AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

アダルト・オリエンテッド・メタル

2011年12月30日 | やっぱりメタル!!
カナダ出身のスリーピースバンドといえば、RUSH、EXCITERだけじゃない。
このTRIUMPHもまた、カナダを代表するスリーピースバンドのひとつだ。
つーか私が産業ロック臭漂うトライアンフなんて聴いてるって、なんか意外でしょ?うん、自分でも意外。
まぁ中学生の時なにげなくアナログで買った『THUNDER SEVEN』には全くハマらんかったけど。
しかし、このアダルト・テイストな楽曲の多い3rd『JUST A GAME』に関してはどこかピンとくるもんがあった。

トライアンフっていうと、『メタル同盟』なんて邦題のアルバムをリリースしてるぐらいだがら、一応ジャンル的にはヘヴィ・メタルに属すかと思われますが、リーダーのリック・エメットはもともとプログレッシヴなロックに傾倒していて、バンドを立ち上げた当初はELP+ザ・フーみたいなバンドを目指していたとかいないとか。
まぁトリオっつーだけでどこがELPやねんって感じなんですが、リックの音楽的教養の深さと振り幅の広さは確かなもので、プログレ・ハードな音楽性の中にキラリと光る知的センスも兼ね備えたロックバンドといったところじゃないでしょうか。

『JUST A GAME』は、プログレというよりはAOR的アプローチが強く、バリエーションに富みながらも楽曲それぞれがとても洗練された仕上がりとなっている。
ブリティッシュ・ブルース・テイストたっぷりな“Young Enough To Cry”や、コーラスを効果的に配したバラード曲“Just A Game”の哀愁感は秀逸。
普通にクラシックのアルバムに入ってそうなアコースティック・インスト小曲“Fantasy Serenade”なんか聴くと、エリックのギタリストしての懐の深さが垣間見れる。
ラストの“Suitcase Blues”もカクテル片手に夜景でも眺めてるかのような、メタルバンドとは思えないとてつもなくオシャレムードナンバーで、なんだか美女にカクテルでもおごってあげたいジゴロな気分になる。
(私の宇宙的な説明にピンとこない人は、エクストリームの“When I First Kissed You”、もしくはザ・ポリスの“Murder By Numbers”を思い浮かべてみてちょ)


今回この作品をまたしても紙ジャケリマスターで買い直した訳だが、ついでに2nd『炎の勝利者』も購入したんだが・・・こっちはなんちゅーか、ツェッペリンとかパープルとかクイーンとかに影響受けまくりなヤンチャプログレハードアルバムといったところ。



今日の1曲:『野生の叫び』/ TRIUMPH
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ユゴスよりの紅玉

2011年12月24日 | ルルイエ異本
前ログで散々けなしまくったラムレイの『幻夢の時計』でありますが―
ただ、本書の中で、猫の町ウルタールの<古のものの神殿>に棲まっている老神官、人呼んでハテグ=クラのアタルが、<旧き記録の間>に所蔵している『ド-ハルシスの第四の書』の中に掲載されてある、凍てつく荒野のレンより黒いガレー船に乗ってやってくるターバンを巻いた“角族”が所持している、あの人々の精気を吸い取る魔力を放つ巨大紅玉についての記述が紹介されている部分に関しては、大変興味そそられるものがあった。


~大いなる紅玉について~
大いなる紅玉、それは辺境なる星ユゴスよりきたる<光を超ゆるもの>で、<吸血鬼>という言葉の最悪の意味を表わす存在である。
遥かな昔、まだ<夢>が生まれるより以前、万物の夜明け前なる始原の霧のなかにおいて、遠き辺境なるユゴスより、<古のもの>がかの大いなる紅玉を運び出した。
その巨大紅玉のなかには<古のもの>の魔術と光とによってあるものが封じこめられていたのだが、それこそが始原なる邪悪の化身、地獄そのもののごとき忌まわしき存在なのだ。
人々を催眠作用によって弱らせているのは宝石それ自体ではなく、その内部に閉じ込められているもの、すなわち辺境なる暗黒のユゴスよりきたる<光を超ゆるもの>の邪悪な波動によるものなのだ。

かの紅玉は、禁断の山ハテグ=クラの高みより崩れ落ちし雪崩にまぎれて転がり落ちたるところを、ティルヒアの黒き姫ヤス-リー率いる隊商によって発見され、銀の尖塔建ち並ぶティルヒアの町に持ち帰られた。
やがてティルヒアの住民は死者のごとく変わり果てた姿となり、町は荒廃を極め、今ではどこにティルヒアなる町があったかを知る者はない。
その後巨大紅玉は、ダイラス=リーンが面する南方海沖合のオリアブ島に近い海上に浮かんでいた謎めいた金色のガレー船の船内において発見される。
発見されたとき乗組員はすでにみな死んでいたが、なぜか腐乱することもなく完全な姿のままの死体で、しかもそのすべてが人間とはいいがたいものどもだった。
巨大紅玉はそれを金のガレー船より運び出した船乗りたちが哀れにも災厄に見舞われたあともなお生きのび、のちにナスの谷の巨虫ドール族によって崇拝されたが、あるとき三匹の蝙蝠めいた夜鬼によって持ち去られてトゥロク山脈の峨々たる峰を超え、ついにはおぼろな神話のみにて恐ろしげに仄めかされる地下なる妖異どもの棲むところに運びこまれたという。


~<光を超ゆるもの>の召喚について~
この召喚においては距離が遠いか否かはまったく問題ではない。その気にさえなればその場所にいながらにして<かのもの>すなわち<光を超ゆるもの>を喚びいだすことができる。
だがそうする前にまず<ナアク=ティスの結界>を紅玉の置かれた周辺に張りめぐらし、紅玉の外に出てきた<かのもの>を防ぐ手立てを講じておかねばならない。もしそうしなければ、<かのもの>は<夢の国>のすべてをも滅ぼしてしまいかねない。そのときには、召喚せし者、すなわち呪文を唱えし者は世にも恐ろしい死に方で真っ先に死ぬことになる。
結界を張りめぐらしたあと、以下の呪文を唱えるべし。

「テトラガマトン・サバイテ・サバオス・テシクトス」


~角族について~
角族(ホーンド・ワンズ)は、神秘の地レンに棲む大きい口と額に角の生えた、邪悪な笛と小鼓の旋律に狂い踊る種族で、ラヴクラフトの『未知なるカダスを夢に求めて』に現われる<人間もどき>と同一の種族であり、この角族にかぎってかの巨石紅玉に近づいてもなんの影響も受けないのだという。
実のところ、角族は最果の星ユゴスに隣接する暗黒次元においての<夢の国>に属する存在であり、はるか昔人類の夢がまだ幼かったころにクトゥルー眷属邪神群が侵犯をたくらんで送りこんだ手先なのだ!!


紅玉を携えターバンを巻いた商人姿でダイラス=リーンの町に跳梁跋扈する角族。


は~あ、私はまたしてもイブの夜に荒唐無稽な記事を書いてしまった・・・

ヘイ!アア=シャンタ、ナイグ!!旅立つがよい!!



今日の1曲:『2,000 Miles』 / TICA
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二泊三日幻夢郷の旅

2011年12月23日 | ルルイエ異本
先月末に刊行されたばかりのブライアン・ラムレイ著『幻夢の時計』を近鉄電車の中で読み終えた。
本作は『地を穿つ魔』、『タイタス・クロウの帰還』から連綿と続いている、タイタス・クロウ・サーガ・シリーズ第三弾。いわゆるヒロイック・ファンタジーもんである。

今回は、人間が見ている夢の、更に深いところに存在する異世界である<夢の国>が舞台。
巨匠ラヴクラフトが『未知なるカダスを夢に求めて』(『ラヴクラフト全集6』参照)で描いた壮大なる幻夢郷の大舞台をそのまんま拝借して、そこでタイタス・クロウ達とクトゥルー眷属邪神群(CCD)どもがチャンチャンバラバラを繰り広げちゃうという、今回も勧善懲悪色の濃い冒険活劇でとにかくアホくさい。

事の発端は、タイタス・クロウが前作であてがわれた旧き神々の国出身の恋人ティアニアと<夢の国>へハネムーンよろしく幻夢旅行をしてる最中に、這い寄る混沌ナイアルラトホテップの手先<角族>に捕われの身になってしまうという、はなっからチャラチャラした状況設定。そこで盟友アンリ・ド・マリニーが危険を顧みず単独で救出に向かい、CCDに真っ向勝負を挑むという勇ましき友情の物語って、ほんまアホくさ!
で、この物語の勇者達は、先の<夢見人>ランドルフ・カーターのように、ナシュトとカマン・ターらに忠告を受け、昔かわいがっていたウルタールの猫の助けを借りたりとか、かつて覚醒世界でリチャード・アプトン・ピックマンだった食屍鬼や、夜鬼どもと協定を結ぶなんて面倒くさい手順などは一切踏まえない。
空飛ぶマントや(アホくさ!)スペシウム光線みたいな武器を備えた時空往還機などの超便利な小道具の力をかりて<夢の国>の領空などひとっ飛び。偃月刀をふりまわしザコの角族どもなどいとも簡単にバッタバッタとなぎ倒す。

うん、もうハッキリいってドラえもん映画まつりの長編アニメとたいして変わらんと思う。
この小説をもし映像化するなら、是非藤子不二雄先生に描いてもらってドラえもん長編シリーズとしてアニメ化し、タイトルは『のび太の幻夢体験記』、もしくは『のび太とクトゥルー眷属邪神群』とでも改題したほうがいいだろう。

あと、許せなかったのがクリーチャーどもの相関関係がメチャクチャ!
だって、あの無貌の黒き魔物“夜鬼”(ナイト・ゴーント)が、関節的ではあるにせよ、なぜかナイアルラトホテップの手先となってタイタス・クロウの前に立ちはだかるのだ。
夜鬼は大いなる深淵の大帝ノーデンスにのみ仕えるクリーチャーであり、ノーデンスとナイアルラトホテップとは常に敵対関係にあると、ラヴクラフトは明記している。
それにタイタスが夜鬼の発するゴム質の翼のくぐもった響きを頼りに夜鬼を追跡するくだりがあるのだが、夜鬼は飛行する際羽ばたき音はいっさい発せへんのやっちゅーの!

幼い頃のラヴクラフトの夢にも度々出現したという漆黒の魔物“夜鬼”。特技はこそばし。


まぁウルタールの賢人アタルやセレファイスの王クラネスやイレク=ヴァドを統べる王となったランドルフ・カーターなどの、<夢の国>お馴染みのスター達がぞくぞく登場するので、その辺は幻夢郷好きにはたまらないかと。
あと、ングラネク山地下の暗黒の洞窟内を守護する三位一体のクリーチャー<騎るもの>の笑い声が「ルヒィィ・ルヒィィ・ィィィ・ィィィ!」というのがコズミック・ホラー的でよかったかな。

今日の1曲:『Dreamer』/ Tommy Bolin
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生まれてすみません

2011年12月17日 | コンサート
行くつもりはあまりなかったのだが、知り合いの方に煽られたのもあって、今年2回目となる人間椅子の師走ライブ、題して『冬来たりなば春遠からじ』大阪公演に参戦して参りました。
会場は前回と同じ阿倍野ROCK TOWN。これからずっとここなのかなぁ。

阿倍野に着くと、当然ながら街はすっかりクリスマスムード。ほとんど用のない所だが、まぁがんばってはりますな。



ねぇムーミン♪あ、こっち向いとるやんけ。



ROCK TOWNのカフェエリアでは、なんでかガガ・カフェなるキャンペーンが展開されておった。
つっても、ただガガのパネルが貼り付けられまくってるだけで、BGMも別にガガの曲が流れてるというわけでもない。


椅子ライブは前回同様、オープニングテーマ“此岸礼讃御詠歌”で幕を開けた。

一応セットリストはこんな感じやったかな。
アップされてた名古屋公演のを参照に、朧げな自分の記憶を辿って適当に当てはめてみましたので、曲順には自信ありまてん。


01.阿呆陀羅経
02.鬼
03.春の匂いは涅槃の薫り
04.終わらない演奏会
05.泣げば山からもっこ来る
06.品川心中
07.今昔聖
08.踊る一寸法師
09.サバス・スラッシュ・サバス~Black Sabbathカバー(曲名わかんない)
10.見知らぬ世界
11.人間失格
12.猿の船団
13.青い衝動
14.人面瘡
15.針の山

~アンコール 1~
16.愚者の楽園
17.恐怖!!ふじつぼ人間

~アンコール 2~
18.相剋の家


今回はレコ発ツアーでもなんでもないので、前回より曲目は期待できるだろうと思ってたのが、はじめは最新作からのナンバーが中心で、意外性はあるがなんだか的外れなナンバーが続き、今日はハズしたかとかなりテンションだだ下がりであった。
なんでか最も売れなかったとされる『修羅囃子』から3曲も演奏された。全然聴いてなかったので“終わらない演奏会”とかサビのタイトル出てくるまで未発表曲かと思た。いや、ほんま全く覚えてなかった。
“踊る一寸法師”が演奏された時はさすがにテンションが急上昇しましたね。和嶋氏のあやかしの不協和音と鈴木氏の戦慄の哄笑が久々に聴けてよかった。
続いて和嶋氏の「浪人時代に鈴木君からしょっちゅうブラックサバスの啓蒙ベストテープが送られてきた」エピソードを挟み、スラッシュナンバー“サバス・スラッシュ・サバス”が演奏され、そっからメドレー式にブラックサバスカバーへなだれ込むという定番パターン。
そして!今回のハイライトはなんといっても“人間失格”!!椅子のダークないい要素がいっぱいつまった初期の名曲だ。もちろん「に~んげ~ん・・・失格ぅ~!!」「ない!ない!ない!」の大合唱で大盛り上がり。いや、これ私が椅子ライブに通い出して以来、初めて聴けたんじゃないかな。

あと、和嶋氏の姪っ子さんはモデル事務所にスカウトされるぐらいキレイなんだとか。
芸能界はあまい世界じゃないので生半可な気持ちならやめておきなさい!と、説得したそうだ。

今回のライブでは、間奏部分の緊迫感がこの映像の倍ヤバかった。

今日の1曲:『人間失格』/ 人間椅子
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Voice of the Soul

2011年12月13日 | やっぱりメタル!!
孤高のギタリスト、チャック・シュルディナー没後10年。
節目の年ということで、何かDEATHについて記事を書こうと思ったのだが、当ブログで今まで散々語ってきておるのでもうあまり書くことがない。

しかし、日本ではなぜにこんなにもDEATHはないがしろにされてんのか?
メロデスやメロスピとか、メロディに執着するメタラーが多い割には、なぜかDEATHの至高のメロディセンスに気付く人が少ない。
まぁバンド名がDEATHなもんだからオドロオドロしいイメージも定着してるだろうし、こっちもDEATHの素晴らしさを力説してても、デスっていうジャンルのことかと勘違いされてるようで、あまり手応えがなかったりする。
ここ数年、ライブ観戦やDJイベントを通じてけっこうメタルフレンドが増えたのだが、やっぱチャックをリスペクトしてる人にはなかなか出会えない。
まぁ私の知り合いに2人ほど(といっても1人は東京の人で、会ったことすらない)DEATH好きがいるのだが、2人に共通しているのは、そこそこプログレッシヴ・ロックに通暁していて、ガテラル(デス)ヴォイスOKという人だ。
そしてやはり、自らもギターを弾いてはりますね。
あ、もう1人思い出したぞ。2年ほど前に決別した出稼ぎブラジル人がいた。やつはチャック・シュルディナーとデイヴ・ギルモアの崇拝者だった。元気にしてんのかな?


海外に目を転じてみると、やっぱDEATHってそこそこリスペクトされてるみたいね。
カナダにDEATHのコピーバンドをやってるトリビュートバンドも存在していて、オフィシャルDVDも出してたりする。

DEATHの名曲をバンド名としたカナダのDEATHトリビュートバンド“Symbolic”。


なんかのイベントでいいから、是非来日してほしいものだ。


で、今年のチャックへの鎮魂歌はこれ。歌じゃないけど。
美の極みというべき心揺さぶれるDEATHの名インストナンバー。
メロディアスさを主食としている偏狭メタラーに素通りされるのは一向にかまわないが、プログレッシヴなもの、インテレクチュアルなものに少しでも興味のある方には是非聴いてほしい名曲である。




今日の1曲:『Voice of the Soul』/ DEATH
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テクニカルながむしゃら感

2011年12月10日 | やっぱりメタル!!
私だってたまには最近のメタルも聴くんだ!ってところを。
某メタル雑誌で「今は亡きVOIVODの継承者」などというフレコミで紹介されていた米アリゾナ州出身のスラッシュバンド、VEKTORの2009年作の1st『BLACK FUTURE』。
購入前にヨウツベでチラっと視聴していて、なるほど、サウンドそのものはもろ80年代スラッシュの影響下のもので正に私好み、オマケにジャケットやロゴまでVOIVODの影響丸出しときてるものだから思わず飛びついてしまったわけだ。

タイトル曲の1曲目から出だしのリフワークは上々、見事にオールドスラッシュファンの心をガッチリ掴んでくる。
ドラムの音はわざとこういったチューニングにしているのだろうけど、いささか軽すぎるきらいがある。
で、ボーカルのこのヒステリックな歌唱法・・・もろシュミーアやないけ!!
ここまでくると我々に媚を売っているのではないかと勘繰ってしまうほどのわざとらしさを感じる。
演奏はいたってテクニカル。楽曲もトラックが進むごとに複雑さを増し、長尺になってくる。
ただ、これを某雑誌がいうようにプログレと言ってしまうのはいかがなものかと。これはいわゆるテクニカルスラッシュだろう。
プログレと呼ばれるものには他にはない異質さとか、そこそこの知性とかが感じられるものだが、このバンドの場合ガキんちょが自分らの演奏力にかまかけて、いたずらにテクニックをひけらかしてる風にしか聴こえない。
間奏部分のギターソロなんかよく聴くと、なんの発想力もないネオクラオタクのピロピロギターだし、ちっとも迫力のない軽いブラストビートはブラックメタルのそれに近いものがある。
もうその楽曲の中身の空っぽさにイライラしてきて、とてもじゃないけど最後まで聴いてられる作品ではない。

これを聴いてると、やはりVOIVODがいかに偉大で独特の空間を持った唯一無二のバンドであったかが窺い知れるというものだ。
「亡きVOIVODの衣鉢を継ぐ資格は十分」(某雑誌より)??
笑わせなさんな。
ギターワーク、楽曲センスともにピギーの足もとにも及んではいないだろう。

いや、いい要素はいっぱいもってるんだけどね。なんか惜しいバンドである。



今日の1曲:『BLACK FUTURE』/ VEKTOR
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ジャパーン

2011年12月06日 | まったり邦楽
限定盤はピンクケースを外すと、JPNのくり抜きから覗いている、
かしゆか・のっち・あ~ちゃんのキュートな顔が現れる。

DOOMやゆらゆら帝国など、語り継がれる偉大なアーティストにはスリーピースが多い。
しかし、今の日本の音楽シーンにはもはやそういったアーティストたちは存在しなくなってしまった。人間椅子がかろうじて残ってはいるが、彼らもすでに飽和状態にあり、これ以上の音楽的向上は望めない。
よって、この先はもうテクノポップユニットPerfumeに日本音楽シーンの未来を託すしかないのではないだろうか。
そう、彼女たちもスリーピース。


日本人向けに改良された国家戦略的K-POPや、もはや露骨に風俗化してしまっている大人数のコスプレアイドルは、同じようなんが節操もなくアホみたいに湧いてくるが、テクノアイドルという新境地を開拓し、各方面のファン層からここまで支持を受けてる清潔感を持ったアイドルグループはPerfumeぐらいのもので、しかもこの手のジャンルで他の追随を全く許してないというのはやはりスゴイというほかないし、他のアイドルとは一線を引かれるべき存在であろう。
といっても音楽面は中田ヤスタカ氏が90%ぐらい担っているのであり、3人娘の立ち振る舞い云々より、ヤスタカ氏のサウンドクリエイターとしての手腕に重点がおかれるわけだが。


前作からなんと2年4ヵ月振りとなる、ほぼシングル曲の寄せ集め的な構成のPerfumeの最新作『JPN』の初回限定盤。
Amazonで通常盤より安い値段で売っていたので、今回思わず初めて彼女たちの作品を購入してしまったわけだが。
上の写真の構図は、人生で初めてアイドルの作品をこの歳で購入してしまったことへの照れと受け取ってもらえばと。


前作『⊿』のようにアルバム全体の流れが実にスマートに構築化されてるとか、“edge”のようなマジメなテクノファンをも唸らせるクールな楽曲はほとんどなく、サビのわかりやすさ、ポップ性に重点を置いたようだ。
で、これまでのシングル曲やカップリングをパンパンに詰め込んだがゆえ、楽曲の良し悪し抜きにややバランスを欠いた全体的に散漫とした仕上がりになりさがったかなと。

ダフト・パンクっぽいしんみりとした序曲は必要性があまり感じられなかったが、のっけからハイテンションなハジけるエレクトロループが心地よい#2“レーザービーム”(キリンチューハイ氷結のCMソング)でドーパミンが噴きまくる。




前半シングル曲は、ハッキリした歌が多すぎてちょっとうるさすぎるきらいがあるが、彼女らの生歌を個別にフューチャーしたアコースティッキーな#6“時の針”は注目に値するかと。
5・7・5という古典的な形式にこだわった(といっても途中でラップが入る)タイトルそのままな#9“575”のシットリ感もグー。575の歌詞と言やぁ人間椅子の“平成朝ぼらけ”が思い起こされるが、あの曲の場合、枕詞まで徹底しているかなり凝った楽曲だったなぁ~、和嶋氏は本当に天才!って、今はそれ関係ないか。
後半はcapsuleからのお下がり的な曲もあるが、シングル曲含めテクノ的に楽しめるエレクトロナンバーが目白押しで、クオリティも高く電子音嗜好癖のある私のツボを見事についてくる。

歌詞にメールがどうのとかいう、女子高生レベルの陳腐なフレーズが頻繁にでてくるのがどうも鼻についてアホくさいが、それさえガマンすれば全体的にそこそこイケてるアルバムなんじゃないかな。




今日の1曲:『575』/ Perfume
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