「美しい村」の議員日記

南アルプス山麓・大鹿村在住。自給自足農業、在宅ワーカー、2011年春より村議会議員。

「エネルギー・環境に関する選択肢」パブリックコメント

2012年07月09日 | 脱原発
 先々週参加した首相官邸前の再稼働反対の抗議行動、先週の金曜日も雨の中、多くの人が集まって抗議行動が行われた。原発再稼働にかくも多くの人たちが反対の声を上げ続けているのは、安全対策がみんな先送りのまま、原発事故以前と何ら変わらぬ体制・体質のままの拙速な再稼働であることとともに、脱原発依存のロードマップが示されないままの再稼働で、このままなし崩し的に次々に再稼働されていくのではないかという懸念も大きい。
 そのロードマップといえる2030年を見据えた日本のエネルギー政策について、政府の「エネルギー・環境会議」が6月29日に「エネルギー・環境に関する選択肢」として三つのシナリオを提示した。2030年時点の原発の割合を「0%」「15%」「20~25%」とする三つで、これについて、この7~8月に「国民的議論」を経て決定するという。「国民的議論」の方法として、一つはホームページの整備で、「話そう“エネルギーと環境のみらい”」と題した情報提供のページが7月7日に開設された。二つ目が全国11か所で意見聴取会を開催。三つ目に7月2日~8月12日にパブリックコメントを募集。四つ目に「討論型世論調査」というものを初めて実施するそうだ。というわけで、政府が国民に広くエネルギー政策についての意見を求めている。

 この三つの選択肢には、原発の割合だけでなくて、使用済み核燃料の処理問題もセットされている。原発ゼロシナリオでは、再処理はせず、全量直接処分となっているけれども、15%、20~25%のシナリオでは再処理と直接処分の両方となっていて、非常に問題の多い再処理をやめない。また、15%シナリオというのは、40年たった原発を廃炉にしていくと大体15%くらいになるという数字で、恐らく政府はここを落としどころとしたいのだと思うけれども、このシナリオでは2030年以後の原発については何も言っていないので、その後も15%程度で維持するとすれば新設もあり得ることになってしまう。2030年なんて悠長なことは言ってられない、このまま再稼働しないで全部の原発を廃炉なんていう選択肢はないが、それはゼロシナリオを選んだ上で意見を書けばよいと思う。

 パブリックコメントは、官邸前まで出かけていかなくても、直接国民の声を届けられる機会。ホームページ上からも送信できるし、FAXや郵送でも送れる。リニアのパブコメは、反対の声がとても多かったにもかかわらず、総数も少なかったし、一応意見を聞いたという形式的なものだけで、全く無視されてしまった。期間は今月末までなので、あと3週間しかないけれども、ぜひ政府が無視できないだけの多くの声を寄せたいものだと思う。「お任せ民主主義」から脱して、一人一人が自分で考えて意見を言おう。

 パブリックコメントの案内はこちら
 政府の特設ページのほか、脱原発の立場からは「原発ゼロの未来をつくる。国民的議論の場 NO NUKES」というfacebookページが早速できているし、パブコメの書き方やみんなのパブコメが紹介されている「パブコメで未来を変えよう」というサイトもとても参考になる。自分の書いたパブコメもシェアできる。

※パブコメの期限が8月12日18時までに延長されました。