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随筆 「ギター、難曲卒業と新しい挑戦」   文科系

2016年07月22日 23時11分37秒 | 文芸作品

 ギター中興の祖の1人ソルの膨大なエチュードからセゴビアが選んだ20選曲集の第18番を2か月かかってやっと今日先生から「卒業」を貰った。ただでさえ読譜弾きが苦手な僕がギターとしては非常に珍しい♭が三つも付いた曲をやるのはもう至難の業であって、お得意の暗譜主義に頼るしかなかったのだが、この2ページの楽譜を暗譜でつっかえつっかえでも弾けるようになるのに40日近くかかった。三つ♭があるというギターでは希有の曲だから難しかったのか、僕75歳の暗譜力が落ちたからなのか、とにかく大変な苦労だった。でも、我ながらまるで自虐的なようだなと苦笑いしつつ励み続けて、とうとうここまで来たという感じ。かなりの充足感がある。

 さて、この曲をここまで弾き込んだ以上はということから、次に選んだのがこれ。バリオスの「郷愁(「悲しみ」とも訳される)のショーロ」。20世紀の前半に南米で活躍し、パリなどヨーロッパにも呼ばれて大評判になったギタリスト兼ギター作曲家の曲である。「ショーロ」というのは、ブラジル民謡のある形式というか一つのリズムというか、そういったものらしい。僕としてはこの曲への2度目の挑戦になる。09年の春に着手して以降に暗譜群(ほぼ暗譜していて、月に最低3回りほどは弾き回してきた時々出し入れもある20数曲の群である)に加えたが、どうも「難しすぎて一応の完成も出来ないだろう」と諦めて、未練を持ちつつ暗譜群から外した曲だ。外した年月日は13年11月27日。以来、3年ぶりに今日弾いてみたが全く忘れていると判明して暗譜のやり直しにかかったのだけれど、この年齢で3年のブランクは白紙の状態からの再スタートなんだなとも思い知らされたもの。
 なお、今この曲を選んだ理由は、今ならこれが弾けるなという実感があること。この曲も♭が2つついていて、おまけに低い方の弦2本をいずれも1音下げて弾く。この2本の押えが1音ずつ変わってくるというわけだ。今日まで苦労してきた前記18番と同じような複数♭楽譜暗譜の苦労をもう一度やってみようという積もりもあったし、この3年ほどで僕の奏法上の基本的悪癖二つを直した今ならこの大好きな曲を一応完成できるかも知れないという期待もある。

 この曲を完成できたら来年春の教室発表会に弾いてみようかと、これも今の大きな望みにしている。この望みが叶うかどうかは全く未知数だが、自分の中にこんな声が聞こえるのも本当なのだ。
「なーに、二つの悪癖を直してから同じバリオスの『大聖堂全3楽章』も随分楽になったことだし、何とかなるかも知れない」。ちなみに、この「大聖堂」は同じ作曲家の「郷愁のショーロ」よりも、一般には難しいとされているのである。

 日本のギターコンクールをほぼ総なめにした末にドイツでギターを学びながら、今は南米ギター曲にはまっている日本人若手ギタリストもいる昨今だが、この「郷愁のショーロ」と「大聖堂」などは、僕もとてつもなく惹かれるのである。

コメント (7)
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