九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

新聞の片隅に載ったニュースから(231)   大西五郎

2016年07月05日 17時31分02秒 | Weblog

NHK経営委員長に石原氏 政権・与党との関係 重視か(16.6.29 朝日新聞)

 NHK経営委員会は28日、経営委員でJR九州相談役の石原進氏(71)を新たな委員長に選任し、発表した。この日開かれた委員会で互選され、決定した。来年1月に籾井勝人会長(73)が任期満了となるため、籾井氏の再任を含む次期会長の選任を主導していくことになる。

 石原氏は東大卒で、1969年に国鉄入社。分割民営化後はJR九州で社長、会長を歴任した。2010年にNHK経営委員に就任。3年前の会長指名では籾井氏を推薦した経緯がある。

 NHK会長の選考がこの夏から本格化するほか、巨額の費用を見込む東京・渋谷の放送センター立替えなどの経営課題を抱えるNHK。そうした決定に大きな影響力を持つ今回の委員長選びにあたって、経営委は政権・与党と円滑な意思疎通を重視したとみられる。

 経営委員会はNHKの最高意思決定機関で、会長の任免権を持ち、会長ら執行部が提案する年間予算や経営計画を議決する。会長の選考にあたっては、7月中にも同委員会に会長指名部会を立ち上げ、年内に籾井勝人続投させるのか、新たな会長を選ぶのかを判断する。

 28日夜の就任会見で石原氏は、籾井氏再任の可能性について「今は申し上げられない」としつつ、「きちんとした行動、ガバナンスをやってほしい。誤解されるような発言がいくつかある」と指摘。一方「収支の改善などをきちんとやり、国際放送の推進などでも実績がある」と評価し、「籾井さんについては是々非々で考えていきたい」と述べた。

 新委員長選びでは、石原氏と委員長代行の日本たばこ産業顧問・本田勝彦氏の2人の間で事前の調整が難航した。経営委員の1人は「政権・与党サイドの関係者から石原氏を推薦するよう求められた」と打ち明ける。ある政権幹部は「次の会長の人選を考慮すると、石原氏の方がより政府・与党の影響を反映しやすいと判断した」と語る。

□―-―――――――――――――――――――――――――――――――――――――□

  NHK籾井会長は就任の記者会見で「政府が右と言うものを左という訳にはいかんだろう」と発言したり、熊本地震発生を受けてのNHK災害対策本部の会合で「原発については、住民の不安をいたずらにかき立てないよう、公式発表をベースに伝えるように」と指示するなど、NHKを政府の広報機関と考えているのではないかと思えるような発言が問題にされており、NHK・OBや放送関係の団体から罷免要求も出されています。石原新委員長が云うような「誤解されるような発言がいくつかあったが」で済まされるような問題ではありません。

 その上経営委員の一人が「政権・与党サイドの関係者から石原氏を推薦するよう求められた」と打ち明けた」ことやある政権幹部が「次の会長の人選を考慮すると、石原氏の方がより政府・与党の影響を反映しやすいと判断した」と語ったことはもっと問題です。

 安倍首相がTBSの番組に出演中放送の中で「アベノミクスは僕らのところには届いていない」という若い人の発言を「一方的だ」と抗議したり、高市総務相が「偏った放送をした局へは電波停止を命じることがある」と述べるなど、安倍政権の放送への介入が強まっている中で、経営委員の方たちの毅然とした態度が望まれます。             

                                        大西 五郎                                                                                                                                                                                                                                                                    

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「パクス・アメリカーナ」をこそ制すべき   文科系

2016年07月05日 11時20分56秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)

 今回の論争は非常にややこしい、手の込んだ経過を辿っている。まず、それを振り返っておきたい。
 7月1日の僕のエントリー『「産軍複合体」と手を組んだ』に、sica という人が反論コメントを書かれた。これへの反論を2日に僕がエントリーした。これに(新)名なしさんが反論コメントを書き、4日僕がこれへの反論をエントリーした。『米国の凶暴を一言も語らずに・・?』である。これに対して、この同じ名なしさんと思われる人が即日、反論コメントを書いてきた。こういう経過を経て今僕がこれを名なしさん宛てに書いているということになる。さらにややこしいことにこの(新)名なしさんの文体、作文力、発想、文意などが、sicaさんの文体と非常によく似たなかなかのものだと読めるのである。
 と、そんな経過を辿った文章に対して、こちらはこの名なしさんには何も答える義務も責任もないと最初に言っておいた。多くの名なしさんにまぎれ込み隠れた文章は無責任の確信犯と解するからだ。
 さて、それでも、こんな内容の言いっぱなしを放置するのは癪だから、僕は答える。と、まー、ここまではそんな経過なのである。

 話を分かりやすくするために、彼我の最も大きな対立点をご覧頂こう。
 僕は上記最後のエントリーで、こんな文章を書いている。この表題「米国の凶暴を一言も語らずに・・?」における、まさに触りの部分だ。
【 中国のことをこれだけ針小棒大に語ったあなた、強大すぎてしかも凶暴なアメリカの侵略性はどうして問題にしないのですか。嘘の理由開戦・イラク戦争は、米国軍隊の歴史にも、国旗にも国家にも、亡くなった5000人ほどの同国の若者たちにも真っ黒な泥をべたっと塗りつけたことになりますが? しかも、ここからイスラム国、難民も生まれたのであって、21世紀の世界を今も悩まし続けている大犯罪、大惨事です。こんなことをした国との安保法制だから怖いんです。
 こうして、中国による「大惨事」はドナルドレーガンに対抗できる原子力空母が出来てからのような未来の、しかも不確かな話ですが、「イラク戦争、シリア内戦、イスラム国、難民の群」という米国が起こした世紀の大惨事は、既に起こった話です。それを何故問題にしないのですか。】
 さて、僕の言い分そのものに対して、(新)名なしさんはどう答えたか。
【(アメリカについて触れないのは)日本にとっては脅威ではないからです。米国とは領土問題を抱えておらず、政治体制も同じ民主主義国家、そして同盟国です。その凶暴性が日本に向かう事はないでしょう。
(中略)
単に日本にとって脅威かどうかで話していますし、安全保障というものはそういうものでしょう】

 最近の日々150名ほどのここの読者諸氏は、この回答をどう読まれるだろう。と述べておいて、以下を回答としたい。

①アメリカが「脅威でない」とは、「奴隷の平和」を享受しているだけのこと。現に日本政府は嘘の理由開戦・イラク戦争に引きずり込まれたことに対して抗議一つできなかったではないか。国政においてこれへのイギリスのような反省作業一つできなかったではないか。このことは、国連に於いて日本政府が「平和」を語る資格があるのかという、恥ずかしい問題にさえなってくるはずだ。日本のこんな対米追随態度はイスラム諸国などに、例えアベがそれらの国々にお金をどれだけ出していても、面従腹背でバカにされていることだろうと、僕は確信してきた。

②この「奴隷の平和」によって日本は過去このように引き回されてきた。最初は冷戦の西側に。次いで米国が起こしたテロとの闘いに。次は、中国との闘いに? こんなふうに次々と敵を取っ替えては作っていくやり方が、アメリカの本質である。アメリカこそ現世界最大の暴力、世界平和への最悪の癌である。そもそも今、アメリカが起こしたテロに、日本がなぜ巻き込まれねばならぬのか。

③逆に自らの安全、平和のためにも、アメリカの「世界的暴力」に物を言うべきだろう。パクスアメリカーナではなく、20世紀に始まった国連による違法戦争廃絶方向を長期間かかっても復興させるべき方向で。ドイツなどとともにこういう方向を目指せる政権を日本に造るべきである。日本のような大国が①を目指してこそ、日本、世界の平和も望みうると考える。

④ちなみに、アメリカ人大哲学者ノーム・チョムスキーの世界的ベストセラー著作「覇権か生存か」にはこれと同一のアメリカ論が描かれてある。世界人民が生き残るためにこそ、アメリカの「覇権」を制御すべきだと。『9・11 アメリカに批判する資格はない』、『テロの帝国 アメリカ』という著作もあって、このことは今や、専門である言語学以上に、彼のライフワークになっている。

コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする