AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

回復する傷

2018年11月23日 | コンサート
ヴォーカリストSalyuと、国際派インプロギタリスト内橋和久氏との風変わりなユニット、ウッタギッタ。
昨年12月に衝動的な思いにかられ、急遽京都Metroに馳せ参じ、その極上で意外性のあるライブ内容に感銘を受け、また観たいなぁと思っていたのだが、このプレミアムなユニットのライブが今月大阪のNOON+CAFEで行われることを、前日の夜まで全然あずかり知らなかった。

SalyuStaffのアカウントをフォローしてるんだが、入院中に情報が入ったのかな?
まぁこのユニットはやけにシークレット性が強い気がする。

定員80名くらいの小規模なものなので、当然前売りチケットは既にソールドアウト。
前回もそうだったが、当日券10枚ほど出るみたいだったので、その日はちょうど病院でレミケード(点滴療法)を受けるため仕事を休んでいて、病院を出るとすぐに大阪へと赴いた。


NOON+CAFEには、あの悪名高き橋下元市長配下のもと、風営法違反により摘発を受ける以前のClub Down時代に何度か足を運んだことがある。
JRの高架下にある、とても雰囲気のいいハコである。



とまぁ、関西ではなにかと電車に縁のあるウッタギッタであるが、このオシャレなハコでサリュの生歌を堪能できるなんて、こんな機会を逃す手はないとばかりに18時前にNOONに着いたが、まぁ平日やしさすがにまだ誰も並んでなかった。

つかまだ普通に飲食店を営んでいた。



19時に開場して、前売り券の客が入場し終わってから会場に入ると、中央の席がまだ何席か空いていた。
ただ、前列が意外と男性客がかたまってて見づらそうだ。

このイベントの主催者、武腰康弘氏のDJタイムがすでに始まっていた。



で、後ろを振り返ると、めっちゃいいVIP席があるではないですか!

まさか当日券で席に座れるとは思ってなかったが、ステージの上からステージを見るのも今回が初めてだ。足も伸ばせて、もっサイコー。


以前ここにライブを観にいった時のことを(もう10年以上前か)思い出したのだが、私の座っている所って実はメインステージやん!と。
で、今回演者さんたちのところはちょっと低めに設定した特設ステージであることがわかった。

20時過ぎに内橋氏が会場入り口から普通に入ってきて、台の上に並べられたエフェクト機材をいろいろいじくりだして、実にアンビエントな音色を奏でだした。



そして、しばらくしてサリュもそこから入ってきて、自前の多重録音サウンドマシーンをいじくりだす。
まぁこのユニットは演奏部分はほとんど即興なもんだからイントロ聴いただけじゃ何の曲か判断がつかない。

で、サリュがおもむろにブルージーな歌を歌い出す。
で、しばらくしてからこれがあの昨年のMetroで私を震撼させたスティーリー・ダンの「Show Biz Kids」であることがわかり、またしても全身にサムイボが走る。
このウッタギッタヴァージョンは原曲より好き。

今回Salyu×Salyuの曲は皆無で、リリイ・シュシュの楽曲もSalyu名義の楽曲も演奏された曲は前回とだいたい一緒。
なのでこのユニット、セトリはほとんど変化ないのかなぁと思ったが、カヴァー曲はわりとレパートリーを変えてきてた。
しかもステージで何の曲演るか今頃話し合ってる。セトリもインプロかよ!!
で、電車がライブハウスの上を容赦なくガタンゴトンとひっきりなしに通過するもんだから、この手のライブにはなかなか辛いものがあった。
サリュがニコニコしながら「これ(ガタンゴトン)も楽しんで」って言ってたけどちょっとしんどい。だったらビョークの「I've seen it all」でもカヴァーしてって感じだった。

それほどスタンダードを嗜んでるわけではないので、厳か過ぎてちょっと退屈な部分もあったけど、ビートルズの「For No One」がきた時は「おおっ!!」となった。
ウッタギッタのオリジナルナンバーてのも2曲披露され、本編ラスト曲が「オルゴール」という曲だった。
たしかリリイ・シュシュの曲で「オルゴオル」という音源化されてない架空の曲があったけど、それとは別ものなのかな。

本編終わって演者がハケず、コールしてないのに「じゃ、アンコールいきます」て、間も空けず演奏し出したのには笑った。
最後は、今年リリースから50周年を迎えたビートルズのホワイトアルバムから「Good Night」という粋な選曲。

で、終わったかなぁと誰もが思っていると、主催人のDJ武腰氏が会場を去ろうとするふたりを引きとめ、「名古屋ではもっと演ったでしょう!」とムリヤリ2回目のアンコールを要求。

で、誰もが聴きたがってたと思われる「to U」を演奏してくれた。
武腰氏、グッジョブ!!ありがとう!(それとも、これも演出だった?)


昨年Metroでの初見ならではの感動はなかったけど、VIP席でいいライブを堪能できてよかった。
ただ私はこの後、今までで一番とちゃうかーゆーくらいのカッコ悪くバツの悪いある行動により、このステキなライブでの愉悦感を打ち消すほどの自己嫌悪に苛まれることになる。




終演後は昨年のMetroみたいな雰囲気を期待してたんだが、全然違ったなぁ。
気づいたら完全アウェイになってたし。

居たたまれない気持ちで心は折れそうになってたが、私は敢えて恥辱を押して大胆な行動に出てしまった・・・
それは、リリホリックの管理人サティの渋谷キャトルでの「リリイだ!リリイだ!リリイがいるぞぉ~~~!!」ばりの暴挙だった。
ああ、私はエーテルを汚してしまった・・・・・

まぁ上の階で本人「なつかしーーーっ!!」て、めっちゃはしゃいでくれてたけど。
それは俺の前で言ってよ!(多分危険人物扱いされてた)

はぁぁ、当分Salyuの曲は聴けないや・・・・


いや、私は後悔などしてはいない。

これを得られたことを考えると、あれぐらいの恥辱はへでもないことだと。




今日の1曲:『回復する傷』/ Lily Chou-Chou
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キチムシ前後

2018年11月14日 | 名所ガイド、巡礼記
前日急に思い立って夜行バス乗って東京に赴いたもんだから、まぁ今回の遠征は無計画極まりなく、準備不足もいいところですよ。
キチムシで買い物して、後は新宿行ってディスクユニオンで盤漁りできればいいやくらいにしか考えてなかった。
でまぁ、やっぱいいこと悪いこと共々想定外のことが色々ありましたねぇ。


日曜日、朝早くに吉祥寺に着いて、とりあえずドトールでモーニング食ってサンロード商店街散策としゃれこみました。



「いや~、吉祥寺ってなかなかいいところだなぁ~」ってぷらぷら歩いてると、旅行者らしき3人組の白人が前方を歩いているのが目にとまった。
で、そのひとりが着てたパーカーのバックにプリントされてるロゴを見てギョっとなった。

FLOTSAM AND JETSAM

も、もしや・・・

いや、やつらが14年振りに来日してるってのは、小耳にはさんでたんだけど。
そう、この土日は以下なるイベントが関東のどこかで開催されてるってのは知っていた。
まさか吉祥寺だったとは・・・・


メンバーの顔もあんま知らんかったけど、私はなんの確証もないまま思わずそのパーカーの白人に声をかけていた。
「YOU FLOTSAM AND JETSAM?」

やっぱそうだった。なんたる偶然!!これはきっと手塚先生のお導きに違いない!
ただ、次の瞬間とても気まずい空気に見舞われることになった。

FJ「おお、昨日の俺たちのライブを見てくれたのかい?」

し、しまったぁぁ~~・・・声をかけるんじゃなかった・・・どう答えたらいいんだ?
「イ、イエ~イ、THRASH TILL DEATH!!」てな感じでなんとか言葉をにごし、「14年前にスラッシュドミネーションで君たちのショーを見たよ。演奏もしっかりしていて、エリックA.K.のハイトーンもきいていてとても素晴らしかった!切腹ジャケットがナイスだね!」みたいなことをなんとか英語で伝えようとしたんだけど「THRASH DOMINATION」以外なんの単語も出てこなかった。

ほんで、どあつかましくもパシャリ!。また(大阪に)きてね!



キチムシで目ぼしいものを購入した後は、るみ子さんに教えてもらった吉祥寺から4駅ほど隔てた富士見ヶ丘で催されているもうひとつの手塚二次創作展示会へと赴いた。

いつもはレストランを営んでるところを催し場にしてはるみたいだった。


全然人おらんというか、私ひとり。
確かにこんな閑静な住宅街に誰がわざわざ足を運ぶのかと。
写真撮影は禁止やし手塚グッズも売ってない。正直来やんでもよかったなぁと。

ただ、漫画家さんの名前とかあんま知らんのやけど、ここの手塚キャラ二次創作の方がキチムシのよりマニア度が高かったように思う。
「鳥人大系」とか「緑の猫」とか。手塚治虫、お茶の水博士、猿田彦などを並べて、鼻の系譜図を描かれてるユニークなやつもあった。

で、奥の部屋に行くと、きれいなおねいさんが椅子に座っておられて、そこの机にのってるものを見てギョッとなった。
なんと安彦良和先生のイラストがあったのだ。
ただ、これは手塚絡みのものではなく、安彦先生が東日本大震災のための応援イラストとして描き下ろされたものだとか。

シャアとアムロが肩を組み合ってるというありえざる構図!思わず2000円払っちまった。


今思えば、結局このチャリティー展示会って、これを買わすのが目的だったのかなぁ(キレイなおねーさん使って)。
それって心斎橋とかでやってるキャッチセールスとやり方一緒やん・・・・


その後、新宿に寄っていつものディスクユニオンでちぇー万円ほど散財してから、バス乗り場のある池袋へと向かった。
そしてここでまたしても私は禁断の地に足を踏み入れてしまっていた・・・

こんな恰好で町歩いたら、それこそ21世紀の精神異常者ですな。



この池袋のぼったくりロックグッズ店で、別に欲しくもないREDのポストカードを購入したのは、キング・クリムゾン関連の商品を買えば必ずついてくるこの太陽と戦慄手提げビニール袋が貰えたからにほかならなかった(他のクリムゾングッズは高すぎて買えんのよ)。



で、晩メシ食ってバスの時間までミスドで茶をすすりながら今回の戦利品を並べてボーっと過ごしてたんだが、音楽を聴こうとiPodをいじくってたら突然画面がバグってなんか初期状態みたいな不具合が生じてクソちびりかけた!
これはマズい!!バスのりばの地図も乗車票のデータも全部iPodに入れてあるんやで!!

どうやっても復旧のメドがたたないままミスドを飛び出し、過去に一度だけ利用したその池袋駅からめっちゃ離れた所にある辺鄙な場所のターミナルへの記憶を辿ってなんとか時間までにバス乗り場に辿り着くことができた。まぁあとは運転手さんに名前言うたらええだけやし。
バス乗ってからパスワードシコシコいじり倒してたらなんとか復旧。ほんまクソちびりかけた。
池袋でせこい買い物したから、たぶんバチが当たったんだ。

そして早朝難波に着いて、今度はバスの座席にケータイを忘れてくるというドジをふみ、またしてもクソをちびりかける。

た、たたりじゃ、手塚先生のたたりじゃああああ・・・・・


ほんじゃ最後に、今回の収穫物をばタラタラ紹介してシメることとします。

去年からずっとほしかったんだ。これ。
メルモちゃんがもってるあーかいキャンデーあーおいキャンデー、知ってるかい?
若返りの薬じゃよ。



我ながら思い切った買い物をしたと思う。
弓月光マンガは別に通ってないんやけど、直筆イラストサイン付に思わず手が出た。
それにしても、これって和登さんのつもりなんやろうけど・・・・
どうみてもいつものエッチな弓月キャラ以外のなにものでもない。



これは缶バッジガチャガチャ。サイケデリック我王をゲットした時は歓喜した。
デカいのは大当たり品。
あとのはなんの手塚キャラかすらわからん。



カフェソードフィッシュさん出品のキチムシ限定再販ZVON COFFEEピノコラベルもゲットできて気分はシーユーノアラマンチェ♪
今は亡き福田珈琲さんのマスコット、マコちゃんと重なるものがあるなぁ。



今日の1曲:『No Place For Disgrace』/ FLOTSAM AND JETSAM
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はじめてのキチムシ

2018年11月11日 | 名所ガイド、巡礼記
私がアホかっちゅーくらい手塚マンガが大好きなことは、本ブログを閲覧して下さってる少数の方にはご周知のことかと思われるが、そう、今年は手塚治虫生誕90周年という節目の年で、色んなところで手塚マンガの二次創作的な企画が雑誌やギャラリーなどで展開されている。
ただ、手塚マンガ原理主義者の私としては、二次創作モノにはどうしても興味が湧いてこず、もう最近のマンガ家の画力のないタッチでアトムやブラックジャックやピノコなんかを描かれるとヘドが出そうになってしまうほどである。

そんな私が、先週の土曜に突如思い立って(夕方5時頃)高速バスをネット予約し、東京は吉祥寺へと赴いたのは、我ながら衝動的にもほどがあると呆れ果てる限りである。
この吉祥寺で毎年文化の日の11月3日あたりから期間限定で催されているあるイベントが実は4年前から気になってしかたなかったのであるが、行こうか行くまいか迷ってる内にイベントが終わってしまい、結局今まで一度も行けてなかった。

そう、『手塚治虫文化祭 ~キチムシ~』である。
『キチムシ』は、2015年あたりから手塚治虫先生のご息女手塚るみ子さんが企画し始められたイベントで、手塚先生の誕生日である11月3日に標準を合わせて吉祥寺の「リベストギャラリー 創」にて毎年開催されるようになった。

様々なクリエイターさんによる手塚治虫作品しばりのマーケットフェスで、数人からなるマンガ家、イラストレイター、造形作家、デザイナーさんがこぞって自由な発想で手塚マンガの二次創作に挑み、それをTシャツやポストカードやシールなどに商品化して販売するというもの。
まぁ要するに、手塚ファン専門のコミケみたいなものだ。
作家さんの名前はあんま知らないが、なんかどっかで見たことある画風の作家さんが毎年多数参加されていて、有名どころでは過去に江口寿史、諸星大二郎、そして今年はエッチなマンガで有名な弓月光先生がこの手塚二次創作フェスに参加されている。

過去の名作群。妄想だけで商品化されなかったものもアリ。
    

まぁ手塚マンガ原理主義者としては、写実すぎたりオリジナリティが出過ぎている作家さんの「どこが手塚キャラやねん!」みたいなものには正直あまり魅かれるところがなく、ツイッターに挙げられる作品を見ては「魅力的なのも数点あるんやけど、交通費ばかにならんしこれだけじゃな」って、毎年吉祥寺遠征を見送っていた。
でもいつかは行こうと思っていた。なんかイベントの雰囲気も楽しそうだし、中にはほんとシャレの効いたセンス抜群の作品もあるので。
それと周りに手塚マンガ好き皆無なもんだから、そういう人たちにも会ってみたいし。

ただ、今回もなんかこれといって魅かれる商品がなく、今年もやっぱやめとこうと土曜日はボーっと過ごしていたのだが、るみ子さんのつぶやきで「キチムシは今年で最後」っていう悲しいアナウンスを聞かされ、夕方頃に風呂つかってたらなんだか悶々とした気持ちになって、気づけばネットで高速バスの今夜の便を調べ始めていたのであった。


そして日曜の朝、生まれて初めて吉祥寺の地に降り立った。
けっこう栄えていて、なかなかいい雰囲気の街だ。



サンロード商店街を抜けて五日市街道沿いを歩いていくと、イベント会場である「リベストギャラリー 創」がすぐに見つかった。
ツイッターで毎年かなり混雑して人数規制がかかると聞いていたので、開場は12時であったが10時半くらいに赴いたら、さすがに誰も並んでなかった。



なので、近所のハードオフで時間をつぶすことに。
もうそろそろかな?今日は普段めったにつけない腕時計をしていることをつい忘れちまう。



11時半くらいにギャラリーに行くと一気に人だかりができていたので焦った。
でも混雑というほどではなく、余裕をもって会場入りできた。


客はやっぱ私よりも年寄り目の方が多かったが、わりと老若男女。
このイベントに赴く人は、やっぱ手塚マンガの本質的なおもしろさや凄さをわかっている方が殆どであろう。
私の後ろに二人の女の子を連れた私と同じくらいの歳の女性が並んでいた。
女の子たちは画廊をのぞきこんで、「あ、ユニコだ!」「あ、写楽だ!」と目を輝かせておおはしゃぎしていた。母親の教育がよいのだろう。
でもいずれ彼女たちも、もう何年かしたら手塚マンガなんか忘れて、その時流行っているイマドキのアニメとかに傾倒していくんだろうな。私も私の甥っ子もそうだった。
彼女らが黒手塚作品に出会うのはいつの日のことだろうか・・・・・


入ってすぐの壁に、イタコマンガ家田中圭一先生の作品が飾られてるのが目に入った。
スリッパの裏に手塚キャラを描くというこの冒瀆感とユルさ加減。さすがである。



とにかく目をつけていたものをかたっぱしからカゴに放り込んでいった。
ちょっと迷ったやつもあったけど、売り切れたらかなわんし躊躇してはいられなかった。



毎年ユニコグッズは多い。まぁかわいいし女子には大人気だろうね。
この浅田弘之氏のユニコ作品はカッコいい。この刺繍の入ったジャケットとかも売ってた。



まぁでもやっぱプロの腕利きの作家さんが手がけているものばかりだから、そりゃ高価ですよ。
お歳を召したすでに財を成したような方は8000円くらいするものでもバンバン買ってらっしゃったが、私みたいな赤貧者はなかなか手が出ないです。

こんな小っさなものでも千円以上するもんな。
「やろおかぁ~、やろおかぁ~」くれくれくれくれくれ!



我王のサイケデリックTシャツも欲しいが、高くて買えない・・・・



ただ、このマーケットフェスはギャラリー内の先生方の展示作品を自由に撮影していいってところが太っ腹やね。
スタッフの方が「どんどんSNSに挙げて宣伝してください」ってスタンスだったから。

高価で手が出なかった上條淳士先生のこの対画。
手塚先生が性教育の一環として描いた「メルモちゃん」と、性教育上不健全きわまりないタブーを描いた「奇子」とのありえない奇跡のコラボ。
素晴らしすぎる!



イラストやキャラクター描いたり、編み物したり、ウクレレ弾いたりとマルチな才能を持つキチムシレギュラーメンバーのきはらようすけ作のあみぐるみブラックジャック。



そして、本イベントはキチムシに出品された作家さんが常時何人か在廊されていて、頼めば購入したものにサインをして下さるという太っ腹な企画。
前日は弓月光先生も来てたらしい。やっぱ土曜日に行きたかった・・・・
どの作家さんも快くひとりひとり丁寧にサインに応じていらっしゃった。



私もきはらようすけ先生画の一番安価なBLACK JACKSONのポストカードを購入し、宛名側にイラスト付のサインをしてもらった。


前回のキチムシで、きはら先生はソニック・ユース×ワンダー3というありえないコラボデザインを考案されてたので、そのTシャツを思わずオンラインで購入してしまった。
先生に「今年はロック色がちょっと薄れて残念でした」と言うと、「去年はちょっと自分の趣味が出過ぎちゃいましたので。ロックなのは『キチレコ』でばんばん出して行きます」とおっしゃられた。
「いや、私は手塚とロックのコラボというのに興味あるだけなんですよ」なんてことはその場ではよう言わなんだ。
まぁ『キチレコ』は私の好きなプログレバンドやハードロックバンドはあまり題材に取り上げられないからなぁ・・・


そして、主催者であられるかの手塚るみ子さんも開催期間中はほとんど一日中在廊されているみたいで、他の会計スタッフさんに混じり接客をされていらっしゃった。
時にはギャラリーの外に立ち、来客を出迎えるという。いやーこれってけっこうしんどいで。

いつもオシャレないでたちのるみ子さんではあるが、今回は明らかにるみ子さんがモデルになったであろうとされる『ブッキラによろしく』のトロ子を意識した服装だったと思われる。いや、手塚ファンにとってこんな姿を拝める以上のサービスもないだろう。
    

もちろんこんな機会はないと思って話しかけましたよ。
まず、私の着てたフジロック2017火の鳥ヴァージョンTシャツに気づかれて「行かれたんですか?」と。
はい、実は第一回目の地獄のフジロック1997年以来行ってません。
ロックのことや手塚マンガのことや、話したいこといっぱいあったけど、まぁ神の子を前にするともうしどろもどろになって、話したいことがうまく出てこない。
でも向こうはけっこう普通にしゃべってくるんだが、失礼なこと言えないし(二次創作モノはほとんど興味ねぇとか、アトム別に好きじゃないとか)、どう返せばいいかほんと辟易した。

で、最後に気が動転してたのか、「富士見ヶ丘ってこっから歩いていけるんですか?」みたいなトンチンカンな質問をしてしまって、「いえいえ、こっからじゃとてもとても。ちょっと待ってて」と、わざわざムシケラのような私に富士見ヶ丘までの行き方をキチムシのフライヤーの裏に書いて下さって、ホンマ恐縮の限界を超えてしまっていた。

とかいって、ドサクサにサインまでねだってんじゃねーよ!!このムシケラが!!



いやー、実に有意義な時を過ごせて、衝動的に吉祥寺まで来てほんとうによかった。
富士見ヶ丘まで行く電車の中で、ボーっとサインながめてニヤニヤしてたらいつの間にか時を忘れてて、乗り過ごした!!と思って慌てて飛び降りた駅が井の頭公園だった。


今日の1曲:『昆虫ロック』/ ゆらゆら帝国
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やっぱりヴォイヴォド。

2018年11月10日 | やっぱりメタル!!
VOIVOD三度目の来日公演が決定した。
そう、今年はVOIVOD35周年という節目の年。まぁ日本ライブは来年1月やけど。
しかも今回は初の単独ライブ!!
こんなにうれしいことはない・・・・・・・
http://www.marquee.co.jp/live/voivod2019.html

インタビューでは単独で大阪にも行ってみたいとほのめかしていたが・・・
今のところ渋谷はTSUTAYA O-WESTの1公演のみ。
確かに今の関西のメタルシーンはショボすぎるからなぁ・・・
まぁVOIVOD観るため東京まで遠征するのも仕方ないさ。
全国大勢のVOIVODフリークたちと共にワイワイ盛り上がるほうが絶対楽しいと思うし。


さて、2016年に予告編的なミニアルバム『POST SOCIETY』をリリースしたっきり音沙汰のなかったVOIVODであったが、通算14作目となる待望のフルレンスアルバム『THE WAKE』が私の手術中、自宅に届けられた。



5年前“故ピギーの意志を受け継ぐ者”チューイーことダニエル・モングレイが正式加入し、全面的にVOIVODの異質な楽曲作りに携わるようになったが、その第一弾『TARGET EARTH』は、「ピギーという絶対的なオリジネイターを無くしてVOIVODの存続はありえない」と失望感に打ちひしがれてた我々VOIVODフリークたちを驚愕歓喜させるほど上々のデキであった。

メンバーのみならず、従来ファンの絶対信頼を得たチューイー加入後の第二弾『THE WAKE』であるが、今回のデキも実に素晴らしい。
まぁVOIVOD好きならハマらないことはないであろうVOIVODフリークスのツボを見事についてくるフレーズが目白押しとなっおり、悶絶必死である。
つまりダニエル・モングレインという男はそういうツボをちゃんと熟知している野郎なのだ。にくいねこの!
巷では7th『THE OUTER LIMITS』以来の傑作!と褒め称えられているが、個人的には物語の見えてくるわかりやすいあの作品ほどのイマジネーションは感じられなかったが、今回も一応VOIVODお得意のSFサイバーコンセプトアルバムに仕上がっている。

今回も全曲にアウェイ画伯によるステキな挿絵がついている。



まぁVOIVODのあまりにも個性的で唯一無二の特異な音楽性は、通常のメタルリスナーにとっては難解かもしれないが、やはりチューイーの演奏技術的にテクニカルな要素は、初期のVOIVODの楽曲に比べて幾分かとっつきやすいものになっているかと。
複雑怪奇な楽曲が並ぶ中でも、アルバム中最もストレートでメロウな1曲目「Obsolete Beings」などは、チューイーの流麗なギターソロも冴えていて初心者の方でもいけるんじゃないかと。




2曲目「The End Of Dormancy」の怪しくムードある雰囲気からの怒濤のプログレ展開は、フロイドの長編アルバム『THE WALL』にも通ずるものがあり、摩訶不思議VOIVODワールドが約7分間で一気に体感できるといったような見事な構成。この時点でVOIVODフリークスはすでにノックアウトだろう。
3曲目「Orb Confusion」は、メタルヴォーカルの常識から全くかけ離れた独特の表現力を持つスネイクの奔放でパンキッシュなヴォーカリゼーションが映える、改めて彼の存在の重要さを知らしめるナンバーだ。

そして、本作のハイライトといってもいいのが4曲目「Iconspiracy」であろう。
『RRROOOAAARRRR』や『KILLING TECHNOLOGY』あたりの楽曲を彷彿とさせるサイバーパンキッシュなザクザクとしたリフがベースとなっているが、学校で音楽教師をしているというこのチューウィーという男、やはり一筋縄ではいかなく、彼の人脈で今回弦楽器奏者をレコーディングに招き、なんと自ら指揮をとってオーケストレーションを楽曲の中に導入してしまうという、VOIVOD史上前代未聞の試みを敢行している。まぁこれはちょっとした味付けでVOIVODファンは最初ギョッとさせられるかもしれないが、それほど違和感はなくなかなかの演出効果をもたらしている。
それよりこの楽曲のスリリングさが素晴らしい!もうこの最高すぎるアニメーションPV共々VOIVODのSFサイバーパンク趣向が見事に爆発した至極のナンバーだ。




以降も、VOIVODしか創り得ないサイケデリックで混沌とした個性的な楽曲が並び、まぁ捨て曲というものがない。
ラストの12分に及ぶ長編曲「Sonic Mycelium」のデキも素晴らしいんだが、それまでの楽曲がアイデア満載の秀逸曲だらけなもんだから、ちょっと物足りなく感じてしまうほどだ。

まぁチューウィーはピギーの作曲論法を研究しつくしていて、VOIVOD従来のリフや曲展開をかなり踏襲してはいるんだが、ピギーと違う所といえばやっぱサウンドのクリーンさとギターソロだろうか。
ピギーはやっぱ感覚的なサウンド作りが特徴で、ソロなんかも手グセが効いているのに対して、チューウィーのソロは実にテクニカルでメロディアスで流麗である。
そのチューウィーのテクニカルな要素とアイデアは、VOIVODにまた新たなる科学反応を起こさせ、進化をもたらしたといっていいだろう。


この素晴らしい内容の作品に水を差すようだが、苦言を呈したいことがひとつ。
VOIVODの作品がいまだ日本盤でリリースされることは大変ありがたいし、だからこそ実現した今回の単独来日だと思う。
ただ、日本盤に付いてくる二枚目のボーナスディスクの内容であるが、2年前にリリースされたミニアルバム『POST SOCIETY』全曲をまんま収録するってのはいかがなものかと。
重複もええところやんけ!まぁ申し訳程度に6曲ものライブ音源が収録されてるので値段的には妥当かと思われるが。
前回未掲載だった「FALL」と「SILVER MACHINE」の挿絵も付いてきたしよしとしよう。




今日の1曲:『Event Horizon』 / VOIVOD
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