて、とりあえずドトールでモーニング食ってサンロード商店街散策としゃれこみました。



「いや~、吉祥寺ってなかなかいいところだなぁ~」ってぷらぷら歩いてると、旅行者らしき3人組の白人が前方を歩いているのが目にとまった。
で、そのひとりが着てたパーカーのバックにプリントされてるロゴを見てギョっとなった。

FLOTSAM AND JETSAM

も、もしや・・・

いや、やつらが14年振りに来日してるってのは、小耳にはさんでたんだけど。
そう、この土日は以下なるイベントが関東のどこかで開催されてるってのは知っていた。
まさか吉祥寺だったとは・・・・


メンバーの顔もあんま知らんかったけど、私はなんの確証もないまま思わずそのパーカーの白人に声をかけていた。
「YOU FLOTSAM AND JETSAM?」

やっぱそうだった。なんたる偶然!!これはきっと手塚先生のお導きに違いない!
ただ、次の瞬間とても気まずい空気に見舞われることになった。

FJ「おお、昨日の俺たちのライブを見てくれたのかい?」

し、しまったぁぁ~~・・・声をかけるんじゃなかった・・・どう答えたらいいんだ?
「イ、イエ~イ、THRASH TILL DEATH!!」てな感じでなんとか言葉をにごし、「14年前にスラッシュドミネーションで君たちのショーを見たよ。演奏もしっかりしていて、エリックA.K.のハイトーンもきいていてとても素晴らしかった!切腹ジャケットがナイスだね!」みたいなことをなんとか英語で伝えようとしたんだけど「THRASH DOMINATION」以外なんの単語も出てこなかった。

ほんで、どあつかましくもパシャリ!。また(大阪に)きてね!



キチムシで目ぼしいものを購入した後は、るみ子さんに教えてもらった吉祥寺から4駅ほど隔てた富士見ヶ丘で催されているもうひとつの手塚二次創作展示会へと赴いた。

いつもはレストランを営んでるところを催し場にしてはるみたいだった。


全然人おらんというか、私ひとり。
確かにこんな閑静な住宅街に誰がわざわざ足を運ぶのかと。
写真撮影は禁止やし手塚グッズも売ってない。正直来やんでもよかったなぁと。

ただ、漫画家さんの名前とかあんま知らんのやけど、ここの手塚キャラ二次創作の方がキチムシのよりマニア度が高かったように思う。
「鳥人大系」とか「緑の猫」とか。手塚治虫、お茶の水博士、猿田彦などを並べて、鼻の系譜図を描かれてるユニークなやつもあった。

で、奥の部屋に行くと、きれいなおねいさんが椅子に座っておられて、そこの机にのってるものを見てギョッとなった。
なんと安彦良和先生のイラストがあったのだ。
ただ、これは手塚絡みのものではなく、安彦先生が東日本大震災のための応援イラストとして描き下ろされたものだとか。

シャアとアムロが肩を組み合ってるというありえざる構図!思わず2000円払っちまった。


今思えば、結局このチャリティー展示会って、これを買わすのが目的だったのかなぁ(キレイなおねーさん使って)。
それって心斎橋とかでやってるキャッチセールスとやり方一緒やん・・・・


その後、新宿に寄っていつものディスクユニオンでちぇー万円ほど散財してから、バス乗り場のある池袋へと向かった。
そしてここでまたしても私は禁断の地に足を踏み入れてしまっていた・・・

こんな恰好で町歩いたら、それこそ21世紀の精神異常者ですな。



この池袋のぼったくりロックグッズ店で、別に欲しくもないREDのポストカードを購入したのは、キング・クリムゾン関連の商品を買えば必ずついてくるこの太陽と戦慄手提げビニール袋が貰えたからにほかならなかった(他のクリムゾングッズは高すぎて買えんのよ)。



で、晩メシ食ってバスの時間までミスドで茶をすすりながら今回の戦利品を並べてボーっと過ごしてたんだが、音楽を聴こうとiPodをいじくってたら突然画面がバグってなんか初期状態みたいな不具合が生じてクソちびりかけた!
これはマズい!!バスのりばの地図も乗車票のデータも全部iPodに入れてあるんやで!!

どうやっても復旧のメドがたたないままミスドを飛び出し、過去に一度だけ利用したその池袋駅からめっちゃ離れた所にある辺鄙な場所のターミナルへの記憶を辿ってなんとか時間までにバス乗り場に辿り着くことができた。まぁあとは運転手さんに名前言うたらええだけやし。
バス乗ってからパスワードシコシコいじり倒してたらなんとか復旧。ほんまクソちびりかけた。
池袋でせこい買い物したから、たぶんバチが当たったんだ。

そして早朝難波に着いて、今度はバスの座席にケータイを忘れてくるというドジをふみ、またしてもクソをちびりかける。

た、たたりじゃ、手塚先生のたたりじゃああああ・・・・・


ほんじゃ最後に、今回の収穫物をばタラタラ紹介してシメることとします。

去年からずっとほしかったんだ。これ。
メルモちゃんがもってるあーかいキャンデーあーおいキャンデー、知ってるかい?
若返りの薬じゃよ。



我ながら思い切った買い物をしたと思う。
弓月光マンガは別に通ってないんやけど、直筆イラストサイン付に思わず手が出た。
それにしても、これって和登さんのつもりなんやろうけど・・・・
どうみてもいつものエッチな弓月キャラ以外のなにものでもない。



これは缶バッジガチャガチャ。サイケデリック我王をゲットした時は歓喜した。
デカいのは大当たり品。
あとのはなんの手塚キャラかすらわからん。



カフェソードフィッシュさん出品のキチムシ限定再販ZVON COFFEEピノコラベルもゲットできて気分はシーユーノアラマンチェ♪
今は亡き福田珈琲さんのマスコット、マコちゃんと重なるものがあるなぁ。



今日の1曲:『No Place For Disgrace』/ FLOTSAM AND JETSAM
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はじめてのキチムシ

2018年11月11日 | 名所ガイド、巡礼記
私がアホかっちゅーくらい手塚マンガが大好きなことは、本ブログを閲覧して下さってる少数の方にはご周知のことかと思われるが、そう、今年は手塚治虫生誕90周年という節目の年で、色んなところで手塚マンガの二次創作的な企画が雑誌やギャラリーなどで展開されている。
ただ、手塚マンガ原理主義者の私としては、二次創作モノにはどうしても興味が湧いてこず、もう最近のマンガ家の画力のないタッチでアトムやブラックジャックやピノコなんかを描かれるとヘドが出そうになってしまうほどである。

そんな私が、先週の土曜に突如思い立って(夕方5時頃)高速バスをネット予約し、東京は吉祥寺へと赴いたのは、我ながら衝動的にもほどがあると呆れ果てる限りである。
この吉祥寺で毎年文化の日の11月3日あたりから期間限定で催されているあるイベントが実は4年前から気になってしかたなかったのであるが、行こうか行くまいか迷ってる内にイベントが終わってしまい、結局今まで一度も行けてなかった。

そう、『手塚治虫文化祭 ~キチムシ~』である。
『キチムシ』は、2015年あたりから手塚治虫先生のご息女手塚るみ子さんが企画し始められたイベントで、手塚先生の誕生日である11月3日に標準を合わせて吉祥寺の「リベストギャラリー 創」にて毎年開催されるようになった。

様々なクリエイターさんによる手塚治虫作品しばりのマーケットフェスで、数人からなるマンガ家、イラストレイター、造形作家、デザイナーさんがこぞって自由な発想で手塚マンガの二次創作に挑み、それをTシャツやポストカードやシールなどに商品化して販売するというもの。
まぁ要するに、手塚ファン専門のコミケみたいなものだ。
作家さんの名前はあんま知らないが、なんかどっかで見たことある画風の作家さんが毎年多数参加されていて、有名どころでは過去に江口寿史、諸星大二郎、そして今年はエッチなマンガで有名な弓月光先生がこの手塚二次創作フェスに参加されている。

過去の名作群。妄想だけで商品化されなかったものもアリ。
    

まぁ手塚マンガ原理主義者としては、写実すぎたりオリジナリティが出過ぎている作家さんの「どこが手塚キャラやねん!」みたいなものには正直あまり魅かれるところがなく、ツイッターに挙げられる作品を見ては「魅力的なのも数点あるんやけど、交通費ばかにならんしこれだけじゃな」って、毎年吉祥寺遠征を見送っていた。
でもいつかは行こうと思っていた。なんかイベントの雰囲気も楽しそうだし、中にはほんとシャレの効いたセンス抜群の作品もあるので。
それと周りに手塚マンガ好き皆無なもんだから、そういう人たちにも会ってみたいし。

ただ、今回もなんかこれといって魅かれる商品がなく、今年もやっぱやめとこうと土曜日はボーっと過ごしていたのだが、るみ子さんのつぶやきで「キチムシは今年で最後」っていう悲しいアナウンスを聞かされ、夕方頃に風呂つかってたらなんだか悶々とした気持ちになって、気づけばネットで高速バスの今夜の便を調べ始めていたのであった。


そして日曜の朝、生まれて初めて吉祥寺の地に降り立った。
けっこう栄えていて、なかなかいい雰囲気の街だ。



サンロード商店街を抜けて五日市街道沿いを歩いていくと、イベント会場である「リベストギャラリー 創」がすぐに見つかった。
ツイッターで毎年かなり混雑して人数規制がかかると聞いていたので、開場は12時であったが10時半くらいに赴いたら、さすがに誰も並んでなかった。



なので、近所のハードオフで時間をつぶすことに。
もうそろそろかな?今日は普段めったにつけない腕時計をしていることをつい忘れちまう。



11時半くらいにギャラリーに行くと一気に人だかりができていたので焦った。
でも混雑というほどではなく、余裕をもって会場入りできた。


客はやっぱ私よりも年寄り目の方が多かったが、わりと老若男女。
このイベントに赴く人は、やっぱ手塚マンガの本質的なおもしろさや凄さをわかっている方が殆どであろう。
私の後ろに二人の女の子を連れた私と同じくらいの歳の女性が並んでいた。
女の子たちは画廊をのぞきこんで、「あ、ユニコだ!」「あ、写楽だ!」と目を輝かせておおはしゃぎしていた。母親の教育がよいのだろう。
でもいずれ彼女たちも、もう何年かしたら手塚マンガなんか忘れて、その時流行っているイマドキのアニメとかに傾倒していくんだろうな。私も私の甥っ子もそうだった。
彼女らが黒手塚作品に出会うのはいつの日のことだろうか・・・・・


入ってすぐの壁に、イタコマンガ家田中圭一先生の作品が飾られてるのが目に入った。
スリッパの裏に手塚キャラを描くというこの冒瀆感とユルさ加減。さすがである。



とにかく目をつけていたものをかたっぱしからカゴに放り込んでいった。
ちょっと迷ったやつもあったけど、売り切れたらかなわんし躊躇してはいられなかった。



毎年ユニコグッズは多い。まぁかわいいし女子には大人気だろうね。
この浅田弘之氏のユニコ作品はカッコいい。この刺繍の入ったジャケットとかも売ってた。



まぁでもやっぱプロの腕利きの作家さんが手がけているものばかりだから、そりゃ高価ですよ。
お歳を召したすでに財を成したような方は8000円くらいするものでもバンバン買ってらっしゃったが、私みたいな赤貧者はなかなか手が出ないです。

こんな小っさなものでも千円以上するもんな。
「やろおかぁ~、やろおかぁ~」くれくれくれくれくれ!



我王のサイケデリックTシャツも欲しいが、高くて買えない・・・・



ただ、このマーケットフェスはギャラリー内の先生方の展示作品を自由に撮影していいってところが太っ腹やね。
スタッフの方が「どんどんSNSに挙げて宣伝してください」ってスタンスだったから。

高価で手が出なかった上條淳士先生のこの対画。
手塚先生が性教育の一環として描いた「メルモちゃん」と、性教育上不健全きわまりないタブーを描いた「奇子」とのありえない奇跡のコラボ。
素晴らしすぎる!



イラストやキャラクター描いたり、編み物したり、ウクレレ弾いたりとマルチな才能を持つキチムシレギュラーメンバーのきはらようすけ作のあみぐるみブラックジャック。



そして、本イベントはキチムシに出品された作家さんが常時何人か在廊されていて、頼めば購入したものにサインをして下さるという太っ腹な企画。
前日は弓月光先生も来てたらしい。やっぱ土曜日に行きたかった・・・・
どの作家さんも快くひとりひとり丁寧にサインに応じていらっしゃった。



私もきはらようすけ先生画の一番安価なBLACK JACKSONのポストカードを購入し、宛名側にイラスト付のサインをしてもらった。


前回のキチムシで、きはら先生はソニック・ユース×ワンダー3というありえないコラボデザインを考案されてたので、そのTシャツを思わずオンラインで購入してしまった。
先生に「今年はロック色がちょっと薄れて残念でした」と言うと、「去年はちょっと自分の趣味が出過ぎちゃいましたので。ロックなのは『キチレコ』でばんばん出して行きます」とおっしゃられた。
「いや、私は手塚とロックのコラボというのに興味あるだけなんですよ」なんてことはその場ではよう言わなんだ。
まぁ『キチレコ』は私の好きなプログレバンドやハードロックバンドはあまり題材に取り上げられないからなぁ・・・


そして、主催者であられるかの手塚るみ子さんも開催期間中はほとんど一日中在廊されているみたいで、他の会計スタッフさんに混じり接客をされていらっしゃった。
時にはギャラリーの外に立ち、来客を出迎えるという。いやーこれってけっこうしんどいで。

いつもオシャレないでたちのるみ子さんではあるが、今回は明らかにるみ子さんがモデルになったであろうとされる『ブッキラによろしく』のトロ子を意識した服装だったと思われる。いや、手塚ファンにとってこんな姿を拝める以上のサービスもないだろう。
    

もちろんこんな機会はないと思って話しかけましたよ。
まず、私の着てたフジロック2017火の鳥ヴァージョンTシャツに気づかれて「行かれたんですか?」と。
はい、実は第一回目の地獄のフジロック1997年以来行ってません。
ロックのことや手塚マンガのことや、話したいこといっぱいあったけど、まぁ神の子を前にするともうしどろもどろになって、話したいことがうまく出てこない。
でも向こうはけっこう普通にしゃべってくるんだが、失礼なこと言えないし(二次創作モノはほとんど興味ねぇとか、アトム別に好きじゃないとか)、どう返せばいいかほんと辟易した。

で、最後に気が動転してたのか、「富士見ヶ丘ってこっから歩いていけるんですか?」みたいなトンチンカンな質問をしてしまって、「いえいえ、こっからじゃとてもとても。ちょっと待ってて」と、わざわざムシケラのような私に富士見ヶ丘までの行き方をキチムシのフライヤーの裏に書いて下さって、ホンマ恐縮の限界を超えてしまっていた。

とかいって、ドサクサにサインまでねだってんじゃねーよ!!このムシケラが!!



いやー、実に有意義な時を過ごせて、衝動的に吉祥寺まで来てほんとうによかった。
富士見ヶ丘まで行く電車の中で、ボーっとサインながめてニヤニヤしてたらいつの間にか時を忘れてて、乗り過ごした!!と思って慌てて飛び降りた駅が井の頭公園だった。


今日の1曲:『昆虫ロック』/ ゆらゆら帝国
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やっぱりヴォイヴォド。

2018年11月10日 | やっぱりメタル!!
VOIVOD三度目の来日公演が決定した。
そう、今年はVOIVOD35周年という節目の年。まぁ日本ライブは来年1月やけど。
しかも今回は初の単独ライブ!!
こんなにうれしいことはない・・・・・・・
http://www.marquee.co.jp/live/voivod2019.html

インタビューでは単独で大阪にも行ってみたいとほのめかしていたが・・・
今のところ渋谷はTSUTAYA O-WESTの1公演のみ。
確かに今の関西のメタルシーンはショボすぎるからなぁ・・・
まぁVOIVOD観るため東京まで遠征するのも仕方ないさ。
全国大勢のVOIVODフリークたちと共にワイワイ盛り上がるほうが絶対楽しいと思うし。


さて、2016年に予告編的なミニアルバム『POST SOCIETY』をリリースしたっきり音沙汰のなかったVOIVODであったが、通算14作目となる待望のフルレンスアルバム『THE WAKE』が私の手術中、自宅に届けられた。



5年前“故ピギーの意志を受け継ぐ者”チューイーことダニエル・モングレイが正式加入し、全面的にVOIVODの異質な楽曲作りに携わるようになったが、その第一弾『TARGET EARTH』は、「ピギーという絶対的なオリジネイターを無くしてVOIVODの存続はありえない」と失望感に打ちひしがれてた我々VOIVODフリークたちを驚愕歓喜させるほど上々のデキであった。

メンバーのみならず、従来ファンの絶対信頼を得たチューイー加入後の第二弾『THE WAKE』であるが、今回のデキも実に素晴らしい。
まぁVOIVOD好きならハマらないことはないであろうVOIVODフリークスのツボを見事についてくるフレーズが目白押しとなっおり、悶絶必死である。
つまりダニエル・モングレインという男はそういうツボをちゃんと熟知している野郎なのだ。にくいねこの!
巷では7th『THE OUTER LIMITS』以来の傑作!と褒め称えられているが、個人的には物語の見えてくるわかりやすいあの作品ほどのイマジネーションは感じられなかったが、今回も一応VOIVODお得意のSFサイバーコンセプトアルバムに仕上がっている。

今回も全曲にアウェイ画伯によるステキな挿絵がついている。



まぁVOIVODのあまりにも個性的で唯一無二の特異な音楽性は、通常なメタルリスナーにとっては難解かもしれないが、やはりチューイーの演奏技術的にテクニカルな要素は、初期のVOIVODの楽曲に比べて幾分かとっつきやすいものになっているかと。
複雑怪奇な楽曲が並ぶ中でも、アルバム中最もストレートでメロウな1曲目「Obsolete Beings」などは、チューイーの流麗なギターソロも冴えていて初心者の方でもいけるんじゃないかと。




2曲目「The End Of Dormancy」の怪しくムードある雰囲気からの怒濤のプログレ展開は、フロイドの長編アルバム『THE WALL』にも通ずるものがあり、摩訶不思議VOIVODワールドが約7分間で一気に体感できるといったような見事な構成。この時点でVOIVODフリークスはすでにノックアウトだろう。
3曲目「Orb Confusion」は、メタルヴォーカルの常識から全くかけ離れた独特の表現力を持つスネイクの奔放でパンキッシュなヴォーカリゼーションが映える、改めて彼の存在の重要さを知らしめるナンバーだ。

そして、本作のハイライトといってもいいのが4曲目「Iconspiracy」であろう。
『RRROOOAAARRRR』や『KILLING TECHNOLOGY』あたりの楽曲を彷彿とさせるサイバーパンキッシュなザクザクとしたリフがベースとなっているが、学校で音楽教師をしているというこのチューウィーという男、やはり一筋縄ではいかなく、彼の人脈で今回弦楽器奏者をレコーディングに招き、なんと自ら指揮をとってオーケストレーションを楽曲の中に導入してしまうという、VOIVOD史上前代未聞の試みを敢行している。まぁこれはちょっとした味付けでVOIVODファンは最初ギョッとさせられるかもしれないが、それほど違和感はなくなかなかの演出効果をもたらしている。
それよりこの楽曲のスリリングさが素晴らしい!もうこの最高すぎるアニメーションPV共々VOIVODのSFサイバーパンク趣向が見事に爆発した至極のナンバーだ。




以降も、VOIVODしか創り得ないサイケデリックで混沌とした個性的な楽曲が並び、まぁ捨て曲というものがない。
ラストの12分に及ぶ長編曲「Sonic Mycelium」のデキも素晴らしいんだが、それまでの楽曲がアイデア満載の秀逸曲だらけなもんだから、ちょっと物足りなく感じてしまうほどだ。

まぁチューウィーはピギーの作曲論法を研究しつくしていて、VOIVOD従来のリフや曲展開をかなり踏襲してはいるんだが、ピギーと違う所といえばやっぱサウンドのクリーンさとギターソロだろうか。
ピギーはやっぱ感覚的なサウンド作りが特徴で、ソロなんかも手グセが効いているのに対して、チューウィーのソロは実にテクニカルでメロディアスで流麗である。
そのチューウィーのテクニカルな要素とアイデアは、VOIVODにまた新たなる科学反応を起こさせ、進化をもたらしたといっていいだろう。


この素晴らしい内容の作品に水を差すようだが、苦言を呈したいことがひとつ。
VOIVODの作品がいまだ日本盤でリリースされることは大変ありがたいし、だからこそ実現した今回の単独来日だと思う。
ただ、日本盤に付いてくる二枚目のボーナスディスクの内容であるが、2年前にリリースされたミニアルバム『POST SOCIETY』全曲をまんま収録するってのはいかがなものかと。
重複もええところやんけ!まぁ申し訳程度に6曲ものライブ音源が収録されてるので値段的には妥当かと思われるが。
前回未掲載だった「FALL」と「SILVER MACHINE」の挿絵も付いてきたしよしとしよう。




今日の1曲:『Event Horizon』 / VOIVOD
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苦しみに耐え、幸福に至る

2018年10月22日 | しねしねシネマ
最近歳とって、もう若い頃みたいに映画情報をチェックして面白そうな作品あったら手当たりしだい劇場に赴いて観に行こうなんてことはしなくなった。
でもたまにはその作品がどんな内容の映画かも知らんと、全く期待しないで(まぁそれでもちょっとは期待するよね)、映画を観るのも悪くないんじゃないかと。

土曜日に観た『カメラを止めるな!』は、前日に姉に薦められ、まさにそういうノリで近所のイオンで1100円でやってるからと気まぐれに観に行った映画であった。
今年の夏にえらい話題になってた映画(田舎ゆえ今頃やっとこっちにフィルムが回ってきたのだ)であることは知ってたが、実は鑑賞するまでこの作品が邦画であることも、私の苦手とするゾンビものであることも全く知らなかったのだ。
なので前半の1カットで展開するチープでヒドい内容のB級ゾンビストーリーを観てる時は、ゲンナリさせられる以外のなにものでもなくて、まぁヒロイン役のアイドル女優のデニムショーパン姿がエロいなぁ~と思う以外なにも得るところがなく、途中での映像ブレのヒドさに画面酔いして気分が悪くなり耐えられそうもないのを、後悔の念とともにガマンして伏せ目がちでなんとか鑑賞していた。

37分ながら「やっと終わったぁ~、もうサイアクやった」とエンドロールが終わるの待っていると、まだストーリーが展開するようで「?」な感じで観ていると、なにこれなにこれ?てな感じでだんだんと惹き込まれていって、見事にこの大仕掛けの傑作娯楽作品に一杯喰わされた形となった。
まぁ後半は三谷幸喜の『ラジオの時間』展開ではあったが、この計算された時系列な見せ方の構成の巧さは、三谷映画の2、3歩上をいっていると思う。見事というしかない。
個人的には、タランティーノの『デス・プルーフ』の、前半のしんどい内容に耐えてこそ後半の痛快感を味わえるといった、あの感覚に似ている。

よくどんでん返し映画で、あの時のシーンやセリフには実はこういう意味があったんだよっていうのが、終盤回想シーンなどで種明かしされるが、私のように集中力も記憶力もない人間にはそんなのいちいち覚えてないってことが多いんだが、この映画は前半の1カットストーリーで、ちゃんと観客に「なにこの間?」とか、「なにこの展開?」という違和感をさりげに印象づけているところが巧いのだ。
で、それが後半の種明かしで笑い、そして感動を伴って倍になって返ってくるという。いや、実に見事だ。

だからこれね、最初B級映画とか、ゾンビものが好きな映画マニアが喜ぶ映画かなぁ~と思って観てたんだけど、私のようにあんまり期待しないで、どんな映画かも知らんかったような人が一番楽しめたんじゃないかなと思う。

まぁこの夏の興業成績が裏付けしてるように、非常にキャッチーで誰もが楽しめる映画です。




今日の1曲:『Zombie Attack』/ TANKARD
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ナマで踊ろう

2018年10月21日 | コンサート
ゆらゆら帝国解散後、ソロでアルバムを出すようになってからほとんどライブ活動をしなくなってたのが、今年に入って突如目覚めたかのようにワールドワイドにライブをするようになった坂本慎太郎くん。

実は昨年ドイツだけで一度ライブを演ったらしいんだが、それで手応えをつかんだのか、今年1月の恵比寿リキッドルーム単独ライブを皮切りに、GWには日比谷野外音楽堂でMDTフェスに参加。これは私も拝見することができた。
そして、東京、大阪、京都、高知と、次々と日本各地での公演が決定。その後はまさかの中国での単独ツアー、そしてオランダ、メキシコでのフェス、そしてロンドン単独公演はソールドアウトと、ゆら帝以上にその活動の範囲を広げていってる。

    


坂本くんがやっと重い腰を上げてくれたことは本当にうれしいことだ。
うん、うれしいんだけど、チケットがなかなか取れないんだこれが。
これは全国の坂本ファンが非常にもどかしく思ってる事だろう。

で、初の大阪公演の会場は、ミュージシャン憧れのハコ味園ユニバース。
2年前、人間椅子のライブで初めて行ったけど、昔キャバレーだったところを改装したケバケバしいがなかなかユニークで雰囲気のあるまさに宇宙的なハコだ。


キャパ1000人超えのライブハウスなんであるが、まぁ先行でなんとかチケは確保できた。
でも整理番号が890番台。朝早くに発券しにいったんだが関係なかったみたい。


当日現地行ったらこの行列。関西でも坂本くんの人気は絶大だ。
客層は老若男女。私はけっこう年寄り目の方だったかも。大学生みたいなんが多かった。



まぁ890番台だからなかなか会場に入れない。開演15分前くらいにやっと入れた。
クッソー、めっちゃほしい坂本くん画のイラストTシャツあんのに・・・・


ほれみい!もういや!!



この時点でテンションダダ下がり!坂本くんの人気っぷりがほんと恨めしく思った。
いやいや、ライブを楽しむのが目的のハズだ!気を取り直してと・・・・

中央の舞台席は当然満杯で、フロア一番後ろのPA席の真後ろをポジる。


最初は、まぁここでいいかと思ってたが、この地帯はなんかクセのある者が集まってて、ライブ中も後ろでペチャクチャ大声でしゃべってる輩がいてかなり殺意が漲った。
なんかそいつらの仲間がライブが進行するにつれぞくぞくと集まってきて、うるささが2倍、3倍に膨れ上がる。パリピに違いない。
もう、なんかキッカケがあったら発狂しかねない状態だったので、そうなる前にその場所から離れることにした。

舞台席の後ろにもなかなかクセ者がいて、ヤク中みたいな女が踊りながらこっちにやってきて私の真横でトチ狂ったダンスを繰り広げた時はどうしようかと思った。
まぁ坂本バンドのサイケデリックで浮遊感のあるサウンドは気持ちがいいからなぁ、トリップするのもわかるんやけど。

味園名物の惑星群も発光しながら回りました。「べつの星」でだっけ?



サポートメンバーは日比谷の時と同様、ドラム菅沼雄太氏、ベースAYAさん、サックス&フルート&パーカス西内徹ちゃん。鉄壁の面子だ。
今回坂本くんはスティールギターは使わなかったなぁ、「スーパーカルト誕生」の時とか。まぁSGの音色でも十分楽しめるけど。
セトリは1stの曲多めと、日比谷の時とあんま変わらんような気がしたけど、+α今回は3rd『できれば愛を』からの曲をけっこう演ってくれてたように思う。
「あなたもロボットになれる」のとき、徹ちゃんがいろんなパーカス使って再現してくれてたのは楽しかった。
照明係さんも味園固有の照明を駆使して演出けっこうがんばってくれてたように思うが「ディスコって」の時、なんでここで中央のミラーボール回さないかなぁと、ちょっと残念に思った。
ラストは野口五郎のカヴァー「グッド・ラック」(この曲は7インチシングルに収録)でまったりと終演を迎えた。
そういや坂本くん、今回珍しくメンバー紹介してたな。




単独フルライブで非常に楽しみにしていた今回の坂本くんの初大阪ライブだったけど、GWの日比谷野外でのライブの方が会場もサウンドも観覧場所も極上だったので、そん時以上の高揚感、幸福感はのぞめんかったなぁ。


これからの海外ツアーも、グッド・ラック!




今日の1曲:『べつの星』/ 坂本慎太郎
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